【完結】ただのADだった僕が俳優になった話

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その後の公演は大盛況となった

連日ニュースで取り上げられていたけど、ストーカーのような模倣犯も現れることはなかった

地方公演も、皆で同じホテルに泊まり、まるで修学旅行の様な感じでとても楽しかった

部屋割りは2人で1室だったけど、休演日の前日は1部屋に集まって皆で飲んで(僕と平野さんはジュース)朝方まで騒いだりもしていた

別棟を貸し切っていたからできたことではあるが、とても楽しかった

そして最後の地方公演の福岡に到着した

空港からスタッフさんが用意したバスで移動し滞在先になるホテルへ裏口から入る

部屋割りはもうずっと叶さんと一緒だ

皆叶さんの事を崇拝してるせいか、誰も叶さんと同じ部屋になりたがらなかったのだ

叶さんは、怖がられてるのかな…と、ちょっとしょんぼりしてた

皆すかさずフォローしてるのを見て、僕と平野さんは爆笑した

それから、実は最終公演の日に発表になるのだが、ホテルでの滞在中の姿や、楽屋裏での姿などのオフショットを、写真集にして売り出すことになった

これも、ソワレ後の配信がきっかけになった

最初は最終公演まで配信予定だったのだが、僕達の体力の消耗が激しいのと、見てくれる方が多いのだが、出待ちが後をたたなくなった為、スタッフ達がこれ以上は危険と判断し、配信を辞めることになった
『出待ちはしないで、配信を辞める可能性が出てくるから』と僕達は何度も伝えていたけど、出待ちが後をたたなかった為、理由を説明した上で配信終了をお知らせした
配信を見ていた人達はやっぱりこうなったか…と概ね理解をしてくれた

その代わりになるものを…と考えた結果、写真集という形になった


ちなみにこの写真を撮るのはカメラマンではなく、僕達個人のスマホで互いが撮りあっている


その為不意打ちの写真だったり、気をぬいた写真だったりして僕達はわざとそれを狙って撮ったりしている

でもそれがオフショットらしくて良いとスタッフには評判である




あれから、僕と叶さんの関係はほとんど変わっていない

舞台に集中できなくなるだろう僕の事を考えて、叶さんは舞台が終わるまでは今までと変わらない関係でいようと言ってくれた

同じ部屋で宿泊していても、自宅に居る時とさほど変わらなくて、何だか物足りなさを感じる事もあるけど、叶さんの気持ちが嬉しかった

公演の中日と千秋楽には、トークショーも予定されている

僕も叶さんも千秋楽のみトークショーへ参加する

そして福岡公演の休演日、僕と叶さんと六花と昴で観光に出かけた


3人は仕事で福岡に来たことがあるらしいが、観光をするほど時間はなかったようで、せっかくだから皆で観光雑誌片手に観光をすることにした

いろいろなスポットで写真を撮り、昴が予約してくれていた香水作り体験に行ったり、夜は有名な屋台でご飯を食べた

すごく楽しい時間を4人で過ごし、今度は旅行で遊びに来ようと約束した


舞台も順調、休みの日もカンパニーと楽しく過ごし、このまま何事もなく大千秋楽を迎えると思っていた


まさかあんな事が起こるなんて……


大千秋楽まで残り3日となった今日は丸一日休み
朝から舞台の点検が行われていた

昨日のソワレ後に照明器具の不備が発見されたので、それの交換もするとの事で、交換が済むまでは劇場は立ち入り禁止、演者達は各々他の仕事に行ったりホテルでゆっくりと過ごしていた

僕達もその一人で、ホテルの部屋で次の仕事の台本を読みこんでいた


台本に集中していると、叶さんの携帯に着信が入ったようで、叶さんは僕に気を使って部屋の外に出て行った

集中力が切れた為台本を横に置き、なんとなしにテレビをつける

お昼のテレビは大体がバラエティー色の濃い情報番組ばかりで、ポンポンとチャンネルを替えていく

『えー…VTRの途中ですが、今入ったニュースをお伝えいたします。』

司会進行役のアナウンサーの強張った顔が映され、チャンネルを替える手が止まる

『つい先程ですね…現在福岡での舞台に出演中の俳優の平野さんと六花さんが交通事故にあったというニュースが飛び込んできました。怪我の具合はまだわからないという事です。繰り返しますーーー』


「え?」


平野さんと六花が事故?今日2人はDVD用の写真を撮影しに、近くのスタジオに出かけているはず…

「彼方!平野さんと六花が!!」

叶さんが戻ってきて詳しい話を聞いた


2人は写真撮影が終わった後、スタッフの迎えの車に乗りホテルに向かっていた

しかし急に歩道から歩行者が飛び出して来て、前の車が急ブレーキをかけ、六花達の車も急停車

六花達の後ろの車は車間距離が狭かった為、ブレーキをかけたが間に合わず六花達の車に追突したらしい

スピードも結構出ていたようで、後部座席に乗っていた二人は足や腕を骨折し頭も強打している為、数日入院が必要になってしまった



すぐに集まれるメンバーとスタッフが僕達の部屋に集まって、会議が行われた





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