Real Fantasy

clome

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The war without ends

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 災害時は確か公民館や公園、主に小・中学校が避難所として使われる。そこに行けば生き延びた人と会えるかも知れない。
「確か近くに小学校があったよな。行ってみるか」
 瓦礫の中は歩き辛い。足場は不安定な上にガラスや木片等の危険物が邪魔をするからだ。
 一時間程歩いただろうか、ビルに押しつぶされてはいるが中に入れそうなコンビニを見つけた。
「水や食料を確保しておきたいな」
 外から見た感じは中は真っ暗で雑誌コーナーの窓側から微かな光が入り込んでいる。
「何か嫌な雰囲気だな」
 何故かは分からないが直感があのコンビニには近づくなと警笛を鳴らしている。しかし、他に水や食料が補給出来るところは未だ見つかってはいないのだ。直感を無視して近づくことにする。
 そして、入口のドアを潜ろうとしたとき、ものすごい悪寒を感じた。恐怖で体が震える。
 この時、引き返すべきだったのだ。己の恐怖に忠実に逃げ出すべきだったのだ。だが遅かった、声が聞こえたのだ……そう声が。
 人に会えると歓喜した。ここまでの道のりで生きている人は居なかった。偶に見つけてももうそれは人の形をとどめていなかったのだ。だから、俺は簡単に踏み出せてしまった。
「誰かいますか!?」
 人に会える喜びのまま、店内に走り込む。中の様子は陳列棚が軒並み横転し、商品が錯乱していた。後方にある飲料コーナーに目を向けると確かに人がいた、死体となって。もう見慣れた光景だった。だが、その死体に跨がる物体は現実で見たことが無かった。思考が一時、停止する。
「グギャ?」
 目が、合った。体が金縛りにあったように動かない。
(怖い。ただただ怖い。なんだ、なんだあいつは。怖い。怖い怖い怖い。逃げたい!)
 この生物を知っている。ファンタジーな創作物には必ず登場する雑魚キャラだ。
 だが、ここは日本である。地球という惑星の、科学が発達した世界の、日本という国のはずである。なのに何でこいつが…………【ゴブリン】が、いるのだろうか。
 やがてゴブリンは、俺の体がうまく動かず、固まっているのを知ってか知らずか無防備にゆっくりと近づいてきた。
 ブランと垂れ下がっている右手には鉄骨が握られており、床と擦れている。その音が更に恐怖心を煽ってくる。心なしかゴブリンの口元が嗤っているように見える。いや、嗤っている。距離が近づくにつれて口が吊り上がっていく。そして、ついに押さえが効かなくなったのか、血に濡れた朱い口で、気味悪く嗤いだした。
「グギ…グ、グギャギャギャッ」
 怖い。体が動かない……
(何故、何故動かないっ、くそ!死ぬのか?今からこいつに殺されるのか?意味が分からない。なんだこれ、なんなんだこれ!)
「お前は何なんだよ!何故この世界にいる!動け!動け動け動け!」
 (俺は此奴コイツに殺されるのだろうか、何も抵抗できずに……)
 ゴブリンと言えば雑魚だ。どの創作物であれ序盤に登場し、レベル上げの生贄にしか成り得ないあの、雑魚である。そう思うと目の前にいる存在がそれ程恐い物でもなくなり、恐怖心が和らいだ。心なしか体が軽くなった気がする。
「グギィ」
 ゴブリンはもう、俺を殴り飛ばせる距離にいた。何やら一人で、いや、一匹で何かぶつぶつ言っている。その顔は邪悪であり、嬉しそうだ。どう獲物を調理するか考えているのだろう。
 もう少し、もう少しで体が動く気がする。
「グキキ」
 何を思ったのか、突然右手を振り上げ鉄骨を構えだす。
「え、ちょっと待てよ。何する気だお前」
 そして、勢いよく足元目掛けてフルスイングを繰り出してきた。
 ブォオン!!
「っぶねぇ!間に合った!」
「グギ?」
 ゴブリンは予想していた手応えが無かった為か目を丸くして俺を見つめてきた。
(阿呆みたいな面に一発くれてやる!)
 ゴツ!
「痛!堅すぎだろ!」
 ゴブリンは雑誌コーナーの窓にぶつかり転倒する。
「グギャギャギャ!」
 視界が突然暗転したためか、上手く立てずに暴れている。急いでゴブリンが手放した鉄骨を拾い、近づく。
「雑魚は雑魚らしく、くたば利やがれ」
 ドス!
「グギャッ」
 仕留めるつもりで鉄骨を振り下ろしたが、思うより手に力が入らなかった。生物を殺すのに抵抗が有ったからだろう。だが、此奴コイツは人じゃない。人を襲う怪物だ。邪悪な生物だ。今仕留めなければ、誰かが襲われる。殺す覚悟を決めるしかない。
「……………………死ね」
 ドスッ
「グッ」
 やがて体が脱力していき、呼吸が止まる。確実に殺したようだ。何か、自分から大事な物が抜け落ちていく感覚に陥る。
「疲れた。もう、訳が分からない……休みたい」
 その場にへたり込みそうになったその時、信じられないことが起こった。

 〝テレッテレ~〟
 〝levelが2上がりました〟
 〝邪悪耐性1を獲得しました〟

「!?なんだ!体が、光った!」
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