春を照らすカクテル光線

佐倉伸哉

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02. 組み合わせ抽選会

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 時は進んで、三月十六日。開会式を一週間後に控えるこの日、世間が注目する組み合わせ抽選会が執り行われた。
 各地区の予選から選ばれた三十三校と二十一世紀枠で出場する三校の計三十六校の割り振りが決まる、非常に重要なイベントだ。
 泉野校からはキャプテンの新藤と監督の二人が抽選会に参加し、他の部員は学校で抽選結果を待つこととなっていた。
(……対戦相手、どこになるんだろう)
 前日チームメイト達と雑談している最中に対戦相手がどこになるか話題になった際には「興味ない」と話していた岡野だったが、やはり気になっている様子だった。
 授業中ながら集中が続かず、先生に見つからないようこっそりスマートフォンを確認していた。抽選結果は特設サイトにて順次更新されていく仕組みで、トーナメント表に次々と学校名が埋まっていくものの泉野高はまだ登場していなかった。
(出来れば、あまり強くない所がいいなぁ)
 甲子園に何度も出場している強豪校は、戦力面だけでなく甲子園で戦ったノウハウも持っているので手強い相手だ。無名の公立校である泉野高からすれば、全国的に知名度や実績のある強豪校は是が非でも避けたいのが本音だが……こればかりはクジを引く新藤の運次第だ。
 秋の石川県予選では、実力校が潰し合う地獄のブロックと反対側のブロックを引き当てた実績がある。その引きの良さを信じるしかない。
 ふと、スマートフォンを見ると情報が更新されていた。泉野高の結果が、出ていた。
 対戦相手は。その高校名を確認した瞬間、岡野はガクリと項垂れた。
「どうした、岡野?」
 岡野の異変に気付いたらしく、板書していた教師が声をかけてきた。
「いえ、何でもないです」
 平静を装いつつ返事を返す岡野に、教師はそれ以上詮索せず再び黒板の方を向いて続きを書き始めた。岡野も小さく溜息を一つ吐いてから板書を写すべく、ペンを取る。
 抽選の結果、泉野高は大会四日目第三試合に組み込まれた。その対戦相手は―――近畿地区代表の大阪東雲。
 野球激戦区として知られる大阪府の私立高校で、野球エリートが全国各地から越県留学で集う強豪校。数年前には春夏連覇を達成しており、昨年夏の覇者でもある。つまり、昨年夏の地方予選から秋の近畿地区予選まで、一回も負けていないのだ。
 現在の高校野球界で最も強いとする声も多く、今大会でも優勝候補筆頭に挙げられていた。
 勢いに乗っている最強と謳われる相手とは誰もが戦いたくないと考えるのだが……新藤はそこを引き当ててしまったのだ。
(よりにもよって東雲かよ……)
 この時ばかりは、新藤のくじ運の悪さを恨むしかなかった。
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