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第6守 人類“最強”到達点。
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┈┈┈┈25分後┈┈┈┈┈
「ハァ……ハァ……」
万は緑色の血にまみれて立ち尽くしていた。
そしてそんな万の足元には大量のリザードマンの死体があった。
「ハァ……手こずらせやがって。」
と、死体に突き刺さったまんまの剣を引き抜く。
「……で。そこにいるんだろ。出てこいよ。ブラック・ナイト!」
万は森に向かって大声で叫んだ。
するとゆっくりとした拍手が森の奥から聞こえてきた。
「素晴らしい。たった数分でリザードマンの軍勢を倒してしまうなんて。これはダイノーンを倒すのも容易でしょうな……」
と森の奥から出てきたのは長い赤髪に紺色の袴に素足。上半身は甲冑以外何も着ていない青年だった。
「うわっ!変な格好!」
万は盾を構えてそう言い放った。
「変な格好で構いません。私の名前はトニーギス。あなたがダイノーンを倒した転生者でよろしいでしょうか?」
そう言うとトニーギスはニヤリと不穏な表情を浮かべた。
「あぁそうだ!俺は万秀映!ブークリエの第四部隊所属!人類最高到達点だ!!」
万は声高らかにトニーギスに自己紹介した。
するとトニーギスはフハハハ!と爆笑し始めた。
「そうか、そうか!バン・シュウエイか!その名前。覚えたぞ!私のコレクションにその首を加えてやる!!」
トニーギスはそう言うと自分の右方面に黒い霧を出現させ、その中から長い鎖がついた鎌を取り出した。
「鎖鎌か……!」
万は即座に銃を構える。
その途端トニーギスが鎖鎌を振り回す。
「そりゃあぁぁ!」
トニーギスが万に向かって鎌を飛ばしてきた。
「正面?馬鹿め!俺は盾を持ってんだぞ?そんなの跳ね返して―――――」
万は盾を正面にずっしりと構えた。
しかし鎌はありえない軌道で万の背後へと飛んでいった。
「はっ?!盾を避けた?!」
万はすかさず方向を変え背後から迫る鎌を防いだ。
「くっ!!なんだあの攻撃!まるで鎌に生命が宿っているような攻撃だったぞ!!」
万が正面を向くと鎌はすでにトニーギス自身に引き戻されており、トニーギスは次の攻撃の準備をしていた。
「あの攻撃を防ぐとは……さすが転生者。ではこれはどうかなっ!!」
次にトニーギスは下方向に鎌を飛ばした。
そして再び万は振り返ろうとした。
「今度は通用しないぞ!」
しかし鎖は万の予想を外れ、足元に絡みついてきた。
「なっ!?」
「ごらああああああ!」
トニーギスは万の足が鎖に絡みついたのを確認すると鎖を思いっきり自分の方に引っ張った。
「ぐあッ?!クソッ!!俺としたことが!!」
万はトニーギスの所まで引きずられてしまった。
「そりゃッッッ!!」
「うわっ!!」
トニーギスは万が程よい距離に近づくと万を頭上に引き上げた。
「せいやあアアアア!!」
「グワアア?!」
そして一気に地面に叩きつける。
叩きつけられた地面は大穴を開けて凹んでいた。
「クハッッッッ?!」
「ハハハハ!バカですねぇ?!同じ攻撃を繰り出すと思ったんですか?!」
トニーギス大きく笑い、万を嘲笑った。
「……」
「あれぇ?まさかさっきの攻撃で気絶してしまったのですかぁ?こんなに図体がデカいのに耐久力は無いんですね?」
トニーギスはそう言いながら万に近づく。
「どうやら本当に気絶してしまったようですね……残念だ。僕のコレクションに君のような雑魚はいらない……死ね。」
と、トニーギスは鎌を万の首めがけて振り下ろした
が、
「ふんッッッ!!」
「なッ?!」
万は鎌を持った手を押さえ、トニーギスの背面に回し、馬乗りになり押さえつけた。
「ガアアア……!」
「あんな叩きつけごときで俺が死ぬかよッ!!このッッッ」
と、万は手を更に力強く内側に曲げる。
「グオオオオ!!」
「クッッッソォォォォォ!!」
万は腕を折るような勢いで内側に曲げる。
【閃光弾】!
トニーギスはそう叫ぶと自身の体が眩しく光りだした。
「なッ!!」
万はその光に驚き思わず手を離してしまった。
それと同時にトニーギスは万の組み付きから抜け出した。
「し、しまっ―――――」
「シャアァ!!」
それと同時に鎖が万の首に掛かるように放り投げた。
「グワアア!!クッッ!!」
「キャハハハ!!少しはやるようだな!!シュウエイ!!」
トニーギスは笑いながら万の首を締める。
しかし、万は上手く左腕を入れ込ませていた。
「グウウウウウ!!このッ!!クソ野郎!!」
が、トニーギスの締める力が強く、左腕がほぼ意味の無いような役割になっていた。
万は苦しみながら左のホルダーからリボルバーを取り出し、即座に発砲する。
パンッ!パンッ!
「キャハハハ!!キャハ!キャハハハ!!」
2発命中。
しかしトニーギスは怖がる様子もなく更に首を締める強さが高まる。
「なんだよっ!!クソが!」
パンッ!パンッ!パンッ!
万が連発でトニーギスに命中させる。
しかしトニーギスは怯むことはなく、笑いながら首を絞め続ける。
そしてついに万のリボルバーは弾切れとなった。
「ク、クソォ……!」
左手は使えない。つまりリロードはできない。
もうひとつリボルバーがある。そちらはトニーギスに引きずられた際に落としてしまった。
あと残るのは……
「ガアアアア!!ロン毛めぇぇ!!こうしてやるわぁぁぁぁぁ!!」
万はそう叫ぶと鎖を掴み、こちら側に思いっきり引っ張った。
「?!」
すると、トニーギスは鎖を持ったまま、万の方へ引っ張られた。
「おっしゃっ!!鎖掴んだまんまこっちに来たな?!アホがァァァァァ!!」
そして万は緩んだ鎖から左腕を出し、近いたトニーギスの顔面に思いっきり拳をぶつけた。
「ブホォぁぁぁぁぁ!?」
そのままトニーギスはかなり遠くへぶっ飛ばされた。
しかし、倒れることは無く、姿勢を正し再び鎌を構えた。
「ひぇ~しぶといなお前!じゃあこっちも殺す気で行くからな!!」
と、万は背中の鞘から大剣を取り出した。
「今更剣ですか……私も舐められたものだなっっっっ!!」
トニーギスはそう言うと鎌を回しながら万に突進してくる。
「来るかっ!上等だぁぁぁぁぁ!!」
と、万も大剣を構え、トニーギスに突進する。
「ギエエエエエエ!!!」
「うぉぉおおおお!!!」
ザシュッッ!!
ジャキンッッッ!!
………………
二人の間に沈黙が流れる。
「……グッ!!」
ブシャアア!!
万の横腹から血が大量に吹き出る。
それと同時に万はその場に跪く。
「クックック……雑魚が!!」
トニーギスは笑いながら万の方向に振り向く。
しかしその時
ボトッ!
という音が万の背後から聞こえた。
万はその音に反応し後ろを振り返る。
「く、首が……」
そこにはトニーギスの首がこちらを向き口角を上げながら落ちていた。
そしてすぐあとにトニーギスの体が膝から崩れ落ちた。
「……はぁ~。勝った~。死ぬかと思ったぜ~……」
万はその姿を見ると安堵して、ため息をついた。
┈┈┈┈トグローフ村┈┈┈┈┈
その頃トグローフ村では村のものが集まり、全員で息を潜めていた。
「……私、様子見てくる!」
と、サーリセルカが立ち上がり扉へ向かおうとした
「だ、だめよ!サーリセルカ!あなたは行ってはダメ!!」
と、サーリセルカの母。エテラリンネがサーリセルカの腕を掴んだ。
「な、なんでよお母さん!!私だって秀映さんと一緒に戦えるわよ!」
「だ、だめですよ……サーリさん……た、多分相手は僕より階級がう、う、上のヤバイ奴らが来ますよ……きっと……!」
そう言ったのはダイノ。
部屋の隅でガクブルと震えていた。
「てか、あんたは普通戦うでしょダイノ!しかもしれっとライガ語話してるし!」
「い、嫌ですよ!!僕なんかが戦って勝てる相手じゃあ、ありません……」
怒鳴りつけたサーリセルカはその言葉に言葉を失った。
「もうすぐ夜があける頃だろう。彼がもし負けてしまっているなら、今頃順々に家を燃やしていってるだろう……」
そう言ったのはサーリセルカの父。ヴァンハセルカ。
その言葉にみんな恐怖で震え出す。
ドンドンドンッ!
その時だった。
何者かが扉を強く叩いてきた。
その音に皆恐怖するもの、驚くものがいた。
「チッ!秀映さんじゃなかったら私が殺るわ!」
と、サーリセルカは扉の前で鋭い爪を出した手を構えた。
ドンドンドンッ!
扉を叩く音はさらに強くなる。
「ッ!!」
サーリセルカはさらに戦闘態勢になる。
そして扉がゆっくりと開く。
「みなさ~ん!ただいまです~!」
開いた扉から顔を出したのはマスク越しでも笑顔とわかる万秀映だった。
みんなはその姿に唖然としていた。
「しゅ……秀映さんっ!!」
サーリセルカは万の姿を見た途端、万に抱き着きに行った。
「お、おう……サーリちゃん。ただいま。」
その抱き着きに少々驚きながらも、万はかなり弱い力で抱きつき返す。
「よ、よかったぁ~……か、帰って来ないのかと……」
と、いいながら奥から足をプルプルと震わせたダイノが涙目で出てきた。
「な~に言ってんだァ!俺は万秀映だぞ?あっちの世界じゃあ人類最高到達点って言われてんだ!簡単に倒れねぇよ!」
そう言うと万はガハハと笑ってみせた。
「ほ、ほんまにブラック・ナイトを倒したがか……?」
ヴァンハセルカが驚きの表情で万に問いかけた。
「えぇ。もちろんこの手でしっかりと倒しましたよ!」
と、万はその場のみんなに見えるようにガッツポーズをした。
〈じゃ、じゃあ……俺たちの勝利か?〉
〈あ……あぁ、そうだな。俺たちの……俺たちの勝利だ!〉
「わしらの勝利やーーー!」
ある1人の男がそう叫ぶと全員が「おぉぉぉぉぉ!!」と雄叫びをあげた。
┈┈┈┈???┈┈┈┈┈
「クッ……クソッ!なんなんだあの転生者は!!」
と、机の上で頭を抱え、悩むマスニエル。
「これ以上あの村に兵士を送り込んでも無駄か……あそこの村は諦めよう。」
マスニエルは机にあった魔導書をペラペラと読み進めながらそう言った。
「だか、なんとしてでも他の村を制圧しなければ……アズル様復活までに……」
マスニエルは怒りの表情で爪を噛みながら水晶玉を見た。
その水晶玉はトニーギスの視線と一致していた。
「バン・シュウエイ……貴様は必ずこの私が首を取ってしんぜようぞ……!」
と、水晶玉に写った万を見つめる。
「ハァ……ハァ……」
万は緑色の血にまみれて立ち尽くしていた。
そしてそんな万の足元には大量のリザードマンの死体があった。
「ハァ……手こずらせやがって。」
と、死体に突き刺さったまんまの剣を引き抜く。
「……で。そこにいるんだろ。出てこいよ。ブラック・ナイト!」
万は森に向かって大声で叫んだ。
するとゆっくりとした拍手が森の奥から聞こえてきた。
「素晴らしい。たった数分でリザードマンの軍勢を倒してしまうなんて。これはダイノーンを倒すのも容易でしょうな……」
と森の奥から出てきたのは長い赤髪に紺色の袴に素足。上半身は甲冑以外何も着ていない青年だった。
「うわっ!変な格好!」
万は盾を構えてそう言い放った。
「変な格好で構いません。私の名前はトニーギス。あなたがダイノーンを倒した転生者でよろしいでしょうか?」
そう言うとトニーギスはニヤリと不穏な表情を浮かべた。
「あぁそうだ!俺は万秀映!ブークリエの第四部隊所属!人類最高到達点だ!!」
万は声高らかにトニーギスに自己紹介した。
するとトニーギスはフハハハ!と爆笑し始めた。
「そうか、そうか!バン・シュウエイか!その名前。覚えたぞ!私のコレクションにその首を加えてやる!!」
トニーギスはそう言うと自分の右方面に黒い霧を出現させ、その中から長い鎖がついた鎌を取り出した。
「鎖鎌か……!」
万は即座に銃を構える。
その途端トニーギスが鎖鎌を振り回す。
「そりゃあぁぁ!」
トニーギスが万に向かって鎌を飛ばしてきた。
「正面?馬鹿め!俺は盾を持ってんだぞ?そんなの跳ね返して―――――」
万は盾を正面にずっしりと構えた。
しかし鎌はありえない軌道で万の背後へと飛んでいった。
「はっ?!盾を避けた?!」
万はすかさず方向を変え背後から迫る鎌を防いだ。
「くっ!!なんだあの攻撃!まるで鎌に生命が宿っているような攻撃だったぞ!!」
万が正面を向くと鎌はすでにトニーギス自身に引き戻されており、トニーギスは次の攻撃の準備をしていた。
「あの攻撃を防ぐとは……さすが転生者。ではこれはどうかなっ!!」
次にトニーギスは下方向に鎌を飛ばした。
そして再び万は振り返ろうとした。
「今度は通用しないぞ!」
しかし鎖は万の予想を外れ、足元に絡みついてきた。
「なっ!?」
「ごらああああああ!」
トニーギスは万の足が鎖に絡みついたのを確認すると鎖を思いっきり自分の方に引っ張った。
「ぐあッ?!クソッ!!俺としたことが!!」
万はトニーギスの所まで引きずられてしまった。
「そりゃッッッ!!」
「うわっ!!」
トニーギスは万が程よい距離に近づくと万を頭上に引き上げた。
「せいやあアアアア!!」
「グワアア?!」
そして一気に地面に叩きつける。
叩きつけられた地面は大穴を開けて凹んでいた。
「クハッッッッ?!」
「ハハハハ!バカですねぇ?!同じ攻撃を繰り出すと思ったんですか?!」
トニーギス大きく笑い、万を嘲笑った。
「……」
「あれぇ?まさかさっきの攻撃で気絶してしまったのですかぁ?こんなに図体がデカいのに耐久力は無いんですね?」
トニーギスはそう言いながら万に近づく。
「どうやら本当に気絶してしまったようですね……残念だ。僕のコレクションに君のような雑魚はいらない……死ね。」
と、トニーギスは鎌を万の首めがけて振り下ろした
が、
「ふんッッッ!!」
「なッ?!」
万は鎌を持った手を押さえ、トニーギスの背面に回し、馬乗りになり押さえつけた。
「ガアアア……!」
「あんな叩きつけごときで俺が死ぬかよッ!!このッッッ」
と、万は手を更に力強く内側に曲げる。
「グオオオオ!!」
「クッッッソォォォォォ!!」
万は腕を折るような勢いで内側に曲げる。
【閃光弾】!
トニーギスはそう叫ぶと自身の体が眩しく光りだした。
「なッ!!」
万はその光に驚き思わず手を離してしまった。
それと同時にトニーギスは万の組み付きから抜け出した。
「し、しまっ―――――」
「シャアァ!!」
それと同時に鎖が万の首に掛かるように放り投げた。
「グワアア!!クッッ!!」
「キャハハハ!!少しはやるようだな!!シュウエイ!!」
トニーギスは笑いながら万の首を締める。
しかし、万は上手く左腕を入れ込ませていた。
「グウウウウウ!!このッ!!クソ野郎!!」
が、トニーギスの締める力が強く、左腕がほぼ意味の無いような役割になっていた。
万は苦しみながら左のホルダーからリボルバーを取り出し、即座に発砲する。
パンッ!パンッ!
「キャハハハ!!キャハ!キャハハハ!!」
2発命中。
しかしトニーギスは怖がる様子もなく更に首を締める強さが高まる。
「なんだよっ!!クソが!」
パンッ!パンッ!パンッ!
万が連発でトニーギスに命中させる。
しかしトニーギスは怯むことはなく、笑いながら首を絞め続ける。
そしてついに万のリボルバーは弾切れとなった。
「ク、クソォ……!」
左手は使えない。つまりリロードはできない。
もうひとつリボルバーがある。そちらはトニーギスに引きずられた際に落としてしまった。
あと残るのは……
「ガアアアア!!ロン毛めぇぇ!!こうしてやるわぁぁぁぁぁ!!」
万はそう叫ぶと鎖を掴み、こちら側に思いっきり引っ張った。
「?!」
すると、トニーギスは鎖を持ったまま、万の方へ引っ張られた。
「おっしゃっ!!鎖掴んだまんまこっちに来たな?!アホがァァァァァ!!」
そして万は緩んだ鎖から左腕を出し、近いたトニーギスの顔面に思いっきり拳をぶつけた。
「ブホォぁぁぁぁぁ!?」
そのままトニーギスはかなり遠くへぶっ飛ばされた。
しかし、倒れることは無く、姿勢を正し再び鎌を構えた。
「ひぇ~しぶといなお前!じゃあこっちも殺す気で行くからな!!」
と、万は背中の鞘から大剣を取り出した。
「今更剣ですか……私も舐められたものだなっっっっ!!」
トニーギスはそう言うと鎌を回しながら万に突進してくる。
「来るかっ!上等だぁぁぁぁぁ!!」
と、万も大剣を構え、トニーギスに突進する。
「ギエエエエエエ!!!」
「うぉぉおおおお!!!」
ザシュッッ!!
ジャキンッッッ!!
………………
二人の間に沈黙が流れる。
「……グッ!!」
ブシャアア!!
万の横腹から血が大量に吹き出る。
それと同時に万はその場に跪く。
「クックック……雑魚が!!」
トニーギスは笑いながら万の方向に振り向く。
しかしその時
ボトッ!
という音が万の背後から聞こえた。
万はその音に反応し後ろを振り返る。
「く、首が……」
そこにはトニーギスの首がこちらを向き口角を上げながら落ちていた。
そしてすぐあとにトニーギスの体が膝から崩れ落ちた。
「……はぁ~。勝った~。死ぬかと思ったぜ~……」
万はその姿を見ると安堵して、ため息をついた。
┈┈┈┈トグローフ村┈┈┈┈┈
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「……私、様子見てくる!」
と、サーリセルカが立ち上がり扉へ向かおうとした
「だ、だめよ!サーリセルカ!あなたは行ってはダメ!!」
と、サーリセルカの母。エテラリンネがサーリセルカの腕を掴んだ。
「な、なんでよお母さん!!私だって秀映さんと一緒に戦えるわよ!」
「だ、だめですよ……サーリさん……た、多分相手は僕より階級がう、う、上のヤバイ奴らが来ますよ……きっと……!」
そう言ったのはダイノ。
部屋の隅でガクブルと震えていた。
「てか、あんたは普通戦うでしょダイノ!しかもしれっとライガ語話してるし!」
「い、嫌ですよ!!僕なんかが戦って勝てる相手じゃあ、ありません……」
怒鳴りつけたサーリセルカはその言葉に言葉を失った。
「もうすぐ夜があける頃だろう。彼がもし負けてしまっているなら、今頃順々に家を燃やしていってるだろう……」
そう言ったのはサーリセルカの父。ヴァンハセルカ。
その言葉にみんな恐怖で震え出す。
ドンドンドンッ!
その時だった。
何者かが扉を強く叩いてきた。
その音に皆恐怖するもの、驚くものがいた。
「チッ!秀映さんじゃなかったら私が殺るわ!」
と、サーリセルカは扉の前で鋭い爪を出した手を構えた。
ドンドンドンッ!
扉を叩く音はさらに強くなる。
「ッ!!」
サーリセルカはさらに戦闘態勢になる。
そして扉がゆっくりと開く。
「みなさ~ん!ただいまです~!」
開いた扉から顔を出したのはマスク越しでも笑顔とわかる万秀映だった。
みんなはその姿に唖然としていた。
「しゅ……秀映さんっ!!」
サーリセルカは万の姿を見た途端、万に抱き着きに行った。
「お、おう……サーリちゃん。ただいま。」
その抱き着きに少々驚きながらも、万はかなり弱い力で抱きつき返す。
「よ、よかったぁ~……か、帰って来ないのかと……」
と、いいながら奥から足をプルプルと震わせたダイノが涙目で出てきた。
「な~に言ってんだァ!俺は万秀映だぞ?あっちの世界じゃあ人類最高到達点って言われてんだ!簡単に倒れねぇよ!」
そう言うと万はガハハと笑ってみせた。
「ほ、ほんまにブラック・ナイトを倒したがか……?」
ヴァンハセルカが驚きの表情で万に問いかけた。
「えぇ。もちろんこの手でしっかりと倒しましたよ!」
と、万はその場のみんなに見えるようにガッツポーズをした。
〈じゃ、じゃあ……俺たちの勝利か?〉
〈あ……あぁ、そうだな。俺たちの……俺たちの勝利だ!〉
「わしらの勝利やーーー!」
ある1人の男がそう叫ぶと全員が「おぉぉぉぉぉ!!」と雄叫びをあげた。
┈┈┈┈???┈┈┈┈┈
「クッ……クソッ!なんなんだあの転生者は!!」
と、机の上で頭を抱え、悩むマスニエル。
「これ以上あの村に兵士を送り込んでも無駄か……あそこの村は諦めよう。」
マスニエルは机にあった魔導書をペラペラと読み進めながらそう言った。
「だか、なんとしてでも他の村を制圧しなければ……アズル様復活までに……」
マスニエルは怒りの表情で爪を噛みながら水晶玉を見た。
その水晶玉はトニーギスの視線と一致していた。
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