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第一章 人生、まてしても超ハードモードから始まるようです
嫌がらせ
しおりを挟むあのパーティーの日から三日が経った。
ラング公爵家は取り潰され、公爵家が所有していた領地は、半分が国領地になった。力を持ち過ぎないことを配慮したためだ。その代わりに、伯爵領はそのまま引き続き統治することになった。まぁこれでも、ラング公爵家は一躍大家に躍り出ることになったんだけどね。
お父様は公爵領の引き継ぎを行うために、パーティーの翌日には王都をたった。
私はというと、今も王宮にお泊り中。
屑一家の痕跡を消すために、大々的に屋敷を改装しているからなんだって。
私的にはそのままでもいいんだけどね。ベッドと椅子さえ変えてくれば。でも、言える雰囲気じゃなかったし、私を気遣ってのことだと分かってるからね。何も言えなかった。
そうそう、屑一家は今も地下牢に投獄されている。刑が確定していないからだ。
まだ、平民である糞女に関しては、比較的簡単に刑を確定することが出来るけど。屑が問題だった。
屑とはいえ、公爵だったからね。家が取り潰しの上、貴族籍を剥奪されたのだから、もういいではないかって、声が一部から出ているらしい。まぁ、出てくるとは思ったけどね。
まさか、あの家からとは思わなかったよ。あ~~でも、よくよく考えればありえるかな。
声を上げたのは、王家に次ぐポーター公爵家だったからね。その家には、私と同じ年の娘がいるから尚更かな。私と最後まで張り合っていたから。
となれば、只の嫌がらせよね。
嫌がらせって分かってるけど、王家としては無視する訳にはいかないし、かといって、そのまま言う通りに釈放する訳にもいかない。王家の沽券に関わるからね。反対に、王家の望み通りに、犯罪奴隷に堕とせば角が立つ。ほんと、貴族って面倒くさい。心底、そう思うよ。
「今日のお茶はハーブティーなのね」
アンナが淹れたお茶に一口口を付けてから呟く王妃様。その後、
「ほんと、忌々しいわ。嫌がらせするにも、時と場所を選びなさいよ」
思いっ切り毒吐く。
アンナ。効果なかったみたいよ。そう心の中で呟いた時だった。
「全く、母上の言う通りです」
背後から声がした。
おい。いつからそこにいたよ。思わず、厳しい目で振り返ってしまったよ。
そんな視線を気にせず、さも当然のように、私の肩に手に添えてから、空いてる席に座る殿下。して、アンナが淹れたハーブティーを美味しそうに飲んでいる。
「ところで、マリエールはどうしたいんだ?」
唐突に殿下が訊いてきた。
ほんと、こういうところが一番腹立つ。憎め切れないじゃない。
「そうよね。一番の被害者はマリエールだもの。マリエールはどうしたいの?」
王妃様が顔を輝かせて尋ねてくる。
「そうですね。……間をとって、炭坑送りにしてはどうでしょうか?」
「炭坑送り?」
王妃様が重ねて尋ねる。
「元公爵様には、私を害したことにより賠償金の支払が命じられると聞いております。しかし、このまま市井に放り出されては、その支払は不可能ですし、生粋の貴族である元公爵様が生きて行くのも難しいと思います。なので、罪を考慮して、炭坑送りがいいのではないでしょうか?」
私がそう答えれば、殿下が、
「確か、王家に返還された公爵領に炭坑がありましたね」と、すかさず助言してくれた。
「なるほど、それはいい案ね」
私の意図に気付いた王妃様が、にっこりと微笑んだ。
その瞬間。屑の刑が確定した。
ソフィアと糞女の願いを叶えるために、重税と重労働を領民に長年課していたからね。さぞかし、皆さん丁寧に出迎えてくれるでしょうね。
おそらく、糞女も同じ場所に送られる筈。糞女は糞女なりの需要があるからね。糞女にとっては天国かもしれないわね。ちょっと趣味が違うかもしれないけど。そこは我慢してね。
でもその前に、私から二人にプレゼントをあげるわ。刑が決まったら、もう会えないからね。今夜、そちらにお邪魔するわ。喜んでもらえると嬉しいわ。
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