人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき

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「························」

(長い!長いよ!!沈黙が!)

恥を忍んで、話したというのに、桜井先生は無言を貫いている。

「じゃあ、逆に聞くぞ?お前は、その中に好きだと思う奴はいるか?」

「好き····?」

勿論、みんなの事は好きだ。だけど、それが恋愛感情か、と聞かれたら俺はハッキリ「違う」と答える。

「·······じゃあ、コイツが誰かといて嫌だな、とか思ったことはあるか?」

嫌、か。

「··········無いですね。」

「そうか。」

すると、桜井先生はまたもや無言になってしまった。

(好き、好き、好き?)
 
俺の頭の中にはその2文字がグルグルと渦を巻いていた。

単純に、俺の中で1番信頼、というか好感度?が高いのは俊介だろう。

シルクの件があって、俺は俊介を良い人だと思ってる。

次に、愛希。

愛希は、とても可愛くて、一緒にいて家族のような感覚だ。

そして、星吾。

星吾は、····よく分からない。単純に、俺で遊んでいるようにしか思えない。

しょっちゅう呼び出されて、告白されてる所を見る。

最後に、悟先輩。

先輩の声は、俺が好む声だ。低いけど、柔らかみのある声。

不思議とあの声を聞くと安心する。

(····あ、先生は·······)

「先生は、どうやって二階堂先生の事を好きって、自覚したんですか?」

「···········は?」

「···········え?」

(····あ、·····あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!)

「·····お前、どうしてそれを?」

桜井先生の俺を見るその目が、怖い。

まるで、草食動物を狩るときの肉食動物のような目をしている。

心拍数が加速する。

(ど、どうする!?誤魔化す?いやいやいや、····あ~もう!)

「·····見るつもりは、無かったんですけど····み、見ちゃいました。すみません!」

「······そうか。」

何故かあっさりとしている桜井先生に、俺は疑問を持った。

「あの、俺が聞くのも可笑しいと思うんですけど、何にも思わないんですか?」

少し、ほんの少しだけ沈黙があった。

「······無い、と言えば嘘になるが、まぁバレて困るようなことでも無いしな。」

(····そ、れは···)

この世界がBLゲームの世界だから?

それとも、

俺は、一か八かで聞いてみた。

「で、でも···同性で付き合ってるなんて、世間に知られたら····」

前世の世界では、同性同士で付き合うことに批判が起きていた。

「まぁ、世間からはバッシングだろうな。だが、恋愛に性別は関係無いだろう。好き、だから付き合う。ただ、それだけだ。」

(·····そっか。)

桜井先生のその答えに俺は納得した。

俺だって同性と付き合うなんて、考えたことがなかった。

でも、普通に考えて、可笑しいことではない。

「だから、な?」

うっすら笑っている桜井先生は、俺に耳元で、

「素直になっとけ。」

そう呟いた。
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