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「え?彼方がまだ来てない?」
夕方6時、普段ならとっくに来ているはずの彼方がまだ来ていないことが演技指導の講師から社長へ報告が入った
携帯も電源が入っておらず、連絡がつかないという
すぐさま大学へ連絡をとり調べてもらうと、今日はどの授業にも出ていないと言われた
急いで自宅に向かったが居らず、郵便物も新聞もそのままになっており、帰宅した様子がなかった
すぐ様マネージャーの細井に確認をとったが、昨日は駅で降ろして欲しいと言われ、そこからは知らないという
細井は今朝から他のメンバーのオーディションに付き添っていて、今日、彼方はタクシーで事務所に来る予定だった
彼方と連絡がつかないまま、時刻は夜11時をまわっていた
社長の永倉は叶響へ連絡を入れた
もしかしたら昨日、彼方から連絡があったかもしれないと思ったからだ
しかし叶響の所にも連絡は無かった
動ける事務所のマネージャーが手当り次第探したが見つからない
今から売り出す俳優なので、出来れば大事にはしたく無かった事務所ではあったが、丸一日連絡が取れないとなると嫌な予感しかしない
叶響から再度連絡があり、すぐに警察に相談するよう言われた
実は彼方と叶響は、彼方が自宅に帰るとその日学んだことをやり取りし、叶響からアドバイスを貰っていた
しかし昨日は連絡がなく、叶響は不審に思っていたのだ
ただ彼方もハードスケジュールが続いていた為、寝てしまったのかもと思っていた
社長はすぐさま警察に連絡をし、捜索をしてもらう事にした
「警察から連絡は?」
2日後、社長室に入ってきたのは志野だった
あの後すぐに飛行機のチケットをとり、日本に1人先に戻って来たのだ
「まだ何も……警察はどこかに家出してるんじゃないかって、ちゃんと取り合ってくれなくてね。今日も戻ってない事を伝えに行ったらやっと捜索してくれるようだよ。」
疲れきったような社長の顔を見ながら、志野は考えた
「警察は子供の行方不明だと直ぐに動きますが、成人近い子が居なくなっても、家出しただけと動かなかったんでしょう。
携帯はまだ電源が入ってないんですよね?」
「ああ、何度もかけてみたが……」
「GPSもそれでは使えないか……細井が彼方君を降ろしたのは駅前でしたね?防犯カメラ、チェックしてもらいました?どこに向かったかとか分かると思いますが。」
「いや、今日やっと動き出したから……」
「分かりました。警察へは私が話します。」
志野はそう言うと細井に当日の詳しい話を聞き、すぐさま警察へと向かった
警察側も、まだ戻らない未成年の捜査を後回しにした事が後ろめたいらしく、志野が防犯カメラのチェックに同行するのを許可した
大きな駅の防犯カメラには多数の人が映っており、他人が見ても本人が映っていても分かりずらかったのも理由の一つだ
『どうだった?』
既に志野から連絡を受けていた叶響はそう問いかけた
「防犯カメラには彼方君は映っていませんでした。」
『…そうか………警察は何て?』
「明日細井から詳しく事情を聞くそうです。駅の中に入って行く彼をちゃんと見たのか、誰かと待ち合わせをしている様子はなかったのか…」
『細井は今何してるんだ?』
「ランクEの須藤の付き添いで九州へ。明日戻ってきます。」
『…そうか、1つ頼まれて欲しいんだが、警察と永にーーーーーーー』
「…………分かりました。両方に伝えておきます。」
『ああ。アイツと連絡が取れたから連れて帰る。それまで頑張ってくれ』
「ええ、それじゃあ。」
叶響と電話を切った志野は深い溜息を吐いた
夕方6時、普段ならとっくに来ているはずの彼方がまだ来ていないことが演技指導の講師から社長へ報告が入った
携帯も電源が入っておらず、連絡がつかないという
すぐさま大学へ連絡をとり調べてもらうと、今日はどの授業にも出ていないと言われた
急いで自宅に向かったが居らず、郵便物も新聞もそのままになっており、帰宅した様子がなかった
すぐ様マネージャーの細井に確認をとったが、昨日は駅で降ろして欲しいと言われ、そこからは知らないという
細井は今朝から他のメンバーのオーディションに付き添っていて、今日、彼方はタクシーで事務所に来る予定だった
彼方と連絡がつかないまま、時刻は夜11時をまわっていた
社長の永倉は叶響へ連絡を入れた
もしかしたら昨日、彼方から連絡があったかもしれないと思ったからだ
しかし叶響の所にも連絡は無かった
動ける事務所のマネージャーが手当り次第探したが見つからない
今から売り出す俳優なので、出来れば大事にはしたく無かった事務所ではあったが、丸一日連絡が取れないとなると嫌な予感しかしない
叶響から再度連絡があり、すぐに警察に相談するよう言われた
実は彼方と叶響は、彼方が自宅に帰るとその日学んだことをやり取りし、叶響からアドバイスを貰っていた
しかし昨日は連絡がなく、叶響は不審に思っていたのだ
ただ彼方もハードスケジュールが続いていた為、寝てしまったのかもと思っていた
社長はすぐさま警察に連絡をし、捜索をしてもらう事にした
「警察から連絡は?」
2日後、社長室に入ってきたのは志野だった
あの後すぐに飛行機のチケットをとり、日本に1人先に戻って来たのだ
「まだ何も……警察はどこかに家出してるんじゃないかって、ちゃんと取り合ってくれなくてね。今日も戻ってない事を伝えに行ったらやっと捜索してくれるようだよ。」
疲れきったような社長の顔を見ながら、志野は考えた
「警察は子供の行方不明だと直ぐに動きますが、成人近い子が居なくなっても、家出しただけと動かなかったんでしょう。
携帯はまだ電源が入ってないんですよね?」
「ああ、何度もかけてみたが……」
「GPSもそれでは使えないか……細井が彼方君を降ろしたのは駅前でしたね?防犯カメラ、チェックしてもらいました?どこに向かったかとか分かると思いますが。」
「いや、今日やっと動き出したから……」
「分かりました。警察へは私が話します。」
志野はそう言うと細井に当日の詳しい話を聞き、すぐさま警察へと向かった
警察側も、まだ戻らない未成年の捜査を後回しにした事が後ろめたいらしく、志野が防犯カメラのチェックに同行するのを許可した
大きな駅の防犯カメラには多数の人が映っており、他人が見ても本人が映っていても分かりずらかったのも理由の一つだ
『どうだった?』
既に志野から連絡を受けていた叶響はそう問いかけた
「防犯カメラには彼方君は映っていませんでした。」
『…そうか………警察は何て?』
「明日細井から詳しく事情を聞くそうです。駅の中に入って行く彼をちゃんと見たのか、誰かと待ち合わせをしている様子はなかったのか…」
『細井は今何してるんだ?』
「ランクEの須藤の付き添いで九州へ。明日戻ってきます。」
『…そうか、1つ頼まれて欲しいんだが、警察と永にーーーーーーー』
「…………分かりました。両方に伝えておきます。」
『ああ。アイツと連絡が取れたから連れて帰る。それまで頑張ってくれ』
「ええ、それじゃあ。」
叶響と電話を切った志野は深い溜息を吐いた
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