最前線のブークリエ

甲斐根澤 鳥栖丹

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第肆守 襲撃大黒騎士。

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┈┈┈┈2時間後┈┈┈┈

森の奥からガシャガシャと鉄のぶつかり合う音が聞こえてきた。

(……来たか。)

門の前で座っていた万は盾を展開し、銃を構えて立ち上がる。

「あろろ?逃げたんじゃあなかったのかぁ?小心者の戦闘民族さ~ん?」

そう言いながら万に近づくのは3メートル程の長身。それに似合うようなモーニングスターを担いだ黒光りした鎧を纏った何者かであった。

(な……なんだアイツ……兜の中の目!よく見えないが、)

万は冷や汗をかき、固唾を呑む。
ついに黒鎧の男は万の1メートル以内に近付く。

「う~~~~~~ん??お前さぁ?ライガー族じゃねぇな??」

黒鎧の男は万に顔を近付ける。

「……」

「あろろ?答えねぇの?お~い?喋ってくんねぇ?」

「お前。ブラック・ナイトか?」

その質問に黒鎧の男は顔を万から離し、何故かう~ん。と悩んだあと、そうだよ?と万に言い放った。

「なら村を破壊しに来たってことだな?」

「そうさ。この村要らないって魔王様から命令があったから壊しに来た?」

男はモーニングスターを両手で構えた。

「なら……この俺を倒してから行きな!!」

万は盾を前に構え、拳銃の安全ロックを外した。

「へぇ~?人間風情が俺に歯向かうんだ~?じゃあ…………死んでよ。」

黒鎧の男はモーニングスターを万に思いっきり振り落とす。

「ッ!!」

パンッ!パンッ!

万はすかさず上方面に盾を構え直し、空いた全面から2発発砲。男の胴体に命中した。

「ぐぉおぉ?鉄砲?」

男は1歩後ろに下がった。

「はっ!!どうだ!拳銃の威力は!!」

万はニヤリとした表情を男に見せた。

「拳銃ぅ?あっ。お前転生者か??あの噂の??」

男は効いている様子はなかった。
それどころかそんな質問をしてきた。

「はぁ?!なんで喋れんだよ!命中しただろ!!」

「これぐらいで死ぬか?俺は質問したぞ?お前は転生者か?」

「転生者?あぁ、そうだ!俺は特殊部隊ブークリエ、第4部隊所属!万秀映少尉だっっ!!」

万は声高らかに自己紹介をした。

「ばん?しゅうえい?変な名前だな?」

「んだと!!そう言うお前は大層いい名前なんだろうな?!」

「名乗るほどお前に価値はない?とっとと退け?」

男は再びモーニングスターを構え、前方に飛び、万に向かってくる。

「くっ……!!」

万は盾を構える。

ズガァァァァン!!  

盾は火花を散らし、攻撃を防いだ。が、反動により万は背後に2メートルほど吹っ飛んだ。

(つ、強い!!さすが巨体に似合った攻撃力だっっ!)

万は体制を整える。
今度は万が盾を前方に構え、男に突進する。

「うおりゃああああ!!」

ガツンッッ!!

しかし、男は微動だにしなかった。

「なっ……?!」

「はぁ?何やってんの?そんなんで飛ぶわけ………ないじゃ~ん???」

男が盾ごと万を前蹴りで吹っ飛ばす。

「グハッッ!!」

かなり威力が強く、万はかなりの距離を飛ばされてしまった。

(クソッ!!このままじゃが失敗しちまう!!)

男が鎧の音を立てながら村へと侵入してくる。

「あろろろろろ??笑えるねぇ?簡単に侵入できちゃったよ?」

「クソッ…………!!」

男がモーニングスターを振り上げる。

「じゃあ。死んでね?」

「ッッ!!」

男はモーニングスターを振り下げる。

「ガオオオ!!」

すると突然、虎が男に襲いかかる。

「はぁ??」

「ウガアアアア!!」

鋭い鉤爪が男の兜を引き裂く。

「うおお?なんで?この村の生き残り??」

男はたじろぎ、引き裂かれた兜を押さえてサーリセルカに質問する。

「ガオオオ………」

サーリセルカは男に威嚇する。

[秀映さん!!準備できた!!ここはうちが押さえます!秀映さんはに!!]

と、脳内に直接万に言ってきた。

「お、おう!わかった!頼むぞ!!」

万はダッシュでサーリセルカの家がある方面へ向かって行った。

「あろろ?待てよ?どこに行く————」

「ウガアアアアッッ!」
 
男が万に着いて行こうとしたところをサーリセルカが雄叫びを挙げ、静止した。

「は?邪魔しないで?」 

「グゥ……グガアアア!!」

サーリセルカは男に再び爪を立てて襲いかかった。

「うるさいね?死ね。」

グシャア!!

「ウガッッッ!?」

男はサーリセルカをモーニングスターで地面に叩きつけた。

「ガ……」

「はぁぁぁ……抵抗するなんて珍し?さっさとあいつも殺すか~?」

男は気絶したサーリセルカを後にし、万が走っていった方へ向かった。

――――――――――――――

「あっ。いた~?」

「げっ!!サーリちゃん倒されちゃった?!」

男はそう言うと、万にモーニングスターを投げつけた。

「うわっ!!危ねえ!!」

万は間一髪で避けた。

「逃げんな~?俺と戦え~?」

「無理!!…………!着いた!!」

万はそう言うと、村の一番奥にあった、村長らしき人が住んでそうな館に入った。

「屋内戦闘?いいじゃん?俺もとく―――――」

ガシャン!!ボカン!

「????」

男が屋敷に突入しようとした瞬間。左右の家屋から捕獲ネットのようなものが飛び出て、男は捕らえられた。

「はぁ?な、なにこれ??」

男はネットを取ろうと足掻くが、中々取れない。

「待ってたぜ……!この時を!」

すると、万が2階のベランダから顔を出した。

「何が??」

「フッフッフッ……これを見やがれ!!」

と、出てきたのは上下に十丁ずつ取り付けられた火縄銃だった。

「は?ゲテモノ?」

「ああそうだ!お前を倒すための最終兵器だ!」
(サーリちゃんの実家の紋章。鉄砲が描いてあったからもしかしてと思って台所漁ってみれば……ビンゴ!火縄銃が見つかった!それを改造してこの銃を作り、俺の捕獲用ネットで罠を作って捕獲したところを撃つ!!)

作戦はこうだ。
まず万が門番になり、サーリセルカが玉込めや罠を準備する間に敵意を完全に万へ向かせる。準備が出来次第サーリセルカが虎になり、雄叫びを挙げ、万が罠の方に誘い込むとゆう作戦だった。

「失敗しそうだったけど、サーリちゃんのお陰でなんとかなったぜ!!大丈夫だブラック・ナイト!!急所は外すから…………よッッッ!!」

ドカアアアアアン!!

鉛が一気に放出される。
鉛の殆どが男に命中し、体を貫いた。

「よっしゃ!!ザマア味噌漬け!!ノコノコと着いてくるからこうなるんだぜ!!」

「……」

男はその場に立ったまま静止した。

「さてさて~!様子見に来ますか~!」

万は一階へ下り、男の様子を見にいった。

「ホウホウ。随分派手にやれてますな~!まあ、急所は外したから生きてると思うけど!」

男からはポタポタと血が滴り落ちる音しか聞こえない。

「さっ!あとは治療して生き返るのを待って事情を聞き―――――」

と、万が捕獲ネットを回収しようとした瞬間。

「……!」

「何?!グアッッッ?!」

男は突然目を覚まし、万の首を掴み持ち上げた。

「……」

「くっ……!くはっ……ひゅー……」

万は力を振り絞り、警棒を取り出し男の顔めがけて振る。が、

「……」

「なっっっっ!!」

見事に掴まれ、グイッと曲げられてしまった。
それと同時に締める力が強くなる。

「かぁぁ……!!」
(まずい!このままだと……!)

万の口から泡が吹き出される。
その瞬間だった。

「おおぉぉぉ!りゃっ!」

頭から血を流したサーリセルカが飛びつき、男の首を腕で締め付けた。
その衝撃に男は万を離してしまった。

「ごは……!ゲホッゲホッ!……サーリちゃん!」

男は振りほどこうと暴れ出す。

「このっ……!離れるかよ!」

サーリセルカがブンブンと振り回されている。
離れまいと首をガッチリホールドしていたが、ついに耐えれなくなり……

「キャッ!」

サーリセルカは後方へ飛ばされてしまった。

「このおおおお!」

すると、今度は万が男の体をしっかりと掴み、

「くたばれぇ!デカブツがああああああ!!」

ドッシイイン!

と、スープレックスを決めた。

「……ぐほ!」

この攻撃により、男はついに動かなくなった。

「はぁ~~!死ぬかと思った~!」

万はため息を付き、その場に座り込んだ。

「勝った?ブラック・ナイトに……うちらが?」

サーリセルカが倒れた男を見つめてそう言った。

「あぁ。俺等で勝った。」

その言葉にサーリセルカはふつふつと喜びの感情が沸き上がり、

「よ……よっしゃあーー!」

笑顔で両拳を天に突き上げた。

「ははっ!勝った勝ったぜ~……さて。ブラック・ナイトさ~ん?」

「……」

「こりゃ本当に気絶してますな~」

万が男の様子を伺った。
返事がなく、ぐでっと倒れたままだった。

「どれどれ~激強クソデカ黒騎士さんのご尊顔。拝んじゃおっかな~」

そう言うと、万はブラック・ナイトの兜を外した。

「ほーう!これはこれは…………ん?あれ?」

「どいたが?めっちゃ変な顔しちょった?…………は?」

と、サーリセルカも覗き込む。
するとその顔を覗き込んだ万が一言。

「お……?」






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