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第七章 叛逆
34歳の虜囚と蔓延る悪意
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フィリップの屋敷の前で捕縛され、ナオは目隠しと猿轡をされてどこかに攫われた。
意識があるうちはレルミタの事を思って、しきりに涙を流していた。
だが泣き疲れ、疲労も激しかったために意識を失った。
何時間たったであろうか。
ナオは意識を取り戻した。どうやら床に突っ伏しているらしい。未だに目隠しされていているため、ナオの視界は真っ暗だ。
ただ、両手も背中で縛られている。
仕方なくナオは床に顔をこすりつけて目隠しをずらした。
なんとか視界が開ける。
ナオはわかる範囲で状況を整理してみる。
ナオがいる場所はどこかの牢のようだった。しかし、格子は木でできていて、床は平たくなく傾いている。そして緩やかにずっと揺れている。
これが船の中で、船底の牢ということは容易に想像がついた。
フィリップの屋敷は皇都近くの内陸の山の中。近くに海はない。
これが川でなく、海ならば少なくとも二日は経過していることになる。
「・・・・・」
同時にレルミタの事、ロレンツェの事も思い出す。
だが、挫けてばかりいられない。心を奮い立たす。
「おっ?起きたか。」
男がナオの様子を見に来た。手には革袋の水筒と皿を持っていて、皿にはパンが乗っている。
それらを格子の隙間から差し入れる。
「食っとけ。」
ナオはどうやって?という顔を男に向ける。
「仕方ねえな。手を出せ。」
ナオは格子に背を向け、縛られている手を差し出した。
男は腰の短刀で縄を切った。
「しかし、驚かねえんだな。」
男は拍子抜けしたのか、問いかける。
「ええ。あなたの事よりも、大事な人を失った悲しみの方が大きいです。」
「悪いな。俺にとっては仇だったんでな。」
「やはり、憎しみは憎しみしか生み出しません。サヴァディンのジャド殿。」
コラシオ島とサヴァディン群島の争いで対面したサヴァディン群島側の島頭ジャドに対して、ナオは冷静に告げた。
あの時、あの瞬間にレルミタに射掛ける事を指示したのはこの男だった。
「じゃあ、タリスの狂気を殺した俺を赦してくれるのかい?宰相さん?」
「絶対に・・・絶対に赦しません!」
「言ってることが違うじゃねえか。」
ジャドは手を挙げてハハッと笑う。
「あなたの事を赦しません。でも憎まない。
レルミタはあなたを恨んで死んだわけではありません。私を守れた事を誇りに思って死んだ。
その誇りを私は踏みにじったりしません。
私は恨みや憎しみという私情ではなく、心に決めた信念を持って私にしかできない責務を果たします。
それが私の命を繋いでくれたレルミタへの敬意です!」
もちろん、ナオは心の整理がついているわけではない。だが、言葉にすることによって自分自身に言い聞かせようとしているのかもしれない。
笑っていたジャドの口が開いたまま、硬直していた。その目は驚きに満ちている。
「宰相さんよ。あんた本当にすげえな。聖人かよ。
タリス島の海賊を味方につけちまったこともあるし、このまま話してたらこっちまで操られちまうかもな。こええ。」
「心にもない冗談を・・・・それより、どこに向かっているのですか?」
「教えたところで何にも変わらないからな。いいだろう、教えてやる。
今この船はサヴァディン群島に向かっている。そこで生け捕りにできたお前をしばらく監禁する。
なあに、部下に手出しはさせねえよ。安心しな。大事な切り札だからな。」
「それでは今回の皇城の襲撃はイスタリカ王国の仕業なのですか?」
「おお?賢いねえ。
確かに俺たちサヴァディン群島はイスタリカ王国と協力して動いている。
だが、半分だけ正解だ。もちろん内通者がいる。お前に恨みを持っている奴がいるだろう?」
「恨み・・・?」
恨まれるようなことをしただろうか。
ナオは首を傾げた。
「忘れてるのも無理もねえ。直接なんかしたわけではなさそうだからな。あいつだよ。
お前のせいで解任された元宰相のラリュー・デュモンだよ。」
「――――!」
ナオは言葉を失った。確かにナオが原因で宰相を解任された。しかも、フィリップの力も借りて帝議会に蔓延るラリュー・デュモン一派を全て排除した。
それで終わりを見たかと思ったが、こんなに時間がたった後に行動を起こすとは予想外だった。
「あいつは俺は嫌いだぜ。狡猾で胸糞悪い。
だが、切れる。
直接ではもうあんたたちにかなわないと思ったら、時間をかけてクーデターの準備をしたのさ。」
「クーデター?」
「ああ、そうだ。
当初の計画では武術大会で人が集まるのを機に、皇帝を暗殺。
その後、イスタリカ王国の武力を背景に元宰相ラリュー・デュモンが全ての権力を掌握する。
オルネア帝国はイスタリカ王国の属国になり、ラリューがその属国を支配する国主となる予定だった。」
「ラリュー・デュモンは国を売るつもりだったの!?」
「最悪なやつだろ?どうせそんな奴が国主になっても裏切られて殺されるのがオチだがな。」
「だが、武術大会で状況が少し変わった。
それが優勝した騎士だ。公の前で宰相ナオが亡国アルマニャック王国の王女だと明言したんだろ?
狡猾なラリューは皇帝暗殺の罪をあんたに被せようとしたんだ。
そしてあんたを捕らえ、処刑する。それで反逆者を捕らえた英雄としてオルネア帝国に返り咲こうとしたわけ。」
「だが、皇帝暗殺に失敗した・・・・。」
「そう。皇帝の暗殺の罪はあんたに着せれたが、肝心の暗殺は失敗した。
だからまだあんたは生きている。」
「どういうこと?」
「ラリューはさらに一計を案じたんだ。
宰相ナオをイスタリカ王国が匿っている事にした。
当然、オルネア帝国から追手が掛かってる。
その追手をイスタリカ王国が捕まえ、領国侵犯をでっち上げてオルネア帝国を攻める大義名分にするのさ。
宣戦布告の形がしっかりしていれば、諸国も何も口出しはできないだろうからな。」
「なんということを・・・。」
「ちなみにお前を追っている奴らはお前の私設部隊とやららしい。
さらに仲間を失うか。残念だな。」
「まさか、フィリップ殿、ラヴェル殿が!?」
ナオの頭に最悪の結末がよぎる。
このままでは公式私設部隊の面々が罠に嵌められる。そしてイスタリカ王国との戦争になり、オルネア帝国国土が戦火にまみれることとなる。多くの犠牲は免れない。
宰相として何としてでも止めなければならない。
「まあ、あんたはまだなんかあったときの保険なんだ。お前を捕まえてからすでに三日経っている。全て動き始めた。もうどうすることもできない。
しばらく大人しくしてろ。」
ジャドは言い終えると踵を返し、その場を去ろうとする。
「待って・・・」
ナオはジャドを引き留めた。
「力を貸して・・・」
あまりに予想外の言葉に振り返って、ジャドは大笑いする。
「ギャハハハハ!まじか、あんた!?」
「ええ、本気。」
ナオは真剣な眼差しでジャドの目を見つめた。
「仲間を殺したばかりの仇にいきなり手を貸せとよくもまあ言えるな!
しかもこんなに不利なあんたにイスタリカ王国を裏切って手を貸すとでも思ってるのか?
どんだけ頭の中おめでたいんだ!?」
ジャドは激しくナオを罵倒するが、ナオは目を背けなかった。
「このままではオルネア帝国が大きな戦火に巻き込まれる。大きな犠牲が出てしまう。
このオルネア帝国の窮地を救えるのは全ての原因の私。
罪もないの人々を救う為にあなたの手を借りることを、レルミタが不満に思うわけない。
むしろ、あなたがレルミタに赦してもらいたければ私を手伝って。
お願い。力を貸して。
私のためじゃない。力のない人々のために。」
「・・・・」
ナオのあまりの突拍子のない考えに、戸惑うジャド。少しの間、言葉を失う。
「・・・・ほんと狂ってるよ、あんた。
どうやったらそんなに自分の中の憎しみを抑えられるんだ。普通はそんな簡単には割り切れねえよ。」
「割り切ってなんかない!でも!」
レルミタへの情を否定されてしまったかのように受け取ったナオは、感情の関を切ってしまった。涙に溢れ、青い瞳が一層宝石の様に輝く。
「憎しみの連鎖を続けても、仇を討っても失った人が帰ってくるわけじゃない!
虚しさが残るだけ!
それよりも失った人の為にも私は前を向いて進む!」
「うるせえ。
そうやって死んだ人間の屍を踏みつけて進んでいけばいいさ。
弟を失った悲しみはお前になんかわからないし、仲間の女を失ったお前の悲しみも俺はわかりたくもない。
死んだ人間のために前に進むだあ?
そんなきれいごとは糞食らえだ!」
明らかに感情的になっているジャド。
ナオの言葉に対して、ジャドは間髪入れず吐き出すように言い放った。
その後のナオの言葉には聞く耳を持たない。
そして今度こそジャドは踵を返して去って行ってしまった。
その後、ナオは何もできなかった。できたのは悲しみに暮れること、他の仲間を案じることだけだった。
そして船の中で数日が過ぎることとなる。
意識があるうちはレルミタの事を思って、しきりに涙を流していた。
だが泣き疲れ、疲労も激しかったために意識を失った。
何時間たったであろうか。
ナオは意識を取り戻した。どうやら床に突っ伏しているらしい。未だに目隠しされていているため、ナオの視界は真っ暗だ。
ただ、両手も背中で縛られている。
仕方なくナオは床に顔をこすりつけて目隠しをずらした。
なんとか視界が開ける。
ナオはわかる範囲で状況を整理してみる。
ナオがいる場所はどこかの牢のようだった。しかし、格子は木でできていて、床は平たくなく傾いている。そして緩やかにずっと揺れている。
これが船の中で、船底の牢ということは容易に想像がついた。
フィリップの屋敷は皇都近くの内陸の山の中。近くに海はない。
これが川でなく、海ならば少なくとも二日は経過していることになる。
「・・・・・」
同時にレルミタの事、ロレンツェの事も思い出す。
だが、挫けてばかりいられない。心を奮い立たす。
「おっ?起きたか。」
男がナオの様子を見に来た。手には革袋の水筒と皿を持っていて、皿にはパンが乗っている。
それらを格子の隙間から差し入れる。
「食っとけ。」
ナオはどうやって?という顔を男に向ける。
「仕方ねえな。手を出せ。」
ナオは格子に背を向け、縛られている手を差し出した。
男は腰の短刀で縄を切った。
「しかし、驚かねえんだな。」
男は拍子抜けしたのか、問いかける。
「ええ。あなたの事よりも、大事な人を失った悲しみの方が大きいです。」
「悪いな。俺にとっては仇だったんでな。」
「やはり、憎しみは憎しみしか生み出しません。サヴァディンのジャド殿。」
コラシオ島とサヴァディン群島の争いで対面したサヴァディン群島側の島頭ジャドに対して、ナオは冷静に告げた。
あの時、あの瞬間にレルミタに射掛ける事を指示したのはこの男だった。
「じゃあ、タリスの狂気を殺した俺を赦してくれるのかい?宰相さん?」
「絶対に・・・絶対に赦しません!」
「言ってることが違うじゃねえか。」
ジャドは手を挙げてハハッと笑う。
「あなたの事を赦しません。でも憎まない。
レルミタはあなたを恨んで死んだわけではありません。私を守れた事を誇りに思って死んだ。
その誇りを私は踏みにじったりしません。
私は恨みや憎しみという私情ではなく、心に決めた信念を持って私にしかできない責務を果たします。
それが私の命を繋いでくれたレルミタへの敬意です!」
もちろん、ナオは心の整理がついているわけではない。だが、言葉にすることによって自分自身に言い聞かせようとしているのかもしれない。
笑っていたジャドの口が開いたまま、硬直していた。その目は驚きに満ちている。
「宰相さんよ。あんた本当にすげえな。聖人かよ。
タリス島の海賊を味方につけちまったこともあるし、このまま話してたらこっちまで操られちまうかもな。こええ。」
「心にもない冗談を・・・・それより、どこに向かっているのですか?」
「教えたところで何にも変わらないからな。いいだろう、教えてやる。
今この船はサヴァディン群島に向かっている。そこで生け捕りにできたお前をしばらく監禁する。
なあに、部下に手出しはさせねえよ。安心しな。大事な切り札だからな。」
「それでは今回の皇城の襲撃はイスタリカ王国の仕業なのですか?」
「おお?賢いねえ。
確かに俺たちサヴァディン群島はイスタリカ王国と協力して動いている。
だが、半分だけ正解だ。もちろん内通者がいる。お前に恨みを持っている奴がいるだろう?」
「恨み・・・?」
恨まれるようなことをしただろうか。
ナオは首を傾げた。
「忘れてるのも無理もねえ。直接なんかしたわけではなさそうだからな。あいつだよ。
お前のせいで解任された元宰相のラリュー・デュモンだよ。」
「――――!」
ナオは言葉を失った。確かにナオが原因で宰相を解任された。しかも、フィリップの力も借りて帝議会に蔓延るラリュー・デュモン一派を全て排除した。
それで終わりを見たかと思ったが、こんなに時間がたった後に行動を起こすとは予想外だった。
「あいつは俺は嫌いだぜ。狡猾で胸糞悪い。
だが、切れる。
直接ではもうあんたたちにかなわないと思ったら、時間をかけてクーデターの準備をしたのさ。」
「クーデター?」
「ああ、そうだ。
当初の計画では武術大会で人が集まるのを機に、皇帝を暗殺。
その後、イスタリカ王国の武力を背景に元宰相ラリュー・デュモンが全ての権力を掌握する。
オルネア帝国はイスタリカ王国の属国になり、ラリューがその属国を支配する国主となる予定だった。」
「ラリュー・デュモンは国を売るつもりだったの!?」
「最悪なやつだろ?どうせそんな奴が国主になっても裏切られて殺されるのがオチだがな。」
「だが、武術大会で状況が少し変わった。
それが優勝した騎士だ。公の前で宰相ナオが亡国アルマニャック王国の王女だと明言したんだろ?
狡猾なラリューは皇帝暗殺の罪をあんたに被せようとしたんだ。
そしてあんたを捕らえ、処刑する。それで反逆者を捕らえた英雄としてオルネア帝国に返り咲こうとしたわけ。」
「だが、皇帝暗殺に失敗した・・・・。」
「そう。皇帝の暗殺の罪はあんたに着せれたが、肝心の暗殺は失敗した。
だからまだあんたは生きている。」
「どういうこと?」
「ラリューはさらに一計を案じたんだ。
宰相ナオをイスタリカ王国が匿っている事にした。
当然、オルネア帝国から追手が掛かってる。
その追手をイスタリカ王国が捕まえ、領国侵犯をでっち上げてオルネア帝国を攻める大義名分にするのさ。
宣戦布告の形がしっかりしていれば、諸国も何も口出しはできないだろうからな。」
「なんということを・・・。」
「ちなみにお前を追っている奴らはお前の私設部隊とやららしい。
さらに仲間を失うか。残念だな。」
「まさか、フィリップ殿、ラヴェル殿が!?」
ナオの頭に最悪の結末がよぎる。
このままでは公式私設部隊の面々が罠に嵌められる。そしてイスタリカ王国との戦争になり、オルネア帝国国土が戦火にまみれることとなる。多くの犠牲は免れない。
宰相として何としてでも止めなければならない。
「まあ、あんたはまだなんかあったときの保険なんだ。お前を捕まえてからすでに三日経っている。全て動き始めた。もうどうすることもできない。
しばらく大人しくしてろ。」
ジャドは言い終えると踵を返し、その場を去ろうとする。
「待って・・・」
ナオはジャドを引き留めた。
「力を貸して・・・」
あまりに予想外の言葉に振り返って、ジャドは大笑いする。
「ギャハハハハ!まじか、あんた!?」
「ええ、本気。」
ナオは真剣な眼差しでジャドの目を見つめた。
「仲間を殺したばかりの仇にいきなり手を貸せとよくもまあ言えるな!
しかもこんなに不利なあんたにイスタリカ王国を裏切って手を貸すとでも思ってるのか?
どんだけ頭の中おめでたいんだ!?」
ジャドは激しくナオを罵倒するが、ナオは目を背けなかった。
「このままではオルネア帝国が大きな戦火に巻き込まれる。大きな犠牲が出てしまう。
このオルネア帝国の窮地を救えるのは全ての原因の私。
罪もないの人々を救う為にあなたの手を借りることを、レルミタが不満に思うわけない。
むしろ、あなたがレルミタに赦してもらいたければ私を手伝って。
お願い。力を貸して。
私のためじゃない。力のない人々のために。」
「・・・・」
ナオのあまりの突拍子のない考えに、戸惑うジャド。少しの間、言葉を失う。
「・・・・ほんと狂ってるよ、あんた。
どうやったらそんなに自分の中の憎しみを抑えられるんだ。普通はそんな簡単には割り切れねえよ。」
「割り切ってなんかない!でも!」
レルミタへの情を否定されてしまったかのように受け取ったナオは、感情の関を切ってしまった。涙に溢れ、青い瞳が一層宝石の様に輝く。
「憎しみの連鎖を続けても、仇を討っても失った人が帰ってくるわけじゃない!
虚しさが残るだけ!
それよりも失った人の為にも私は前を向いて進む!」
「うるせえ。
そうやって死んだ人間の屍を踏みつけて進んでいけばいいさ。
弟を失った悲しみはお前になんかわからないし、仲間の女を失ったお前の悲しみも俺はわかりたくもない。
死んだ人間のために前に進むだあ?
そんなきれいごとは糞食らえだ!」
明らかに感情的になっているジャド。
ナオの言葉に対して、ジャドは間髪入れず吐き出すように言い放った。
その後のナオの言葉には聞く耳を持たない。
そして今度こそジャドは踵を返して去って行ってしまった。
その後、ナオは何もできなかった。できたのは悲しみに暮れること、他の仲間を案じることだけだった。
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