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第三章 王都への旅
40.助け待ち
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少ししたらエイシェルは落ち着き、恥ずかしそうに顔をあげる
「……なんか、ごめんな。もう大丈夫だ」
「そ、そう?それじゃあここから出ましょうか!」
(思わず抱きしめちゃったけど……めちゃくちゃ恥ずかしかった!!)
アリスはエイシェルを落ち着かせようとしたが、冷静に考えてかなり恥ずかしい状況である事に気づいた。
気づいた時にはもう時既に遅し。身動きが取れない状態だったのだ。
エイシェルが落ち着いたとこで話題を切り替えるかのように脱出を提案する。
「そうだな、きっと3人も心配してる。大声でもあげてみるか?」
「そうね!遅くなったけど無事だって知らせないと」
エイシェルとアリスは地上にいる3人に向かって叫ぶ事にした。
~フルーム視点~
しばらく木の根元に座り込み震えていると物音がしなくなった。
どうやらあの大きな白蛇は遠ざかったようだ。
それでも身体の震えが止まらない。白蛇が怖くて震えているのではなく、2人を見殺しにしてしまった事に恐れ震えているのだ。
「私は…なんてことを……せめて、蛇の気を逸らすことが出来れば2人は逃げれたかもしれないのに……」
先程からずっとこの繰り返しだった。
あの状況からフラムが何をしても2人が助からないのは分かっている。それでも"何もしなかった"自分を悔いているのだった。
『おーい』
『フラムー?フルームー?メルカさーん?誰かいますかー?』
そうこうしていると穴から声が聞こえてきた。最初は幻聴かと思っていたフラムだが、幻聴ではないと分かると飛び跳ねるように起き上がり急いで穴の中を確認した。
すると、そこに元気そうな2人の姿を見つけた。
「あぁ……あぁ……!よかった……!ほんとうに……!!」
フラムは2人が無事だとわかり、とても嬉しかった。ただ、嬉しいと思うのと同時に後ろめたさも感じた。
ただ、今は2人を地上にあげるのが先である。フラムは気持ちの整理を全て片付いてからする事にした。
「怪我とかしてない!?大丈夫??」
『フラムか?大丈夫!2人とも無傷だ!』
フラムの問いかけにエイシェルが答える。
見た目で怪我は無さそうと分かっていても聞かずにはいられなかった。
「今、フルームとメルカさんがロープもってくるから、もう少し待ってて!」
『ありがとー!』
2人の無事を確認できたフラムに今出来ることはなかった。あとはフルームとメルカを待つ事にした。
~フルーム、メルカ視点~
荷台を回収した2人は崩落した場所へ戻る途中だった。
「少し時間かかってしまいましたね……早く戻らないと3人とも待ちくたびれちゃいます」
「うん……」
メルカは行きも帰りもフルームを励まし続けた。フルームがずっと上の空なのだ。
「あの2人なら大丈夫ですよ。きっと、ちょっとトラブルあったけど何ともない。といった反応で帰ってきますよ」
「うん……」
気のない返事をするフルーム。なにも2人の無事を信じていないわけではないのだ。
むしろ、2人が無事であると信じているから行動を起こしたわけである。
では、なにがフルームを悩ませるのか?
……それはアリスであった。
(なんで、あんなに自然に飛び込めたんだろう……距離が近かったから?ううん、関係ない。誰だって自分の命が惜しい。ましてや昨日会ったばかりの人なのに命を張れるなんて……。どうしたらあんなに自然に……?)
フルームはすぐに動けなかった自分が情けなく感じていた。
そして、昨日出会ったばかりのエイシェルに対して、何の躊躇もなく命を張れるアリスが分からなくなったのだ。
最初はアリスがエイシェルのことが好きなのかな程度にしか考えてなかったが、それだけであの行動はあまりにも異常であった。
……そして、フルームはその異常さに憧れを抱いてしまったのだ。
(わたしも……誰かを助ける時に躊躇なんてしたくない!……そんなカッコ悪いこともうしたくない!)
フルームは自分に足りないものは何か考えながら荷台に揺られていた。
すると前方の海の方に何か大きな影が現れた。
陸の底から現れ海へ去っていく。
「あれは!?海から近づいていたやつか!?まさかまだここにいたとは……!?」
「……地下に入る入り口があった……?!」
フルームは最悪な想像をしてしまった。
「メルカさん!はやく!2人に何かあったかもしれない!!」
「お、おぅ、俺の馬……もう少し耐えてくれよ……!」
メルカとフルームは3人の元へ急いだ。
そんなこんなしていると次第に空が明るくなり始めるのだった。
「……なんか、ごめんな。もう大丈夫だ」
「そ、そう?それじゃあここから出ましょうか!」
(思わず抱きしめちゃったけど……めちゃくちゃ恥ずかしかった!!)
アリスはエイシェルを落ち着かせようとしたが、冷静に考えてかなり恥ずかしい状況である事に気づいた。
気づいた時にはもう時既に遅し。身動きが取れない状態だったのだ。
エイシェルが落ち着いたとこで話題を切り替えるかのように脱出を提案する。
「そうだな、きっと3人も心配してる。大声でもあげてみるか?」
「そうね!遅くなったけど無事だって知らせないと」
エイシェルとアリスは地上にいる3人に向かって叫ぶ事にした。
~フルーム視点~
しばらく木の根元に座り込み震えていると物音がしなくなった。
どうやらあの大きな白蛇は遠ざかったようだ。
それでも身体の震えが止まらない。白蛇が怖くて震えているのではなく、2人を見殺しにしてしまった事に恐れ震えているのだ。
「私は…なんてことを……せめて、蛇の気を逸らすことが出来れば2人は逃げれたかもしれないのに……」
先程からずっとこの繰り返しだった。
あの状況からフラムが何をしても2人が助からないのは分かっている。それでも"何もしなかった"自分を悔いているのだった。
『おーい』
『フラムー?フルームー?メルカさーん?誰かいますかー?』
そうこうしていると穴から声が聞こえてきた。最初は幻聴かと思っていたフラムだが、幻聴ではないと分かると飛び跳ねるように起き上がり急いで穴の中を確認した。
すると、そこに元気そうな2人の姿を見つけた。
「あぁ……あぁ……!よかった……!ほんとうに……!!」
フラムは2人が無事だとわかり、とても嬉しかった。ただ、嬉しいと思うのと同時に後ろめたさも感じた。
ただ、今は2人を地上にあげるのが先である。フラムは気持ちの整理を全て片付いてからする事にした。
「怪我とかしてない!?大丈夫??」
『フラムか?大丈夫!2人とも無傷だ!』
フラムの問いかけにエイシェルが答える。
見た目で怪我は無さそうと分かっていても聞かずにはいられなかった。
「今、フルームとメルカさんがロープもってくるから、もう少し待ってて!」
『ありがとー!』
2人の無事を確認できたフラムに今出来ることはなかった。あとはフルームとメルカを待つ事にした。
~フルーム、メルカ視点~
荷台を回収した2人は崩落した場所へ戻る途中だった。
「少し時間かかってしまいましたね……早く戻らないと3人とも待ちくたびれちゃいます」
「うん……」
メルカは行きも帰りもフルームを励まし続けた。フルームがずっと上の空なのだ。
「あの2人なら大丈夫ですよ。きっと、ちょっとトラブルあったけど何ともない。といった反応で帰ってきますよ」
「うん……」
気のない返事をするフルーム。なにも2人の無事を信じていないわけではないのだ。
むしろ、2人が無事であると信じているから行動を起こしたわけである。
では、なにがフルームを悩ませるのか?
……それはアリスであった。
(なんで、あんなに自然に飛び込めたんだろう……距離が近かったから?ううん、関係ない。誰だって自分の命が惜しい。ましてや昨日会ったばかりの人なのに命を張れるなんて……。どうしたらあんなに自然に……?)
フルームはすぐに動けなかった自分が情けなく感じていた。
そして、昨日出会ったばかりのエイシェルに対して、何の躊躇もなく命を張れるアリスが分からなくなったのだ。
最初はアリスがエイシェルのことが好きなのかな程度にしか考えてなかったが、それだけであの行動はあまりにも異常であった。
……そして、フルームはその異常さに憧れを抱いてしまったのだ。
(わたしも……誰かを助ける時に躊躇なんてしたくない!……そんなカッコ悪いこともうしたくない!)
フルームは自分に足りないものは何か考えながら荷台に揺られていた。
すると前方の海の方に何か大きな影が現れた。
陸の底から現れ海へ去っていく。
「あれは!?海から近づいていたやつか!?まさかまだここにいたとは……!?」
「……地下に入る入り口があった……?!」
フルームは最悪な想像をしてしまった。
「メルカさん!はやく!2人に何かあったかもしれない!!」
「お、おぅ、俺の馬……もう少し耐えてくれよ……!」
メルカとフルームは3人の元へ急いだ。
そんなこんなしていると次第に空が明るくなり始めるのだった。
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