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第三章 仲間
34歳のたらしと石の城の王子
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夜会の時の突然の宰相任命から慌ただしく二週間がたった。
ナオは愛妾の私室にいる時間は寝ている時の数時間だけで、新しくナオの部屋になった宰相の執務室でほとんど過ごしていた。
「貴様のところに夜伽には行かんから執務に励め」
皇帝の言葉は優しさなのか興味がないだけなのかわからないが、とにかく夜だけはぐっすり寝れる時間は取ることが出来た。
そして皇帝は「今のままでは何かと不便であろう」と、貴族の爵位を授けた。
クレルモン=フェラン侯爵家当主ナオ・クレルモン=フェラン。
ナオの新しい名前だ。
好きな家名を付けてよいとのことだったが、流石にこの見た目で山田直は名乗れない。
ナオが好きなフランスの風情ある町の名前を借りることにした。
服装も最初は愛妾の普段用ドレスで執務を行っていたが動きずら過ぎると、とりあえず女性騎士の礼服を着て執務を行っていた。まもなく女性用の宰相服が出来上がる予定だ。
この二週間でナオは愛妾の時では閲覧不可であった重要な書類や帳簿を読み漁った。
あまりのずさんかつ横暴なやり方に次第にゲンナリしていく。悪いところがあり過ぎてどこから手を付けていいかわからないのが現状だ。
書類や帳簿の内容を把握できるのはやはりもとの世界のビジネスウーマンとして厳しくやってきたスキルに他ならない。
「やはり問題は帝議会ね・・・」
ナオは重たい溜息交じりに呟く。周りにはロレンツェとクリスティーヌが控えている。
「ナオ様。中庭で少し息抜きをされてはいかがですか?
今日はとても日差しが気持ちいいです。もちろんお茶のご用意も出来ております。」
「ふーーー。そうね、根詰め過ぎたかも、ありがとうロレンツェ。
三人で休憩しましょう。」
執務室から回廊の先の中庭に小ぶりな庭園があり、いくつかのテーブルとイスが配してある。
テーブルにはレースのクロスが張られ、すでにお茶菓子とティーカップが容易されている。
「あら?本当に準備万端なのね。」
「はい。一瞬でもナオ様のお時間が無駄にならないようにと思いまして。」
カップに紅茶を注ぎながら、ロレンツェは言った。
「うふふ、ありがとう。そういうロレンツェの気遣いはとても嬉しいわ。
それにしてもクリスティーヌはお菓子を食べたそうね。」
クリスティーヌも横で控えてるが、お菓子を羨ましそうにキラキラした目で見ている。
「ジャンケンで勝つ毎に一つあげるね。じゃーんけーん・・・」
まるで子供をあやす様にナオはクリスティーヌと遊び始める。先程の執務室の厳しい雰囲気はまるでない。
遊んでいるナオを行き来する人が見る。もちろん皇城内でナオのことは瞬く間に知れ渡り、かなり注目されている。
しかし、好意の目で見ている人間はあまりに少ない。皇城内の人―――すなわちそれはほとんどが今まで甘い汁を吸ってきた貴族や文官だ。そのトップの宰相が解任された原因のナオに敵意を持たないなずがない。
もちろん新宰相に取り入ろうとする者も後を絶たず、謁見の申し出はとても多い。
しかし、本当に信頼に足りると思う人は少ない。ナオにはあまりにも味方がいなかった。
そんな周囲の目には気を配る余裕はないのか、お菓子のほとんどをクリスティーヌに取られて一段落したらナオは疲れで椅子の上でうたた寝をしてしまっていた。
「毎日ご苦労様です。」
勝ち取ったお菓子をにこにこ食べるクリスティーヌのしり目に、ロレンツェはブランケットをナオに掛けた。
しばらくすると、眠っているナオの所に男性がやってきた。従者も従えている。
その男性はロレンツェの許しをもらって、ナオと同じテーブルに座った。
しばらく男性はナオの寝顔をマジマジと見ていた。
「ん・・・んん・・・・?寝ちゃった・・・?」
寝始めてから三十分程でナオは目を覚ました。
ぼやけた視界が鮮明になるに連れて、目の前にあるものが人の輪郭を帯びていく。
それも明らかにこっちを見ている。
「だっ誰!」
ナオはびっくりして飛び起きた。
「ハハハ。申し訳ありません。あまりに寝顔がきれいだったもので、つい。」
ナオは自分の寝顔を見られたのと不意打ちな褒め言葉で一気に赤面する。とりあえずロレンツェを睨み付け、怒りの矛先を向けておく。
「申し訳ありません。こちらの方がお目覚めになるまでじっと待つとの事でしたので・・・」
「侍女の方に私が無理を言ってしまいまして。申し訳ありません。
お初にお目に掛かります。私はスタインベルグ王国の第一王子のブラハ・スタインベルグと申します。諸国を視察しておりまして、しばらくオルネア帝国に滞在させていただいております。
先日の夜会の時にナオ殿のお姿を拝見いたしました。」
ブラハは椅子から立ち、片膝をついて正式な挨拶をした。
夜会の時に貴婦人の話題を集めていた明るい栗色の髪の美男子だ。
今日は左胸に石の城をモチーフにしたスタインベルグ王国の紋章が刺繍されている紺色の軍服に身を包んでいる。
「初めまして。ナオ・クレルモン=フェランと申します。
貴殿は夜会で貴婦人から羨望されていた方ですね。すごい人だかりでございましたね。」
「ははは。たまたま会話が弾んで輪が大きくなってしまっただけの事、羨望だなんてことはございません。」
「しかし、先ほどの寝顔と今の雰囲気はまるで違いますね。
寝顔はとても無垢な美少女なのに、起きている今はとても大人びた雰囲気ですね。」
「今のは褒め言葉と受け取っていいのですよね?フフフ」
ナオはもちろん『ギクリ』としたが表情には見せず、うまく躱した。
「ナオ殿、堅苦しいのは苦手です。もう少しフランクに話してもよろしいですか?」
ブラハは一度溜息をついて落ち着いてから笑顔を見せて言う。
その屈託のない笑顔にナオもつられて笑顔になってしまう。
「素敵な方。王子なのにとても素直で子供っぽい。」
「ハハハ。それはもしや褒めていただいているのかもしれませんが、多分ナオ殿より年上です。
堅苦しいのは苦手とか弱い事を言ってしまいましたが、少しは年上の威厳を見せつけないと。」
「フフフ。顔だけ凛々しい風に見せてもだめです。もう余計に本性がだだ漏れです。」
いくつか、それもたわいもない会話しかしていないのに、あっという間に心の距離が近くなる。
ナオの心が少しキュンとときめく。
少しの間、和気あいあいとした会話を交わしたのち、ブラハが本題を切り出す。
「そろそろ年上らしいことを一つ話させて下さい。
実は先日の夜会でのナオ殿の大立ち回りを見ていました。
帝国民に対してなんて優しさをお持ちなんだろうと感動しました。でも・・・」
「・・・結果、宰相にはなりましたが敵を多く作ってしまったのではないかと思いまして。」
ブラハは他国の事なのに夜会とその後の何週間で内情を把握していた。驚くべき情報網である。
「それならばナオ殿に少しお力添えをしたいと思っています。
同盟国王子の私と懇意にしているのを見れば旗色を変える人も出てくるかもしれません。
それと、他国だからこそ見える情報を差し上げます。」
「さすがですね・・・。しかし、なぜ不利な私にこのような申し出をするんですか?」
あまりに調子が良すぎる。なにか見返りか裏があるに違いないと思うのは当然である。
「もちろんこちらにも有益ではあります。ナオ殿が帝議会などを掌握して帝国の国力を回復してくれれば我が国にも貿易や外交で有益だからです。現状はあまりにひどすぎる。」
「しかし、それだけでは協力していただくのに足りないと思うのですが・・・」
ナオは真意を計れず疑惑を払拭できないでいると、横からブラハの従者が口を挟む。
「僭越ながら失礼いたします、ブラハ様。やはり正直にあの事を話した方がいいかと思います。」
「う・・・ぐ・・」
従者からの横やりに、ブラハは少し頬を染めてうつむいた。
「・・・・・お恥ずかしい話しですが・・・。」
「?」
「夜会の大立ち回りの時に気づいてしまったんです・・・。」
「・・・似ているんです・・・。その・・・いつも私を守ってくれていた・・・・十年以上前に亡くなった、はとこの姉に。」
「?・・・・・その雰囲気はもしかしてそのお姉さまの事、好きだったのですか?」
「・・・・はい」
『子供の頃に好きだった方に似ているから、放っておけなくて協力したいだなんて、甘酸っぱすぎる!!』
ナオの心はドキドキが止まらなかった。
「フフフ、ブラハ殿。
本心を話していただいてありがとうございます。
最初から好意的に接してくれたのはそういうことだったんですね。
私は今日ほどこの見た目でよかったと思うことはありません。
お申し出、喜んでお受けいたします。」
ナオは興奮のあまり立ち上がり、両手でブラハの手を取り胸元で握った。
「あっナオ様!それはっ!」
ロレンツェが口を挟む。しかしもう遅いと気づき自分の手で顔を覆い、二人を見ないようにする。
ブラハの顔は湯気が出そうなほど真っ赤に、目はあさってを泳いでいた・・・・。
『出ました、ナオ様の人たらし・・・』
ロレンツェは心の中で呟いた。
ナオは愛妾の私室にいる時間は寝ている時の数時間だけで、新しくナオの部屋になった宰相の執務室でほとんど過ごしていた。
「貴様のところに夜伽には行かんから執務に励め」
皇帝の言葉は優しさなのか興味がないだけなのかわからないが、とにかく夜だけはぐっすり寝れる時間は取ることが出来た。
そして皇帝は「今のままでは何かと不便であろう」と、貴族の爵位を授けた。
クレルモン=フェラン侯爵家当主ナオ・クレルモン=フェラン。
ナオの新しい名前だ。
好きな家名を付けてよいとのことだったが、流石にこの見た目で山田直は名乗れない。
ナオが好きなフランスの風情ある町の名前を借りることにした。
服装も最初は愛妾の普段用ドレスで執務を行っていたが動きずら過ぎると、とりあえず女性騎士の礼服を着て執務を行っていた。まもなく女性用の宰相服が出来上がる予定だ。
この二週間でナオは愛妾の時では閲覧不可であった重要な書類や帳簿を読み漁った。
あまりのずさんかつ横暴なやり方に次第にゲンナリしていく。悪いところがあり過ぎてどこから手を付けていいかわからないのが現状だ。
書類や帳簿の内容を把握できるのはやはりもとの世界のビジネスウーマンとして厳しくやってきたスキルに他ならない。
「やはり問題は帝議会ね・・・」
ナオは重たい溜息交じりに呟く。周りにはロレンツェとクリスティーヌが控えている。
「ナオ様。中庭で少し息抜きをされてはいかがですか?
今日はとても日差しが気持ちいいです。もちろんお茶のご用意も出来ております。」
「ふーーー。そうね、根詰め過ぎたかも、ありがとうロレンツェ。
三人で休憩しましょう。」
執務室から回廊の先の中庭に小ぶりな庭園があり、いくつかのテーブルとイスが配してある。
テーブルにはレースのクロスが張られ、すでにお茶菓子とティーカップが容易されている。
「あら?本当に準備万端なのね。」
「はい。一瞬でもナオ様のお時間が無駄にならないようにと思いまして。」
カップに紅茶を注ぎながら、ロレンツェは言った。
「うふふ、ありがとう。そういうロレンツェの気遣いはとても嬉しいわ。
それにしてもクリスティーヌはお菓子を食べたそうね。」
クリスティーヌも横で控えてるが、お菓子を羨ましそうにキラキラした目で見ている。
「ジャンケンで勝つ毎に一つあげるね。じゃーんけーん・・・」
まるで子供をあやす様にナオはクリスティーヌと遊び始める。先程の執務室の厳しい雰囲気はまるでない。
遊んでいるナオを行き来する人が見る。もちろん皇城内でナオのことは瞬く間に知れ渡り、かなり注目されている。
しかし、好意の目で見ている人間はあまりに少ない。皇城内の人―――すなわちそれはほとんどが今まで甘い汁を吸ってきた貴族や文官だ。そのトップの宰相が解任された原因のナオに敵意を持たないなずがない。
もちろん新宰相に取り入ろうとする者も後を絶たず、謁見の申し出はとても多い。
しかし、本当に信頼に足りると思う人は少ない。ナオにはあまりにも味方がいなかった。
そんな周囲の目には気を配る余裕はないのか、お菓子のほとんどをクリスティーヌに取られて一段落したらナオは疲れで椅子の上でうたた寝をしてしまっていた。
「毎日ご苦労様です。」
勝ち取ったお菓子をにこにこ食べるクリスティーヌのしり目に、ロレンツェはブランケットをナオに掛けた。
しばらくすると、眠っているナオの所に男性がやってきた。従者も従えている。
その男性はロレンツェの許しをもらって、ナオと同じテーブルに座った。
しばらく男性はナオの寝顔をマジマジと見ていた。
「ん・・・んん・・・・?寝ちゃった・・・?」
寝始めてから三十分程でナオは目を覚ました。
ぼやけた視界が鮮明になるに連れて、目の前にあるものが人の輪郭を帯びていく。
それも明らかにこっちを見ている。
「だっ誰!」
ナオはびっくりして飛び起きた。
「ハハハ。申し訳ありません。あまりに寝顔がきれいだったもので、つい。」
ナオは自分の寝顔を見られたのと不意打ちな褒め言葉で一気に赤面する。とりあえずロレンツェを睨み付け、怒りの矛先を向けておく。
「申し訳ありません。こちらの方がお目覚めになるまでじっと待つとの事でしたので・・・」
「侍女の方に私が無理を言ってしまいまして。申し訳ありません。
お初にお目に掛かります。私はスタインベルグ王国の第一王子のブラハ・スタインベルグと申します。諸国を視察しておりまして、しばらくオルネア帝国に滞在させていただいております。
先日の夜会の時にナオ殿のお姿を拝見いたしました。」
ブラハは椅子から立ち、片膝をついて正式な挨拶をした。
夜会の時に貴婦人の話題を集めていた明るい栗色の髪の美男子だ。
今日は左胸に石の城をモチーフにしたスタインベルグ王国の紋章が刺繍されている紺色の軍服に身を包んでいる。
「初めまして。ナオ・クレルモン=フェランと申します。
貴殿は夜会で貴婦人から羨望されていた方ですね。すごい人だかりでございましたね。」
「ははは。たまたま会話が弾んで輪が大きくなってしまっただけの事、羨望だなんてことはございません。」
「しかし、先ほどの寝顔と今の雰囲気はまるで違いますね。
寝顔はとても無垢な美少女なのに、起きている今はとても大人びた雰囲気ですね。」
「今のは褒め言葉と受け取っていいのですよね?フフフ」
ナオはもちろん『ギクリ』としたが表情には見せず、うまく躱した。
「ナオ殿、堅苦しいのは苦手です。もう少しフランクに話してもよろしいですか?」
ブラハは一度溜息をついて落ち着いてから笑顔を見せて言う。
その屈託のない笑顔にナオもつられて笑顔になってしまう。
「素敵な方。王子なのにとても素直で子供っぽい。」
「ハハハ。それはもしや褒めていただいているのかもしれませんが、多分ナオ殿より年上です。
堅苦しいのは苦手とか弱い事を言ってしまいましたが、少しは年上の威厳を見せつけないと。」
「フフフ。顔だけ凛々しい風に見せてもだめです。もう余計に本性がだだ漏れです。」
いくつか、それもたわいもない会話しかしていないのに、あっという間に心の距離が近くなる。
ナオの心が少しキュンとときめく。
少しの間、和気あいあいとした会話を交わしたのち、ブラハが本題を切り出す。
「そろそろ年上らしいことを一つ話させて下さい。
実は先日の夜会でのナオ殿の大立ち回りを見ていました。
帝国民に対してなんて優しさをお持ちなんだろうと感動しました。でも・・・」
「・・・結果、宰相にはなりましたが敵を多く作ってしまったのではないかと思いまして。」
ブラハは他国の事なのに夜会とその後の何週間で内情を把握していた。驚くべき情報網である。
「それならばナオ殿に少しお力添えをしたいと思っています。
同盟国王子の私と懇意にしているのを見れば旗色を変える人も出てくるかもしれません。
それと、他国だからこそ見える情報を差し上げます。」
「さすがですね・・・。しかし、なぜ不利な私にこのような申し出をするんですか?」
あまりに調子が良すぎる。なにか見返りか裏があるに違いないと思うのは当然である。
「もちろんこちらにも有益ではあります。ナオ殿が帝議会などを掌握して帝国の国力を回復してくれれば我が国にも貿易や外交で有益だからです。現状はあまりにひどすぎる。」
「しかし、それだけでは協力していただくのに足りないと思うのですが・・・」
ナオは真意を計れず疑惑を払拭できないでいると、横からブラハの従者が口を挟む。
「僭越ながら失礼いたします、ブラハ様。やはり正直にあの事を話した方がいいかと思います。」
「う・・・ぐ・・」
従者からの横やりに、ブラハは少し頬を染めてうつむいた。
「・・・・・お恥ずかしい話しですが・・・。」
「?」
「夜会の大立ち回りの時に気づいてしまったんです・・・。」
「・・・似ているんです・・・。その・・・いつも私を守ってくれていた・・・・十年以上前に亡くなった、はとこの姉に。」
「?・・・・・その雰囲気はもしかしてそのお姉さまの事、好きだったのですか?」
「・・・・はい」
『子供の頃に好きだった方に似ているから、放っておけなくて協力したいだなんて、甘酸っぱすぎる!!』
ナオの心はドキドキが止まらなかった。
「フフフ、ブラハ殿。
本心を話していただいてありがとうございます。
最初から好意的に接してくれたのはそういうことだったんですね。
私は今日ほどこの見た目でよかったと思うことはありません。
お申し出、喜んでお受けいたします。」
ナオは興奮のあまり立ち上がり、両手でブラハの手を取り胸元で握った。
「あっナオ様!それはっ!」
ロレンツェが口を挟む。しかしもう遅いと気づき自分の手で顔を覆い、二人を見ないようにする。
ブラハの顔は湯気が出そうなほど真っ赤に、目はあさってを泳いでいた・・・・。
『出ました、ナオ様の人たらし・・・』
ロレンツェは心の中で呟いた。
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