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結婚式からすでに4か月が過ぎた
大規模な改革を行った為、毎日が忙しくこの4か月は休みがなかった
仕事から帰ってきてベッドへ入ると秒で寝てしまっていた
オルガは僕より多忙で、王子としての仕事もあるし、各国との友好関係の修復もしないといけなかったり
僕も王子妃としての公務や、各部署のマニュアルを作ったりと前世の記憶をフル活用しなくてはいけない事が増えた
来月にはソウとラウの結婚式があるから、それまでにできる事をしなければならない
しかし、僕は今悩んでいることがある
この忙しさのせいで、結婚後からほとんどオルガと触れ合えていないのだ
一緒に寝るし、食事も公務も一緒だけど…
発情しないようにお互い匂いを抑え込む魔法を使用している為、最近オルガの匂いが分からなくなる時がある
これってヤバくないか……?
番の匂いがわからないなんて……
明日僕は丸一日仕事が休みになった
叔父上や大臣達に休みをとれと怒られたからだ
王子妃が休みなく働けば、下の者も休みにくいと言われては仕方ない…やる事は多々あるから部屋でやろう
…仕事病だな
日本人特有なんだろうか?
でもオルガも仕事人間だしなぁ…
そういえば、大臣からオルガに言っといてって言われた事があったんだった
まだ帰ってきていないオルガを待ちながら先に風呂に入る
2、3人入っても余るぐらい広い湯船に浸かると身体が浮いて溺れそうになる
いつもはオルガが後ろから抱きしめてくれているから溺れたりはしないけど…
危ないので尻尾を手すりに巻き付けバランスを保つ
……なんか幼い子みたいじゃないか?
こんな姿恥ずかしくて誰にも見せらんねぇ…
「ユーリ?お風呂に居るの?」
突然の声にビクッと身体が跳ねその反動で尻尾が手すりから離れてしまった
バシャンーーーーーー
ヤバい!!湯船で溺れる!!
「ユーリ!?」
水の中でオルガの焦った声が聞こえたけど、僕はそれどころではない
前世では泳げたけど、今世では僕泳げないんだよ!!
ってか水が得意じゃないんだって!!
顔に水がつくのさえ嫌いなんだよ!
必死にもがくとその分湯船のお湯が口に入ってきてもう僕はパニックに陥っていた
グイッと腕を掴まれ引き上げられる
急に呼吸ができるようになってゲホゲホと咳がでる
「ユーリ大丈夫か!?何があった!?」
目を開けると、焦った顔のオルガが居た
「ゲホッ……な……ゲホッゲホ…何でも…ない…」
まさか湯船が広くてつかまってた手すりから尻尾が外れて溺れましたなんて言えない…
「何もないわけないでしょ?……とにかく上がるよ」
ひょいっと抱きかかえられ風呂を後にする
タオルを被せられ、そのままベッドへ運ばれた
「ちょっと待ってて」
オルガはそう言うと部屋を出て行った
「あ~……心配かけちゃった……」
でも…流石に恥ずかしくて本当の事なんて言えないでしょ……
しばらくしてオルガがドリンクを持って戻ってきた
「飲める?」
「ん…ありがとう……」
ドリンクを受け取って一気に飲み干した
ビショビショのまま抱き上げられたからオルガの服もベッドのシーツも濡れてしまっている…
タオルで拭ける所はささっと拭き、何か着れる物を探す
が着替えは風呂場に持って行ってるのでここには何もない
「ユーリ、キョロキョロしてないで何があったか話しなさい?」
…笑顔なのに怖い!
有無を言わせないその笑顔は止めてほしい……
「本当に…何でもないんだって……」
「ふーん?」
ジッと見つめられ目が離せない
オルガの赤い目がキラリと光る
「ちょっ…!!ずるい!!」
嘘をついていないか、力を使われた!!
「嘘をついてなければ問題ないだろう?で、何で嘘をついたの?」
目を細めジロリと見られればもう白状するしかない…
「……ぉ……たの…」
「ん?」
「だーかーらー!!ただ湯船が大きすぎて溺れたの!!」
もー!!恥ずかしいよう……
「……溺れた?えぇ?俺と入る時平気だよね??」
「それはオルガが後ろから抱きしめてくれてるから!僕猫科なんだから水か苦手なの!でも頑張って入ったの!でも溺れたの!!」
やけくそにそう叫ぶと
「…俺も猫科?ってやつだけど、別に水苦手じゃないぞ?…それにしても……そっか、俺が一緒じゃなかったからか。
それでも頑張って入ろうとしたんだな。よしよし。」
ニヤニヤ笑いながら頭を撫でるオルガに猫パンチをお見舞いする
「バカにしてるでしょ」
プイっと顔を背け着替えを取りに風呂場へ向かうとクスクス笑いながら後ろをついてくるオルガにもう一度パンチをお見舞したが、全くダメージがないのかケラケラ笑っている
「で?お風呂はもう終わり?」
入口のドアにもたれて僕を見ているオルガの言葉に「あ……」と声が漏れる
いつも身体を洗った後1度湯船に浸かるのが習慣な僕は、まだ髪を洗っていないことを思い出した
「俺は今から入るんだけど……一緒に入りませんか?」
さっきとはうって変わって、王子様スマイルを向けられたら素直に頷くしかない
頷いた僕を見るとサッサと服を脱いでいくオルガをジッと見つめる
久しぶりにオルガの身体を見たけど、前より引き締まってないか?
筋肉も前よりついてる…
騎士団との稽古のせいだろうか?
「ユーリ?風邪ひくから早く入ろう」
手を引かれ2度目のお風呂タイムとなった
僕の髪は結局オルガが洗ってくれた
至れり尽くせりだな…
オルガに後ろから抱きしめて貰い湯船に浸かる
んー…やっぱり安定してる
「ユーリ、これからは一人でお風呂は入っちゃだめだからね?」
「うん…心配かけてごめん」
「…ほら、こっち向いて」
ヒョイッと抱えられ、向かい合うように座らされた
ギュッと抱きしめられると、僕の顔がちょうどオルガの首あたりに来る
「…あれ?」
「ん?」
「匂い…抑えてない…?」
石鹸の匂いに交じっていい香りがする
「うん。ユーリ明日休みでしょ?俺も休みだからね。ほら、ユーリも解いて…」
額や瞼、米神、頬にキスをされる
魔法を解いて少し匂いを濃くする
「ん……ユーリの匂い久々だな……いい匂い……」
チュッチュッと顔中にキスが降ってくる
「オル…ガ……」
オルガの香りも強くなってくる
我慢できなくなって自分からオルガの口を塞ぐ
「ん…?」
けど恥ずかしくて直ぐに離し、顔を背ける
「…ユーリ?」
「ちょっと……今はこっち見ないで……」
きっと顔が真っ赤になってるはず…
「んー…じゃあ……」
ぴちゃっと音と共に首にヌルッとしたものが這う
「ぅ…んッ……」
そのまま吸い付かれチクッと痛みが走る
「オルガ!?そこ見えちゃう!!」
「んー?ユーリがこっち見てくれないからさぁ…」
そう言いながらオルガは首や鎖骨あたりにキスマークをつけていく
「わかったから!!ちょっ……んふッ……」
指の腹で軽く乳首を擦られ身体が跳ねる
「久しぶりだから敏感だね?」
「んぁ……あ…ッ……待って……のぼせちゃ…」
「あぁ…そうだね。じゃあベッドへ行こうか」
またもや軽々と抱っこされベッドへ連行された
「オルガ、言付けがあったんだった」
またもやドリンクを貰い、ふと思い出した
「言付け?誰から?」
「大臣達と叔父上から。王太子への即位式はいつにしますかって」
「あー……王太子ねぇ…すっかり忘れてたな…」
そう、僕もすっかり忘れてたんだよね
忙しくてそれどころじゃなかったって言うのもあるんだけど…
「正直無駄な式典とかしたくないんだけどなぁ…やっと国民も城の人達も新制度に慣れてきた所だし」
「まぁね?来月はソウとラウの結婚式があるし、即位式がたて続きにあると各国も大変だしね」
そういった式典には各国の重鎮が一同に集まるから警護も大変だし、招待客側も贈り物だけでも結構お金が出ていくんだよな
「それに、まだ王太子に即位しなくても良いかなと思ってるんだ」
「どうして?」
「今だからやれる事があるし、王太子になったら自由に動けなくなるでしょ?」
確かに、王太子は次の王はこの人ですよーってことだから、今迄みたいに騎士を連れずに他国へ行ったりはできなくなるだろうな
ただ、次代の王はオルガって周知されてて決まってるんだけど…
「だからさ……子供が産まれてお披露目の時に一緒にしたらいいんじゃないかなと思うんだけど」
……子供が産まれた時…?
ベッドから勢いよく起きると、ベッドに腰掛けていたオルガと目が合う
「ユーリ、結婚してから忙しくてゆっくり子供の事話せなくてごめんね。」
「それは…僕だって一緒だよ……毎日疲れて、帰ってきたらすぐ寝ちゃってたし」
オルガは優しい手つきで僕の髪を撫でてくれる
「これからは、今までほど忙しくないから……そろそろ考えないか?」
「ん……そうだね……」
「俺達の子供は2人いるだろ、1人づつ産むか2人とも一緒に産むか…まずはそこからだな…」
あ…そっか……どうしよう…フェラーリ神はどちらでもいいって言ってたんだよな…
「オルガはどっちがいい?」
自分の隣を叩きベッドに上がるように伝えるとすぐに隣に来てくれた
「俺は……2人一緒にかな…早く愛音にもレインにも会いたい。」
「うん、僕も早く2人に会いたい」
「でも…ユーリは引っかかる事があるんだろう?」
顔を覗き込まれる
オルガって嘘がわかるんじゃなく実際は心が読めるんじゃないのか?
「…引っかかるっていうか……2人一緒に産んで、ちゃんと子育てできるのかなって…同じくらい愛情を注いであげれるのかな…それに、この世界って双子が産まれたことはないでしょ?出産大丈夫かなぁ…って」
子供の種を神殿で貰うから、普通種は1つだしこの世界で双子っていないんだ
「双子って…子供が2人一緒に産まれる事か?それは確かにないな。けど出産は別にユーリ1人がしなくてもいいぞ?」
「…ん??どう言う事??」
「お互いのお腹に種を1つずつ入れれば他の親と同じ出産方法で産めるだろう?」
……オルガのお腹に子供の種…??
え?それって、僕がオルガを抱くってこと??
「無理!!それだけは無理!!それなら僕がお腹に2つ種を入れるから!!」
想像しただけでも無理!!
「無理って…なんで?」
僕の無理攻撃にオルガは苦笑いだ
「僕…オルガを抱くなんてできないよ……オルガには抱かれたいもん……」
うぅぅぅぅぅぅl……恥ずかしい!!
何!?今日は恥ずかしい日なの!?
「へー……そうだったんだ?それじゃあしょうがないね?
出産の事はまたフェラーリ神を呼び出して聞かなきゃだね?」
ニコニコ顔のオルガはそう言いながら僕を押し倒し上に乗っかってきた
「……オルガ?」
「ん??」
ブワッとオルガの匂いがまた強くなり、部屋に充満する
「アッ………オ…ルガ……」
サワサワと尻尾の先から徐々に上がってくる指にゾクゾクが止まらない
「ユーリに抱かれたいって言われたら……頑張らないとね??」
「やぁ……ん…ッ……ふぅ……んぁ……」
尻尾の付根をグリグリされ耳を甘噛みされる
「ふふふ…本当にここ…弱いね?」
ピチャ…クチュ…と音を立てながら耳を舐められ身体から力が抜けていく
「ほら、舌出して」
顎を掴まれ舌を指で遊ばれる
「んふぅ……んん……んッ………」
負けじとオルガの指を舐め上げしゃぶっていると突然指を抜かれた
「本当に……俺を煽るのが上手だね?……俺がどれだけユーリを抱きたかったかわかる?…明日の夜まで…付き合ってもらうから、覚悟して」
「え……?あ…した…夜…??」
明日の夜までって…丸1日ですやん!!
いやいや!!無理!!死ぬ!!
今日既にお風呂上がりにしたでしょ!?
抗議しようにも、オルガの目は既にギラツキまくっていて今にも飛び掛かってきそうだ
それに僕の身体はオルガの匂いと愛撫で腰砕けになってて動くことができない
あー…これ明後日生きてるかな…?
オルガは宣言通り翌日の夜まで僕を離さず抱き続けた
食事だけはオルガが転移魔法で一瞬で取りに行って、僕がトイレに行きたいって言えば抱っこで連れて行かれ、肌が触れていない時間がほぼないほどに離さなかった
僕も匂い酔いのような状態になってしまい、甘やかされ常にオルガの体温を感じれて幸せいっぱいであった
が
次の日その反動で、オルガが側に居ないだけで大泣きして子供のようになってしまった僕は、叔父上や父上を困らせる事になるとはこの時はまだ知らないのであった
大規模な改革を行った為、毎日が忙しくこの4か月は休みがなかった
仕事から帰ってきてベッドへ入ると秒で寝てしまっていた
オルガは僕より多忙で、王子としての仕事もあるし、各国との友好関係の修復もしないといけなかったり
僕も王子妃としての公務や、各部署のマニュアルを作ったりと前世の記憶をフル活用しなくてはいけない事が増えた
来月にはソウとラウの結婚式があるから、それまでにできる事をしなければならない
しかし、僕は今悩んでいることがある
この忙しさのせいで、結婚後からほとんどオルガと触れ合えていないのだ
一緒に寝るし、食事も公務も一緒だけど…
発情しないようにお互い匂いを抑え込む魔法を使用している為、最近オルガの匂いが分からなくなる時がある
これってヤバくないか……?
番の匂いがわからないなんて……
明日僕は丸一日仕事が休みになった
叔父上や大臣達に休みをとれと怒られたからだ
王子妃が休みなく働けば、下の者も休みにくいと言われては仕方ない…やる事は多々あるから部屋でやろう
…仕事病だな
日本人特有なんだろうか?
でもオルガも仕事人間だしなぁ…
そういえば、大臣からオルガに言っといてって言われた事があったんだった
まだ帰ってきていないオルガを待ちながら先に風呂に入る
2、3人入っても余るぐらい広い湯船に浸かると身体が浮いて溺れそうになる
いつもはオルガが後ろから抱きしめてくれているから溺れたりはしないけど…
危ないので尻尾を手すりに巻き付けバランスを保つ
……なんか幼い子みたいじゃないか?
こんな姿恥ずかしくて誰にも見せらんねぇ…
「ユーリ?お風呂に居るの?」
突然の声にビクッと身体が跳ねその反動で尻尾が手すりから離れてしまった
バシャンーーーーーー
ヤバい!!湯船で溺れる!!
「ユーリ!?」
水の中でオルガの焦った声が聞こえたけど、僕はそれどころではない
前世では泳げたけど、今世では僕泳げないんだよ!!
ってか水が得意じゃないんだって!!
顔に水がつくのさえ嫌いなんだよ!
必死にもがくとその分湯船のお湯が口に入ってきてもう僕はパニックに陥っていた
グイッと腕を掴まれ引き上げられる
急に呼吸ができるようになってゲホゲホと咳がでる
「ユーリ大丈夫か!?何があった!?」
目を開けると、焦った顔のオルガが居た
「ゲホッ……な……ゲホッゲホ…何でも…ない…」
まさか湯船が広くてつかまってた手すりから尻尾が外れて溺れましたなんて言えない…
「何もないわけないでしょ?……とにかく上がるよ」
ひょいっと抱きかかえられ風呂を後にする
タオルを被せられ、そのままベッドへ運ばれた
「ちょっと待ってて」
オルガはそう言うと部屋を出て行った
「あ~……心配かけちゃった……」
でも…流石に恥ずかしくて本当の事なんて言えないでしょ……
しばらくしてオルガがドリンクを持って戻ってきた
「飲める?」
「ん…ありがとう……」
ドリンクを受け取って一気に飲み干した
ビショビショのまま抱き上げられたからオルガの服もベッドのシーツも濡れてしまっている…
タオルで拭ける所はささっと拭き、何か着れる物を探す
が着替えは風呂場に持って行ってるのでここには何もない
「ユーリ、キョロキョロしてないで何があったか話しなさい?」
…笑顔なのに怖い!
有無を言わせないその笑顔は止めてほしい……
「本当に…何でもないんだって……」
「ふーん?」
ジッと見つめられ目が離せない
オルガの赤い目がキラリと光る
「ちょっ…!!ずるい!!」
嘘をついていないか、力を使われた!!
「嘘をついてなければ問題ないだろう?で、何で嘘をついたの?」
目を細めジロリと見られればもう白状するしかない…
「……ぉ……たの…」
「ん?」
「だーかーらー!!ただ湯船が大きすぎて溺れたの!!」
もー!!恥ずかしいよう……
「……溺れた?えぇ?俺と入る時平気だよね??」
「それはオルガが後ろから抱きしめてくれてるから!僕猫科なんだから水か苦手なの!でも頑張って入ったの!でも溺れたの!!」
やけくそにそう叫ぶと
「…俺も猫科?ってやつだけど、別に水苦手じゃないぞ?…それにしても……そっか、俺が一緒じゃなかったからか。
それでも頑張って入ろうとしたんだな。よしよし。」
ニヤニヤ笑いながら頭を撫でるオルガに猫パンチをお見舞いする
「バカにしてるでしょ」
プイっと顔を背け着替えを取りに風呂場へ向かうとクスクス笑いながら後ろをついてくるオルガにもう一度パンチをお見舞したが、全くダメージがないのかケラケラ笑っている
「で?お風呂はもう終わり?」
入口のドアにもたれて僕を見ているオルガの言葉に「あ……」と声が漏れる
いつも身体を洗った後1度湯船に浸かるのが習慣な僕は、まだ髪を洗っていないことを思い出した
「俺は今から入るんだけど……一緒に入りませんか?」
さっきとはうって変わって、王子様スマイルを向けられたら素直に頷くしかない
頷いた僕を見るとサッサと服を脱いでいくオルガをジッと見つめる
久しぶりにオルガの身体を見たけど、前より引き締まってないか?
筋肉も前よりついてる…
騎士団との稽古のせいだろうか?
「ユーリ?風邪ひくから早く入ろう」
手を引かれ2度目のお風呂タイムとなった
僕の髪は結局オルガが洗ってくれた
至れり尽くせりだな…
オルガに後ろから抱きしめて貰い湯船に浸かる
んー…やっぱり安定してる
「ユーリ、これからは一人でお風呂は入っちゃだめだからね?」
「うん…心配かけてごめん」
「…ほら、こっち向いて」
ヒョイッと抱えられ、向かい合うように座らされた
ギュッと抱きしめられると、僕の顔がちょうどオルガの首あたりに来る
「…あれ?」
「ん?」
「匂い…抑えてない…?」
石鹸の匂いに交じっていい香りがする
「うん。ユーリ明日休みでしょ?俺も休みだからね。ほら、ユーリも解いて…」
額や瞼、米神、頬にキスをされる
魔法を解いて少し匂いを濃くする
「ん……ユーリの匂い久々だな……いい匂い……」
チュッチュッと顔中にキスが降ってくる
「オル…ガ……」
オルガの香りも強くなってくる
我慢できなくなって自分からオルガの口を塞ぐ
「ん…?」
けど恥ずかしくて直ぐに離し、顔を背ける
「…ユーリ?」
「ちょっと……今はこっち見ないで……」
きっと顔が真っ赤になってるはず…
「んー…じゃあ……」
ぴちゃっと音と共に首にヌルッとしたものが這う
「ぅ…んッ……」
そのまま吸い付かれチクッと痛みが走る
「オルガ!?そこ見えちゃう!!」
「んー?ユーリがこっち見てくれないからさぁ…」
そう言いながらオルガは首や鎖骨あたりにキスマークをつけていく
「わかったから!!ちょっ……んふッ……」
指の腹で軽く乳首を擦られ身体が跳ねる
「久しぶりだから敏感だね?」
「んぁ……あ…ッ……待って……のぼせちゃ…」
「あぁ…そうだね。じゃあベッドへ行こうか」
またもや軽々と抱っこされベッドへ連行された
「オルガ、言付けがあったんだった」
またもやドリンクを貰い、ふと思い出した
「言付け?誰から?」
「大臣達と叔父上から。王太子への即位式はいつにしますかって」
「あー……王太子ねぇ…すっかり忘れてたな…」
そう、僕もすっかり忘れてたんだよね
忙しくてそれどころじゃなかったって言うのもあるんだけど…
「正直無駄な式典とかしたくないんだけどなぁ…やっと国民も城の人達も新制度に慣れてきた所だし」
「まぁね?来月はソウとラウの結婚式があるし、即位式がたて続きにあると各国も大変だしね」
そういった式典には各国の重鎮が一同に集まるから警護も大変だし、招待客側も贈り物だけでも結構お金が出ていくんだよな
「それに、まだ王太子に即位しなくても良いかなと思ってるんだ」
「どうして?」
「今だからやれる事があるし、王太子になったら自由に動けなくなるでしょ?」
確かに、王太子は次の王はこの人ですよーってことだから、今迄みたいに騎士を連れずに他国へ行ったりはできなくなるだろうな
ただ、次代の王はオルガって周知されてて決まってるんだけど…
「だからさ……子供が産まれてお披露目の時に一緒にしたらいいんじゃないかなと思うんだけど」
……子供が産まれた時…?
ベッドから勢いよく起きると、ベッドに腰掛けていたオルガと目が合う
「ユーリ、結婚してから忙しくてゆっくり子供の事話せなくてごめんね。」
「それは…僕だって一緒だよ……毎日疲れて、帰ってきたらすぐ寝ちゃってたし」
オルガは優しい手つきで僕の髪を撫でてくれる
「これからは、今までほど忙しくないから……そろそろ考えないか?」
「ん……そうだね……」
「俺達の子供は2人いるだろ、1人づつ産むか2人とも一緒に産むか…まずはそこからだな…」
あ…そっか……どうしよう…フェラーリ神はどちらでもいいって言ってたんだよな…
「オルガはどっちがいい?」
自分の隣を叩きベッドに上がるように伝えるとすぐに隣に来てくれた
「俺は……2人一緒にかな…早く愛音にもレインにも会いたい。」
「うん、僕も早く2人に会いたい」
「でも…ユーリは引っかかる事があるんだろう?」
顔を覗き込まれる
オルガって嘘がわかるんじゃなく実際は心が読めるんじゃないのか?
「…引っかかるっていうか……2人一緒に産んで、ちゃんと子育てできるのかなって…同じくらい愛情を注いであげれるのかな…それに、この世界って双子が産まれたことはないでしょ?出産大丈夫かなぁ…って」
子供の種を神殿で貰うから、普通種は1つだしこの世界で双子っていないんだ
「双子って…子供が2人一緒に産まれる事か?それは確かにないな。けど出産は別にユーリ1人がしなくてもいいぞ?」
「…ん??どう言う事??」
「お互いのお腹に種を1つずつ入れれば他の親と同じ出産方法で産めるだろう?」
……オルガのお腹に子供の種…??
え?それって、僕がオルガを抱くってこと??
「無理!!それだけは無理!!それなら僕がお腹に2つ種を入れるから!!」
想像しただけでも無理!!
「無理って…なんで?」
僕の無理攻撃にオルガは苦笑いだ
「僕…オルガを抱くなんてできないよ……オルガには抱かれたいもん……」
うぅぅぅぅぅぅl……恥ずかしい!!
何!?今日は恥ずかしい日なの!?
「へー……そうだったんだ?それじゃあしょうがないね?
出産の事はまたフェラーリ神を呼び出して聞かなきゃだね?」
ニコニコ顔のオルガはそう言いながら僕を押し倒し上に乗っかってきた
「……オルガ?」
「ん??」
ブワッとオルガの匂いがまた強くなり、部屋に充満する
「アッ………オ…ルガ……」
サワサワと尻尾の先から徐々に上がってくる指にゾクゾクが止まらない
「ユーリに抱かれたいって言われたら……頑張らないとね??」
「やぁ……ん…ッ……ふぅ……んぁ……」
尻尾の付根をグリグリされ耳を甘噛みされる
「ふふふ…本当にここ…弱いね?」
ピチャ…クチュ…と音を立てながら耳を舐められ身体から力が抜けていく
「ほら、舌出して」
顎を掴まれ舌を指で遊ばれる
「んふぅ……んん……んッ………」
負けじとオルガの指を舐め上げしゃぶっていると突然指を抜かれた
「本当に……俺を煽るのが上手だね?……俺がどれだけユーリを抱きたかったかわかる?…明日の夜まで…付き合ってもらうから、覚悟して」
「え……?あ…した…夜…??」
明日の夜までって…丸1日ですやん!!
いやいや!!無理!!死ぬ!!
今日既にお風呂上がりにしたでしょ!?
抗議しようにも、オルガの目は既にギラツキまくっていて今にも飛び掛かってきそうだ
それに僕の身体はオルガの匂いと愛撫で腰砕けになってて動くことができない
あー…これ明後日生きてるかな…?
オルガは宣言通り翌日の夜まで僕を離さず抱き続けた
食事だけはオルガが転移魔法で一瞬で取りに行って、僕がトイレに行きたいって言えば抱っこで連れて行かれ、肌が触れていない時間がほぼないほどに離さなかった
僕も匂い酔いのような状態になってしまい、甘やかされ常にオルガの体温を感じれて幸せいっぱいであった
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BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
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