12 / 91
第1部 『神樹の里』 第2章 集まる幻獣や妖精、精霊たち
12.アクエリアとウィンディ
しおりを挟む
「ああ、やっぱり寝るときもシントの温もりがないと寂しい……」
「すべて、あなたの浅はかな行動がとった結果だと言うことをお忘れなく」
「……反省しています」
リンが飛び出して行こうとしてから今日で6日目。
昨日の夜は久し振りにリンと一緒に寝ました。
その結果がリンのこの態度です。
まったく、勝手な真似をしなければ……。
「でも、どうするの? サラマンダー様と言えば五大精霊の一角とも呼ばれるほど強い精霊様なんだよ? それを〝精霊狩り〟で連れ去ろうとするだなんて……」
「それについてはメイヤたちが話し合ってくれています。僕たちでは口を挟めません」
「……だよね。私たち、まだまだ弱いもんね」
悔しいですが、僕たちはふたりがかりでもまだまだヴォルケーノボムどころかツリーハウスにすら勝てません。
その程度の強さしかない僕たちが五大精霊を捕まえようなどとしている〝王都〟に行ってもなにもできないのは明白。
せいぜい、逃げ帰ってくることしかできないでしょう。
お互い、転移だけはできる……はずですから。
それすら封じられていたら捕らえられてしまいます。
そんな危ないことリンにはさせられませんし、リンも僕にはさせられないでしょう。
つまり、完全に手詰まりなんですよ。
「朝食、食べに行きましょう。そして、少しでも強くなるのです。そのあとは精霊のみんなにお願いして実戦訓練ですね」
「うん。それしかないよね……」
家から出てきた僕たちを見て嬉しそうに駆け寄ってきたリュウセイも僕たちの表情を見てしょげかえってしまいました。
これではいけないとふたりでリュウセイを慰めてからメイヤのもとに向かうと、見慣れない人影がふたりいます。
ひとりは青く透き通った体を持つ女性、服なども着ていますがすべて色合いの違いこそありますが青く透き通っています。
もうひとりは蝶の羽を生やした女性。
こちらは緑色を基調とした服を着ていますが、要所を覆っているだけで、お腹や手足などは丸出しです。
彼女たちは一体?
『ああ、来たわね。シント、リン』
「メイヤ様。彼女たちは一体?」
『儂が呼んでいおいたんじゃよ』
「ヴォルケーノボム?」
『青い女性の方は水の精霊ウンディーネ。水の五大精霊。緑のヘソ出しルックはシルフィード。風の五大精霊でんな』
五大精霊がふたりも?
それもヴォルケーノボムが呼んだ?
『シント、事情を説明してもいいかしら?』
「ああ、はい。話の腰を折ってしまいすみません、メイヤ」
『いえ、彼女たちが何者かは重要だから。まず、彼女たちの望みはこの神樹の里で暮らしたいということよ。あなたとの契約にも応じるって』
「ええっ!?」
僕が五大聖霊様のうち3人と!?
『それぞれの事情を話すわね。まずウンディーネだけど、彼女の住処にしていた湖をヒュドラの毒で人間たちが穢し始めたの。最初は浄化で対抗していたんだけど、それも追いつかなくなって、逃げ出してきたってわけ。いまは森の中に潜んでいるけど、一緒に過ごしていた湖の精霊たちも移住希望よ』
「それって大事では?」
『大事よ。だから、申し訳ないけれど早めにシントには決めてもらいたいの』
「わかりました。ウンディーネ様がそれでよろしいのでしたら」
『私のことはウンディーネで結構です。それから名前は〝アクエリア〟を所望します』
「わかりました。では、始めましょう」
大急ぎで契約の魔力を作り出し、ウンディーネへと送り込みます。
ウンディーネもそれを受け入れ、〝アクエリア〟となってくれたようですね。
『感謝いたします。早速で申し訳ありませんが、ヒュドラの毒で汚染された仲間もいるのです。清浄な湖を作る許可を』
「メイヤ、構いませんね?」
『シントが望むなら。場所も相談してあるわ』
「ではすぐにでも始めてください。あと、効くかどうかはわかりませんが、神樹の木の実などで作った解毒用のポーションです。もしよろしければお使いください」
『なになからなにまで申し訳ありません。それでは私たちは湖を造らせていただきます。正式なごあいさつはあらためて』
「お仲間に命を優先に。急いでください」
『それでは、失礼いたします』
アクエリアの後に続き、大勢の精霊たちが駆け抜けていきました。
仲間に担がれて行っているのは毒に侵されている精霊たちでしょう。
体がもつといいのですが……。
『シント、あなたのことだからあの子たちのことが心配なんでしょう?』
「はい。また人間の身勝手で精霊が傷つくなど……」
『アクエリアの力があれば間に合うわ。アクエリアは〝清浄な湖〟と言っていたけど、この神域内で造る限りは〝聖浄な湖〟になるもの。ヒュドラの毒程度すぐに浄化できるわよ。重症者にはあなたのポーションも与えられるだろうしね』
「それならいいのですが……そちらの女性は?」
『申し遅れました。私は風の精霊シルフィードと申します。風の五大精霊ですね』
「風の五大聖霊様ですか……あなたも人間の〝精霊狩り〟に?」
『いえ、私はまだ被害を受けておりません。私は風。どこにいるかなど気まぐれでつかみ所のない存在。ただ、配下の精霊や妖精たちには被害が出始めているようですので移住を希望しに参りました』
「メイヤ、彼女たちも受け入れて問題ないのでしょうか?」
『そうね。問題ないと思うわ。ただ、風の精霊や妖精は気まぐれだからどこにいるかもわからないし、種族によってはいたずら好きな側面もあるから気をつけないと被害が出るかも』
『そちらについては私の方からいたずらをなるべく控えるように言い聞かせます。……さすがにすべてを防ぐことができないのは困りものなんですが』
「でも、すでに風の精霊や妖精たちにも被害が出ているんですよね?」
『正確には風の妖精というわけではありませんがフェアリーやピクシーにはかなり被害が出ています。風の精霊ですとエアリアルが何名か連れ去られたと』
酷い……。
もうそこまで。
『シント、怒りはわかるけど堪えなさい。あなたの感情は契約している者たちすべてに伝わるのよ? あなたは普段通りリンと一緒に過ごしていればいいの』
「しかし……」
『いまはシルフィードを受け入れるかどうかが先決よ。どうするの?』
「もちろん受け入れます。名前の候補は?」
『ありがとうございます。名前は……正直考えてきませんでしたので〝ウィンディ〟と』
「わかりました。契約の魔力をすぐに送ります」
僕は今日二回目の契約の魔力を出し、シルフィードとの契約を果たします。
〝ウィンディ〟となった彼女は早速仲間たちを呼び込むと、それぞれの方法で僕たちにあいさつしてから方々へと散っていきました。
風の妖精って気ままですね。
『申し訳ありません。あれでも控えめにさせている方なんですが……』
「気にしていないので平気ですよ、ねえ、リン」
「驚きましたが平気です。よろしくお願いいたします、ウィンディ様」
『こちらこそよろしくお願いいたします、守護者。私の住処は特に決まっていませんのでなにかありましたら空に向かってお呼びかけください。すぐに参りますので』
「わかりました。ところで、フェアリーたちはまだ増えますか?」
『……申し訳ありません。増えると思います』
「いえ、怒りません。それだけ人間が横暴な真似をしていると言うことですから」
『私も可能な範囲で仲間を保護して参りたいと考えております。そのときは不在となってしまいますがご容赦を』
「ひとりでも大丈夫ですか?」
『むしろひとりの方が都合はいいのです。透明化できますし、竜巻などで広範囲に甚大な被害を巻き起こせるので』
「それは失礼しました。でも、手伝えることがあったら何でも言ってくださいね」
『はい。お気遣いいただき感謝いたします。私もしばらく休ませていただきますので、それでは』
ウィンディも飛び去っていき、残されたのは僕にリン、リュウセイ、メイヤ、それからヴォルケーノボムです。
ヴォルケーノボムはなにか言いたいことがまだあるようですが。
『実はな、まだ来ていない残りの五大属性ノームとライトニングにも声かけしとるんよ。もし来たら受け入れとくれ』
「構いませんよ。住んでいる場所を離れてまでくると言うことは切羽詰まったなにかがあるのでしょうし、いまいる精霊や妖精たちと仲良くしてくれるのなら受け入れます」
『あやつらなら問題ないわ。ノームは土の中を掘り返して鉱脈探しをしていれば気が済むやつで、ライトニングは適当に雷雲を発生させていれば落ち着く変わり者じゃけん。儂と同じく神域の隅っこで暮らすだろうし問題など起きはせん』
「ならいいのですが……」
『とりあえず、朝食にしましょう。そのあとはほかの妖精や精霊たちの様子を見に行きましょうか』
「そうしましょうか」
メイヤの勧めに従い僕たちは朝食を食べて各所を回ります。
ローズマリーの花畑では早速フェアリーたちが飛び交っており、シャニービーとも仲良くやっていました。
その奥には湖ができていて、重症だった仲間たちも僕のポーションと湖の水のおかげで全員助かったとのこと。
犠牲者が出なくて本当によかったです。
あと、風の妖精たちは気ままに飛び回っているそうなので確認できませんでしたが、本当に賑やかになってきましたね、神樹の里も。
「すべて、あなたの浅はかな行動がとった結果だと言うことをお忘れなく」
「……反省しています」
リンが飛び出して行こうとしてから今日で6日目。
昨日の夜は久し振りにリンと一緒に寝ました。
その結果がリンのこの態度です。
まったく、勝手な真似をしなければ……。
「でも、どうするの? サラマンダー様と言えば五大精霊の一角とも呼ばれるほど強い精霊様なんだよ? それを〝精霊狩り〟で連れ去ろうとするだなんて……」
「それについてはメイヤたちが話し合ってくれています。僕たちでは口を挟めません」
「……だよね。私たち、まだまだ弱いもんね」
悔しいですが、僕たちはふたりがかりでもまだまだヴォルケーノボムどころかツリーハウスにすら勝てません。
その程度の強さしかない僕たちが五大精霊を捕まえようなどとしている〝王都〟に行ってもなにもできないのは明白。
せいぜい、逃げ帰ってくることしかできないでしょう。
お互い、転移だけはできる……はずですから。
それすら封じられていたら捕らえられてしまいます。
そんな危ないことリンにはさせられませんし、リンも僕にはさせられないでしょう。
つまり、完全に手詰まりなんですよ。
「朝食、食べに行きましょう。そして、少しでも強くなるのです。そのあとは精霊のみんなにお願いして実戦訓練ですね」
「うん。それしかないよね……」
家から出てきた僕たちを見て嬉しそうに駆け寄ってきたリュウセイも僕たちの表情を見てしょげかえってしまいました。
これではいけないとふたりでリュウセイを慰めてからメイヤのもとに向かうと、見慣れない人影がふたりいます。
ひとりは青く透き通った体を持つ女性、服なども着ていますがすべて色合いの違いこそありますが青く透き通っています。
もうひとりは蝶の羽を生やした女性。
こちらは緑色を基調とした服を着ていますが、要所を覆っているだけで、お腹や手足などは丸出しです。
彼女たちは一体?
『ああ、来たわね。シント、リン』
「メイヤ様。彼女たちは一体?」
『儂が呼んでいおいたんじゃよ』
「ヴォルケーノボム?」
『青い女性の方は水の精霊ウンディーネ。水の五大精霊。緑のヘソ出しルックはシルフィード。風の五大精霊でんな』
五大精霊がふたりも?
それもヴォルケーノボムが呼んだ?
『シント、事情を説明してもいいかしら?』
「ああ、はい。話の腰を折ってしまいすみません、メイヤ」
『いえ、彼女たちが何者かは重要だから。まず、彼女たちの望みはこの神樹の里で暮らしたいということよ。あなたとの契約にも応じるって』
「ええっ!?」
僕が五大聖霊様のうち3人と!?
『それぞれの事情を話すわね。まずウンディーネだけど、彼女の住処にしていた湖をヒュドラの毒で人間たちが穢し始めたの。最初は浄化で対抗していたんだけど、それも追いつかなくなって、逃げ出してきたってわけ。いまは森の中に潜んでいるけど、一緒に過ごしていた湖の精霊たちも移住希望よ』
「それって大事では?」
『大事よ。だから、申し訳ないけれど早めにシントには決めてもらいたいの』
「わかりました。ウンディーネ様がそれでよろしいのでしたら」
『私のことはウンディーネで結構です。それから名前は〝アクエリア〟を所望します』
「わかりました。では、始めましょう」
大急ぎで契約の魔力を作り出し、ウンディーネへと送り込みます。
ウンディーネもそれを受け入れ、〝アクエリア〟となってくれたようですね。
『感謝いたします。早速で申し訳ありませんが、ヒュドラの毒で汚染された仲間もいるのです。清浄な湖を作る許可を』
「メイヤ、構いませんね?」
『シントが望むなら。場所も相談してあるわ』
「ではすぐにでも始めてください。あと、効くかどうかはわかりませんが、神樹の木の実などで作った解毒用のポーションです。もしよろしければお使いください」
『なになからなにまで申し訳ありません。それでは私たちは湖を造らせていただきます。正式なごあいさつはあらためて』
「お仲間に命を優先に。急いでください」
『それでは、失礼いたします』
アクエリアの後に続き、大勢の精霊たちが駆け抜けていきました。
仲間に担がれて行っているのは毒に侵されている精霊たちでしょう。
体がもつといいのですが……。
『シント、あなたのことだからあの子たちのことが心配なんでしょう?』
「はい。また人間の身勝手で精霊が傷つくなど……」
『アクエリアの力があれば間に合うわ。アクエリアは〝清浄な湖〟と言っていたけど、この神域内で造る限りは〝聖浄な湖〟になるもの。ヒュドラの毒程度すぐに浄化できるわよ。重症者にはあなたのポーションも与えられるだろうしね』
「それならいいのですが……そちらの女性は?」
『申し遅れました。私は風の精霊シルフィードと申します。風の五大精霊ですね』
「風の五大聖霊様ですか……あなたも人間の〝精霊狩り〟に?」
『いえ、私はまだ被害を受けておりません。私は風。どこにいるかなど気まぐれでつかみ所のない存在。ただ、配下の精霊や妖精たちには被害が出始めているようですので移住を希望しに参りました』
「メイヤ、彼女たちも受け入れて問題ないのでしょうか?」
『そうね。問題ないと思うわ。ただ、風の精霊や妖精は気まぐれだからどこにいるかもわからないし、種族によってはいたずら好きな側面もあるから気をつけないと被害が出るかも』
『そちらについては私の方からいたずらをなるべく控えるように言い聞かせます。……さすがにすべてを防ぐことができないのは困りものなんですが』
「でも、すでに風の精霊や妖精たちにも被害が出ているんですよね?」
『正確には風の妖精というわけではありませんがフェアリーやピクシーにはかなり被害が出ています。風の精霊ですとエアリアルが何名か連れ去られたと』
酷い……。
もうそこまで。
『シント、怒りはわかるけど堪えなさい。あなたの感情は契約している者たちすべてに伝わるのよ? あなたは普段通りリンと一緒に過ごしていればいいの』
「しかし……」
『いまはシルフィードを受け入れるかどうかが先決よ。どうするの?』
「もちろん受け入れます。名前の候補は?」
『ありがとうございます。名前は……正直考えてきませんでしたので〝ウィンディ〟と』
「わかりました。契約の魔力をすぐに送ります」
僕は今日二回目の契約の魔力を出し、シルフィードとの契約を果たします。
〝ウィンディ〟となった彼女は早速仲間たちを呼び込むと、それぞれの方法で僕たちにあいさつしてから方々へと散っていきました。
風の妖精って気ままですね。
『申し訳ありません。あれでも控えめにさせている方なんですが……』
「気にしていないので平気ですよ、ねえ、リン」
「驚きましたが平気です。よろしくお願いいたします、ウィンディ様」
『こちらこそよろしくお願いいたします、守護者。私の住処は特に決まっていませんのでなにかありましたら空に向かってお呼びかけください。すぐに参りますので』
「わかりました。ところで、フェアリーたちはまだ増えますか?」
『……申し訳ありません。増えると思います』
「いえ、怒りません。それだけ人間が横暴な真似をしていると言うことですから」
『私も可能な範囲で仲間を保護して参りたいと考えております。そのときは不在となってしまいますがご容赦を』
「ひとりでも大丈夫ですか?」
『むしろひとりの方が都合はいいのです。透明化できますし、竜巻などで広範囲に甚大な被害を巻き起こせるので』
「それは失礼しました。でも、手伝えることがあったら何でも言ってくださいね」
『はい。お気遣いいただき感謝いたします。私もしばらく休ませていただきますので、それでは』
ウィンディも飛び去っていき、残されたのは僕にリン、リュウセイ、メイヤ、それからヴォルケーノボムです。
ヴォルケーノボムはなにか言いたいことがまだあるようですが。
『実はな、まだ来ていない残りの五大属性ノームとライトニングにも声かけしとるんよ。もし来たら受け入れとくれ』
「構いませんよ。住んでいる場所を離れてまでくると言うことは切羽詰まったなにかがあるのでしょうし、いまいる精霊や妖精たちと仲良くしてくれるのなら受け入れます」
『あやつらなら問題ないわ。ノームは土の中を掘り返して鉱脈探しをしていれば気が済むやつで、ライトニングは適当に雷雲を発生させていれば落ち着く変わり者じゃけん。儂と同じく神域の隅っこで暮らすだろうし問題など起きはせん』
「ならいいのですが……」
『とりあえず、朝食にしましょう。そのあとはほかの妖精や精霊たちの様子を見に行きましょうか』
「そうしましょうか」
メイヤの勧めに従い僕たちは朝食を食べて各所を回ります。
ローズマリーの花畑では早速フェアリーたちが飛び交っており、シャニービーとも仲良くやっていました。
その奥には湖ができていて、重症だった仲間たちも僕のポーションと湖の水のおかげで全員助かったとのこと。
犠牲者が出なくて本当によかったです。
あと、風の妖精たちは気ままに飛び回っているそうなので確認できませんでしたが、本当に賑やかになってきましたね、神樹の里も。
31
あなたにおすすめの小説
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる