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第2部 街を駆け巡る〝ペットテイマー〟 第4章 〝ペットテイマー〟旅の休み
51. シズク、ミーベルンの装備を調える 武具屋編
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さて、私が次の街に行く日程だけど、領主様とサンドロックさんが王都まで行って交渉をし、戻ってきてからというわけで3週間から4週間ほど間が空いてしまった。
やることはウルフ狩りのお仕事くらいだろうし、ミーベルンにもウルフ狩りのやり方を教えようかな?
もちろん、保護者である私が同伴しているときだけという条件でだけど。
というわけで、まずは武器と防具を探しにシルヴァ武具店でアダムさんに相談だね。
さすがにミーベルン用の防具は置いていないだろうけれど……。
「ごめんくださーい」
「ごめんください……」
「ん? シズク嬢ちゃん……と、そのちびっ子は誰だ?」
あ、よかった。
アダムさんが店番をしていた。
呼んでもらう手間が省けたよ。
「私が面倒を見ることになった子供のミーベルンです。『天職』は〝ペットテイマー〟ですよ」
「ああ、なるほど。それで見かけない犬と猫が増えてるのか。それで、今日はなんの用事だ? 先日、センディアに行ったときキラーブルとフォーホーンブルを乱獲してきたって噂は聞いたが」
「ああ、そっちのレザーアーマーの発注は待ちで。このあとドラマリーンにも行ってヴェノムヴァイパーとかいうのも狩ってきますから」
「どっちもDランク冒険者が挑む相手じゃねえんだがなぁ。オークジェネラルを倒しちまった、シズク嬢ちゃんからすれば誤差か。ま、そういうことならいいだろう。で、本命の目的は?」
「こっちにいるミーベルンの装備を見繕ってもらいたくて」
「……そっちの嬢ちゃんの?」
「あの、シズクお姉ちゃん。私、装備なんて……」
「だーめ。ミーベルンにも私のいるときだけウルフ狩りをしてもらう。そうすれば〝ペットテイマー〟としてできることがもっともっと増えるよ」
「……〝ペットテイマー〟としてできること。わかった! 頑張る!」
うんうん!
ミーベルンもやる気が出てきたね!
きっちり指導してあげないと!
「頑張るったって、嬢ちゃん、歳はいくつだよ?」
「ええと、8歳です」
「そうなると武器はともかく、防具は頻繁に調整したり作り直したりしなくちゃいけねえぞ? 体がぐんぐん伸びる年頃だからな。シズク嬢ちゃん、いいのかよ?」
「私の妹のための出費です。気にしません! メイナお姉ちゃんもお金を出してくれました!」
「メイナもか。つまり、あいつもウルフ狩りには賛成と。厳しいな、ステップワンダーは」
「というわけで、いい防具、ありませんか?」
「んー。防具は男性向けのステップワンダー装備がちょうどいいだろうな。シズク嬢ちゃんより少し背が高いところから考えると、男向けで一時しのぎにはなるだろう。窮屈になってきたら買い換えだ」
あー、男性向けだとそのうち胸が窮屈になるよね。
ステップワンダーはその辺の成長も緩やかだけど、人間ってそういうわけじゃないだろうし。
「窮屈? ですか?」
「まあ、窮屈になったら教えろ。素材は山のように集めてきたんだろう?」
「はい。キラーブルだけでも600匹以上倒してきました」
「倒しすぎだが、まあいいだろう。どうする? いまある革鎧はホーンディア製しかないが、キラーブルの女性向けレザーアーマーも作っておくか?」
「それって重くないですよね?」
「心配するな。重さはどうとでもしてやる。ある程度……そうだな、4年くらいは着られるように幅を取って作れば問題ないだろう」
「そんなにできるんですか?」
「できるぞ。いろいろと仕掛けを組み込む」
「じゃあお願いします。素材持ち込みでどれくらいのお値段でしょう?」
「手入れ用の道具セットで金貨1枚ってところだな。即金で払える額だよな?」
「もちろんです。オーク狩りの報酬とかこの街を救った報奨金とかがすごいことになっていますから」
「じゃあ、妹を大切にしてやりな。あとは武器だが……まずはどの程度の重さを持てるかだな。ちょっとこっちに来い」
「は、はい!」
「心配しなくてもいいよ、ミーベルン。アダムさんはぶっきらぼうだけど優しい人だから」
「う、うん」
「恥ずかしいことを教えてないで、さっさと妹を連れてこいってんだ!」
「じゃあ、一緒に行こうか」
「うん!」
ミーベルンと一緒にどの程度の武器まで持てるか調べにいったんだけど、ここで致命的な問題が発覚。
ミーベルンの力が弱すぎて私が普段つかっているダガーでも扱いにくそうなんだよ。
これにはアダムさんも困った顔をしていたけれど、ミーベルンの事情を説明したら納得したような顔になってくれた。
最初に説明しておくべきだったかな?
「さて、妹、じゃない、ミーベルン嬢ちゃん。いまわかっただろうが、お前さんの握力はウルフを倒す武器でさえ致命的に足りてない」
「……はい」
「そこで提案だ。両手持ちをできる鋼のショートソードを特注してやる。片手じゃ絶対に扱えないが、ミーベルン嬢ちゃんの手の型も取らせてもらうし、両手ならすっぽ抜けることはないようにする。どうだ?」
「私にも使える武器になりますか?」
「使い方に癖はできちまうが、そこは師匠である姉に頼れ。こいつなら十分に対応できる」
「いいの、シズクお姉ちゃん?」
「いいよ。もともとミーベルンをウルフ狩りに誘ったのは私だもの。どーんと任せて」
「じゃあ、お願いします!」
「わかった。この武器は、さっきの防具代のおまけにしておこう。手入れをするためのと砥石もつけてやる。武器防具の管理は重要だからな。今日から姉にしっかり叩き込んでもらえ。武器は明日の朝にでも渡せるように仕上げておく」
「はい! よろしくお願いします、シズクお姉ちゃん!」
なんだか、弟子がまたひとり増えたみたいで照れちゃうな。
でも、かわいい妹のためだもの、手は抜けないよね。
そのあとは、間に合わせの防具になるホーンディアの革鎧を用意してもらって、そちらの代金、大銅貨5枚を支払えば終了。
キラーブルの皮を渡したら、〝技術料はいらねえから丸々1枚分けてくれねえか?〟って提案を受けたのでそっちもうなずいておいたよ。
乱獲しちゃったキラーブルってそんなに価値があるんだろうか?
やることはウルフ狩りのお仕事くらいだろうし、ミーベルンにもウルフ狩りのやり方を教えようかな?
もちろん、保護者である私が同伴しているときだけという条件でだけど。
というわけで、まずは武器と防具を探しにシルヴァ武具店でアダムさんに相談だね。
さすがにミーベルン用の防具は置いていないだろうけれど……。
「ごめんくださーい」
「ごめんください……」
「ん? シズク嬢ちゃん……と、そのちびっ子は誰だ?」
あ、よかった。
アダムさんが店番をしていた。
呼んでもらう手間が省けたよ。
「私が面倒を見ることになった子供のミーベルンです。『天職』は〝ペットテイマー〟ですよ」
「ああ、なるほど。それで見かけない犬と猫が増えてるのか。それで、今日はなんの用事だ? 先日、センディアに行ったときキラーブルとフォーホーンブルを乱獲してきたって噂は聞いたが」
「ああ、そっちのレザーアーマーの発注は待ちで。このあとドラマリーンにも行ってヴェノムヴァイパーとかいうのも狩ってきますから」
「どっちもDランク冒険者が挑む相手じゃねえんだがなぁ。オークジェネラルを倒しちまった、シズク嬢ちゃんからすれば誤差か。ま、そういうことならいいだろう。で、本命の目的は?」
「こっちにいるミーベルンの装備を見繕ってもらいたくて」
「……そっちの嬢ちゃんの?」
「あの、シズクお姉ちゃん。私、装備なんて……」
「だーめ。ミーベルンにも私のいるときだけウルフ狩りをしてもらう。そうすれば〝ペットテイマー〟としてできることがもっともっと増えるよ」
「……〝ペットテイマー〟としてできること。わかった! 頑張る!」
うんうん!
ミーベルンもやる気が出てきたね!
きっちり指導してあげないと!
「頑張るったって、嬢ちゃん、歳はいくつだよ?」
「ええと、8歳です」
「そうなると武器はともかく、防具は頻繁に調整したり作り直したりしなくちゃいけねえぞ? 体がぐんぐん伸びる年頃だからな。シズク嬢ちゃん、いいのかよ?」
「私の妹のための出費です。気にしません! メイナお姉ちゃんもお金を出してくれました!」
「メイナもか。つまり、あいつもウルフ狩りには賛成と。厳しいな、ステップワンダーは」
「というわけで、いい防具、ありませんか?」
「んー。防具は男性向けのステップワンダー装備がちょうどいいだろうな。シズク嬢ちゃんより少し背が高いところから考えると、男向けで一時しのぎにはなるだろう。窮屈になってきたら買い換えだ」
あー、男性向けだとそのうち胸が窮屈になるよね。
ステップワンダーはその辺の成長も緩やかだけど、人間ってそういうわけじゃないだろうし。
「窮屈? ですか?」
「まあ、窮屈になったら教えろ。素材は山のように集めてきたんだろう?」
「はい。キラーブルだけでも600匹以上倒してきました」
「倒しすぎだが、まあいいだろう。どうする? いまある革鎧はホーンディア製しかないが、キラーブルの女性向けレザーアーマーも作っておくか?」
「それって重くないですよね?」
「心配するな。重さはどうとでもしてやる。ある程度……そうだな、4年くらいは着られるように幅を取って作れば問題ないだろう」
「そんなにできるんですか?」
「できるぞ。いろいろと仕掛けを組み込む」
「じゃあお願いします。素材持ち込みでどれくらいのお値段でしょう?」
「手入れ用の道具セットで金貨1枚ってところだな。即金で払える額だよな?」
「もちろんです。オーク狩りの報酬とかこの街を救った報奨金とかがすごいことになっていますから」
「じゃあ、妹を大切にしてやりな。あとは武器だが……まずはどの程度の重さを持てるかだな。ちょっとこっちに来い」
「は、はい!」
「心配しなくてもいいよ、ミーベルン。アダムさんはぶっきらぼうだけど優しい人だから」
「う、うん」
「恥ずかしいことを教えてないで、さっさと妹を連れてこいってんだ!」
「じゃあ、一緒に行こうか」
「うん!」
ミーベルンと一緒にどの程度の武器まで持てるか調べにいったんだけど、ここで致命的な問題が発覚。
ミーベルンの力が弱すぎて私が普段つかっているダガーでも扱いにくそうなんだよ。
これにはアダムさんも困った顔をしていたけれど、ミーベルンの事情を説明したら納得したような顔になってくれた。
最初に説明しておくべきだったかな?
「さて、妹、じゃない、ミーベルン嬢ちゃん。いまわかっただろうが、お前さんの握力はウルフを倒す武器でさえ致命的に足りてない」
「……はい」
「そこで提案だ。両手持ちをできる鋼のショートソードを特注してやる。片手じゃ絶対に扱えないが、ミーベルン嬢ちゃんの手の型も取らせてもらうし、両手ならすっぽ抜けることはないようにする。どうだ?」
「私にも使える武器になりますか?」
「使い方に癖はできちまうが、そこは師匠である姉に頼れ。こいつなら十分に対応できる」
「いいの、シズクお姉ちゃん?」
「いいよ。もともとミーベルンをウルフ狩りに誘ったのは私だもの。どーんと任せて」
「じゃあ、お願いします!」
「わかった。この武器は、さっきの防具代のおまけにしておこう。手入れをするためのと砥石もつけてやる。武器防具の管理は重要だからな。今日から姉にしっかり叩き込んでもらえ。武器は明日の朝にでも渡せるように仕上げておく」
「はい! よろしくお願いします、シズクお姉ちゃん!」
なんだか、弟子がまたひとり増えたみたいで照れちゃうな。
でも、かわいい妹のためだもの、手は抜けないよね。
そのあとは、間に合わせの防具になるホーンディアの革鎧を用意してもらって、そちらの代金、大銅貨5枚を支払えば終了。
キラーブルの皮を渡したら、〝技術料はいらねえから丸々1枚分けてくれねえか?〟って提案を受けたのでそっちもうなずいておいたよ。
乱獲しちゃったキラーブルってそんなに価値があるんだろうか?
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