最前線のブークリエ

甲斐根澤 鳥栖丹

文字の大きさ
5 / 8

第خ守 救世主降臨。

しおりを挟む
-----------???---------------

「失礼します。マスニエル様。」

ボロ着のローブを纏った長髪の男性がそう言いながら扉を開ける。

「……どうぞ。」

その部屋には左右後方壁一面に本棚が敷き詰まっており。少々奥行きがあり、中心にはカウンターのような机と椅子のみがあり、そこに魔導書を読むマスニエルの姿があった。

「今回はどのようなご要件でございますか?」

「……ダイノーンがやられた。」

「ダ、ダイノーンがですか?!」

ボロ着の男に背を向けていたマスニエルが男の方へ目を向ける

「あぁ。少々私も想定外だ。あの超防御。高火力。そして超巨体を兼ね備えた黒騎士を倒したライガー族。甘く見ていた。」

マスニエルは拳をグッと強く握り怒りの表情を見せた。

「そこで、お前を呼んだのだ。。お前は魔物の軍勢を連れ、ライガー族の村を破壊しに行け。」

「はっ!了解であります!このトニーギス。あなた様の願いとあらば。」

トニーギスはその場に跪き、マスニエルに敬意を見せた。

「ふふっ。さぁ、行け!全てはアズル様完全復活のため!!」

そうマスニエルが命令するとトニーギスは黒い霧と共に姿を消した。

「あぁ……!アズル様!このマスニエル!必ずあなた様を……」

マスニエルは机の上に飾られている小さな絵画に手を合わせた。

----------トグローフ村----------

「あぁ……私たちの村はどうなっているのだろうか………」
「せめて村の紋章くらいは残っていないだろうか……」
「いや、それが一番残ってないだろう。家の炭だけさ……どうせ。」

ゾロゾロと森の中を謎の集団が歩いている。
サーリセルカと同じ種族、ライガー族の仲間たちだ。
みな落ち込んだような表情で村へと向かっていた。

「………さぁ、皆のもの。もう直ぐで我々の村だ。少しでも残っている物質を回収するぞ。」

先頭の村長らしき人物がそう告げた。
各々が悲惨な状態の村のを想像し、冷や汗を垂らしたり、目を瞑るものなどがいた

「さぁ、トグローフ村に到着だ…………な!?」

先に森から顔を出した村長が村を見た途端口を大きく開け、驚愕する。

「一体どうなって…………」
「な、なんで……?」
「これは……!」

村長だけでなく皆口を開け驚愕する。

「む、村が…………無事だ……!」

そう。村は形を留めており、彼らが村を出ていったときと全く変わっていなかった。

「な、なんでだ!」
「幻覚……幻覚か?」
「もしかして襲撃の日にち間違えたのかしら……」

何故か残っている村を目指し、ライガー族達は歩き始める。

「お、おい!傷跡1つもねえぞ!!どうなってんだ!?」
「まさか本当に日にちを間違えたのでは……」

ライガー族達は村内に入ると、待ったく傷跡がない地面や家屋を見て、更に驚愕する。

「おい!誰かこっちに歩いて来てねぇか?!」

一人のライガー族が奥に続く道を指さした。
ライガー族達はそちら側に振り向き警戒体制に入った。

「この資材……まだ使えそうだけど捨てちゃうの?」

「うん。どうせそがな端っこのほう使わんし、えいぜよ。」

奥の方から現れたのは大量の角材を担いだ万と、捕獲ネットが入った木製のバケツを両手で持っているサーリセルカだった。

「ん?なんだー?敵かー?」

万が目を凝らし、ライガー族の集団を見る。
サーリセルカは万の見た方向を見るとライガー族の仲間だとゆうことがわかった。

「ん?あっ!秀映さん!あれうちの仲間ちや!おーい!みんなー!」

サーリセルカはそう言うと、手を大きく振り、仲間達に向かって走っていった。

〈サ、サーリだ!サーリセルカだ!〉

ライガー族の一人がサーリセルカを指さし、仲間に聞こえるように大声で言った。

〈みんな!ただいま!そしておかえり!〉

サーリセルカは笑顔でみんなにそう言った。

〈サーリ!サーリ!良かった!生きてたのかい!!〉

そう言いながらみんなを跳ね除けて出てきたのは腰まで伸びた金色の髪を持ち、若々しい顔を立ちの女性ライガー族だった。

〈ちょ、ちょっと母さん!くっつきすぎ!離れて~!〉

「なんだ、なんだ~。サーリちゃんの仲間か~」

万はそう言いながらサーリセルカ達に近づいた。

「そうぜよ!トグローフ村のライガー族のみんなあ!うちの仲間らぁ!」

サーリセルカは母親に抱きつかれながらそういった。

〈あの~……あなたは?〉

「え?なんて?」

ライガー族の一人が万にそう言うが、伝わらなかった。

〈村長さん。この人は人間族の秀映さん!こないだの襲撃から守ってくれたの!〉

サーリセルカがそう言うと、みんながざわざわとし始める。

「な、なあサーリちゃん。それ何語?」

「あぁこりゃライガ語よ!うちらのライガー族の共通言語なが!」

サーリセルカはそう言うと、えっへんと何故か胸を張ってみせた。

〈人間族?!しかも襲撃を跳ね除けた?!〉
〈信じられん……あの人間族が??〉
〈てかあいつ人間か?デカすぎだろ……〉

「万さ~ん……サーリさ~ん…これどこに持ってけばいいの~……?」

するともう一人、道の奥から現れた。
その姿はかなりの長身で色白。普通の人より細く、薄着で手足に包帯を巻かれた超絶美形の女の子?だった。

〈な……デッカ!!〉
〈ほっっっっっっそ!!〉
〈声低!かわ……!!〉

と、ライガー族が更にざわざわし始める。

「あぁ。その水はあっちの小屋に持っていってくれ。ダイノ。」

「は~い。ご命令とあらば。」

と、長身の人物は来た道を戻っていった。

〈サ、サーリ。あの人は……?〉

と、ライガー族の一人がサーリセルカに質問する。

〈あの人はダイノ。ここに来た元ブラック・ナイトよ。〉

その言葉にライガー族は慌て始めた。

〈みんな!落ち着いて。大丈夫。もう秀映さんがしつけて、この村には悪さしないから。〉

その言葉に半信半疑になりつつも、仲間達は少し落ち着いた。

「後で皆さんに謝らせるって言っておいて。」

万はサーリセルカの耳元でそういった。

「あいよ。」
〈後でみんなに謝らせるから!その間は私と秀映さんで押さつけておくね。〉

そう言うと、みんなは少し安堵した。
すると、村長がおほん。と咳払いをして、万に話しかけた。

「君……秀映くん言うたかえ?襲撃を防いだがかい?」

「おお。急に日本語……そうです。万秀映です。ご勝手ながらトグローフ村の守護をさせていただきました。」

そう言うと、万は村長に向って敬礼をした。

「……何をしてくれたがや君は!!」

直後。村長が万を怒鳴りつけた。
その声にここにいた全員がビクッと体を跳ねらせた。

「な、何してくれたって……」

「どいて村を守ったがや!!どいてブラック・ナイトを倒したがや!!これでは村が更にはひどいことになるじゃないか!!しかも生きちゅーならなおさら!裏で通達されちゅーかもしれんろ!!」

と、怒りの表情で万を怒鳴りつけた。

〈ちょ、ちょっと村長さん!まずはありがとうとか……〉

〈サーリセルカは黙ってなさいっっっ!!〉

〈ひいっ!!〉

村長がサーリセルカにも怒鳴ると、再び万の方を向いた。

「おんしのせいで村がほんまに跡形ものう消えてしまうじゃないか!次の襲撃はおんしの力じゃどうにもならん相手ぞ!」

そう言うと、村長はライガ語で村から出るぞ的な事を仲間に告げた。
すると万はパアアン!と空にも響くようなハンドクラップをした。

「そう言うと思って!第二の襲撃に備える準備ができていますよ!村長さん!」

万は村長にニヤリとした表情をみせた。

「なに?人間の君が?どうするがで?」

村長は怪しむ表情をした。

「えぇ。人間ですけど、やれることはやりますよ。刀鍛冶はいますか!」

万がライガー族に向かってそう言うと、一人の男性が〈私だ。〉といい、仲間の中から出てきた。

〈刀鍛冶のヴァンハセルカ。サーリセルカの父だ。〉

その男はオールバックの黒と金が混じった髪色をした、筋骨隆々の男だった。

「ほう……なんて言ったかわかんないけど、サーリセルカとヴァンハセルカって単語は聞こえたぜ!サーリちゃんのお父さんか?なら話は早い。」

万はニヤリと笑みをこぼした。

------------2日後------------

「……そろそろ来るはずだ。」

万はただ一人。松明が2本灯る門の前に立っていた。
トグローフ村は静かに明かりを放っているだけだった。

「……」

万は今日話したことを思いだす。






「ブラック・ナイトはどうゆうやつらなんですか?」

万はサーリセルカの父に質問した。

「あいつらはクズや。村や街を奪うなら手段を選ばん。」

ヴァンハセルカは作業しながらそう答えた。

「ほう。例えばどんなですか?」

「……殺すらぁて当たり前。家を燃やすがも当たり前。宝や物資は奪われ、子供や老人を『遊び』と称して極悪な拷問にかける。おなごとかわいい男は奴らの慰みものになったち聞いた。」

「……それはぁ、酷いですね。」

万はまぁ、そうなるかと思いながら真剣な趣でヴァンハセルカの話を聞く。

「わしらも捕まって奴隷にされる。飯も与えられんと、一生働かされる。病気にかかってもねや。さらに酷いがは奴らの仲間や。ゴブリンやリザードマン。あいつらは人の妻を身動きができん旦那の前で犯す。ほんでその旦那を殴ったりする。……うっ。」

と、ヴァンハセルカは青ざめた顔で口を押さえる。

「す、すみません!ヴァンハセルカさん……色々聞いてしまって、そんなことをするやつらなんですね……」

そして万は自分の拳をギュッと固く握る。

「じゃあヴァンハセルカさん…………奴らはと、いうことですか?」

その質問にヴァンハセルカはため息をついた。

「殺せるものなら殺いてみぃ……ほら。できたがじゃ。あとはこれを研磨する。それで完成や。」

と、万に両刃の剣を見せた。

「おぉ!さすがの腕前!ありがとうございます。では……殺しても良いとの事で。」

万はニヤリとマスク越しに笑って見せた。









「……俺はブークリエ。人類最高到達点。殺せるものなら殺してみろ!!」

万が森に向かってそう叫んだ。
すると森の奥からゾロゾロと大量の足音が聞こえて来た。

『グガアィ……』

そう鳴き声をあげて出てきたのは黒い鎧を身にまとったリザードマン。ざっと数えて40以上の軍勢だった。

「これは……学ばねぇな。正面突破なんて。」

そう言うと万は盾とヴァンハセルカが作った剣を構える。

「さぁ!来いゴミ共!!この秀映サマが相手してやるぜ!!」

万がリザードマンの軍勢にそう叫ぶ。
するとリザードマンは雄叫びをあげ万に襲いかかる。

『グガアアアアィ!!』

「アホかぁぁぁぁぁ!!」

そう言うと万は先頭のやつに剣を投げつける。

『オグゥゥッッ!』

見事に切っ先が顔面に命中しそのまま刀身が顔の中に入っていく。
そして一体はその場にバタンと倒れた。

『グシャアアアィ!』

「そりゃ、1人やられただけじゃ怯まねぇよな!!残念!俺は剣と縦だけじゃねぇぞ!!」

と、万はホルダーからかなり大きい万専用のリボルバーを取り出した。

ズパンッ!ズパンッ!!

万のリボルバーは遠くにも聞こえるような銃声を響かせ、リザードマン達を一掃していく。

『シャアアア!!』

それでも怯まないリザードマンは万に襲いかかろうとする。
が、

「フンッ!!」

『ブギィ?!』

襲いかかったやつの槍を避け、顔面を思いっきりぶん殴る。

「さぁ!どうした!!かかってこいっ!この村を制圧してみせろ!!この万秀映様を倒せたらなぁ!」

万は残ってるリザードマンの軍勢にそう叫ぶ。
するとリザードマンは一斉に万に襲いかかった。


【あとがき】

お久しぶりです。甲斐根澤です。
TRPG楽しくて更新するの忘れてました。
申し訳ない。

面白かったら応援よろしくお願いします!







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」 その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ! 「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた! 俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

処理中です...