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第一章
第8話 家族の記憶
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『仮にいまいる棟を生活棟とするね。こっちには六つくらいベッドが並んでる部屋がたくさん……正しくは六十部屋並べられているよ。それが三階層だから……百八十部屋だね。その中からふたりの家族を見つけ出さないといけない。頑張ってこっちも探すね!……ってやば! その先を曲がると動く生体反応とバッティング! たぶん兵士だよ。気をつけてね!』
通信のミーティ・アイがすぐに黙り込む。
音は出してもいいらしいが、それでも見つかる可能性があるということか、それともみんな静かだからノリで黙っているだけだろうか。
テラはそれより、早く家族を助けたいと言う焦燥感に襲われていた。
そして通信のまま巡回の兵士と会う。
そのたびにキューブを使う。生活棟一階はそこまで警備が厳しくない。
ただ、二階層より上は巡回が少し増えるようだ。
脱走の警戒をしているのかもしれない。
だが警備の心配は二階についてからすべきだと、テラは再度気を入れ直した。
リネンシュートを使うには理由がある。
というのも、生活棟は一階から二階へ、直接向かえない作りになっている。
まるで上にはいかせないと言わんばかりだ。
二階から四階までが寝所で、二階の渡り廊下を使って一階と別棟の労働棟で働くのだろうというのがミーティ・アイの推測だ。
『なんでそんな面倒な作りにしたんだろうね?』
「逃げ出す意欲を削ぐためじゃないか? ボクがいたとこも大概複雑だったから」
スバルはキューブを使いながら、こともなさげに言う。
スバルも何かの施設に囚われていたのだろうか。
テラはそれを聞きたかったが、そこには踏み込めなかった。
そして三人は、あっけないほどすぐにリネンシュートにたどり着いた。
リネンシュートはまっすぐ上へのびている。
ここは一階から四階まで続いている数少ない部屋だ。
ちなみにその数少ない場所のもうひとつが隣の部屋のゴミ捨て場だ。
「メテオラ、スバル。ふたりはここを登れるか?」
テラはリネンシュートの前でメテオラとスバルに声をかけた。
メテオラは何事もなさそうだが、スバルは渋面で威嚇する。
「わたしはいけるけど、スバル肉体派だっけ」
「そんなわけないだろ。この身体だぞ」
緩い七分丈の袖をめくって腕の筋肉をみせる。
十歳前後とはいえ、それ以上に細い腕だった。
「それじゃあ俺がおぶっていこう」
メテオラはいいなーおんぶなどとのたまっている。
スバルは心底嫌そうな顔をしながらも渋々承知した。
狙撃銃は腹部側に回して抱えてスバルをおぶる。
背中の彼は訓練の時持っていた重しよりずっと軽かった。
テラは、妹を最後におぶったときのことを思い出した。
あのときもやけに軽く思えた。ここではじゅうぶん食べられているのだろうか。
早く迎えに行こうとあらためて決意した。
リネンシュートのなかを、テラが先導して登っていく。
狭い場所を垂直に登っていく訓練なんていつ使うんだ、と軍に来た最初は思っていたのに、こんな風に役に立つとは、と少し反省した。
物事はいつもどこかで使いどころがあるのかもしれない。
「ここで嫌がっても効率的じゃないし、キューブは絶対必要だしな……。くそー、筋トレするか」
一方、テラの背中にしがみつきながらスバルはぶつぶつと文句を言った。
それをくすくすと笑いながらメテオラはスバルの筋トレ宣言に茶々をいれる。
「いっつも続かないよね、スバルの筋トレ宣言」
「レーフが厳しすぎるの!」
メテオラも軽口を叩ける程度に元気だ。
特に問題なさそうに登っている。
あのすらりとした細身の身体の、どこにそんなパワーが眠っているのだろうか。
そろそろ二階につく。
リネンシュートのなかはお世辞にも空気の通りがいいとはいえない。
非常に暑い。空気が乾いているとはいえ、テラの汗ばんだ身体には蒸し暑さとして伝わった。
「お、おい、大丈夫か?」
背中のスバルがテラに話しかける。
そういうスバルもくっついているのが大変そうだ。
額に汗がにじんでいる。
身体的にひ弱なのは間違いないようだ。
リネンシュートは四階まで続いているが、近くに階段がある。
そこからは階段で移動することになっていた。
そして四階へ一気に登って上から探していくことになっていたのだが、ミーティ・アイから解析結果の通信が入る。
『二階層、意外と広いかも。生体反応が結構ある! ベッドの数は六台なのに、十二人いる!』
「……作戦変更。二階層から上に向かって順繰りに見ていく。テラ君の家族を見つけ次第、屋上に出て船に回収してもらう。船のみんなにも伝えて」
メテオラはすぐに作戦を立て直す。そして通信先にいるらしいヘリオスが返事をする。
「あいよ、伝えとく。油断しないでとっとと見つけるんだよ!」
ヘリオスはまっすぐな言葉で応援した。
何かあったらすぐに退出できる非常時の作戦もあるのだろう。
「うん。それじゃあ二階層を探索にうつるよ。手分けしてテラ君の家族、お母さんと妹さんを探そう」
△▼△▼△▼△▼△
テラの妹は、勝ち気で負けず嫌いの元気がいい娘だった。
喧嘩も多かったが、感情的に手を出しかければ「女の子を殴るの? 最低!」と反論し、大抵の場合くちが達者な彼女に勝ちを譲っていた気がする。
今振り返ると妹と些細な喧嘩と仲直りの繰り返しをしていたときが、いちばん感情があった時期のように思えた。
テラが戦争に行くと決まったときも「母さんのことは私に任せて!」と胸を張るような、気の強い妹だった。
もちろんそれが、妹の強がりなことを生まれたときから知っていた。
だからテラは、決して彼女をひとりぼっちだと思わせないよう誓った。
そんなことを今思い出した。
テラの母は優しい人だった。
戦争へ向かうのは栄誉なことで、悲しむことは非国民とされていた。
それでもテラが戦争へ向かうと聞き、声を殺して泣いていたことを知っていた。
だからせめて、戦争から離れた遠くの場所で安全に暮らしていて欲しかった。
テラは別れ際に、悲しむことができない母と約束をしていた。
「どうか手紙を、手紙を書いてね。どうか無事でいることを知らせてね」
「分かってる。俺、毎日書く。ちゃんと生きてるって伝えるよ。だから母さんは、安心して暮らしていて」
母は目を真っ赤にして、顔を歪ませた笑顔でテラを見送った。
三年前のことだった。
手紙は毎日書いたが、返事が届くことは一度たりともなかった。
それでも手紙を送るのをやめようと思ったことは一度もなかった。
テラは、家族のために手紙を書いていなかったかもしれない、と気づいた。
手紙を書くことで正気を保っていたのかもしれないと、心のなかで自嘲した。
△▼△▼△▼△▼△
【ここも戦場だ】
【造れ戦力】
【職場でも生産戦】
【不断の努力】
部屋には標語が貼られている。
壁、ベッドの横、廊下。
人の目のつくあちこちに貼られている。
「――――……」
テラは言葉を失った。
戦場から遠く離れていたはずの地も、結局戦争中であることを忘れさせてくれる楽園なんかではなかった。
【家族を思うなら働け】
【逃げる者は国賊だ】
「母さん……母さん……!」
テラは思わず声に出していた。
家族を探すため駆け出さんとするのをスバルが服の裾を掴んで制止する。
「呼んだって聞こえない……兵士がいるから光学迷彩は切れない。分かってるよな」
「でも、だとしても」
焦るテラにメテオラが冷や水のような声を浴びせる。
「助けたいのは家族でしょ」
その声にハッとして振り返ると、メテオラは既に微笑みをたたえていた。
その表情は優しかったが、それより内心に押し込めた怒りが透けて見えた。
「落ち着いて。焦っても改善しない。一歩ずつ探していこう」
メテオラの言葉にテラは小さく頷いた。
スバルも「分かってるならいいんだよ」と言うと笑った。
通信のミーティ・アイがすぐに黙り込む。
音は出してもいいらしいが、それでも見つかる可能性があるということか、それともみんな静かだからノリで黙っているだけだろうか。
テラはそれより、早く家族を助けたいと言う焦燥感に襲われていた。
そして通信のまま巡回の兵士と会う。
そのたびにキューブを使う。生活棟一階はそこまで警備が厳しくない。
ただ、二階層より上は巡回が少し増えるようだ。
脱走の警戒をしているのかもしれない。
だが警備の心配は二階についてからすべきだと、テラは再度気を入れ直した。
リネンシュートを使うには理由がある。
というのも、生活棟は一階から二階へ、直接向かえない作りになっている。
まるで上にはいかせないと言わんばかりだ。
二階から四階までが寝所で、二階の渡り廊下を使って一階と別棟の労働棟で働くのだろうというのがミーティ・アイの推測だ。
『なんでそんな面倒な作りにしたんだろうね?』
「逃げ出す意欲を削ぐためじゃないか? ボクがいたとこも大概複雑だったから」
スバルはキューブを使いながら、こともなさげに言う。
スバルも何かの施設に囚われていたのだろうか。
テラはそれを聞きたかったが、そこには踏み込めなかった。
そして三人は、あっけないほどすぐにリネンシュートにたどり着いた。
リネンシュートはまっすぐ上へのびている。
ここは一階から四階まで続いている数少ない部屋だ。
ちなみにその数少ない場所のもうひとつが隣の部屋のゴミ捨て場だ。
「メテオラ、スバル。ふたりはここを登れるか?」
テラはリネンシュートの前でメテオラとスバルに声をかけた。
メテオラは何事もなさそうだが、スバルは渋面で威嚇する。
「わたしはいけるけど、スバル肉体派だっけ」
「そんなわけないだろ。この身体だぞ」
緩い七分丈の袖をめくって腕の筋肉をみせる。
十歳前後とはいえ、それ以上に細い腕だった。
「それじゃあ俺がおぶっていこう」
メテオラはいいなーおんぶなどとのたまっている。
スバルは心底嫌そうな顔をしながらも渋々承知した。
狙撃銃は腹部側に回して抱えてスバルをおぶる。
背中の彼は訓練の時持っていた重しよりずっと軽かった。
テラは、妹を最後におぶったときのことを思い出した。
あのときもやけに軽く思えた。ここではじゅうぶん食べられているのだろうか。
早く迎えに行こうとあらためて決意した。
リネンシュートのなかを、テラが先導して登っていく。
狭い場所を垂直に登っていく訓練なんていつ使うんだ、と軍に来た最初は思っていたのに、こんな風に役に立つとは、と少し反省した。
物事はいつもどこかで使いどころがあるのかもしれない。
「ここで嫌がっても効率的じゃないし、キューブは絶対必要だしな……。くそー、筋トレするか」
一方、テラの背中にしがみつきながらスバルはぶつぶつと文句を言った。
それをくすくすと笑いながらメテオラはスバルの筋トレ宣言に茶々をいれる。
「いっつも続かないよね、スバルの筋トレ宣言」
「レーフが厳しすぎるの!」
メテオラも軽口を叩ける程度に元気だ。
特に問題なさそうに登っている。
あのすらりとした細身の身体の、どこにそんなパワーが眠っているのだろうか。
そろそろ二階につく。
リネンシュートのなかはお世辞にも空気の通りがいいとはいえない。
非常に暑い。空気が乾いているとはいえ、テラの汗ばんだ身体には蒸し暑さとして伝わった。
「お、おい、大丈夫か?」
背中のスバルがテラに話しかける。
そういうスバルもくっついているのが大変そうだ。
額に汗がにじんでいる。
身体的にひ弱なのは間違いないようだ。
リネンシュートは四階まで続いているが、近くに階段がある。
そこからは階段で移動することになっていた。
そして四階へ一気に登って上から探していくことになっていたのだが、ミーティ・アイから解析結果の通信が入る。
『二階層、意外と広いかも。生体反応が結構ある! ベッドの数は六台なのに、十二人いる!』
「……作戦変更。二階層から上に向かって順繰りに見ていく。テラ君の家族を見つけ次第、屋上に出て船に回収してもらう。船のみんなにも伝えて」
メテオラはすぐに作戦を立て直す。そして通信先にいるらしいヘリオスが返事をする。
「あいよ、伝えとく。油断しないでとっとと見つけるんだよ!」
ヘリオスはまっすぐな言葉で応援した。
何かあったらすぐに退出できる非常時の作戦もあるのだろう。
「うん。それじゃあ二階層を探索にうつるよ。手分けしてテラ君の家族、お母さんと妹さんを探そう」
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テラの妹は、勝ち気で負けず嫌いの元気がいい娘だった。
喧嘩も多かったが、感情的に手を出しかければ「女の子を殴るの? 最低!」と反論し、大抵の場合くちが達者な彼女に勝ちを譲っていた気がする。
今振り返ると妹と些細な喧嘩と仲直りの繰り返しをしていたときが、いちばん感情があった時期のように思えた。
テラが戦争に行くと決まったときも「母さんのことは私に任せて!」と胸を張るような、気の強い妹だった。
もちろんそれが、妹の強がりなことを生まれたときから知っていた。
だからテラは、決して彼女をひとりぼっちだと思わせないよう誓った。
そんなことを今思い出した。
テラの母は優しい人だった。
戦争へ向かうのは栄誉なことで、悲しむことは非国民とされていた。
それでもテラが戦争へ向かうと聞き、声を殺して泣いていたことを知っていた。
だからせめて、戦争から離れた遠くの場所で安全に暮らしていて欲しかった。
テラは別れ際に、悲しむことができない母と約束をしていた。
「どうか手紙を、手紙を書いてね。どうか無事でいることを知らせてね」
「分かってる。俺、毎日書く。ちゃんと生きてるって伝えるよ。だから母さんは、安心して暮らしていて」
母は目を真っ赤にして、顔を歪ませた笑顔でテラを見送った。
三年前のことだった。
手紙は毎日書いたが、返事が届くことは一度たりともなかった。
それでも手紙を送るのをやめようと思ったことは一度もなかった。
テラは、家族のために手紙を書いていなかったかもしれない、と気づいた。
手紙を書くことで正気を保っていたのかもしれないと、心のなかで自嘲した。
△▼△▼△▼△▼△
【ここも戦場だ】
【造れ戦力】
【職場でも生産戦】
【不断の努力】
部屋には標語が貼られている。
壁、ベッドの横、廊下。
人の目のつくあちこちに貼られている。
「――――……」
テラは言葉を失った。
戦場から遠く離れていたはずの地も、結局戦争中であることを忘れさせてくれる楽園なんかではなかった。
【家族を思うなら働け】
【逃げる者は国賊だ】
「母さん……母さん……!」
テラは思わず声に出していた。
家族を探すため駆け出さんとするのをスバルが服の裾を掴んで制止する。
「呼んだって聞こえない……兵士がいるから光学迷彩は切れない。分かってるよな」
「でも、だとしても」
焦るテラにメテオラが冷や水のような声を浴びせる。
「助けたいのは家族でしょ」
その声にハッとして振り返ると、メテオラは既に微笑みをたたえていた。
その表情は優しかったが、それより内心に押し込めた怒りが透けて見えた。
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