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第三章 仲間
34歳が三顧の礼で迎えるのはやはり
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「フィリップ・パスカル様はおいででしょうか。
帝国宰相のナオ・クレルモン=フェランがお会いしたいと参りました。」
ロレンツェはフィリップの館の門番に告げる。
門は閉じられていて数人の衛兵がいる。
門から続く壁は非常に高く、頂上には槍を模した柵がついている。
壁自体はしっかりとした石材で積まれていて非常に堅牢だった。
やはり盗賊もでるということで警備は厳重なようだ。
しばらくして門番が戻ってくる。
しかし、フィリップは忙しく日も傾いているので本日は会えない、出直す様にとの事だった。
「そう、残念ね。確かに盗賊の事もある。今日の所は帰りましょう。
また明日来るとだけ伝えておいて。」
ナオの一団は帰路についた。帰りは盗賊に襲われることはなかった。
翌日、今度は午前のうちにナオたちはフィリップの館を訪れることにした。
そして道中。
先日と同じようなところに廃材が積まれ、道を塞いでいた。
「さあさあ、貴族の方々よっ。
自分で身ぐるみおいて逃げるか、痛めつけられて死ぬか、好きな方選びな。」
昨日の盗賊である。
今度は二十人程に囲まれていた。
「昨日の盗賊か・・・懲りないな」
ロレンツェは抜刀する。しかし、今度は他の二人の騎士も抜刀して盗賊に向かっていく。
ものの数分で優劣がつき、
「ちくしょう!二度とここを通るんじゃねえ!!」
またも捨てゼリフを吐いて盗賊は森に消えた。
フィリップの館についたが、またしても面会はかなわなかった。
「ナオ様・・・・。どうやらお会いする気がないみたいです・・・。」
「困ったわね。会ってもいただけないなんて・・・」
ナオは困った顔をしたが、目には希望の光を蓄えている。
「大丈夫。こういうときは三顧の礼よ!」
「サンコンの霊?何ですか、それは?」
また翌日、ナオたちはフィリップの館に向かう。皇都ではすでにナオがフィリップ・パスカルを迎えようとしているとの噂になっていた。
道中、また同じように廃材が積まれていた。
「さあさあ、貴族の方々よっ。
自分で身ぐるみおいて逃げるか、痛めつけられて死ぬか、好きな方選びな。」
例のごとく、首領が得意げに通告する。
「ってまたお前たちか!!二度と来るんじゃねえと言ったのに!」
ロレンツェたちに気づいて首領は焦りを隠せない。
「だが!今日は三十人はいるんだ!三人じゃ太刀打ちできないだろう!!」
少し分が悪いとロレンツェも緊張気味に抜刀する。
盗賊も2日間もコテンパンにされたので、優勢でも慎重に距離を詰めてくる。
両者の間に静寂と緊張が走る。
「待ちなさい!!」
なんとナオが馬車から降りて声を上げた。
「ナオ様!危険です!馬車にお戻りください!」
「大丈夫、ロレンツェ。安心して」
ナオはロレンツェに笑顔を見せてから、誰もいない森の方に向かって声を掛けた。
「フィリップ・パスカル殿!!もうこのような茶番は終わりにしましょう!!」
「??」
ロレンツェと騎士たちは意味が全く分からなかった。
しかし、ナオが声を掛けた森から人影が現れる。
「見事だのう。よく気が付いた。宰相殿。」
森から姿を現したのは白髪の初老の男性だった。しかし、身体は老人とは思えないほど大きく、筋肉隆々だ。
「まさか・・・フィリップ・パスカル様が盗賊をやらせていたと・・・・?」
ロレンツェは狼狽しながら現状を認識した。
「その通り。麗しい女性騎士殿よ。
私が命じてここを通る貴族を襲わせておる。」
「な・・・なぜ!そのようなことを!!」
「簡単なことよ。私腹を肥やした貴族から金品を巻き上げ、それを民草に返す。」
「しかし、それでは犯罪ではないですか!」
「落ち着いてロレンツェ」
熱くなるロレンツェをナオが制す。
「正義を振りかざして多くの人を救っても必ず救えない人はいる。フィリップ・パスカル殿は例え罪になろうが、その救われない人を助けようとしているのです。」
「うっ・・・・」
「ほほう。ワシの行動を肯定するか。正義感に燃える、ただの青臭い小娘ではないようだのう。」
フィリップは大きく笑った後、他の盗賊たちに散開するよう命じた。
「ついて来い。館に招待するとしよう。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ナオたちの一団はついにフィリップの館に入れてもらえ、大広間に通される。
館の外観の堅牢さとは打って変わり、質素で味気ない部屋だった。
テーブルや椅子などは非常に年季が入っている。まさに質実剛健だ。
「では、本題に入ろうか。ワシに何用か?」
改まった自己紹介など全くなく、フィリップは大テーブルの椅子に腰かけて話した。
騎士二人は部屋の外で待機していて、ナオとロレンツェだけその場に座らず立っていた。
「初めまして。私はオルネア帝国の現宰相のナオ・クレルモン=フェランと申します。
まだ任命されたばかりですが、今の帝国の破滅的な現状を一刻も早く何とかしたいと思っています。
友人より賢老フィリップ・パスカル殿の事を伺いました。
侵略戦争を回避するため、帝国臣民を守るために非常に尽力されたと聞き及んでいます。
ぜひ、お力をお貸しいただけないでしょうか。」
「ふむ・・・。ナオ殿よ。
貴殿の話はもちろん耳に入っておる。愛妾であることも、夜会での大立ち回りの事も。
然るに、幾つか問おう」
「はい。何なりと。」
フィリップはナオに本質的な事を問う。
答えによってはすぐ追い出される、そんな雰囲気の張り詰めた質疑応答だ。
それに対してナオは真摯に答える。
緊張感のため、汗が首筋を伝わっていく。
「―――では最後の問いだ。」
「ワシの力で国外に拠点を作ることが可能だ。そこで1年ほどで基盤を固めて外から帝国を変えればよい。
もちろん、そのまま避難していればさすがに国外までは皇帝の力は及ばん。そのまま暮らしてもよい。いかがする?」
「賢老、フィリップ・パスカル殿。
御しやすいところから改革して規模を拡大して大きな改革のうねりを作る。確かに、手段としては非常に効率が良いかもしれません。しかし!」
バン!っとナオは両手をテーブルに叩きつけるようにおいてフィリップを睨み付けた。
「しかし!現状の皇都の民を捨て置いてそんな真似はできません!
私は貧困に苦しむその人達の手を取りたいのです!この責任を放置して逃亡など以ての外!!
私の志と覚悟を軽んじらないでいただきたい!」
「・・・・・・」
「当然・・・ナオ殿が逃亡するといったら手を貸さないつもりだったが、ワシに焚き付けられているのを分かっていながら尚、怒りで返すとはな・・・。」
「良いだろう・・・。ナオ殿に協力しよう。
だが、今後はその直情的に歩む心も少しは武装していけ!ぶははははは!」
緊迫した雰囲気をぶち壊すように、フィリップは大声をあげて笑う。
「あ・・・ありがとうございます・・・。」
フィリップの豪快な笑い声でナオは我に返った。
そして力が抜けたのか、テーブルにへたり込んでしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「豪胆な方でしたね。」
大広間を出た帰り道、ロレンツェはナオに話しかけた。
「本当に。怖かったわ・・・」
「しかし、いつ盗賊がフィリップ様の手の者と気づいたのですか?」
ロレンツェは早く疑問を解きたくてワクワクしていたようだった。表情には出てないが。
「それはだね、ワトソン君。」
「?。私はロレンツェですが?」
「いーのいーの。続けさせて。」
ナオはモノマネをしながら謎解きをする。もちろんロレンツェには誰だかわからない。
「―――以上の事、そして二日目、三日目の盗賊の人数が増えていたこと、極めつけはフィリップ殿の家紋が全員の剣に入っていたのだよ」
「なるほど・・・」
ナオはなかなかのドヤ顔であった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「父上。ではナオ嬢に協力し、皇城に入るという事なんだな。了解だぜ。」
ナオ達が帰った後、大広間に盗賊の首領が来ていた。
実はこの首領はフィリップ・パスカルの息子クリストフ・パスカルだった。
「しかしよう、父上。ナオ嬢はちゃんと剣の事気づいたんだな」
「うむ。ちゃんとお膳立てしてやったのだ。
そうでなければ、素性が分かってしまう家紋入りの剣など盗賊が揃って持っているわけがあるまい。
宰相なら本来は、それくらい裏の事まで考えれなくては困るがの。」
「さすが巷で賢老と呼ばれる父上。ナオ殿は父上からの難問を完全にはクリアできなかったのだな。
何度来ても追い返せというのが父上の命だったから、及第点までいっただけでもすごいけどな。俺には到底無理。
やはり知力で父上にかなう奴はいないな。」
「ふははは、当然だ。小娘の宰相などに負けるものか。
しかし、賊との対峙と先ほどの話で人となりはよくわかった。
時にはあのように純粋で真っすぐなバカでなければ打ち破れない事が多いのも事実だ。」
「父上、ひどいな」
「いいや、褒めておる。あの手のタイプはなかなか好きなれば、な・・・。」
先程・・・・ナオはなかなかのドヤ顔であった。
帝国宰相のナオ・クレルモン=フェランがお会いしたいと参りました。」
ロレンツェはフィリップの館の門番に告げる。
門は閉じられていて数人の衛兵がいる。
門から続く壁は非常に高く、頂上には槍を模した柵がついている。
壁自体はしっかりとした石材で積まれていて非常に堅牢だった。
やはり盗賊もでるということで警備は厳重なようだ。
しばらくして門番が戻ってくる。
しかし、フィリップは忙しく日も傾いているので本日は会えない、出直す様にとの事だった。
「そう、残念ね。確かに盗賊の事もある。今日の所は帰りましょう。
また明日来るとだけ伝えておいて。」
ナオの一団は帰路についた。帰りは盗賊に襲われることはなかった。
翌日、今度は午前のうちにナオたちはフィリップの館を訪れることにした。
そして道中。
先日と同じようなところに廃材が積まれ、道を塞いでいた。
「さあさあ、貴族の方々よっ。
自分で身ぐるみおいて逃げるか、痛めつけられて死ぬか、好きな方選びな。」
昨日の盗賊である。
今度は二十人程に囲まれていた。
「昨日の盗賊か・・・懲りないな」
ロレンツェは抜刀する。しかし、今度は他の二人の騎士も抜刀して盗賊に向かっていく。
ものの数分で優劣がつき、
「ちくしょう!二度とここを通るんじゃねえ!!」
またも捨てゼリフを吐いて盗賊は森に消えた。
フィリップの館についたが、またしても面会はかなわなかった。
「ナオ様・・・・。どうやらお会いする気がないみたいです・・・。」
「困ったわね。会ってもいただけないなんて・・・」
ナオは困った顔をしたが、目には希望の光を蓄えている。
「大丈夫。こういうときは三顧の礼よ!」
「サンコンの霊?何ですか、それは?」
また翌日、ナオたちはフィリップの館に向かう。皇都ではすでにナオがフィリップ・パスカルを迎えようとしているとの噂になっていた。
道中、また同じように廃材が積まれていた。
「さあさあ、貴族の方々よっ。
自分で身ぐるみおいて逃げるか、痛めつけられて死ぬか、好きな方選びな。」
例のごとく、首領が得意げに通告する。
「ってまたお前たちか!!二度と来るんじゃねえと言ったのに!」
ロレンツェたちに気づいて首領は焦りを隠せない。
「だが!今日は三十人はいるんだ!三人じゃ太刀打ちできないだろう!!」
少し分が悪いとロレンツェも緊張気味に抜刀する。
盗賊も2日間もコテンパンにされたので、優勢でも慎重に距離を詰めてくる。
両者の間に静寂と緊張が走る。
「待ちなさい!!」
なんとナオが馬車から降りて声を上げた。
「ナオ様!危険です!馬車にお戻りください!」
「大丈夫、ロレンツェ。安心して」
ナオはロレンツェに笑顔を見せてから、誰もいない森の方に向かって声を掛けた。
「フィリップ・パスカル殿!!もうこのような茶番は終わりにしましょう!!」
「??」
ロレンツェと騎士たちは意味が全く分からなかった。
しかし、ナオが声を掛けた森から人影が現れる。
「見事だのう。よく気が付いた。宰相殿。」
森から姿を現したのは白髪の初老の男性だった。しかし、身体は老人とは思えないほど大きく、筋肉隆々だ。
「まさか・・・フィリップ・パスカル様が盗賊をやらせていたと・・・・?」
ロレンツェは狼狽しながら現状を認識した。
「その通り。麗しい女性騎士殿よ。
私が命じてここを通る貴族を襲わせておる。」
「な・・・なぜ!そのようなことを!!」
「簡単なことよ。私腹を肥やした貴族から金品を巻き上げ、それを民草に返す。」
「しかし、それでは犯罪ではないですか!」
「落ち着いてロレンツェ」
熱くなるロレンツェをナオが制す。
「正義を振りかざして多くの人を救っても必ず救えない人はいる。フィリップ・パスカル殿は例え罪になろうが、その救われない人を助けようとしているのです。」
「うっ・・・・」
「ほほう。ワシの行動を肯定するか。正義感に燃える、ただの青臭い小娘ではないようだのう。」
フィリップは大きく笑った後、他の盗賊たちに散開するよう命じた。
「ついて来い。館に招待するとしよう。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ナオたちの一団はついにフィリップの館に入れてもらえ、大広間に通される。
館の外観の堅牢さとは打って変わり、質素で味気ない部屋だった。
テーブルや椅子などは非常に年季が入っている。まさに質実剛健だ。
「では、本題に入ろうか。ワシに何用か?」
改まった自己紹介など全くなく、フィリップは大テーブルの椅子に腰かけて話した。
騎士二人は部屋の外で待機していて、ナオとロレンツェだけその場に座らず立っていた。
「初めまして。私はオルネア帝国の現宰相のナオ・クレルモン=フェランと申します。
まだ任命されたばかりですが、今の帝国の破滅的な現状を一刻も早く何とかしたいと思っています。
友人より賢老フィリップ・パスカル殿の事を伺いました。
侵略戦争を回避するため、帝国臣民を守るために非常に尽力されたと聞き及んでいます。
ぜひ、お力をお貸しいただけないでしょうか。」
「ふむ・・・。ナオ殿よ。
貴殿の話はもちろん耳に入っておる。愛妾であることも、夜会での大立ち回りの事も。
然るに、幾つか問おう」
「はい。何なりと。」
フィリップはナオに本質的な事を問う。
答えによってはすぐ追い出される、そんな雰囲気の張り詰めた質疑応答だ。
それに対してナオは真摯に答える。
緊張感のため、汗が首筋を伝わっていく。
「―――では最後の問いだ。」
「ワシの力で国外に拠点を作ることが可能だ。そこで1年ほどで基盤を固めて外から帝国を変えればよい。
もちろん、そのまま避難していればさすがに国外までは皇帝の力は及ばん。そのまま暮らしてもよい。いかがする?」
「賢老、フィリップ・パスカル殿。
御しやすいところから改革して規模を拡大して大きな改革のうねりを作る。確かに、手段としては非常に効率が良いかもしれません。しかし!」
バン!っとナオは両手をテーブルに叩きつけるようにおいてフィリップを睨み付けた。
「しかし!現状の皇都の民を捨て置いてそんな真似はできません!
私は貧困に苦しむその人達の手を取りたいのです!この責任を放置して逃亡など以ての外!!
私の志と覚悟を軽んじらないでいただきたい!」
「・・・・・・」
「当然・・・ナオ殿が逃亡するといったら手を貸さないつもりだったが、ワシに焚き付けられているのを分かっていながら尚、怒りで返すとはな・・・。」
「良いだろう・・・。ナオ殿に協力しよう。
だが、今後はその直情的に歩む心も少しは武装していけ!ぶははははは!」
緊迫した雰囲気をぶち壊すように、フィリップは大声をあげて笑う。
「あ・・・ありがとうございます・・・。」
フィリップの豪快な笑い声でナオは我に返った。
そして力が抜けたのか、テーブルにへたり込んでしまった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「豪胆な方でしたね。」
大広間を出た帰り道、ロレンツェはナオに話しかけた。
「本当に。怖かったわ・・・」
「しかし、いつ盗賊がフィリップ様の手の者と気づいたのですか?」
ロレンツェは早く疑問を解きたくてワクワクしていたようだった。表情には出てないが。
「それはだね、ワトソン君。」
「?。私はロレンツェですが?」
「いーのいーの。続けさせて。」
ナオはモノマネをしながら謎解きをする。もちろんロレンツェには誰だかわからない。
「―――以上の事、そして二日目、三日目の盗賊の人数が増えていたこと、極めつけはフィリップ殿の家紋が全員の剣に入っていたのだよ」
「なるほど・・・」
ナオはなかなかのドヤ顔であった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「父上。ではナオ嬢に協力し、皇城に入るという事なんだな。了解だぜ。」
ナオ達が帰った後、大広間に盗賊の首領が来ていた。
実はこの首領はフィリップ・パスカルの息子クリストフ・パスカルだった。
「しかしよう、父上。ナオ嬢はちゃんと剣の事気づいたんだな」
「うむ。ちゃんとお膳立てしてやったのだ。
そうでなければ、素性が分かってしまう家紋入りの剣など盗賊が揃って持っているわけがあるまい。
宰相なら本来は、それくらい裏の事まで考えれなくては困るがの。」
「さすが巷で賢老と呼ばれる父上。ナオ殿は父上からの難問を完全にはクリアできなかったのだな。
何度来ても追い返せというのが父上の命だったから、及第点までいっただけでもすごいけどな。俺には到底無理。
やはり知力で父上にかなう奴はいないな。」
「ふははは、当然だ。小娘の宰相などに負けるものか。
しかし、賊との対峙と先ほどの話で人となりはよくわかった。
時にはあのように純粋で真っすぐなバカでなければ打ち破れない事が多いのも事実だ。」
「父上、ひどいな」
「いいや、褒めておる。あの手のタイプはなかなか好きなれば、な・・・。」
先程・・・・ナオはなかなかのドヤ顔であった。
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