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第二章 出会い
25.出張買取サービス
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エイシェルとアリスは初めての依頼報酬を受け取った
「やったぁ!初めての依頼報酬だぁ!美味しいもの探さなきゃ!はい、これエイシェルの分!」
「ありがとう。村ではあまり使わなかったから色々と相場とか調べないとな。なぁアリス。この町の宿ってどのくらいかかるんだ?」
報酬を受け取ったアリスは浮かれており、美味しい料理を食べるべく気合を入れていた。
宿代がどうとかはもう頭になかった
対照的にエイシェルは使い方を考えていた。村では物々交換が普通だった為に行商人が来た時くらいしかお金を使わなかった。その為、宿泊や食事にどれくらいかかるかなどはイメージができていなかった。
参考にとアリスに質問をするエイシェルだった。
その質問にアリスが我に返ったのは言うまでもない。
その頃受付のお姉さんは買取カウンターのお兄さんに相談していた
「お願い!どうにか買取に行ってちょうだい!」
「……運搬の道具とかどこで調達するんですか……お話を聞く限り確かに抱え込みたい人材ではありますが実際に動くのは我々買取の部門なんですから……知ってるでしょ?基本なんでも買い取ってる所為で卸先が数え切れなくて手が足りないんですよ。人も少ないのに、他の冒険者も出張買取、なんて言い出したらどうするんですか?」
「う、……そこをなんとか……」
「……まぁ、あなたの顔を立ててあの子たちの話は聞いてあげます。ただ、それで受けるかどうかはこちらで判断させてもらいますよ」
「うぅ、……受けてほしいなー、なんて?」
「……やっぱりこの話は無かったことに」
「うそ!うそです!話だけでも聞いてあげて下さい!!」
受付のお姉さんは是が非でも囲い込みたかった為、ゴリ押せないか試したが、断られるとまずい為諦めたのだった。
話は聞いてもらえることになった為、受付のお姉さんはエイシェルとアリスを呼ぶ
「お待たせしました。こちらにお願いします。」
見事な営業スマイルである。
あとは若い2人に任せることにした。
「今朝は薬草の買取ありがとうございました。……とてもサービスしてもらったみたいですみません……お話を聞いていると思いますが、魔物を倒したのですが、運べずに困っているんです。そこで現地で確認して買い取っていただきたいのですが……」
アリスは朝のお礼と共に用件を話した。
「はい。伺ってます。ただ、他の冒険者にも行っていない手前、そう簡単に引き受けるわけにはいかないんですよ」
「え、そうなんですか……?」
愕然とするアリス。後ろでエイシェルも似た表情をしている。
「すごく良い状態のイノシシなんだ!見るだけでも見てくれないか!?」
基本、交渉はアリスに任せてたエイシェルも流石に焦っていた。
「……そうですね。まずは確認をしましょう。案内して下さい」
「「ありがとうございます」」
エイシェルとアリスは声を揃えてお礼を言った。ただ、どうやって買取してもらおうか考えていた。
「それで、魔物を倒したのは山のどの辺ですか?」
買取カウンターのお兄さんは確認に向かう為に場所を確認した
「倒したのは山の中腹より下くらいですが、山のふもとまでは運んだので依頼者宅近くにあります。」
「あれ?運べなかったんじゃ?」
「下り坂を転がしてきたんだ。見た方が早いと思う。」
アリスとエイシェルはお兄さんの質問にそれぞれ答える。
しばらく歩くと氷の塊が目に入った。
「……なんですか……あれは?」
「運べなかったので氷にとじこめてから転がして山を降りたんです。そのあと、平坦な道では流石に転がせなくて……」
「いや、そうではなく……そこもですが、あれはあなたが凍らせたんですか?」
「はい。中心部は完全に凍ってないので冷たい水に浸かってる状態ですけど……」
買取カウンターのお兄さんは自分が何を見ているのか分からなくなっていた。巨大なボトルシップのように巨大なイノシシが氷の玉に入っている。ある一種の芸術作品のようだった。
それをこんなに若い子供が魔法で作ったのだ。
(たしかに……この実力は本物ですね……あの方の気持ちがわかりましたよ)
お兄さんが一人納得しているとアリスが不安げに話し出す。
「あの……例えば、出張買取の場合は出張手数料をかける。とかどうでしょうか?」
アリスは苦肉の策を話し出す。報酬が減るのは嫌だったが、そもそも買い取ってもらえないと意味がない為、多少合計金額が下がったとしても買い取ってもらえるようにお願いした
「手数料ですか……それでしたら金額5枚ですね」
「そ、そんな!」
「た、高すぎないか?」
「血抜きはしてあるそうですが、解体は必要でしょう。運ぶのと解体も含めての手数料です」
買取のお兄さんはキッパリと言い放った。
銀貨5枚稼ぐのに苦労したのに、その10倍取られるなんて横暴であると2人は思った
「嫌であればこの話は無かった事にします」
買取のお兄さんが無慈悲なことを言い近寄ってくる
そしてお兄さんは2人にだけ聞こえるようにボソッと言った
(大丈夫です。悪いようにはしません。ここは話を受けて下さい)
「ぇ……?」
「む……」
アリスは混乱し、エイシェルは考え込む
お兄さんはくるりときびつを返すと今度は大きな声で話した
「そもそも、出張買取なんて特例中の特例なんです。これくらい手数料を取らないと割に合わないんですよ」
「そ、それでも高すぎるわ!」
「……いや、アリス。ここは条件をのもう」
「エイシェル!?」
「そもそも手数料の話はこっちから出したんだ。出張買取なんて普通やってくれないんだから、買い取ってもらえるだけ儲けもんだよ」
「そ、そんなぁ~……」
「ご理解ありがとうございます。私は査定に入りますので少し見せて下さい」
そういうとお兄さんは氷の塊を吟味するように見てまわった。
「やったぁ!初めての依頼報酬だぁ!美味しいもの探さなきゃ!はい、これエイシェルの分!」
「ありがとう。村ではあまり使わなかったから色々と相場とか調べないとな。なぁアリス。この町の宿ってどのくらいかかるんだ?」
報酬を受け取ったアリスは浮かれており、美味しい料理を食べるべく気合を入れていた。
宿代がどうとかはもう頭になかった
対照的にエイシェルは使い方を考えていた。村では物々交換が普通だった為に行商人が来た時くらいしかお金を使わなかった。その為、宿泊や食事にどれくらいかかるかなどはイメージができていなかった。
参考にとアリスに質問をするエイシェルだった。
その質問にアリスが我に返ったのは言うまでもない。
その頃受付のお姉さんは買取カウンターのお兄さんに相談していた
「お願い!どうにか買取に行ってちょうだい!」
「……運搬の道具とかどこで調達するんですか……お話を聞く限り確かに抱え込みたい人材ではありますが実際に動くのは我々買取の部門なんですから……知ってるでしょ?基本なんでも買い取ってる所為で卸先が数え切れなくて手が足りないんですよ。人も少ないのに、他の冒険者も出張買取、なんて言い出したらどうするんですか?」
「う、……そこをなんとか……」
「……まぁ、あなたの顔を立ててあの子たちの話は聞いてあげます。ただ、それで受けるかどうかはこちらで判断させてもらいますよ」
「うぅ、……受けてほしいなー、なんて?」
「……やっぱりこの話は無かったことに」
「うそ!うそです!話だけでも聞いてあげて下さい!!」
受付のお姉さんは是が非でも囲い込みたかった為、ゴリ押せないか試したが、断られるとまずい為諦めたのだった。
話は聞いてもらえることになった為、受付のお姉さんはエイシェルとアリスを呼ぶ
「お待たせしました。こちらにお願いします。」
見事な営業スマイルである。
あとは若い2人に任せることにした。
「今朝は薬草の買取ありがとうございました。……とてもサービスしてもらったみたいですみません……お話を聞いていると思いますが、魔物を倒したのですが、運べずに困っているんです。そこで現地で確認して買い取っていただきたいのですが……」
アリスは朝のお礼と共に用件を話した。
「はい。伺ってます。ただ、他の冒険者にも行っていない手前、そう簡単に引き受けるわけにはいかないんですよ」
「え、そうなんですか……?」
愕然とするアリス。後ろでエイシェルも似た表情をしている。
「すごく良い状態のイノシシなんだ!見るだけでも見てくれないか!?」
基本、交渉はアリスに任せてたエイシェルも流石に焦っていた。
「……そうですね。まずは確認をしましょう。案内して下さい」
「「ありがとうございます」」
エイシェルとアリスは声を揃えてお礼を言った。ただ、どうやって買取してもらおうか考えていた。
「それで、魔物を倒したのは山のどの辺ですか?」
買取カウンターのお兄さんは確認に向かう為に場所を確認した
「倒したのは山の中腹より下くらいですが、山のふもとまでは運んだので依頼者宅近くにあります。」
「あれ?運べなかったんじゃ?」
「下り坂を転がしてきたんだ。見た方が早いと思う。」
アリスとエイシェルはお兄さんの質問にそれぞれ答える。
しばらく歩くと氷の塊が目に入った。
「……なんですか……あれは?」
「運べなかったので氷にとじこめてから転がして山を降りたんです。そのあと、平坦な道では流石に転がせなくて……」
「いや、そうではなく……そこもですが、あれはあなたが凍らせたんですか?」
「はい。中心部は完全に凍ってないので冷たい水に浸かってる状態ですけど……」
買取カウンターのお兄さんは自分が何を見ているのか分からなくなっていた。巨大なボトルシップのように巨大なイノシシが氷の玉に入っている。ある一種の芸術作品のようだった。
それをこんなに若い子供が魔法で作ったのだ。
(たしかに……この実力は本物ですね……あの方の気持ちがわかりましたよ)
お兄さんが一人納得しているとアリスが不安げに話し出す。
「あの……例えば、出張買取の場合は出張手数料をかける。とかどうでしょうか?」
アリスは苦肉の策を話し出す。報酬が減るのは嫌だったが、そもそも買い取ってもらえないと意味がない為、多少合計金額が下がったとしても買い取ってもらえるようにお願いした
「手数料ですか……それでしたら金額5枚ですね」
「そ、そんな!」
「た、高すぎないか?」
「血抜きはしてあるそうですが、解体は必要でしょう。運ぶのと解体も含めての手数料です」
買取のお兄さんはキッパリと言い放った。
銀貨5枚稼ぐのに苦労したのに、その10倍取られるなんて横暴であると2人は思った
「嫌であればこの話は無かった事にします」
買取のお兄さんが無慈悲なことを言い近寄ってくる
そしてお兄さんは2人にだけ聞こえるようにボソッと言った
(大丈夫です。悪いようにはしません。ここは話を受けて下さい)
「ぇ……?」
「む……」
アリスは混乱し、エイシェルは考え込む
お兄さんはくるりときびつを返すと今度は大きな声で話した
「そもそも、出張買取なんて特例中の特例なんです。これくらい手数料を取らないと割に合わないんですよ」
「そ、それでも高すぎるわ!」
「……いや、アリス。ここは条件をのもう」
「エイシェル!?」
「そもそも手数料の話はこっちから出したんだ。出張買取なんて普通やってくれないんだから、買い取ってもらえるだけ儲けもんだよ」
「そ、そんなぁ~……」
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そういうとお兄さんは氷の塊を吟味するように見てまわった。
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