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第2部 街を駆け巡る〝ペットテイマー〟 第4章 〝ペットテイマー〟旅の休み
52. シズク、ミーベルンの装備を調える スカーフ編
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次に、生まれて初めて防具を着込んで、ウキウキ気分のかわいい妹を連れてやってきたのはノルン服飾店。
サラスさん、いてくれるといいんだけれど。
「ようこそ、シズク様。おや? かわいらしいお嬢様をお連れですね?」
「私の妹になったミーベルンです。サラス店長はいますか?」
「ああ、なるほど。少々お待ちを」
ミーベルンは私が高級な服飾店にやってきたことにも疑問を持っていたようだけれど、いきなり店長さんを呼んだことに驚いているみたい。
そして、数分後やってきたサラス店長の手には何枚か無地のスカーフがあった。
話が早いね。
「いらっしゃい、シズクちゃん。私のスカーフ、役に立っている?」
「はい。とっても役に立っています。あるとないとじゃ安心感が段違いですから」
「うふふ。衝撃は吸収してくれないから過信しちゃだめよ? 私の腕前が上がれば衝撃も吸収できるスカーフが作れるのだけれど、まだその域には達していないの」
「そうでしたか。それで、本題なんですが。こちらの妹、ミーベルンにも私と同じスカーフを用意してもらえませんか? 装備が整ったらウルフ狩りも教えたいんです」
「あらら、スパルタなお姉ちゃんだこと。ミーベルンちゃんはそれでいいの?」
「はい! 私ももっと強くなって家族を守りたいんです!」
「ペットが家族、〝ペットテイマー〟なのね、彼女」
「そうなります。まだまだ、弱いしウルフ狩りでも成長できると思って連れ行こうと」
「なるほど。それじゃあ、このスカーフから好きな色を選んで。あなたのお姉さんが身につけているのと同じ耐刃性のあるスカーフよ。これをつけておけば首筋をウルフの牙や爪から守れるわ」
「本当ですか!? でも、高そう」
「お金は心配しなくてもいいの。私はミーベルンが安全にウルフ狩りをしてほしいんだから」
「シズクお姉ちゃん、うん、わかった。じゃあ……この色がいいな」
ミーベルンが選んだ色は私の髪の色と同じ若草色のスカーフ。
でもどうしてだろう?
「ミーベルン、その色が好きなの?」
「うん! メイナお姉ちゃんやシズクお姉ちゃんの髪の色と一緒!」
「そういえばステップワンダーって緑系の髪色だっけ」
ミーベルンってこんなところでも私たちを慕ってくれているんだ。
嬉しいなぁ。
「さて、シズクちゃんは奥でお会計を済ませてきてね。その間、この子に適切なスカーフの巻き方を教えてあげるから」
「よろしくお願いします、サラスさん」
私は今回のスカーフ代、金貨2枚と大銀貨5枚を支払ってサラスさんとミーベルンのところに戻ってきた。
そこでは、ミーベルンが嬉しそうに自分の首に巻かれたスカーフを触っていたよ。
本当に嬉しいなぁ。
「さて、これで、シズクちゃんの商談は終わりね。今度は私からも商談があるの」
「サラスさんからですか? 一体なんでしょう?」
「シズクちゃん、センディアに行っていたのよね。そうなると、キラーブル程度仕留めてきているわよね?」
う、どこに行ってもばれている。
これ、タウルさんやドネスさんにもばれているよね。
「キラーブルのなめし革で作ったコートって私の店でも目玉品になるくらいの超高級品なのよ。少しでいいから譲ってもらえる?」
「構いませんよ。何枚いりますか?」
「何枚ってそんなに狩ってきたのね。とりあえず1枚見せて? 状態確認したいから」
「わかりました。……はい、どうぞ」
「……これ、特別状態のいい1枚ってわけじゃないわよね?」
「全部似たような感じです。時々、他の冒険者が傷つけたような古傷が残っているのもありましたけど、基本は首をスパって切って終わりでしたから」
「……困ったわ。これ、金貨80枚くらい出さないと買い取っちゃいけないものよ」
「え?」
「別目的で使われる頭部以外が丸々綺麗に残っている皮。こんなもの冒険者に依頼したって手に入らないもの。普通のキラーブルだと金貨30枚くらいだけれど、これは80枚くらい出さないと買い取っちゃだめな代物だわ」
「あ、あの、金貨30枚で、いいですよ? まだまだたくさんありますし」
「その発言も聞かなかったことにするわ。ああ、でも、時々こっそりと売りにきてちょうだい。傷のないキラーブル製のコートにバッグ、その他小物類。お店の目玉なんてものじゃないもの」
「……金貨80枚は変わらないんですね?」
「ミスリル貨を出したくなっちゃったけど」
「金貨80枚でいいです」
そのあと、この皮はサラスさん専用という作業部屋へこっそりと運び込まれ、金銭の受け渡しもここで行われた。
あと、アダムさんにも同じ皮を渡してきたことを教えると、サラスさんが大激怒して飛び出して行っちゃった。
翌日、ミーベルンの剣を受け取りにいったときには〝皮が上物すぎたことに気がつかなかった詫びだ〟といわれて金貨40枚ももらっちゃったし。
使わないお金、どんどん貯まっていくなぁ。
サラスさん、いてくれるといいんだけれど。
「ようこそ、シズク様。おや? かわいらしいお嬢様をお連れですね?」
「私の妹になったミーベルンです。サラス店長はいますか?」
「ああ、なるほど。少々お待ちを」
ミーベルンは私が高級な服飾店にやってきたことにも疑問を持っていたようだけれど、いきなり店長さんを呼んだことに驚いているみたい。
そして、数分後やってきたサラス店長の手には何枚か無地のスカーフがあった。
話が早いね。
「いらっしゃい、シズクちゃん。私のスカーフ、役に立っている?」
「はい。とっても役に立っています。あるとないとじゃ安心感が段違いですから」
「うふふ。衝撃は吸収してくれないから過信しちゃだめよ? 私の腕前が上がれば衝撃も吸収できるスカーフが作れるのだけれど、まだその域には達していないの」
「そうでしたか。それで、本題なんですが。こちらの妹、ミーベルンにも私と同じスカーフを用意してもらえませんか? 装備が整ったらウルフ狩りも教えたいんです」
「あらら、スパルタなお姉ちゃんだこと。ミーベルンちゃんはそれでいいの?」
「はい! 私ももっと強くなって家族を守りたいんです!」
「ペットが家族、〝ペットテイマー〟なのね、彼女」
「そうなります。まだまだ、弱いしウルフ狩りでも成長できると思って連れ行こうと」
「なるほど。それじゃあ、このスカーフから好きな色を選んで。あなたのお姉さんが身につけているのと同じ耐刃性のあるスカーフよ。これをつけておけば首筋をウルフの牙や爪から守れるわ」
「本当ですか!? でも、高そう」
「お金は心配しなくてもいいの。私はミーベルンが安全にウルフ狩りをしてほしいんだから」
「シズクお姉ちゃん、うん、わかった。じゃあ……この色がいいな」
ミーベルンが選んだ色は私の髪の色と同じ若草色のスカーフ。
でもどうしてだろう?
「ミーベルン、その色が好きなの?」
「うん! メイナお姉ちゃんやシズクお姉ちゃんの髪の色と一緒!」
「そういえばステップワンダーって緑系の髪色だっけ」
ミーベルンってこんなところでも私たちを慕ってくれているんだ。
嬉しいなぁ。
「さて、シズクちゃんは奥でお会計を済ませてきてね。その間、この子に適切なスカーフの巻き方を教えてあげるから」
「よろしくお願いします、サラスさん」
私は今回のスカーフ代、金貨2枚と大銀貨5枚を支払ってサラスさんとミーベルンのところに戻ってきた。
そこでは、ミーベルンが嬉しそうに自分の首に巻かれたスカーフを触っていたよ。
本当に嬉しいなぁ。
「さて、これで、シズクちゃんの商談は終わりね。今度は私からも商談があるの」
「サラスさんからですか? 一体なんでしょう?」
「シズクちゃん、センディアに行っていたのよね。そうなると、キラーブル程度仕留めてきているわよね?」
う、どこに行ってもばれている。
これ、タウルさんやドネスさんにもばれているよね。
「キラーブルのなめし革で作ったコートって私の店でも目玉品になるくらいの超高級品なのよ。少しでいいから譲ってもらえる?」
「構いませんよ。何枚いりますか?」
「何枚ってそんなに狩ってきたのね。とりあえず1枚見せて? 状態確認したいから」
「わかりました。……はい、どうぞ」
「……これ、特別状態のいい1枚ってわけじゃないわよね?」
「全部似たような感じです。時々、他の冒険者が傷つけたような古傷が残っているのもありましたけど、基本は首をスパって切って終わりでしたから」
「……困ったわ。これ、金貨80枚くらい出さないと買い取っちゃいけないものよ」
「え?」
「別目的で使われる頭部以外が丸々綺麗に残っている皮。こんなもの冒険者に依頼したって手に入らないもの。普通のキラーブルだと金貨30枚くらいだけれど、これは80枚くらい出さないと買い取っちゃだめな代物だわ」
「あ、あの、金貨30枚で、いいですよ? まだまだたくさんありますし」
「その発言も聞かなかったことにするわ。ああ、でも、時々こっそりと売りにきてちょうだい。傷のないキラーブル製のコートにバッグ、その他小物類。お店の目玉なんてものじゃないもの」
「……金貨80枚は変わらないんですね?」
「ミスリル貨を出したくなっちゃったけど」
「金貨80枚でいいです」
そのあと、この皮はサラスさん専用という作業部屋へこっそりと運び込まれ、金銭の受け渡しもここで行われた。
あと、アダムさんにも同じ皮を渡してきたことを教えると、サラスさんが大激怒して飛び出して行っちゃった。
翌日、ミーベルンの剣を受け取りにいったときには〝皮が上物すぎたことに気がつかなかった詫びだ〟といわれて金貨40枚ももらっちゃったし。
使わないお金、どんどん貯まっていくなぁ。
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