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第三章 王都への旅
85.乗船
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朝食を食べ終わった4人は店を出て船着場に到着した。
「うぅ……胃が燃えてるような気持ち悪さが……」
「1番辛いのなんて頼むからよ……船に乗ったら少し休んだら?」
「そうする……」
「アリスのヒールも効かないもんな」
「一度は良くなるみたいだけど、すぐ元に戻るって言うし……多分お腹にある物をどうにかしないと回復させても意味がないんだと思う……」
「1日で治るといいわね」
フルームは結局完食することができたが、そのかわり体調が絶不調になった。解決策がないため時間が解決する事を祈るフルーム。
そんなところにメルカが現れた。
「おや、皆さんお揃いで。……フルームさんはどうされたんですか?」
「気にしないでください。さっきカレー屋で1番辛いのを食べたせいでお腹の調子が悪くなっただけです。」
「……お姉ちゃんにはもっと気にしてくれてもいいと思う……。メルカさん?こう言う時に効くクスリとか持ってない……?」
「辛い物を食べたときに効くクスリですか……。そういう用途では無いかもしれませんが、お腹の調子を整えるクスリが有りますね。王都でしか売って無い物ですが、私の持ち合わせでよければお譲りしましょう」
そう言うとメルカは自分の荷物から小さな瓶を取り出した。
4人が見たこともない白い豆粒のようなものが中に入っている。
「あれ、飲み物じゃないんですね?」
「えぇ、なんでも水と一緒に飲むことによって、お腹の中で溶けて効果が出てくるとか。ここらではクスリと言ったら飲み物ですが、こう言った薬もあるようです。ただ、これは王都でしか売ってないんですよ。王都以外で売ることは禁じられていて商人としては悲しい限りです」
メルカはクスリの説明をし、心底残念そうな顔をする。
それもそのはずであった。
一般的に知られているクスリはセルロが作っていた回復薬のように植物などから有効な成分を水に抽出した物である。
品質によって多少のばらつきはあるが、効果が保たれるのは約3ヶ月程である。その為商人は売れる量をあらかじめ予想して溜め込みすぎないようにしなければならない。
しかし、このクスリは2年は効果が保たれると言う。瓶の中は乾燥しており、よほどひどい環境下で開けない限り腐敗することは無いだろう。まさに画期的な商品だが、王都以外で売る事を禁止されている為、メルカは仕入れて外で売ることができないのだ。
過去に隠れて販売した商人がいたと言うが、家が火事になり亡くなってしまっただの、いつの間にか行方不明になっただのきな臭い噂がある。
その為誰も手を出そうとはしないのだ。
さらに、その製法は秘匿され、誰が作っているのかも分からない。ただ、王都の一部の薬屋でしか買えないと言うことしか分からないのだった。
そんな事情は知らないフルームだったが、王都でしか買えないと言うだけでも貴重な物だと分かった。
「そんな貴重な物……貰っていいの?せめて代金くらいは……」
「いえ、代金を貰ったらそれすなわち商売です。王都の外での販売は禁止されてるんですよ。一緒にロープを取りに戻った仲ですから貰ってください。あげる分には商売じゃありませんから」
半ばこじつけにしか聞こえないセリフだったがメルカにとっては本心だった。
単純にフルームの助けになればと思ったのは間違いないが、販売禁止がどこまでのことを言うのかもまた分からない為、少しでも危ない橋を渡らないようにと思ったのもあった。
メルカにそう言われたフルームはそれでも断るのは失礼だと感じクスリを貰うことにした。
「そう言うことなら……メルカさん、ありがとうございます……。早速飲ませてもらいますね、ウォーターボール」
フルームはそう言うと一口サイズの水を魔法で生み出し、クスリを一錠口に入れて水と一緒に飲み込んだ。
フルームは夜中に3人で練習した際に水の魔法のコツを掴み、自分の魔力でも精密に操ることが出来る様になっていた。
それこそ作った水をコップ無しで飲み干せるくらいに。
「ほぅ、器用ですな……。剣の腕前もさることながら魔法もそんなに精密に使えるのですね……」
「練習したからね……コツが分かればメルカさんもすぐにできるよ……」
「普通はそのコツを掴むのに何年も修行するのだと思いますが……」
全くメルカの言う通りであった。しかし、それは通常、魔法に使える魔力量が限られているからである。
多くの人は魔法の使いすぎで気分が悪くなる為、自然と変換する魔力量をセーブしてしまうのだ。結果、精密な魔法を使おうと思ってもイメージした魔法に対して必要な魔力が足りずうまく魔法を発動することができない。
竜玉を使えば魔法のイメージに必要以上の魔力を使うことができる。そこから微調整をしてイメージを完成させ、自分の魔力量がどれだけロスするのかを理解する。あとはそのロスを見越して多目に魔力変換すれば完成だ。
実際、フルームもフラムもこの方法ですぐに魔法を安定させることができた
普通は自分が魔法を使う時にどれだけ魔力変換にロスが出ているかなんて考えない。
気持ち悪くならない程度に魔力変換して魔法を使うのだ。そのため水や火を出すだけだとか、簡単な魔法となるし、実際それだけできれば生活には困らなかった。
そんなやりとりをしながらメルカを含めた5人は船に乗り込むのであった。
船に乗り込んだメルカは部屋に行くと言って先に行ってしまった。
残された4人は船の甲板に出て物珍しそうに辺りを見回している。
「すごく大きな船ね……これ、どうやって動かすのかしら……?」
「それが謎なのよね。詳しい仕組みは公開されてないんだって」
「噂では天気が関係してるとか聞くよ……?」
「天気?なんで天気と動く仕組みが関係するんだ?」
「あくまでも噂よ?前に船が到着してから雨がほぼほぼ1ヶ月続いたことがあって、その時は全然出発しなかったんだって。結局出発したのが到着から2ヶ月後とかだったらしいわ。だから天気が関係してるんじゃないかって話が出てきたの」
「それってたまたまタイミングがあっただけとか思っちゃうけどな」
「普通はそう思うわよね。私もその意見だし」
4人は船の動力について考えてみたが結局のところ船が何で動いているのかは分からずじまいだった。
そうこうしていると騎士団一行も到着したようでいよいよ出発といった雰囲気となった。
「……ねぇ、部屋行っても良いかな……?ちょっと気持ち悪いから休みたい……」
クスリを飲んだとはいえ本調子とは程遠いフルームは船の揺れにより気分が悪くなってきたのだ。
少しでもフルームを休ませるために4人で泊まる部屋へと急ぐのだった。
「うぅ……胃が燃えてるような気持ち悪さが……」
「1番辛いのなんて頼むからよ……船に乗ったら少し休んだら?」
「そうする……」
「アリスのヒールも効かないもんな」
「一度は良くなるみたいだけど、すぐ元に戻るって言うし……多分お腹にある物をどうにかしないと回復させても意味がないんだと思う……」
「1日で治るといいわね」
フルームは結局完食することができたが、そのかわり体調が絶不調になった。解決策がないため時間が解決する事を祈るフルーム。
そんなところにメルカが現れた。
「おや、皆さんお揃いで。……フルームさんはどうされたんですか?」
「気にしないでください。さっきカレー屋で1番辛いのを食べたせいでお腹の調子が悪くなっただけです。」
「……お姉ちゃんにはもっと気にしてくれてもいいと思う……。メルカさん?こう言う時に効くクスリとか持ってない……?」
「辛い物を食べたときに効くクスリですか……。そういう用途では無いかもしれませんが、お腹の調子を整えるクスリが有りますね。王都でしか売って無い物ですが、私の持ち合わせでよければお譲りしましょう」
そう言うとメルカは自分の荷物から小さな瓶を取り出した。
4人が見たこともない白い豆粒のようなものが中に入っている。
「あれ、飲み物じゃないんですね?」
「えぇ、なんでも水と一緒に飲むことによって、お腹の中で溶けて効果が出てくるとか。ここらではクスリと言ったら飲み物ですが、こう言った薬もあるようです。ただ、これは王都でしか売ってないんですよ。王都以外で売ることは禁じられていて商人としては悲しい限りです」
メルカはクスリの説明をし、心底残念そうな顔をする。
それもそのはずであった。
一般的に知られているクスリはセルロが作っていた回復薬のように植物などから有効な成分を水に抽出した物である。
品質によって多少のばらつきはあるが、効果が保たれるのは約3ヶ月程である。その為商人は売れる量をあらかじめ予想して溜め込みすぎないようにしなければならない。
しかし、このクスリは2年は効果が保たれると言う。瓶の中は乾燥しており、よほどひどい環境下で開けない限り腐敗することは無いだろう。まさに画期的な商品だが、王都以外で売る事を禁止されている為、メルカは仕入れて外で売ることができないのだ。
過去に隠れて販売した商人がいたと言うが、家が火事になり亡くなってしまっただの、いつの間にか行方不明になっただのきな臭い噂がある。
その為誰も手を出そうとはしないのだ。
さらに、その製法は秘匿され、誰が作っているのかも分からない。ただ、王都の一部の薬屋でしか買えないと言うことしか分からないのだった。
そんな事情は知らないフルームだったが、王都でしか買えないと言うだけでも貴重な物だと分かった。
「そんな貴重な物……貰っていいの?せめて代金くらいは……」
「いえ、代金を貰ったらそれすなわち商売です。王都の外での販売は禁止されてるんですよ。一緒にロープを取りに戻った仲ですから貰ってください。あげる分には商売じゃありませんから」
半ばこじつけにしか聞こえないセリフだったがメルカにとっては本心だった。
単純にフルームの助けになればと思ったのは間違いないが、販売禁止がどこまでのことを言うのかもまた分からない為、少しでも危ない橋を渡らないようにと思ったのもあった。
メルカにそう言われたフルームはそれでも断るのは失礼だと感じクスリを貰うことにした。
「そう言うことなら……メルカさん、ありがとうございます……。早速飲ませてもらいますね、ウォーターボール」
フルームはそう言うと一口サイズの水を魔法で生み出し、クスリを一錠口に入れて水と一緒に飲み込んだ。
フルームは夜中に3人で練習した際に水の魔法のコツを掴み、自分の魔力でも精密に操ることが出来る様になっていた。
それこそ作った水をコップ無しで飲み干せるくらいに。
「ほぅ、器用ですな……。剣の腕前もさることながら魔法もそんなに精密に使えるのですね……」
「練習したからね……コツが分かればメルカさんもすぐにできるよ……」
「普通はそのコツを掴むのに何年も修行するのだと思いますが……」
全くメルカの言う通りであった。しかし、それは通常、魔法に使える魔力量が限られているからである。
多くの人は魔法の使いすぎで気分が悪くなる為、自然と変換する魔力量をセーブしてしまうのだ。結果、精密な魔法を使おうと思ってもイメージした魔法に対して必要な魔力が足りずうまく魔法を発動することができない。
竜玉を使えば魔法のイメージに必要以上の魔力を使うことができる。そこから微調整をしてイメージを完成させ、自分の魔力量がどれだけロスするのかを理解する。あとはそのロスを見越して多目に魔力変換すれば完成だ。
実際、フルームもフラムもこの方法ですぐに魔法を安定させることができた
普通は自分が魔法を使う時にどれだけ魔力変換にロスが出ているかなんて考えない。
気持ち悪くならない程度に魔力変換して魔法を使うのだ。そのため水や火を出すだけだとか、簡単な魔法となるし、実際それだけできれば生活には困らなかった。
そんなやりとりをしながらメルカを含めた5人は船に乗り込むのであった。
船に乗り込んだメルカは部屋に行くと言って先に行ってしまった。
残された4人は船の甲板に出て物珍しそうに辺りを見回している。
「すごく大きな船ね……これ、どうやって動かすのかしら……?」
「それが謎なのよね。詳しい仕組みは公開されてないんだって」
「噂では天気が関係してるとか聞くよ……?」
「天気?なんで天気と動く仕組みが関係するんだ?」
「あくまでも噂よ?前に船が到着してから雨がほぼほぼ1ヶ月続いたことがあって、その時は全然出発しなかったんだって。結局出発したのが到着から2ヶ月後とかだったらしいわ。だから天気が関係してるんじゃないかって話が出てきたの」
「それってたまたまタイミングがあっただけとか思っちゃうけどな」
「普通はそう思うわよね。私もその意見だし」
4人は船の動力について考えてみたが結局のところ船が何で動いているのかは分からずじまいだった。
そうこうしていると騎士団一行も到着したようでいよいよ出発といった雰囲気となった。
「……ねぇ、部屋行っても良いかな……?ちょっと気持ち悪いから休みたい……」
クスリを飲んだとはいえ本調子とは程遠いフルームは船の揺れにより気分が悪くなってきたのだ。
少しでもフルームを休ませるために4人で泊まる部屋へと急ぐのだった。
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