転生した精霊モドキは無自覚に愛される

suiko

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第一章

~81~

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◆ルーク





ミーシャとライネルが結婚した。

二人に子供が産まれた。

子供が大人になった。

独り立ちして家を出てった。

ライネルの奴が死んだ。

そして、ミーシャも


俺はどういう訳か知らんが歳を取ることは無かった。
それに気付いたのはミーシャが三十を過ぎた辺りだったか
自分の姿を変幻自在に変えれる力の影響か、もしくは人狼っつー種族故なのかは知らん
便利屋よろしくミーシャに使いっ走りにされる事が増えたくらいで特に何も変わらない

俺と、ミーシャしか居ない静かな屋敷の中
ベッドの横からミーシャの手を覆う
薄茶色くて、骨と皮だけのようになった薄い手

「死ぬのか」

「ああ」


死ぬ時ですら、表情を変えないか
思えば初めて会った時から今の今まで、こいつのこーゆースカした態度は変わる事が無かった。
夫であるライネルにも子供達にすら、愛想は無くつまらないものを見るような目で相対していた。
こいつの目には、この世界の全てがどうでもいい物のようにしか映っていないのだろうか
元は人間で無いから、死んでもまた別の何処かの世界に転生するから、それだけの力を持っているから
きっとそれら全てが理由で言い訳だ。

見つからない答えを探して無意味に右往左往し続けるのだろう
なら、俺は付いて行こう
今まで通り、当たり前のように

お前にとって俺は居ても居なくても良い、どうでもいい有象無象の一つでしかなくとも良い
こいつの傍に俺は居なくてはならないのだから
俺がそうしたいから

「そうか」


生きようと思えば、いくらでも生きれる。
この不老の身体なら永遠も実現出来るだろう
でもそんなものは要らない。
俺にとって一番欲しいのはこいつの傍らに在る事



『ルークさん、ミーシャの事、よろしくお願いします。
ミーシャの傍に相応しいのは、きっとルークさんだから』



いつだったか、ライネルにそう言われた時の事を思い出す
結婚して子供もいるってのに、俺にそんな事を言うのかと呆れたもんだ。

嫌いでは無い、しかし異性として好きな訳でも無い

後追い自殺なんてしでかそうとしている時点で言い訳がましい気もするが、実際そうなのだから仕方がない



「・・・・・・・・・」


冷たく、硬くなっていく手を握る

死亡届出さないとな、用意してた棺桶にこいつを入れて、あとは餓鬼共にミーシャが死んだ事連絡して、こいつを埋めて、
やるべき事を頭ん中で整理しつつも、動き難い



今、此処で

速く、速く、追いかけないと、

ミーシャが手前で選んだ黒い棺桶が倉庫にあったな

すぐにでも、今直ぐに、

確か餓鬼の一人は王都から離れた所に住んでいたっけ

こいつの居ない世界なんて、

役所に行って、こいつを墓に埋めてやらないと

俺の在るべき処は、




































































































































































その日、サズワイト王国に聖女の逝去の訃報が広まった。
時を同じく生きた多くの老人達は悲しみにくれその死を悼み
聖女の名も知らぬ多くの若者達は日常のままに生きていく

葬儀は身内の者達だけでひっそりと執り行われたと言う
そしてそこには聖女に付き従う不老の従者の姿は無かったとか












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