異世界で大切なモノを見つけました【完結】

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怒涛の1日だった

レインとアイネのお披露目が何事もなく終わり、ホッとしていたのにあんな事が起こるなんて

即位式も順調に進み、あと少しで終了と言う時に何かがこちらに向かっていた

レイドとモアがそれを待ち受ける為に出て行った


俺とカインは直ぐに城に結界を張り、来賓者にはその場にとどまるよう伝えた


しばらくして、外が暗くなり始め何かの奇声が聞こえ始めた

その奇声はどんどん大きくなり、奇声を発している者が数人ではなく大量に居る事が分かった

脅えているくせに、来賓者達は怖いもの見たさなのだろう、窓から外の様子を窺っている


俺達はその背後で映像を出しこっそりとみる事にした


真っ黒なボロボロな羽を生やした屍のような奴らがレイドとモアに襲い掛かるが倒されていく場面だった


モアが何か手のひらからだし、敵が光に包まると消えていく


窓の方でも光は確認できるようで、皆口々に何か言っている


しばらく戦いが続き、最後の1人を倒した2人は誰かと話した後、どこかへ消えた


するとこちらに、さっき映像に映っていた真っ白い羽を生やしたモアに少し似た男が現れた



カインはその男を見るなり何かを察したようで、その男と話している


もしかしてこの男……







「…ソウ!!」


大きな声で呼ばれハッと顔を上げれば目の前にレイドが居る


どうやら俺が1人考え事をしている間に全てが終了していたようだ


「あ…お帰りレイド…怪我はない?」


「あぁ、大丈夫……カナメは寝てるのか?」


「うん、あれからすぐ寝ちゃったんだ。」


「そうか…これからモアが挨拶をして今日はもうお開きで明日再度昼から舞踏会が行われるって。」


「わかった」


レイドに手を引かれ初めに座っていたところへ戻った









即位式が何とか終わり、来賓者は割り当てられている部屋へ戻っていった


俺達は今回、俺が一時期住んでいた部屋に泊まる事になっている

一応ここ俺の実家って事になってるから、部屋は俺用にって残されているらしい

食事を2家族皆でとり、入浴を済ませると子供達は子供部屋で遊び始めた


けど30分もしない内に3人共絨毯の上で眠ってしまっていた

毛布を掛けてやり、これからは大人の時間だ




「で、今回の話なんだけど……」




モアが話してくれた事を要約すると、あの大量の屍みたいなやつは元下級神で俺達は死んだら皆上級神になる事が許せなかったと

だから天界を破壊して俺達の大切な者を殺して恨ませ魂を汚させ上級神になる事を阻止しようとしたのか

って、俺達全員が上級神って何だよ!?

普通に考えてあり得ないだろ!?

特に俺!!平気で人の事を恨むし、絶対魂汚れてますけど!?

カインも自分が上級神になるなんて信じれないようだ


そしてもう1つ

モアが本来なら上級神になっていたはずが、この世界のゴタゴタの為に上級神にならず転生させられ魂の記憶という物を思い出していた
その為すでに神の力を使う事が出来、なおかつその力はレインにも受け継がれていると言う事

レインも本来ならあと少しで天界へ昇る予定だった

この世界で死ねば予定通り天界へ昇るが、モアの神の力を受け継いでしまった為に、神の力が高く下級神ではなく上級神となるらしい

アイネは元々上級神だったらしい

しかし1億年前に魔王が現れた時、ディセーブルが魂に戻し転生させたらしい

何でもアイネのもともとの魂はディセーブルの大切な者らしく、消滅させないために魂に戻したのだとか

事故で死に、上級神に戻そうとした時愛音の悲しい気持ちがディセーブルに届いた

もっと音矢と居たかったと…

その願いを聞き入れるため、音矢をこの世界に召喚しこの世界の運命を託したのだと


バックグラウンドの話があまりにも壮大で俺の頭はパンクしてしまいそうだ


ディセーブルは既に天界へ戻り、天界の立て直しをしているらしい

天界は天界で大変そうだ…



「オルガの力が日に日に強まっていた事は感じてたけど、まさか神の力とは思わなかったよ。」


カインはモアの尻尾を弄りながら大した事無さ気に言う


「この力は基本使う気は無かったからね。この力を使えば皆この世界の神を信仰しなくなってしまうだろう?」


「確かにね、神の力を使える王太子が居れば何でも頼っちゃうだろうし」


「それではこの世界の人々が自立する事が出来なくなるし、俺が居なくなった時この世界は破滅してしまうだろう。何事もそうだが、何でも分け与え助ける事が正解ではないからね。」


「そうだな、本当に助けが必要な時は手を差し出すべきだが、そうじゃない時は見守る事も必要だから」




子供達を見ながら思う


もうこの世界に黒の王の復活はなくなった


きっと俺達が経験した様な事は起こらないだろう

けどそうすると人は団結する機会がなくなり争い事を起こしやすくなる

人対人…

きっと戦争が起こるようになっていく

この子達が直面する壁は俺達より残酷で悲しいものになるかもしれない










「ソウ」

「ん?」


俺達は部屋へ戻り寝る支度をする

カナメはあれから一度も起きずにスヤスヤと寝ている

きっと大分疲れてたのだろう


「大丈夫か?」


レイドは心配そうな顔で覗き込んでくる


「大丈夫だよ。ちょっと疲れたけど。」

「そうだな。白の国……と言うより、モアの周りでは問題がよく起こる。力がある者の宿命なんだろうな…」

「確かに、モアの周りは事件だらけだね。でも解決できる力も仲間も持ってる。
きっとこの先も何かあっても大丈夫だよ。」


「ああ、俺達が天界へ昇る日が来た時、この世界は一番安定するだろうな」


「…どうして?」


「俺達が天界から見守り、地上ではあの子達が国を治めていく。
神には神にしかできないことを、あの子達はあの子達にしか出来ない事を…
この世界の人をきっと導いていけるよ」


「……そうだね」


レインの肩にもたれかかり窓から見える大きな月を見る



天界へ行く時までどうか、平穏でありますようにと願った




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