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第三章 王都への旅
65.普通の収集依頼
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ウルフの群れを討伐した後、お昼ご飯を済ませた4人は午後にできる依頼を確認していた。
「さて!午後はどの依頼をやりましょうか!」
午前の依頼がサクッと終わった為、アリスは午後の依頼も頑張ろうと意気込んでいた。
……と言うよりかは午前はほとんどやる事が無かったので午後こそはと思っているのだ。
「あ!これすごいよ!?やってみない?」
フルームが興奮気味に指を刺す。
その指の先にあった依頼内容をエイシェルが読み上げた。……少しだけ。
「なになに……ワイバーン討伐。却下で」
「はやっ!そして扱い酷くない!?」
エイシェルはフルームの提案を依頼書のタイトルを見ただけで却下した。
ワイバーンは有名な魔物である。危険なのは明らかだった。
「いや……だってワイバーンって一応竜種だろ?わざわざ危険な依頼を受ける必要は無いと思うんだ」
「えー、私達ならきっと大丈夫だよ!ドラゴン討伐パーティーの子どもパーティーだよ?」
「憧れるのは分かるけどやめておきなさい。私達は私達よ」
フルームは自分たちがドラゴン討伐にパーティーの子どもの集まりと分かってから自分達もドラゴン討伐の実績が欲しかったのだ。
ワイバーンは亜竜でありフルームがイメージしているドラゴンとは強さが段違いで格下だったが竜種の討伐の実績として箔を付けたかった。
ただ、エイシェルとフラムは反対する。
ドラゴンと比べ格下とはいえ竜種なのだ。
普通の魔物と比べると当然強いに決まっている。
現実的に今無理をして受けるような依頼ではなかった。
「むー……ワイバーン討伐出来たらかっこいいのに……」
「今日はこれにしとかないか?きのこ狩り」
「またそういうの選ぶ……」
「私は構わないけどね。またエイシェルが教えてくれるんでしょ?」
フルームが不貞腐れている中、エイシェルが他の依頼を提案する。
先日山菜集めをしたばかりであったためアリスが少し不満そうな声を上げる。
フラムは前回サクサク山菜を集めていたことをあり今回も抵抗は無かった。
「もちろん。触るだけで危ない毒キノコとかもあるから見つけたらまず声をかけてくれ」
「分かったわ」
「また山登りなのね……」
「こうなったらバリバリ集めるぞー!」
最初にやる気に満ち溢れていたアリスがまた山に入ると思うとテンションが下がってしまった。
そんな事には構わずフルームまでやる気になり4人はきのこ狩りの依頼を受ける事にした。
今度はエイシェルがセラスに依頼書を持っていく。
「……あなた達、今度は何を受けるのかしら……?」
「このきのこ狩りの依頼ですよ。……なにを調べてるんですか?」
セラスはエイシェルが受ける依頼を見ると何やら調べ出した。
「きのこ狩りっていうからまた南の山に入るんでしょ?あなた達昨日も魔物に遭遇していたから今日も南の山で討伐依頼なかったか調べているだけよ。あなた達なぜかよく魔物に遭遇するから……」
セラスは疲れた顔をしてエイシェルの質問に答える。
昨日のウサギモドキの時と同じ採集依頼で山に入るのだ。
採集なのにまた魔物を討伐してきてもおかしくなかった。
このパーティーは何かしでかす。セラスにはそんな固定観念が植え付けられているのである。
今回は流石に事前に分かるような脅威はなかった。
そんなホイホイと同じ場所で危険な魔物が出ていてはたまらない。
「南の山には他の討伐依頼は来てないわね……。はい、受付完了です。気をつけてくださいね」
セラスはそう言うと心配になりながらもエイシェル達を送り出す。
エイシェルは例の如く自分の籠を回収してから再度4人集まり、きのこ狩りの依頼人の元へ向かった。
4人は依頼人に受注報告を終えると早速山へ向かった。
「2日連続でこの山に来るなんて思わなかったわ……」
「そうだな。この山に来たのはこれで3度目か」
「じゃあ明日は別の山に行く?」
「たぶん、アリスはそういうことを言ってるわけじゃないと思う……」
アリスは山を登るのが得意ではなく、昨日もやっとのことで登っていたので今日も来る事になるとは思ってなかったのだ。
アリスの言葉を聞いたフルームは冗談を言い、フラムが突っ込んだ。
「正直、三日連続で山に入るのはわたしの体力がもたないわ……明日は山に行かない依頼にしない?」
「そうだな。こうも連日だと疲れちゃうか。また明日見てみよう」
「ありがとう!」
流石に三日連続で山に入るとなると身体がもたないとアリスは正直に話した。
エイシェルもアリスの体力のことは気にかけてはいたが、あくまでエイシェル基準での話である。
フラムもフルームも薬草収集の時にエイシェルのダッシュに少し遅れるものの体力的について来れていた。
その為、休み休み歩けば連続で山に入るのは問題ないと思っていたのだ。
……しかし、アリスの体力のなさはエイシェルの想像を遥かに超えているのだ。
(朝の討伐依頼で本当に何も出来なかったから言い出せなかったけど足に力が入りにくいのよね……今日歩いて帰れるかしら……)
アリスは朝台車で運ばれて休んでいた手前何も言えなかったが、正直二日目の今日は果たして無事に帰れるか不安になっていた。
アリスが不安に思いながら3人について行くと山に入ってすぐにエイシェルが話し出した。
「今回の依頼は食べれれば種類はなんでもいいってことだったから、ふもとに生えてるきのこを取ろうと思う」
「山の上のほうとかじゃなくてもいいの?」
「ジメジメしてるようなところであれば生えてくるから問題ない。きのこは倒木とか枯れ木とかからも生えてくるんだ。幸いというか、この前までイノシシが暴れ回ってたからそこら辺倒木だらけだ。イノシシ討伐の時も昨日もきのこがそこら中に生えてるのは見たからすぐ集まると思う。この山はきのこ狩りしやすい山だと思うよ」
「それなら、わたしでもできるかしら……」
「エイシェルって山の中だとすごく頼もしいわね」
「山の中だと、は余計だ」
エイシェルの方針を聞いたフルームが質問するとエイシェルか懇切丁寧に説明をする。
その説明を聞いたアリスは先程までの不安が払拭され自分でも出来そうだと希望を見出していた。
フラムがエイシェルを褒めたがエイシェルがツッコミを入れて4人は笑いあった。
そんな和やかなムードできのこ狩りが始まった。
「エイシェル?この赤くてうにょうにょしてるのってきのこ?たべれる?」
「フルーム……なんかそれ毒々しいけど大丈夫なの?」
「な!?触るな!」
「「え!?」」
「それはカエンタケっていって猛毒のきのこだ。こいつだけは触っただけでも毒が回るから気をつけて!万が一食べてしまうとまず助からない。……助かったとしても後遺症でまともな生活が出来なくなるらしい」
「……ひぇ」
フルームが珍しいものを見つけたと意気揚々と近づくがエイシェルに止められ、説明を聞いて青ざめる。
フラムとフルームの知識では毒きのこと言えば食べてしまうと毒にあたるくらいとなっており、事前にエイシェルに言われていたとはいえ、触っただけでも毒がまわるものがここにあるとは思わなかったのである。
エイシェルが叫ばなければ危うく触ってしまっていたかもしれなかった。
「……味はどうなのかしら……?」
そんな中でアリスがとんでもないことを言い出す。
これで死ぬほど美味いとか言われたら食べかねない。
だが、幸いにも似た考えの先人が犠牲になっていたようだ。
「過去におれの村で食べた人がいたらしいけど……めちゃくちゃ苦かったらしいぞ。……絶対に食べるなよ?」
「あ、当たり前じゃない。ちょっと気になっただけよ……」
エイシェルがジト目でアリスを見る。
きのこ狩り中は絶対にアリスから目を離してはいけないと思うエイシェルであった。
その後は何事もなく食用のきのこを選び集める事ができた。籠いっぱいに集めた頃には日が傾き始めていた。
依頼人にきのこを渡して受付証明書にサインをしてもらうとそのままギルドに向かった。
「あら、あなた達……その籠に何か入ってるとかは無いわよね……?」
「今は籠の中はカラですよ」
セラスは疑心暗鬼になっていたが特に何もなく無事に依頼を達成する事が出来たのだった。
普通に依頼を受けて、普通に依頼を達成する1日。そんな当たり前な日がここ数日無かったように感じられた。
もしかするとアリスとエイシェルにとっては初めて受けたイノシシの魔物討伐以来かもしれなかった。
ギルドを出た一行はそれぞれ宿に帰り明日に備えるのだった。
「今日の依頼はサクッと終わったな。こんなにスムーズに終わったの初めてじゃないか?」
「ほんと、こんなに簡単に終わる日もあるのね?」
「……ねぇ、お姉ちゃん?私達今までずっと今日みたいな一日だったと思うの。これが普通じゃないのかな……?」
「フルーム……同じことを思ってたわ……」
フラムとフルームはイレギュラーの起きない日がこれからも続きますようにと願うのだった。
「さて!午後はどの依頼をやりましょうか!」
午前の依頼がサクッと終わった為、アリスは午後の依頼も頑張ろうと意気込んでいた。
……と言うよりかは午前はほとんどやる事が無かったので午後こそはと思っているのだ。
「あ!これすごいよ!?やってみない?」
フルームが興奮気味に指を刺す。
その指の先にあった依頼内容をエイシェルが読み上げた。……少しだけ。
「なになに……ワイバーン討伐。却下で」
「はやっ!そして扱い酷くない!?」
エイシェルはフルームの提案を依頼書のタイトルを見ただけで却下した。
ワイバーンは有名な魔物である。危険なのは明らかだった。
「いや……だってワイバーンって一応竜種だろ?わざわざ危険な依頼を受ける必要は無いと思うんだ」
「えー、私達ならきっと大丈夫だよ!ドラゴン討伐パーティーの子どもパーティーだよ?」
「憧れるのは分かるけどやめておきなさい。私達は私達よ」
フルームは自分たちがドラゴン討伐にパーティーの子どもの集まりと分かってから自分達もドラゴン討伐の実績が欲しかったのだ。
ワイバーンは亜竜でありフルームがイメージしているドラゴンとは強さが段違いで格下だったが竜種の討伐の実績として箔を付けたかった。
ただ、エイシェルとフラムは反対する。
ドラゴンと比べ格下とはいえ竜種なのだ。
普通の魔物と比べると当然強いに決まっている。
現実的に今無理をして受けるような依頼ではなかった。
「むー……ワイバーン討伐出来たらかっこいいのに……」
「今日はこれにしとかないか?きのこ狩り」
「またそういうの選ぶ……」
「私は構わないけどね。またエイシェルが教えてくれるんでしょ?」
フルームが不貞腐れている中、エイシェルが他の依頼を提案する。
先日山菜集めをしたばかりであったためアリスが少し不満そうな声を上げる。
フラムは前回サクサク山菜を集めていたことをあり今回も抵抗は無かった。
「もちろん。触るだけで危ない毒キノコとかもあるから見つけたらまず声をかけてくれ」
「分かったわ」
「また山登りなのね……」
「こうなったらバリバリ集めるぞー!」
最初にやる気に満ち溢れていたアリスがまた山に入ると思うとテンションが下がってしまった。
そんな事には構わずフルームまでやる気になり4人はきのこ狩りの依頼を受ける事にした。
今度はエイシェルがセラスに依頼書を持っていく。
「……あなた達、今度は何を受けるのかしら……?」
「このきのこ狩りの依頼ですよ。……なにを調べてるんですか?」
セラスはエイシェルが受ける依頼を見ると何やら調べ出した。
「きのこ狩りっていうからまた南の山に入るんでしょ?あなた達昨日も魔物に遭遇していたから今日も南の山で討伐依頼なかったか調べているだけよ。あなた達なぜかよく魔物に遭遇するから……」
セラスは疲れた顔をしてエイシェルの質問に答える。
昨日のウサギモドキの時と同じ採集依頼で山に入るのだ。
採集なのにまた魔物を討伐してきてもおかしくなかった。
このパーティーは何かしでかす。セラスにはそんな固定観念が植え付けられているのである。
今回は流石に事前に分かるような脅威はなかった。
そんなホイホイと同じ場所で危険な魔物が出ていてはたまらない。
「南の山には他の討伐依頼は来てないわね……。はい、受付完了です。気をつけてくださいね」
セラスはそう言うと心配になりながらもエイシェル達を送り出す。
エイシェルは例の如く自分の籠を回収してから再度4人集まり、きのこ狩りの依頼人の元へ向かった。
4人は依頼人に受注報告を終えると早速山へ向かった。
「2日連続でこの山に来るなんて思わなかったわ……」
「そうだな。この山に来たのはこれで3度目か」
「じゃあ明日は別の山に行く?」
「たぶん、アリスはそういうことを言ってるわけじゃないと思う……」
アリスは山を登るのが得意ではなく、昨日もやっとのことで登っていたので今日も来る事になるとは思ってなかったのだ。
アリスの言葉を聞いたフルームは冗談を言い、フラムが突っ込んだ。
「正直、三日連続で山に入るのはわたしの体力がもたないわ……明日は山に行かない依頼にしない?」
「そうだな。こうも連日だと疲れちゃうか。また明日見てみよう」
「ありがとう!」
流石に三日連続で山に入るとなると身体がもたないとアリスは正直に話した。
エイシェルもアリスの体力のことは気にかけてはいたが、あくまでエイシェル基準での話である。
フラムもフルームも薬草収集の時にエイシェルのダッシュに少し遅れるものの体力的について来れていた。
その為、休み休み歩けば連続で山に入るのは問題ないと思っていたのだ。
……しかし、アリスの体力のなさはエイシェルの想像を遥かに超えているのだ。
(朝の討伐依頼で本当に何も出来なかったから言い出せなかったけど足に力が入りにくいのよね……今日歩いて帰れるかしら……)
アリスは朝台車で運ばれて休んでいた手前何も言えなかったが、正直二日目の今日は果たして無事に帰れるか不安になっていた。
アリスが不安に思いながら3人について行くと山に入ってすぐにエイシェルが話し出した。
「今回の依頼は食べれれば種類はなんでもいいってことだったから、ふもとに生えてるきのこを取ろうと思う」
「山の上のほうとかじゃなくてもいいの?」
「ジメジメしてるようなところであれば生えてくるから問題ない。きのこは倒木とか枯れ木とかからも生えてくるんだ。幸いというか、この前までイノシシが暴れ回ってたからそこら辺倒木だらけだ。イノシシ討伐の時も昨日もきのこがそこら中に生えてるのは見たからすぐ集まると思う。この山はきのこ狩りしやすい山だと思うよ」
「それなら、わたしでもできるかしら……」
「エイシェルって山の中だとすごく頼もしいわね」
「山の中だと、は余計だ」
エイシェルの方針を聞いたフルームが質問するとエイシェルか懇切丁寧に説明をする。
その説明を聞いたアリスは先程までの不安が払拭され自分でも出来そうだと希望を見出していた。
フラムがエイシェルを褒めたがエイシェルがツッコミを入れて4人は笑いあった。
そんな和やかなムードできのこ狩りが始まった。
「エイシェル?この赤くてうにょうにょしてるのってきのこ?たべれる?」
「フルーム……なんかそれ毒々しいけど大丈夫なの?」
「な!?触るな!」
「「え!?」」
「それはカエンタケっていって猛毒のきのこだ。こいつだけは触っただけでも毒が回るから気をつけて!万が一食べてしまうとまず助からない。……助かったとしても後遺症でまともな生活が出来なくなるらしい」
「……ひぇ」
フルームが珍しいものを見つけたと意気揚々と近づくがエイシェルに止められ、説明を聞いて青ざめる。
フラムとフルームの知識では毒きのこと言えば食べてしまうと毒にあたるくらいとなっており、事前にエイシェルに言われていたとはいえ、触っただけでも毒がまわるものがここにあるとは思わなかったのである。
エイシェルが叫ばなければ危うく触ってしまっていたかもしれなかった。
「……味はどうなのかしら……?」
そんな中でアリスがとんでもないことを言い出す。
これで死ぬほど美味いとか言われたら食べかねない。
だが、幸いにも似た考えの先人が犠牲になっていたようだ。
「過去におれの村で食べた人がいたらしいけど……めちゃくちゃ苦かったらしいぞ。……絶対に食べるなよ?」
「あ、当たり前じゃない。ちょっと気になっただけよ……」
エイシェルがジト目でアリスを見る。
きのこ狩り中は絶対にアリスから目を離してはいけないと思うエイシェルであった。
その後は何事もなく食用のきのこを選び集める事ができた。籠いっぱいに集めた頃には日が傾き始めていた。
依頼人にきのこを渡して受付証明書にサインをしてもらうとそのままギルドに向かった。
「あら、あなた達……その籠に何か入ってるとかは無いわよね……?」
「今は籠の中はカラですよ」
セラスは疑心暗鬼になっていたが特に何もなく無事に依頼を達成する事が出来たのだった。
普通に依頼を受けて、普通に依頼を達成する1日。そんな当たり前な日がここ数日無かったように感じられた。
もしかするとアリスとエイシェルにとっては初めて受けたイノシシの魔物討伐以来かもしれなかった。
ギルドを出た一行はそれぞれ宿に帰り明日に備えるのだった。
「今日の依頼はサクッと終わったな。こんなにスムーズに終わったの初めてじゃないか?」
「ほんと、こんなに簡単に終わる日もあるのね?」
「……ねぇ、お姉ちゃん?私達今までずっと今日みたいな一日だったと思うの。これが普通じゃないのかな……?」
「フルーム……同じことを思ってたわ……」
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