最前線のブークリエ

甲斐根澤 鳥栖丹

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第二守 転生守護者。

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「ど、ど、ど?!異世界?!そんなのファンタジーの世界じゃ……!」

異世界。そのワードに驚き、万は後退りをする。

「そうちや!異世界!ドラゴンらあ魔物がいっぱい!ファンタジーやないぜよ!」

トラの女の子が口から血を流し、エッヘンとそう言った。

「ま、まぁ……空から落ちてくる際にドラゴンらしき飛行物体見たし……あんたの変化ぐあい見ても分かるが…………ちょっと待て、異世界ってことは俺は死んだのか?」

万は少し険しい表情をし、トラの女の子にそう質問した。

「えいや。あんたは死んじょらん。異世界言うたら転生ってイメージやけんどあんたの場合はうちと一緒に転移したちやつよ。心配せんずつ、死んじょらんき」

「そ、そうか!なら良かった~……!死んでねぇならここは死後の世界って訳じゃないし、帰れるってことだよな!!」

と、万は安堵の表情でトラの女の子に質問する
しかし

「あっ。無理ちや。帰れん。」

とキッパリ万に言い放った。

「はぁぁぁぁ?!か、帰れない?!どうゆうことだよ!!!?」

大声で驚きトラの女の子にずいっと顔を近づける。

「か、完全には無理では無いがやけんど、このってやつ使うたら帰れるがやけんど!!」

トラの女の子は焦った様子で地面に落ちていたインド風の首飾りの装飾に青い石が組み込まれたものを万の目の前に出した。

「な、なんだよっ!無理じゃねぇじゃねぇか!早くそれ使って俺を帰してくれないか?みんなに心配されちまう……」

万は少し焦った様子でトラの女の子にお願いをするしかし、トラの女の子は残念な顔をして……

「ご、ごめん……もう帰る分の魔力しか無かったき……おまさん帰れんがよ。この石に魔力がないき……」

「な……魔力??で、でも補給方法は?!魔力ならあるはずだろ!多分!どこでやるんだ!」

「う、うちの村!うちの村に供給できる人が一人おるちや!その人にお願いしたらいけるぞね!」

「ほんとか!!よかった~!お願いだ!お前の村に連れてってくれ!」

と、万は目を輝かせトラの女の子の手を握る

「ち、ちっくと!まだ連れてっちゃるとは……」

ガサガサ!!

「ん?なんだ……」

突然草むらから物音が聞こえてきた。

『グオオぉ……』

「ひっ……!オ、オーク!!」

草むらの奥から出てきたのは2メートル程の大柄な図体をした緑色の人型生物。オークだった。

「これがオーク……漫画で見たやつまんまの姿だな……虎!あんたは後ろに下がってな!」

万は盾と警棒を構えオークの前に出た。

「たまー?!あんたオークと戦うが?!なんぼあんたが強いきって!オークは戦闘民族のうちらでも勝てん相手よ!!」

と、トラの女の子は血の気が引いた様子で万に忠告した

「なーに。おらぁ自分と同じ大きさのやつなら倒せるさ。心配するな!守ってやらぁ!」

万が自信満々に盾を構え直す。
するとオークが手に持っていた棍棒を万に向かって振り落とす。

『ブフンッッ!!』

ドガァン!!

「うおっ……!くっ!さすがその図体は伊達じゃないか……!一撃が重いぜ!」

オークが振り下ろした棍棒は万の盾に直撃する。そしてすぐに体制を整えオークは棍棒を横向きに振るった。

「なっ!立て直すの早っ……!」

万もギリギリで盾を横に構え直し、棍棒の攻撃を防いだ……が。

『グアッッ!』

「ブゴッ……!」

空いた左側に、オークは万の顔を思いっきり殴りつけた。

「あぁ!そがな……!」

万が倒れる……
その瞬間!

ズパンッッ!

『ブギィ?!』

万の警棒がオークの顎に直撃した。

「こんなんで倒れるかよ……!俺は生きて帰るぞ!」

万は倒れず。思いっきり手を伸ばし警棒を本気でオークに振るった。

『グア……ゴッ……』

ドサァ!

オークは白目を向き、その場に倒れた。

「攻撃力はかなりあるが……防御力はねぇか……とんでもねぇバーサーカーだな。」

「あ……あ……」
(嘘やろう!?あのオークを一撃で?!確かにこの人オークと大差ない身長と体格やったけど……あんな細い棒でオークを倒した?!)

トラの女の子は驚愕しながら万を見つめる。

「しかし……本当に異世界に来たのか……早くこの森を抜けなければ……オークより強い怪物が来ちまうかもな。」

と言うと万は突然防弾チョッキの下に着ている防炎性の作業着を脱ぎ、トラの女の子に放り投げた。

「それ着な。俺が守ってやっから村に連れてってくれ。あんた……名前は?」

「え?!あ!うちは……サーリセルカ。戦闘民族ライガー族の長の孫!サーリセルカよ!!」

「そうか。サーリセルカ。いい名前だ!そんじゃあよろしくな!!」

と、万はサーリセルカと名乗るトラの女の子に手を伸ばし、握手を求めた。

「う、うん!よろしゅう!おまさんの名前は?」

「俺は万!万秀映!あっちの世界じゃあ人類最高到達点ってあだ名付けられてる!改めてよろしく!」

そして2人は手を取った。

「で!サーリちゃんの村はここからどれくらいかかるんだ?」

万がサーリセルカを立たせて、笑顔で質問する

「え~っと、ここが確かヴィヒルの森やき……だいたい2日ばあね。」

「…………2日?」

「うん。2日」

そして約5秒ほど沈黙の瞬間が流れた。

「な、なんか移動魔法とか……使えない?」

「移動魔法なんて私持っちょらんぞね。」

平然とした顔でサーリセルカは言ってきた。

「じゃ、じゃあなんかライド用のドラゴン呼び出したりとか獣に乗ったり……」

「そがなんもないぞね。」

「えっと。つまりここからは……」

「歩きに決まっちゅーやろう。」

その言葉に万は心の中で絶叫した。

━━━あちら側の世界━━━━━

「鈴木伍長!そちらに万少尉の姿は確認できたか!」

無線でそう言うのは千田曹長。戻ってこない万と虎を捜索するため、ブークリエの捜索隊達と第四部隊は街中を捜索していた。

『こちら鈴木!こちらに万の姿は確認できませんでした!』

『こちら庄村であります!西方面も万先輩の姿は確認出来なかったッス!』

「チッ!秀映のやつ!なぜ無線に出ない!県外に逃げられたら大変なことになるぞ!」

と、千田曹長はイラつきながら無線を握りしめる。

「まぁ、バンちゃんならどうにかなるよミサっちゃん。きっと明日になればトラ引っ捕まえて戻ってくるさ。」

千田曹長の肩に手を乗っけたのは北谷中尉。ヘラヘラしているがその目には焦りの表情もある。

「北谷中尉!そうかもしれませんがあいつも所詮は人間です!もし殺されたりでもしてたら……」

「それはどうかねぇ?クマと対等に殺りあえる人間ならそう簡単には殺されないと思うがね~。」

「何を呑気に……!兎に角!北谷中尉も共に捜索を!!」

「へいへい。やるよ~。」
(仲間のためなら全力で探す……成長したね~千田くん♪)

と、北谷中尉は軍用車に乗り、出発した。

━━━━━━━大耀視点━━━━━━━

「どこだ……!どこにいるシュウちゃん!無線に出てくれっっ!」

大耀は万がトラを追いかけに行ったであろう道をダッシュで探しまくる。

「おーーい!シュウちゃーん!いるなら返事してくれー!」

『ピピッ!!…………大耀先輩!いましたか?!』

無線から向こうでも走ってるであろう凜音が息を切らしながら聞いてきた。

「いねぇ!全くどこに行っちまったんだ!」

『ねぇ!大耀先輩!馬鹿げた話しかもしれませんが、もしかして別世界に飛ばされたんじゃ……』

「はぁ?!こんな時に何言ってんだお前は!そんなこと有り得るわけないだろっ!」

大耀は一旦止まり周りをキョロキョロと確認する。

『も、もしもの話ッスよ!もしもの!だって万先輩前に銃持って逃げた強盗犯4人組たった30分で仕留めて帰ってきたじゃないっすか!!今回の虎は体格も普通の虎と変わらないのに3時間経っても帰ってこないのはおかしいッスよ?!』

「そりゃ……虎と人間では話が違うだろ?!」

再び大耀は走り始めた。

『ねぇ……大耀先輩。もし本当に万先輩が別世界に行ってたら……生き残れますかね?』

凜音は少し震えた声で大耀にそう質問する

「あ?あぁ、あいつなら絶対大丈夫だ。異世界に言ったとしてもバケモンなぎ倒して生きてこっちに帰ってくるさ!たとえ大蛇だろうとあいつの手にかかればイチコロだ!そんなことはいいから凜音!お前は捜索を再開しろ!」

『わ、わかりました!引き続き万先輩の捜索にかかります!』

と、無線を切った。

(別世界……か。あいつそういうアニメ好きだったな……ドラゴンとかみて俺なら殴って殺せるとか言ってたっけ?もし、行ってんなら殴り殺してんのかな……)

一方サーリセルカと万は……………

「ひぃぃぃぃぃやぁぁぁぁ!」

「お助けぇぇぇぇ!」

ふたつ首の大蛇に追いかけられていた。

「ちっくと!秀映!何とかしやー!」

「いやいや!銃が効かないなら倒せねぇって!さすがの俺でもこんなデケェやつ無理や~!」

『シャアアアア!!』

果たして2人は無事に村にたどり着けるのだろうか……

【あとがき】

ご覧いただきありがとうございます。
初めて異世界系の戦闘を書いてみました。

さて、ここからは余談ですが、万くんは身長198cmもあります。高校時代は大耀くんと一緒にラグビー部に入ってました。

面白かったら応援よろしくお願いします。
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