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ミリオネアへの道
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なんと言うことだろう。恐ろしい力を手に入れてしまった。この力があれば、都会のご婦人のハートは鷲掴みだ!都会のご婦人は若返りのためならば金は惜しまない。
と、いうことで、ミリオネアになる道が見えてきたリナ5歳だが、とりあえずそれは置いておくことにする。
ギルバート様からは時折セデス村のポーションを購入したいと文が父様宛に届くようだ。なんでもセデス村のポーションの味が気に入ったとのことだが、我が家に対するお礼をかねているのだろう。ギルバート様は1泊泊まっただけなのに律儀なエリート様だ。
私は相変わらずカイル兄様と村ブラを楽しんでいる。元気になったゴフじいさんは、仕事を片付けるのも早くなり、もう本当に猛烈なのだ。こうして村の視察と称して、外に出ないとついていけない。
「ふふふふふーん。困った事はありませんかー?魔法少女リナにお任せですよー。」
「だから、それ」
いまだに突っ込んでくれる優しいカイル兄様だ。
「あら、カイル様リナ様お散歩ですか?」
領民たちが、気軽に声をかけてきてくれる。
「うん、視察だ。何か困った事はないか?」
「アルステッド家の皆様のおかげで平和なものですよ」
たしかに平和だ。
薬草もぼうぼうに生えていて売りにも行っても余るくらいなのでみんな葉野菜がわりに食べたりしている。そのおかげか多少のお金が入るようになったからかは分からないが、貧乏セデル村の村民達は最近みんな元気だ。
それに私は村ブラのたびに古くなった家やら荷馬車やら農具やら目についたものをちょっとづつリペアしているから、ずっと住んでるとわからないくらいだが村全体もちょっと小綺麗になっていると思う。
屋敷に戻ると父様が手紙を片手に興奮状態で出迎えてくれた。
「カイル、リナおかえり。
ギルバート様から文が届いてな、王都で流行病が蔓延しつつあるらしいが特効薬がないそうだ。
だがなんと!うちの村のポーションが効くかもしれないそうなんだ」
父様が唾を飛ばしながら捲し立てた話によると、王都でしつこい風邪のような病が大流行していて、病に感染してしまい今にも死にそうなギルバート様がやけっぱちでセデス村のポーションを飲んだところ、なんとびっくり!翌日には回復したそうな。
やけっぱちってなんだ。
回復がポーションの効果よるところなのかいまいち自信のもてなかったギルバート様は手元にあるだけのポーション(その数10本)を感染した騎士団の同僚に飲ませたところ、やはりみな翌日に回復したとのこと。
うーむ、ところどころ失礼な言い回しが含まれているような気がしなくもないが、とにかくポーションをあるだけ送ってほしい。
薬草もあればあるだけほしいそうだ。
おまけに今までよりもかなりお高めに買ってくれるらしい。
なんということでしょう!
ビバ!ヘンリー父様!腐った種をつかまされてくれてありがとう!
そうと決まれば
「ではみんなで王都に行かなければなりませんね!」
そう、私は王都に行ってみたい。こんな事でもなければそうそう行く機会もないだろう。
父様が「え?わざわざいくの?送ればよくない?」とか言ってるけど関係ないね。
てなわけで近頃元気があまり気味のセデス村民総出で時間の許す限りポーションをつくりまくり、荷馬車いっぱいに薬草を積みこんだ。
私と父様とカイル兄様は外はぼろぼろ中はピカピカの馬車に乗って王都を目指すことにした。マール婆さんとゴフじいさんはポーションを作り続けるとのことで留守番だ。
と、いうことで、ミリオネアになる道が見えてきたリナ5歳だが、とりあえずそれは置いておくことにする。
ギルバート様からは時折セデス村のポーションを購入したいと文が父様宛に届くようだ。なんでもセデス村のポーションの味が気に入ったとのことだが、我が家に対するお礼をかねているのだろう。ギルバート様は1泊泊まっただけなのに律儀なエリート様だ。
私は相変わらずカイル兄様と村ブラを楽しんでいる。元気になったゴフじいさんは、仕事を片付けるのも早くなり、もう本当に猛烈なのだ。こうして村の視察と称して、外に出ないとついていけない。
「ふふふふふーん。困った事はありませんかー?魔法少女リナにお任せですよー。」
「だから、それ」
いまだに突っ込んでくれる優しいカイル兄様だ。
「あら、カイル様リナ様お散歩ですか?」
領民たちが、気軽に声をかけてきてくれる。
「うん、視察だ。何か困った事はないか?」
「アルステッド家の皆様のおかげで平和なものですよ」
たしかに平和だ。
薬草もぼうぼうに生えていて売りにも行っても余るくらいなのでみんな葉野菜がわりに食べたりしている。そのおかげか多少のお金が入るようになったからかは分からないが、貧乏セデル村の村民達は最近みんな元気だ。
それに私は村ブラのたびに古くなった家やら荷馬車やら農具やら目についたものをちょっとづつリペアしているから、ずっと住んでるとわからないくらいだが村全体もちょっと小綺麗になっていると思う。
屋敷に戻ると父様が手紙を片手に興奮状態で出迎えてくれた。
「カイル、リナおかえり。
ギルバート様から文が届いてな、王都で流行病が蔓延しつつあるらしいが特効薬がないそうだ。
だがなんと!うちの村のポーションが効くかもしれないそうなんだ」
父様が唾を飛ばしながら捲し立てた話によると、王都でしつこい風邪のような病が大流行していて、病に感染してしまい今にも死にそうなギルバート様がやけっぱちでセデス村のポーションを飲んだところ、なんとびっくり!翌日には回復したそうな。
やけっぱちってなんだ。
回復がポーションの効果よるところなのかいまいち自信のもてなかったギルバート様は手元にあるだけのポーション(その数10本)を感染した騎士団の同僚に飲ませたところ、やはりみな翌日に回復したとのこと。
うーむ、ところどころ失礼な言い回しが含まれているような気がしなくもないが、とにかくポーションをあるだけ送ってほしい。
薬草もあればあるだけほしいそうだ。
おまけに今までよりもかなりお高めに買ってくれるらしい。
なんということでしょう!
ビバ!ヘンリー父様!腐った種をつかまされてくれてありがとう!
そうと決まれば
「ではみんなで王都に行かなければなりませんね!」
そう、私は王都に行ってみたい。こんな事でもなければそうそう行く機会もないだろう。
父様が「え?わざわざいくの?送ればよくない?」とか言ってるけど関係ないね。
てなわけで近頃元気があまり気味のセデス村民総出で時間の許す限りポーションをつくりまくり、荷馬車いっぱいに薬草を積みこんだ。
私と父様とカイル兄様は外はぼろぼろ中はピカピカの馬車に乗って王都を目指すことにした。マール婆さんとゴフじいさんはポーションを作り続けるとのことで留守番だ。
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