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第3部 〝ペットテイマー〟、〝オークの砦〟を攻める 第1章 〝オークの砦〟偵察
76. 2週目、今日も特に異常なし
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「やったぁ! ウルフ20匹狩れた!」
「おめでとう、ミーベルン。でも、林の中では静かにね?」
「あっ、ごめんなさい。シズクお姉ちゃん」
夏が始まって2週目。
いまのところ偵察も順調で変化はない。
私にも朝夕の偵察以外は好きにしていろって言われているし、今日もミーベルンを連れて〝ウルフの林〟でウルフ狩りだ。
ミーベルンもかなり力が強くなってきたし、あの両手持ちショートソードも卒業の時期かな?
「シズクお姉ちゃん、どうしたの?」
「ううん、なんでもない。ミーベルンも強くなってきたなって」
「でしょう。私だって毎日頑張っているんだよ。剣の素振りとかもしているし」
「そうだったんだ。無理はしないでね、ミーベルン」
「うん」
ミーベルンも陰でいろいろ努力していたんだなぁ。
私も頑張らないと!
『シズク、今日の目標数60匹を超えたけれど、まだウルフを倒す?』
「え? もうそんなに倒していたの、キントキ?」
『シズクがミーベルンの様子を見ている間、モナカとシラタマが全力で倒していたよ。2匹ともさすがにもう中断しているけれど、まだ続けさせる?』
「いや、いいかな。というか、私が倒す分もなし?」
『ないね。予定数より多く倒すならいけるけれど』
「あんまり多く倒しても、干し肉にできないって怒られちゃうんだよなぁ」
うん、いまは街でその日食べる分だけじゃなく、冒険者ギルドで〝オークの砦〟攻めに持っていく携帯食料の干し肉の材料も集めているんだ。
でも、街に売る分はミーベルンの倒したウルフの分もあるからあまり増やせないし、ギルドに多く持っていっても干し肉に加工しきれないらしい。
私以外からのウルフ肉買い取りもいい部分は干し肉にしているらしいし、結構微妙なんだよね。
私が持っていかないと干し肉の材料が足りないらしいけど、多く持っていきすぎると干し肉に加工しきれない。
絶妙なバランスが求められているんだよ。
《ストレージ》にしまいっぱなしにしても忘れそうだし。
「シズクお姉ちゃん、今日の狩りは終わり?」
「そうだね。もう終わりみたい」
「じゃあ、沢の上に行こう。ラポス」
『おう! 任せろ!』
ラポスはミネルが連れてきた仲間の鳥で、いまはミーベルンの仲間。
ワシミミズクっていう種類らしいんだけど、ミネルとは耳みたいな羽が生えていることと色が違うくらいしかわからない。
ミーベルンが《静音飛行》と《魔の鉤爪》を使えるようになったしいいかな。
私のペットたちが全員帰ってきたのを確認し、それぞれペットたちを抱き上げると、空に舞い上がり沢の上にある薬草の群生地へ移動した。
うん、今日もこの場所は誰にも荒らされていない。
いや、空が飛べない限りはもう誰も来ることができないんだけど。
そこで、ミーベルンに薬草を集めさせて、私たちは沢からの眺め楽しみながら昼食。
うん、今日もパンがおいしい。
「ねえ、シズクお姉ちゃん。シズクお姉やんが朝と夕方に行っている場所って危ない場所なんでしょ? お姉ちゃんが行かなくちゃだめなの?」
うーん、ミーベルンにも心配をかけていたんだ。
でも、こう言うしかないよね。
「危ない場所って言っても様子を見て帰ってくるだけだからあまり危なくないよ? それに、なにかあってもキントキの足の速さには勝てないもの。心配しなくても大丈夫。ね?」
「それでも、心配なものは心配だよ……」
「うーん。でもね、私とキントキじゃなければ、すぐに行き帰りのできないほど遠くの場所だし、万が一モンスター側から先に動かれたらこの街が危険なの。ミーベルンにはまだ難しいかもしれないけれど、我慢してね?」
「うん、我慢する」
困ったなぁ。
ミーベルンを慰めてあげることができないよ。
どうしよう。
『心配するでない、ミーベルン。もし襲われても儂らがおる』
『わちらがモンスターなんてバサバサ切り倒すわさ』
『蹴っ飛ばして終わりだよー』
『……そして、それを回収するのは僕なんだよね?』
『キントキの役目だわさ』
『あたちたち、解体魔法使えないもん』
『はいはい。……というわけだから、ミーベルンもあまり心配しないで。いまさら普通のモンスターが出てきたところで、僕らの敵じゃないからさ』
「うん、そうだよね。みんながついているもんね。シズクお姉ちゃんも大丈夫だよね」
『当然じゃ。ミーベルンがニベラマやベルン、ハンテン、ラポスに囲まれているように、シズクもまた儂らとともにある。よほどの強敵でも出てこない限りシズクに危害が加わる恐れはない』
『それにシズクが着ている革鎧は、オリハルコンの剣を使った全力の一撃でも傷ひとつつかなかったわさ。シズクが怪我をする心配なんてないのだわさ』
『シズクよりもあたちたちの方が守りが薄いの。でも、あたちたちもそう簡単には傷つかないの』
『僕たちもたくさんの魔力を吸って頑丈になったからね。全部、シズクの無茶のおかげだけど、そこいらの魔獣なんか目じゃない強さになっちゃったから』
そうだよね。
キントキやシラタマは、ウルフに襲われて隠れていたり逃げていたりしたところを助けたんだもんね。
いまじゃウルフどころかハイオークだって倒せる強さになっちゃったけど、始まりはウルフ1匹よりも弱かったから感慨深いな。
『ともかく、あたちたちがいる限りシズクは安全なの。ミーベルンは安心して家で待っていればいいの』
『ミーベルンが心配しておるとシズクも心配してミスをしかねぬからな』
『わちらにどーんと任せるわさ』
『僕たちがいればシズクは大丈夫だよ。ね、シズク』
そうだよね。
仲間がいれば怖くないよね!
「そうだよ、ミーベルン。私はひとりなんかじゃない。みんなと一緒にいるから安心だよ」
「そうだよね。私もニベラマたちがいるから心強いし大丈夫だもの。シズクお姉ちゃんも同じだよね」
「うん、一緒。同じ〝ペットテイマー〟だからわかるでしょう? 仲間の大切さが」
「うん!」
「よし! それじゃあ、お昼も食べ終わったしそろそろ帰ろうか」
「わかった! 帰ってお肉とかを売り終わったら、また剣の素振りとかをしてくるね!」
「無理はしない程度にね、ミーベルン」
ミーベルンも成長してきたなぁ。
まだ出会って3カ月も経っていないのに、あんなに変わってきているだなんて。
これからどんどん成長していくんだろうし、楽しみだなぁ。
「おめでとう、ミーベルン。でも、林の中では静かにね?」
「あっ、ごめんなさい。シズクお姉ちゃん」
夏が始まって2週目。
いまのところ偵察も順調で変化はない。
私にも朝夕の偵察以外は好きにしていろって言われているし、今日もミーベルンを連れて〝ウルフの林〟でウルフ狩りだ。
ミーベルンもかなり力が強くなってきたし、あの両手持ちショートソードも卒業の時期かな?
「シズクお姉ちゃん、どうしたの?」
「ううん、なんでもない。ミーベルンも強くなってきたなって」
「でしょう。私だって毎日頑張っているんだよ。剣の素振りとかもしているし」
「そうだったんだ。無理はしないでね、ミーベルン」
「うん」
ミーベルンも陰でいろいろ努力していたんだなぁ。
私も頑張らないと!
『シズク、今日の目標数60匹を超えたけれど、まだウルフを倒す?』
「え? もうそんなに倒していたの、キントキ?」
『シズクがミーベルンの様子を見ている間、モナカとシラタマが全力で倒していたよ。2匹ともさすがにもう中断しているけれど、まだ続けさせる?』
「いや、いいかな。というか、私が倒す分もなし?」
『ないね。予定数より多く倒すならいけるけれど』
「あんまり多く倒しても、干し肉にできないって怒られちゃうんだよなぁ」
うん、いまは街でその日食べる分だけじゃなく、冒険者ギルドで〝オークの砦〟攻めに持っていく携帯食料の干し肉の材料も集めているんだ。
でも、街に売る分はミーベルンの倒したウルフの分もあるからあまり増やせないし、ギルドに多く持っていっても干し肉に加工しきれないらしい。
私以外からのウルフ肉買い取りもいい部分は干し肉にしているらしいし、結構微妙なんだよね。
私が持っていかないと干し肉の材料が足りないらしいけど、多く持っていきすぎると干し肉に加工しきれない。
絶妙なバランスが求められているんだよ。
《ストレージ》にしまいっぱなしにしても忘れそうだし。
「シズクお姉ちゃん、今日の狩りは終わり?」
「そうだね。もう終わりみたい」
「じゃあ、沢の上に行こう。ラポス」
『おう! 任せろ!』
ラポスはミネルが連れてきた仲間の鳥で、いまはミーベルンの仲間。
ワシミミズクっていう種類らしいんだけど、ミネルとは耳みたいな羽が生えていることと色が違うくらいしかわからない。
ミーベルンが《静音飛行》と《魔の鉤爪》を使えるようになったしいいかな。
私のペットたちが全員帰ってきたのを確認し、それぞれペットたちを抱き上げると、空に舞い上がり沢の上にある薬草の群生地へ移動した。
うん、今日もこの場所は誰にも荒らされていない。
いや、空が飛べない限りはもう誰も来ることができないんだけど。
そこで、ミーベルンに薬草を集めさせて、私たちは沢からの眺め楽しみながら昼食。
うん、今日もパンがおいしい。
「ねえ、シズクお姉ちゃん。シズクお姉やんが朝と夕方に行っている場所って危ない場所なんでしょ? お姉ちゃんが行かなくちゃだめなの?」
うーん、ミーベルンにも心配をかけていたんだ。
でも、こう言うしかないよね。
「危ない場所って言っても様子を見て帰ってくるだけだからあまり危なくないよ? それに、なにかあってもキントキの足の速さには勝てないもの。心配しなくても大丈夫。ね?」
「それでも、心配なものは心配だよ……」
「うーん。でもね、私とキントキじゃなければ、すぐに行き帰りのできないほど遠くの場所だし、万が一モンスター側から先に動かれたらこの街が危険なの。ミーベルンにはまだ難しいかもしれないけれど、我慢してね?」
「うん、我慢する」
困ったなぁ。
ミーベルンを慰めてあげることができないよ。
どうしよう。
『心配するでない、ミーベルン。もし襲われても儂らがおる』
『わちらがモンスターなんてバサバサ切り倒すわさ』
『蹴っ飛ばして終わりだよー』
『……そして、それを回収するのは僕なんだよね?』
『キントキの役目だわさ』
『あたちたち、解体魔法使えないもん』
『はいはい。……というわけだから、ミーベルンもあまり心配しないで。いまさら普通のモンスターが出てきたところで、僕らの敵じゃないからさ』
「うん、そうだよね。みんながついているもんね。シズクお姉ちゃんも大丈夫だよね」
『当然じゃ。ミーベルンがニベラマやベルン、ハンテン、ラポスに囲まれているように、シズクもまた儂らとともにある。よほどの強敵でも出てこない限りシズクに危害が加わる恐れはない』
『それにシズクが着ている革鎧は、オリハルコンの剣を使った全力の一撃でも傷ひとつつかなかったわさ。シズクが怪我をする心配なんてないのだわさ』
『シズクよりもあたちたちの方が守りが薄いの。でも、あたちたちもそう簡単には傷つかないの』
『僕たちもたくさんの魔力を吸って頑丈になったからね。全部、シズクの無茶のおかげだけど、そこいらの魔獣なんか目じゃない強さになっちゃったから』
そうだよね。
キントキやシラタマは、ウルフに襲われて隠れていたり逃げていたりしたところを助けたんだもんね。
いまじゃウルフどころかハイオークだって倒せる強さになっちゃったけど、始まりはウルフ1匹よりも弱かったから感慨深いな。
『ともかく、あたちたちがいる限りシズクは安全なの。ミーベルンは安心して家で待っていればいいの』
『ミーベルンが心配しておるとシズクも心配してミスをしかねぬからな』
『わちらにどーんと任せるわさ』
『僕たちがいればシズクは大丈夫だよ。ね、シズク』
そうだよね。
仲間がいれば怖くないよね!
「そうだよ、ミーベルン。私はひとりなんかじゃない。みんなと一緒にいるから安心だよ」
「そうだよね。私もニベラマたちがいるから心強いし大丈夫だもの。シズクお姉ちゃんも同じだよね」
「うん、一緒。同じ〝ペットテイマー〟だからわかるでしょう? 仲間の大切さが」
「うん!」
「よし! それじゃあ、お昼も食べ終わったしそろそろ帰ろうか」
「わかった! 帰ってお肉とかを売り終わったら、また剣の素振りとかをしてくるね!」
「無理はしない程度にね、ミーベルン」
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