ペットとともに大地を駆けるステップワンダー ~ 私はモンスターテイマーじゃありません! ペットテイマーです!~

あきさけ

文字の大きさ
23 / 100
第1部 〝ペットテイマー〟ここに誕生 第5章 冬到来、〝ペットテイマー〟の弟子

23. 〝ペットテイマー〟弟子の武器を買い換える

しおりを挟む
 さて、私が教えることになった6人だけど、森の中で戦うには、まずまったく装備がなっていないからそこから見直し!
 森の中でランスってなにを考えているのよ!
 それにロングボウだってあり得ないし!
 森の中で長距離から狙い撃ちにでもするつもり!?

 というわけでやってきたのはシルヴァ武具店。
 要するにアダムさんのお店だ。
 アダムさんの手が空いていればいいんだけど。

「ごめんください」

「おや、シズクちゃん、いらっしゃい。今日はどうしたんだい? 見るからに新人ってわかる冒険者6人を引き連れて」

「あ、奥さんでもわかるんですね」

「そりゃね。旦那に用事かい?」

「手、空きますか?」

「30分ほど待っておくれ。来たことは伝えてくるから」

 アダムさんがくるまでの間、6人には店内の装備品を好きなように見せることにした。
 それぞれ、興味津々といた様子で眺めているけれど……装備はきちんと自分の足か先輩に聞くなりして選ばないとだめだよ?

「おう、シズクの嬢ちゃん。装備の調子はどうだ?」

「万全です! 研ぎに出したときのダガーはどうでしたか?」

「まったく問題ないな。大事に使われているし、丁寧に砥石で磨かれていることがわかる仕上がりだった。俺がやったことなんて、念のための仕上げだけだったぞ」

「ああ、それであんなに安かったんですね」

「そういうわけだ。それで、今日はそっちで物珍しそうに装備を物色している6人の装備か?」

「はい。この子たち、私からウルフの狩り方を習いたいそうなんですが、装備がまったくなっていないので買い換えさせに来ました」

 その言葉に驚くのは新人6人。
 そうだよね、そんなお金ないよね。
 でも心配しないで、その程度私が払っちゃうから!

「見たところ資金不足のようだが、シズクの嬢ちゃんが支払うのか?」

「だめでしょうか?」

「まあ、ウルフ狩りの方法を教えるなら必要か。特にそっちの槍使いと弓使いは失格だからな」

「「え?」」

「お前ら、森や林でそんな大物振り回す気かよ? 槍なんて木にぶつかってまともに振るえないだろうし、弓だってそんなでかけりゃ重くて持ち運ぶのに不便なだけだぞ? 森や林の中で扱う分にはショートランスと短弓にしろ。ショートランスなら剣の間合い程度しかないから木にも簡単に引っかからん。短弓なら軽いし、林や森の中からウルフを狙い撃つにはその程度の射程しか取れん」

「な、なるほど」

「射程は長ければ長いほどいいとばかり……」

「射程が長い方がいい状況も多々ある。短弓も複合弓じゃなければ、威力がまともにでない木材だってあるからな。ウルフとゴブリン限定なら威力はそこまでいらん。狙いの正確性と木の陰から狙えるだけの射程距離だけを準備しておけ」

「はい」

 やっぱり武器にもいろいろあるんだね。
 私はナイフしか使ったことがないからよくわからないや。

「それで、シズクの嬢ちゃん。ひとりあたりの予算は?」

「大銅貨3枚。いけますか?」

「ちょ!? シズクさん!?」

「それだと俺たちが支払った依頼料よりも高額に……」

「気にすんな、シズクの嬢ちゃんがいいって言っているんだから甘えておけ。気にするなら、今回手助けしてもらった分稼げるようになって、お前らの後輩も手助けしてやれ」

「「「はい!」」」

「よし、いい返事だ。それぞれの『天職』を教えな。予算の範囲内で一番いい武器を選んでやる」

 アダムさんも新人冒険者ということではりきってるね。

 ウェイドには突くだけでなくなぎ払うこともできるショートランスを、ウェインには青銅製じゃなく鉄製の剣を選んであげたみたい。
 どちらも短い武器だけど、林や森の中みたいな狭い場所で戦うには便利なチョイス。
 ただ、どっちも切れ味はあまりよくなくて重さで叩くものだって説明を受けていたよ。

 ロイドが渡されていたのは鉄製のナイフ2本。
 どうやら両手にナイフを持って戦うタイプらしい。
 私が初めて買ったときのものよりも細身で脆そうだけど、切れ味はいいから慎重に使うようにって。

 ネイサンの弓は最初の説明通り短弓。
 それなりに強い木が使われているそうだから、射程以外は問題ないみたい。

 マーゴットは魔術士で適切な武器がなかったので護身用のナイフを渡されていた。
 あと、林や森の中では火魔法を使わないように指導を受けていたね。
 火事になったら大変だもの、仕方がないね。

 最後、ベティには護身用にメイスが与えられた。
 あくまで護身用で最後の手段らしいけれど、飛びかかられそうになったらそれで殴れって。
 あと、ナイフも渡されていたから、押し倒されたらそれで目を突き刺してやれってことなんだと思う。

 そのほか、6人全員に新しい解体用ナイフも配られた。
 いままで使っていたナイフは、使い方が荒く刃こぼれもしていて使い物にならないから特別サービスらしいよ。

 あと、それぞれの武器について手入れの方法も教えてもらっていたし、彼らのレザーアーマーが痛んできているのを見ると、そちらの手入れ方法も教えていた。
 アダムさんって職人だから武器や防具を粗末に扱われるのが大嫌いなんだよね。

 結局この日はアダムさんのところで装備を買い換えるだけで終了。
 私は私でウルフ狩りをして街に納めなくちゃいけないから、続きはまた明日教えることにしてもらった。
 6人も新しい武器の感触を確かめるため、ギルドの訓練場にある丸太や的を相手にしてみたいらしいし、ちょうどいいかな?
 じゃあ、また明日。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

処理中です...