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25 ~扉の向こうには~
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カフェを出てから10分程歩くとその店はあった。木と鉄を組み合わせた、いかにもな感じの平屋。正面に構える鉄扉に手を掛けるとピリッとした冷たさが手のひらに伝わる。いざ新たな得物を求めんとそれを押し込んでみたが扉は微動だにせず立ちはだかっている。
困惑してマリナを見ると「もっとグッと力を込めないと開かないよ」と言って彼女は鉄の壁に両手を当てる。それからスッと息を吸うと腰を落とし一瞬気合をいれると一気に押した。血管が浮き出るほど力を込めた左右の手はズズズと、重苦しい音をたてながら壁をこじ開けた。
そのまま店内に入ると踵を返し額にかいた汗を拭いながら唖然として立ち尽くす俺を見た。
「こんな感じ。さあ次はキミの番だよ。大丈夫、私より力をはあるはずだから」
途切れ途切れにそういうとニッと笑ってみせた。少しして鉄扉が閉まると改めてオレは両手を押し当てた。それから先ほど見た要領でグッと扉を押す。
「ね、簡単でしょ」
再びマリナと目が合うとまた無邪気な笑顔と共に告げた。いや、わりと力使ったぞ。という言葉が喉まで出かかったがなんとか飲み込み店内に目を向けた。
内装も木を基調としつつ、所々にシルバーの輝きを放つ調度品で埋め尽くされてはいるが、全体的に見ればシンプルな中身だ。
壁には剣、杖、斧、槌などなどが吊るされており、その近くには試し切り用の丸太や木人が並んでいる。前回マリナと共に買った素剣はもちろん、強化済みの剣、杖や斧でも同じようにラインナップとして揃っている。そしてこの店の一番のセールスポイントはそれぞれの武器の質が他店とは段違いらしい。素剣ですら強度は倍以上で成長速度、強化倍率も高く設定されている。
通常、武器は専門の職人が素材を集めて素剣などのオリジンウェポンを造る。これを再び素材を集めて強化して売るか、オリジンウェポンとして売るかを決める。
鍛治職人の腕で全ての武器の基本スペックは決まる。レベルはあるがRPGゲームのようにモンスターが武器をドロップすることはないそうだ。故に武器を手にする者はより良い武器を求めこの店に来る。だが殆どの客たちは鉄扉の前に膝をついてしまう。半端なモンにゃここの武器は渡せん、この店主の拘りが価値を高めているとか。
堂々と入店し即戦力となる武器を探す。剣というオーダーで店にあるものを一通り見せてもらうことにした。マリナもある程度強化された武器を買い、そこから強化していく算段だ。
彼女が手にしたのは鍔からグリップ全体が燃えるような赤、そびえる刃はグラディウスのごとき存在感を放つ銀。彼女の得意分野である火の力を強化する能力が込められている。名はまだない。そういうのは得意ではないらしく、購入者に一任している。
剣の新たな持ち主は素振りをしては剣を眺めを繰り返している。命名はまだ保留のようだ。
一方の俺は迷った結果、小ぶりな鍔に先端の少し曲がった刃。こちらは全体的に白銀その中央にブルーのラインが入っている。マリナと違って自分の能力が分からないため、耐久性と攻撃力重視のスペックにしている。
支払いを済ませ店を出ようとした時、武器ではないアイテムが目に入った。
「そいつはおたのしみ袋だゼ!素材だろうが雑草だろうが、ゴミですら問題ナシ!!!なんでも入れてみナ。いつか、その袋が根性で武器にしてやるゼ。トーゼン!ロクなもんはできねえがナ!ガハハハハッ!」
店主の説明を聞きながら、じゃあなんでこんなもん作ったんだ…という台詞が浮かんできたが、なんとなく興味を惹かれたので買うことにした。何より安い。
「男の子ってホントそういうの好きだよね。それ頑張っても丈夫なオリジンウェポン程度にしかならないらしいよ」
「いやこれにはロマンが溢れてる。良い武器ができる可能性はゼロじゃない!」
「そ、じゃあこれ入れたら。あげる」
そういって彼女が渡したのは赤い剣の柄の部分だった。虎のモンスターと対決した後、気絶した俺が握っていた物だ。
受け取り彼女を見る。意外にもその瞳には期待の色が滲んでいる。おたのしみ袋、正式には錬成袋にそれを入れると呪文を唱え収納した。
「じゃ、ちょっと稽古しよっか」
彼女と広場を目指す。強くなる為に、バッディーラに負けない為に、そして深淵のヤツらに勝つために。
それから数日、空が青色から闇色に染まるまで剣を打ち合う音が響き続けた。
困惑してマリナを見ると「もっとグッと力を込めないと開かないよ」と言って彼女は鉄の壁に両手を当てる。それからスッと息を吸うと腰を落とし一瞬気合をいれると一気に押した。血管が浮き出るほど力を込めた左右の手はズズズと、重苦しい音をたてながら壁をこじ開けた。
そのまま店内に入ると踵を返し額にかいた汗を拭いながら唖然として立ち尽くす俺を見た。
「こんな感じ。さあ次はキミの番だよ。大丈夫、私より力をはあるはずだから」
途切れ途切れにそういうとニッと笑ってみせた。少しして鉄扉が閉まると改めてオレは両手を押し当てた。それから先ほど見た要領でグッと扉を押す。
「ね、簡単でしょ」
再びマリナと目が合うとまた無邪気な笑顔と共に告げた。いや、わりと力使ったぞ。という言葉が喉まで出かかったがなんとか飲み込み店内に目を向けた。
内装も木を基調としつつ、所々にシルバーの輝きを放つ調度品で埋め尽くされてはいるが、全体的に見ればシンプルな中身だ。
壁には剣、杖、斧、槌などなどが吊るされており、その近くには試し切り用の丸太や木人が並んでいる。前回マリナと共に買った素剣はもちろん、強化済みの剣、杖や斧でも同じようにラインナップとして揃っている。そしてこの店の一番のセールスポイントはそれぞれの武器の質が他店とは段違いらしい。素剣ですら強度は倍以上で成長速度、強化倍率も高く設定されている。
通常、武器は専門の職人が素材を集めて素剣などのオリジンウェポンを造る。これを再び素材を集めて強化して売るか、オリジンウェポンとして売るかを決める。
鍛治職人の腕で全ての武器の基本スペックは決まる。レベルはあるがRPGゲームのようにモンスターが武器をドロップすることはないそうだ。故に武器を手にする者はより良い武器を求めこの店に来る。だが殆どの客たちは鉄扉の前に膝をついてしまう。半端なモンにゃここの武器は渡せん、この店主の拘りが価値を高めているとか。
堂々と入店し即戦力となる武器を探す。剣というオーダーで店にあるものを一通り見せてもらうことにした。マリナもある程度強化された武器を買い、そこから強化していく算段だ。
彼女が手にしたのは鍔からグリップ全体が燃えるような赤、そびえる刃はグラディウスのごとき存在感を放つ銀。彼女の得意分野である火の力を強化する能力が込められている。名はまだない。そういうのは得意ではないらしく、購入者に一任している。
剣の新たな持ち主は素振りをしては剣を眺めを繰り返している。命名はまだ保留のようだ。
一方の俺は迷った結果、小ぶりな鍔に先端の少し曲がった刃。こちらは全体的に白銀その中央にブルーのラインが入っている。マリナと違って自分の能力が分からないため、耐久性と攻撃力重視のスペックにしている。
支払いを済ませ店を出ようとした時、武器ではないアイテムが目に入った。
「そいつはおたのしみ袋だゼ!素材だろうが雑草だろうが、ゴミですら問題ナシ!!!なんでも入れてみナ。いつか、その袋が根性で武器にしてやるゼ。トーゼン!ロクなもんはできねえがナ!ガハハハハッ!」
店主の説明を聞きながら、じゃあなんでこんなもん作ったんだ…という台詞が浮かんできたが、なんとなく興味を惹かれたので買うことにした。何より安い。
「男の子ってホントそういうの好きだよね。それ頑張っても丈夫なオリジンウェポン程度にしかならないらしいよ」
「いやこれにはロマンが溢れてる。良い武器ができる可能性はゼロじゃない!」
「そ、じゃあこれ入れたら。あげる」
そういって彼女が渡したのは赤い剣の柄の部分だった。虎のモンスターと対決した後、気絶した俺が握っていた物だ。
受け取り彼女を見る。意外にもその瞳には期待の色が滲んでいる。おたのしみ袋、正式には錬成袋にそれを入れると呪文を唱え収納した。
「じゃ、ちょっと稽古しよっか」
彼女と広場を目指す。強くなる為に、バッディーラに負けない為に、そして深淵のヤツらに勝つために。
それから数日、空が青色から闇色に染まるまで剣を打ち合う音が響き続けた。
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