裏切りの蜜は甘く 【完結】

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セイの自室の離れは先程居た離れよりは小さいものの、マンションの2LDK程の広さだった


リビングにはテーブルを挟むようにテレビとソファーが置かれている


そのソファーの端にセイを座らせ俺は隣に座り逃げれない様に腕で囲った


「セイ」


ビクッと肩を震わせ恐る恐るといった様に顔を上げる


「セイは俺の気持ちをちゃーんと理解してもらわないといけないと思うんだ。」


そう言いながら、顔を近づけていく


「し…静流…………」


「俺はね、セイが晶のサポートをしてようと、してなかろうとどっちでも良いんだよ。
一目見た時に、この子が俺の運命の人だって思ったんだ。
初めてだよ。俺が人を愛するなんて。
愛なんてもの、幻想だとしか思って無かったのに。」


「…幻想………?」


「俺はね、イギリスの小さな田舎の村で生まれたんだ。4歳上の兄が居て日本人の母と韓国人の父親の両親と4人で暮らしてた。
裕福じゃなく、学校に通うのもギリギリで学校なんて行かずに家の手伝いをしなきゃいけないくらい貧しかったんだ。」



セイは大人しく聞いている



「俺は赤ん坊の時から他と違って、泣かない赤ん坊だった。それどころか産まれて半年くらいで話すようになった。1歳を過ぎる頃には大人同様に話す事ができて、絵本なんかも読めるし字も書けた。
そんな俺を両親も兄も気持ち悪がったんだ。
最低限の水と食料を与えられ、放置された。2歳の頃から夜中になってから家を抜け出し、ゴミ捨て場を漁り新聞やまだ書けそうな紙を拾って来て知識を付けた。3歳になってから兄を学校に通わせる為に両親に朝から晩まで仕事を手伝わされた。
皆が寝静まってから、こっそり兄の学校の教材を覗いた。簡単すぎて一週間後にはそれもしなくなったけど。
ある日、教えを広める為に大きな街の神父が村に来た。
その時に神父に声をかけられた。神父は俺の大人の様な態度に興味を持ち、村の皆に『この子はここに居てはならない、私が教会へ引き取ろう』って言って、両親も俺を追い出したかったからその話しに飛びついた。
俺の意思とは関係なく話しは進んでしまい、直ぐに教会に引き取られた。
教会では贅沢はできないけど、食べるのも飲むのも自由にさせて貰えた。勉強も好きなだけ。ここに来て良かったと思い出した頃、神父が俺を連れ色んな御偉いさんに会わせた。
理由は簡単、教会へのお布施を増額させる為だ。俺に御偉いさんと話させ弱みを探り、脅して金を出させる。
神父は金儲けの為に、俺に知識を与えた。

俺が12歳歳になった時に、お偉いさん達が共同で俺のIQを測定した
余りの数値に測りきれなかったけどな。
そこから俺の能力を欲しがる輩があちらコチラから出て来た。
そんな時龍洞前会長が俺をアメリカへ逃してくれた。アメリカで自由に生きれるようパトロンになってくれたが、見返りは自分が困った時必ず助ける事。お前は俺の最終兵器なんだからなって。
そして俺はアメリカへ渡って学びたい事をすべて学んだ。
犯罪に手を掛けることもあった。成長した俺は頭の良さと見た目と持ってる金で男も女も寄ってきた。
皆『愛してる』って言いながら、俺の金と地位に群がった。
『愛』って何だ?家族からは化け物扱いされ、神父やお偉いさんには金儲けの道具とされ、龍洞前会長からは最終兵器扱い。
誰も『俺』を愛してくれない。俺も『愛』って感情がわからない。
映画で『愛』を見てみたけど、俺にとってはピンとこない。ただの物語だった。
旬達と出会って、友情を学んだ。けどそれは映画の中の『愛』とは違った。
でも……やっと見つけたんだ。」



俺の話しを静かに聞きながらセイは泣いていた


涙に濡る頬に触れる


「セイと目が合った時、心が急に暖かくなって直ぐに熱くなった。離れたくない、離したくない、俺の側にいて欲しい。俺だけを見て欲しい、セイの全てが欲しい。触れたくてたまらない、声を聞きたい…笑った顔、泣いた顔、怒ってる顔…色んな表情を見てみたい。
俺の隣で幸せになって欲しい、俺が幸せにしたい。
初めての感情だった、戸惑いもあったけどこれが『愛』なんだと理解した。
セイを見るだけで、思うだけで心が幸せを感じるんだ。

愛してるよ、セイ。晶のオマケなんかじゃない。セイだから『愛しい』と思えたんだ。
俺に『愛』という感情を教えれるのはセイだけなんだよ。」



そう言うと、セイがおれの首に抱きついてきた


その体を受け止め抱き締め返す


「お……れも………静流…見た…時、心が……暖かくなった……俺……だけ見て…欲しくて………静流に……見られる…だけでドキドキして…でも幸せ…で……触れられると…恥ずかしいけど………嬉しくて………この感情が『愛』……なら……俺だって…俺だって…………」


セイはしゃくり上げながらも必死に言葉にしてくれた

そして腕の力を緩め上目遣いで見上げてくる


「静流を、愛してる」


目を合わせしっかりハッキリと、そう言った


「セイ…」


「他の人の…愛なんて……知らなくていい………受け取っちゃ嫌だ………俺だけ……俺がいっぱい愛するから……俺の愛だけ受け取って………」


恥ずかしくなってきたのか最後はモゴモゴと小さな声になった



「フフフッ………」


「…可笑しい……?」


俺が笑うとセイは不安気な顔をする


俺は首を振る


「人間って、幸せ過ぎて嬉しい時も笑っちゃうんだね」


俺がそう言うと、セイはキョトンとした顔をした後、可愛い可愛い笑顔を見せてくれた



その可愛い顔にかかっている伊達メガネに手をかける

「!駄目!!」

慌てるセイ

「大丈夫…」


そう言ってメガネを外した


綺麗なオッドアイ

片目は茶色もう片目は金色

髪の色と似ている


「やっぱりメガネがないほうが綺麗に見える」

ちゃんと見れたことが嬉しくてまた笑うとセイは困った様な顔をする

「……気持ち悪くない?俺の目、施設でもここでも気持ち悪いって言われてて…化け物だって……」



「気持ち悪くない。むしろ宝石みたいでずっと見ていたくなる」


本当に綺麗だ
虹彩がキラキラ輝いていてまるで宝石だ

この瞳の良さがわからないなんてソイツらの美意識は破綻してるな


「…宝石?」


「あぁ。でも…どんな宝石よりも綺麗だよ。ホントに魅了される……この瞳を化け物扱いする奴の気が知れないな。」


視線を外す事が出来ないほど俺はこの瞳にも魅了されている


「………そんなに見ないで…恥ずかしい…」


セイは目を伏せてしまった

さっきまで泣いていたから長い睫毛が濡れていて色っぽい

ついその瞼にキスを落とした


一度キスを落とせばなかなか止まれない

顎を掴み、額、頬、瞼、米神、色々な所にキスを落とす


「あっ……静流…………」

ハァ…と色っぽいため息を吐かれたらもう駄目だった


「んぁ………はぁ………………ん…………ぅあ……………」


貪るようにセイの口内を舌で愛撫する


チュ………クチュ……とやらしい水音をわざと立てながらその甘さを味わった



「ら………め………しず…る……………ぁん…………んっ………」


力が抜けたのか俺の腕にくたっと体重を預けるセイの腰を引き寄せそのまま押し倒す


上に跨りキスを続行する


「もぉ………ら…………めぇ…………」


キスの合間に言葉だけの抵抗をするセイの顔はトロンとしている



「何でダメ?」



キスを止め、次に細い首にキスを落としていく



「ぁあっ……くび…………ゾクゾクする………身体………変………」


チュッチュッとリップ音を立てながら首を愛撫すれば、ピクピク身体を跳ねさせる


感度良いな……


「そのゾクゾクは気持ち良いって事だよ」


「…気持ち……良い…?」


「うん。もっと気持ちよくなろっか。」


シャツの中へスッと指を忍ばせる


「ヒャっ……!…………ぁ…………ゃ………」


指で触れていくと触れた場所が鳥肌を立てていく



「くすぐったい?」



「ちがっ…ゾクゾク…とまらな……ぁあんっ……!!」



俺の指が既に立ち上がった小さな突起にふれるとセイはビクッと大きく身体を揺らした



「ここ、気持ちいいね?」


優しく撫でると、セイからは甘い声が漏れる



「ん………もぅ………ゃ………」


イヤイヤと首を振るセイ


「嫌?でもここは……もっと欲しがってる……でしょ?」


セイの下半身にそっと触れると、そこはもう硬くなっていた


「はぅっ!!……駄目!!……そこは…!」


俺の手を外そうと必死に腕を掴んでくる


「駄目??どうして?」


恥ずかしがっていることを承知で聞くと「バカぁ…」と目を潤ませて抗議してくる


そんなに俺を煽らないで欲しい

本当に理性が焼き切れてしまう


自分の腕に絡んだセイの手をとり、俺の下半身へ触れさせる

セイはキョトンとした顔でユルユルとそこを撫で、ハッとした表情をしたと思ったら目を泳がせる


「一緒に気持ちよくなろっか…」


スボンのチャックに手を掛け脱がしていくベルトのカチャカチャいう音が気持ちを煽る


セイのと自身のを取り出し一纏めに握ると、ピクピクッと反応した


軽く擦るとセイは視線をそこへ移した



「……おっきぃ…………」


つい出た言葉なんだろう、目が合うと赤かった顔を更に真っ赤にさせ、目を逸らしてしまった


クスッと笑うと、俺は手を動かした


ヌチュ…ヌチュ……と音が立ちどちらの物とも分からない体液が滑りを良くする



「………ぁ………ん………」


一生懸命声を抑えるセイの声が聞きたくて、後頭部に手を入れ持ち上げ唇を貪る


口か下半身かそれとも両方か…水音は激しくなる


「ぁん………ぅ…………やぁ………………」


「セイ、もっと声が聞きたい……我慢しないで」


唇を離し、手を早める


「あっ………ぁ……だめ…………ゃあっ………い……いっちゃ…………だめ………」




顎が反り返り細い首が顕になる


その首にむしゃぶりつくとセイの喘ぎ声が大きくなった



「やぁー……!!いく………っ………も………いっちゃう………!」


頭を振り乱れる姿を堪能しながらセイを追い詰めて行く


「…クッ…………俺も………限界………」


グリッと亀頭を刺激し手を早めると



「ヒャアアアア!!!!」


セイは身体を大きく跳ねさせる達した


俺もそんなセイに煽られすぐイってしまった



二人が出した精液はセイの腹から胸にかけて汚している


二人共息を整えるようにぐったりとソファーに沈んだ




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