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しおりを挟む私の番が見つかった
まさか異世界に居たとは思わなかった
賢者として召喚されたソウは背が低く可愛らしい容姿をしているが、ナヨナヨしている訳ではなく、言いたい事はハッキリと言う少年だった
ソウはカインを一番信頼しているらしい……羨ましい………
カインは少し変わった人物らしく、初めから賢者などする必要はないと言ってのけたらしい
それどころかここから逃がすとも
カインは第2王子の婚約者なのに何故国にとって不利益となる道を示すのかと思えば、カインもこの国の王達に無理矢理婚約を結ばれたのだと聞かされた
なぜ神はこのような事を放置なさるのか………
アレン殿から二人を連れ青の国へ戻るよう言われた時、私一人で賢者を連れて行った方が守りやすいと思った
だがアレン殿は言った
「カインは幼い頃から不思議な子でしたが、10歳になった日カインは人が変わった様になりました。物事の考え方も少し大人び、言動も行動も大人びていきました。
あまりに別人の様になったカインを心配し、ある日カインにバレないよう後をつけると、ギルドで仕事の依頼を受けていました。
教えてもいない魔法を無詠唱で扱い、いつの間に訓練したのか10歳とは思えない戦闘能力で魔獣を討伐していました。
カインは何かを隠している。本人に聞く事は簡単ですが、隠す理由がきっとある。
あの子の性格上、人を傷つけるだけの為に力を使う事はない。ですから私もカインの父も今は見守っています。
きっとカインが居ればこの旅は安全でしょう。
決して足手まといなどにはなりません。」
カインの隠している事、ソウは知っているのだろうか
「カインって本当に何でもできるんだぜ。ただ王達の前では平凡なフリをしてるだけなんだ。だって、カインが優秀過ぎるってわかれば、アイツら何しでかすかわかんねーだろ?」
グワンの実を食べ終わったソウが口を尖らせる
…もしかしたらソウはカインの隠している事を知っているのかもしれない
そしてカインが隠している理由が、この国の王達に利用されない為だとしたら、無闇にその力を使わない、人に話さないのは理解できる
「カインも羽を伸ばせる所が見つかればいいな。」
「うん、でも……番を探す事、諦めてるみたいなんだ。」
悲しげな顔をするソウを抱き寄せる
「それは第2王子の婚約者だから?」
「うーん……婚約者にされて、外に探しに行けないって言ってた。でもそれだけじゃなさそうなんだけど………何か聞きにくくて。」
「そうか…。いつか話してくれたらいいな。」
「うん。」
出発の日
用意された服は冒険者達が着る様なものだった
しかし布は魔獣の皮を糸に加工し編まれた布で魔法を跳ね返す物
胸当ては魔獣の骨で作られており剣や矢じりなど貫通させる事が無い物
渡されたローブはどんな魔法が使われているか分からないが温度を適温に調節してくれる物だった
ソウには、チョーカーも着けられた
何でも迷子防止らしい
ソウは「なんで俺だけ…」とブツブツ言ってたが、カインの一睨みで口を閉じた
この二人を見ているとまるで兄弟のように見える時がある
出発5時間前
俺達は王妃とアレン殿と密会していた
出発時に見送りなどできないからだ
「最終確認をします。
僕達は出発時、わざと門から派手に出ていきます。
王妃様と叔父上は騎士が呼びに来たら出て来てください。」
「カイン、何故そんなことをする必要があるんだ?」
ソウが首を傾げる
「王妃様や叔父上の手引で脱走したと思わせない為だよ。だから、門を抜ける直前僕が王妃様と王派の騎士に攻撃する。
叔父上は王妃様をしっかり守ってください。
渡したネックレスはお二人共必ず付けておいてくださいね。
王妃派の騎士は、僕が攻撃する前にソウ様に結界を張って貰いますから。」
「カイン!そんな危険な事…!」
アレン殿がカインに掴みかかる
「王派の騎士には手加減できませんから死ぬ者もあるかもしれません。
王子の婚約者が王派の騎士だけを攻撃し殺し、賢者様も王妃派しか守らない。
王がしでかした事は国民に知れ渡っています。
賢者様が脱走を図る程の事だと知らしめる為に騒ぎはでかいほうがいいんです。
僕が賢者様とラウ様を青の国へ送り届け、戻ってくる間に、できれば王と第2王子を拘束し王位剥奪を行ってください。」
「カイン……戻ってくる気なのか!?どんな理由があれ王妃を狙えば反逆罪になるんだぞ!?」
「わかってます。誰にもバレないように、いつもの密会場所へ行きますから大丈夫ですよ。勿論その前にお知らせしますよ。」
「駄目だ!お前は何を考えてる!!王達を退けれてもお前が反逆罪に問われるなど!」
アレン殿は見たこともない形相でカインを叱る
私が驚いていると、ソウが「カインはアレンの元教え子なんだよ。昔よく叱られてたってカインが言ってたよ」と教えてくれた
「でも!それくらいしないと、王の悪政は断ち切れないじゃないですか!」
「だからってお前が犠牲になってどうする!!それなら俺が先にお前を攻撃してやる!」
アレン殿のその言葉にその場がシーンとなる
「俺が先に攻撃するから、お前が攻撃し返せ。その後の事はお前の考えた通りでいい。わかったな?」
有無を言わせない態度のアレン殿に、カインは悔しそうに顔を歪め頷いた
私とソウは先に戻り、カインはアレン殿と綿密に打ち合わせをする為その場に残った
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