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巻き込まれて独立しました
04 冴えなくて悪かったわね
しおりを挟む「あぁ!? この冴えない平民が学年一位だと!? 嘘も大概にしろ!!」
馬鹿王子は、端からリアス様の言うことは信用してないみたい。っていうか、誰が冴えない平民だって!?
「…………私が平民ですか……なら、なぜ私がこのパーティーに参加できるのでしょうか? 学園内で催されるパーティーではありませんよね。王族が催したパーティーですよね。当然、参加できるのは伯爵家以上の家柄のみ。そのパーティーに参加している私が、平民ですか?」
どう答えるよ。ほら、答えてみな。
「リ、リアスに連れて来てもらったんだろうが!!」
苦しい言い訳ね。
そもそも、そんな簡単に入れるパーティー会場じゃないでしょが!! 王族が催してるのよ、筆頭公爵家だとしても、無理に決まってるじゃない。それがもしできたのなら、通した門番も騎士も、筆頭公爵家自体も罪に問われるわよ。ほんと、なに考えてるの!? マジ、理解に苦しむんだけど。
でもさぁ、そんな発想が浮かぶってことは、そこのマリアって娘、平民なんじゃないの。もしくは、男爵か準男爵とか……少なくとも、伯爵家の令嬢には見えないわね。この馬鹿王子、幾つ罪を重ねるつもり? お先、真っ暗よね。
「私はミネリア様と共に来ておりませんわ。門番に確認すればわかりますわ」
当然、リアス様はキッパリと否認するよね。
「第一王子殿下、先程、私は婚約者と一緒に来たと申し上げましたが」
私も否認する。
覚えてないの? って続けたかったけど、まだこの馬鹿王子、王族だからね。本当は言えるけどね。
扇で口元を隠せてよかったわ。ニンヤリと嗤う顔を見られなくてすんだから。
「強かな奴だ!! そうやって、証拠を消してきたんだろう。たまたま、その婚約者が伯爵家だったから、来れたただけだろうが!?」
いやいや、普通伯爵家に輿入れするのに、平民はまず無理でしょ。どこかの養女になってからじゃないと。愛人にはなれてもね。妾すらなれないんじゃない。これ、常識よ。
ほんと、突っ込みどころが多すぎて言葉失うわ。よくこんな馬鹿の婚約者をしてたわねリアス様、どれだけ忍耐強いの。マジ、尊敬するわ。忠誠心の賜物ね。それとも、幼馴染みだから突き放せなかったとか。
周囲見てみたら。完全に回りドン引きしてるから。
「第一王子殿下、それは我がベルケイド伯爵家に喧嘩を売っているのでしょうか!? それとも、辺境の土地を領地とする者は、貴族ではないと? まさかと思いますが、王族であらせらる貴方様が、この国の貴族籍を把握していないのですか?」
普通、把握してると思うわよ。準男爵や男爵までとなれば厳しいけど。少なくとも、伯爵家は覚えてないと駄目じゃない。
馬鹿王子もそうだけど、彼の後ろにいる側近候補たちも口を挟まないって駄目駄目よね。
そもそも、こんなの側近候補に選んだ国王陛下って、人を見る目皆無よね。家柄と能力で選んだだけで、最も大事な頭と常識は蚊帳の外か……詰んでるわね。
「王族を馬鹿にするのか!!」
してますけど。
馬鹿王子が怒鳴れば、馬鹿側近候補たちも続く。
「不敬な!! 聖なる乙女を虐げただけでなく、ジェイド王子までを愚弄するとは許せません!!」
側近候補の一人宰相の次男が怒鳴る。
「……聖なる乙女」
私は声に出さずに呟く。
へぇ~あの女が【聖なる乙女】ね……
「ミネリアさん、まだ間に合います。罪を認めてください。私は貴女を許します」
馬鹿王子の後ろから、聖なる乙女さん(仮)が参戦。涙をポロポロと溢しながら。
「やってもいないことを認めろと?」
我ながら冷たい声が出たものね。
「ヒッ!!」
可愛い悲鳴を上げて、馬鹿王子の後ろに隠れながら「どうして、罪を認めないのですか……私は許すと言ってるのに」と、私に向かって訴える。
「同じ台詞を繰り返せとおっしゃいますか?」
溜め息混じりに言うと、馬鹿王子と馬鹿側近候補たちがキレた。
「お前には、聖なる乙女であるマリアの優しさと慈悲の心が伝わらないのか!? なんて、冷たい女だ!! アルト!! あの女を取り押さえろ!!」
興奮した馬鹿王子が、騎士団長の三男に命じた。
ガタイだけはいい男が、無抵抗な貴族令嬢に襲い掛かろうとしている。本人は、正義のためだと信じてやってるだけだろうけど。これだけの目撃者がいたらアウトよね。
悲鳴と怒声が周囲から上がる。
リアス様が私を護ろうと前に出る。リアス様の気持ちが嬉しくて、私は彼女の腕を引っ張り、私の背に庇った。
私は全く怖くはないわよ。だって私には、最強の婚約者がいるし、こんな、実戦も積んでない型ばかりの体術や剣に怯むわけないでしょ。
田舎育ち舐めんな!!
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