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第1部 鍛冶の炎、目覚める 第1章 アウラとヘファイストス
4. フィラスティ防衛隊
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ヘファイストスの操縦訓練も終わり外に飛び出したところ、街の上空でした。
よくわからないと思うけどあたしもよくわかっていない。
とりあえず、いまの状況はまずい!
とってもまずい!!
「ヘファイストス! なにか身を隠せるような機能はないの!?」
『私には光学迷彩のような機能はない。空中で身を隠す術はないな』
「あーもう!」
これからどうすればいいか悩んでいるとあたしたちの周りを赤い魔力弾がすり抜けていった!
あ、これは街に備え付けてある対エンシェントフレーム用魔導速射砲!
『む、攻撃か?』
「攻撃だけどあたしたちに対する威嚇! あたしたちが攻め込んできたと思われているの!」
『そのような意思はないのだが……』
どうしよう、いまは威嚇射撃だけだから当たってないけど、すぐに本気で狙ってきそう。
どうすればいいのよ、これ!?
『空中にいるエンシェントフレームのパイロットに告ぐ。大人しく投降せよ。さもなくば撃墜する』
ひぇぇ!?
撃墜宣言までされちゃった!?
どうすれば……!?
『面白い。そのようなちゃちな兵器で我の装甲を貫けるとでも?』
「ちょ!? ヘファイストス!?」
『なんだ……パイロットがふたり? ええい、ともかく投降せよ!』
「はい! 従います!」
『いいのか? あの程度の連中、簡単に破壊できるのだが』
「破壊しちゃダメ! あれは街の防衛隊!」
『そうか。街の防衛設備は破壊してはいけないな』
ああ、ヘファイストスと話をしているとときどきすごく疲れる。
ともかく、地上に降りて投降しよう。
あたしたちは街壁の外まで飛び、そこで着地した。
すると、街からもエンシェントフレームが数機とたくさんの兵士たちがやってくるのが見える。
……すごく大事になってるよ。
やがてやってきた兵士たちはあたしとヘファイストスを取り囲んで魔導銃を構える。
そしてあたしにエンシェントフレームから降りるよう指示が出された。
うぅ……早く休みたい。
「降りてきたか。ん? お前ひとりか? 報告ではふたり分の声が聞こえたとあるが」
「あ、それは……」
『我のことか?』
「なんだ? もうひとり乗っているのか?」
「ああ、いえ。誰も乗っていません。自分で応答しているんです」
「自分で応答……まさか、マナトレーシングフレーム!?」
私と話をしていた兵士の叫び声に周囲がざわめいた。
そうだよね、マナトレーシングフレーム相手にケンカを売ろうとしていたんだものね。
下手すれば街がなくなっていたからね。
これだけの防衛戦力を備えていてもなお。
「はい。ええと、あたしを拘束するのもまずいですよね?」
「……すまない、少し待っていてくれ。部隊長と相談してくる」
「はい。お手数をおかけしてすみません」
「悪いが大人しくしていてくれ。くれぐれも、大人しく。他の者はマナトレーシングフレームを刺激するような真似は絶対にするなよ! 死にたくはないだろう!」
うん、マナトレーシングフレームのパイロットってかなり特別扱いされるんだ。
理由は単純『マナトレーシングフレームは単体で動き非常識に強い』から。
どんな条件で反撃するかはマナトレーシングフレーム次第だと言われている。
でも、過去には宿で狼藉を受けそうになったマナトレーシングフレームのパイロットを守るため、マナトレーシングフレームが自立行動で街を半壊させたこともあるらしい。
だから、あたしに対しても準犯罪者でありながら刺激できないという、実に微妙な立場をとらなければいけないんだよね。
ヘファイストスがなにに反応して動くかはあたしにもわからないし。
「彼女か。マナトレーシングフレームのパイロットというのは」
「はい。そう、らしいです」
「ふむ。私はこの部隊の隊長だ。君の名は?」
「アウラよ」
「あれがマナトレーシングフレームだという証拠は?」
「あたしがいなくても受け答えできるし、動くことができるのが証拠だけど……それじゃダメ?」
「ほかにパイロットがいる可能性もある。あの機体を引き渡してもらえるか? こちらで……」
隊長がそこまで言ったとき、あたしと隊長の間に炎の槍が突き刺さった!
あたしはとっさに魔法で防御壁を作ったから熱さも感じなかったけど、あっちは相当熱かった、というか軽いやけどは負ったかもしれない。
ヘファイストス……。
『有象無象が我を調べるだと? 馬鹿も休み休み言え!』
「貴様……エンシェントフレームごときが生意気な!」
「隊長、押さえてください! 相手はマナトレーシングフレームです!」
「そんなはずがあるか! 世界に数十機しかないマナトレーシングフレームがこんな場所に現れるはずもない! 総員! あのエンシェントフレームを制圧し奪い取れ! その少女は始末せよ!」
「は、はい!?」
「聞こえなかったのか!! すぐさまあのエンシェントフレームを……」
隊長がそこまで言ったとき、天から火の玉が降ってきて彼を焼き払った。
一瞬で消し炭になっちゃったし、熱さを感じる暇もなかったんじゃないの?
あたしを殺そうとしたんだからもう同情もしてやらないけど。
『さて、これで明確な敵対勢力は無力化した。お前たちも敵対するか?』
ヘファイストスの呼びかけに対し、兵士たちは武器を投げ捨てることで応えた。
……なんだか完全にこっちが攻め込んだみたいになってるんですけど!?
よくわからないと思うけどあたしもよくわかっていない。
とりあえず、いまの状況はまずい!
とってもまずい!!
「ヘファイストス! なにか身を隠せるような機能はないの!?」
『私には光学迷彩のような機能はない。空中で身を隠す術はないな』
「あーもう!」
これからどうすればいいか悩んでいるとあたしたちの周りを赤い魔力弾がすり抜けていった!
あ、これは街に備え付けてある対エンシェントフレーム用魔導速射砲!
『む、攻撃か?』
「攻撃だけどあたしたちに対する威嚇! あたしたちが攻め込んできたと思われているの!」
『そのような意思はないのだが……』
どうしよう、いまは威嚇射撃だけだから当たってないけど、すぐに本気で狙ってきそう。
どうすればいいのよ、これ!?
『空中にいるエンシェントフレームのパイロットに告ぐ。大人しく投降せよ。さもなくば撃墜する』
ひぇぇ!?
撃墜宣言までされちゃった!?
どうすれば……!?
『面白い。そのようなちゃちな兵器で我の装甲を貫けるとでも?』
「ちょ!? ヘファイストス!?」
『なんだ……パイロットがふたり? ええい、ともかく投降せよ!』
「はい! 従います!」
『いいのか? あの程度の連中、簡単に破壊できるのだが』
「破壊しちゃダメ! あれは街の防衛隊!」
『そうか。街の防衛設備は破壊してはいけないな』
ああ、ヘファイストスと話をしているとときどきすごく疲れる。
ともかく、地上に降りて投降しよう。
あたしたちは街壁の外まで飛び、そこで着地した。
すると、街からもエンシェントフレームが数機とたくさんの兵士たちがやってくるのが見える。
……すごく大事になってるよ。
やがてやってきた兵士たちはあたしとヘファイストスを取り囲んで魔導銃を構える。
そしてあたしにエンシェントフレームから降りるよう指示が出された。
うぅ……早く休みたい。
「降りてきたか。ん? お前ひとりか? 報告ではふたり分の声が聞こえたとあるが」
「あ、それは……」
『我のことか?』
「なんだ? もうひとり乗っているのか?」
「ああ、いえ。誰も乗っていません。自分で応答しているんです」
「自分で応答……まさか、マナトレーシングフレーム!?」
私と話をしていた兵士の叫び声に周囲がざわめいた。
そうだよね、マナトレーシングフレーム相手にケンカを売ろうとしていたんだものね。
下手すれば街がなくなっていたからね。
これだけの防衛戦力を備えていてもなお。
「はい。ええと、あたしを拘束するのもまずいですよね?」
「……すまない、少し待っていてくれ。部隊長と相談してくる」
「はい。お手数をおかけしてすみません」
「悪いが大人しくしていてくれ。くれぐれも、大人しく。他の者はマナトレーシングフレームを刺激するような真似は絶対にするなよ! 死にたくはないだろう!」
うん、マナトレーシングフレームのパイロットってかなり特別扱いされるんだ。
理由は単純『マナトレーシングフレームは単体で動き非常識に強い』から。
どんな条件で反撃するかはマナトレーシングフレーム次第だと言われている。
でも、過去には宿で狼藉を受けそうになったマナトレーシングフレームのパイロットを守るため、マナトレーシングフレームが自立行動で街を半壊させたこともあるらしい。
だから、あたしに対しても準犯罪者でありながら刺激できないという、実に微妙な立場をとらなければいけないんだよね。
ヘファイストスがなにに反応して動くかはあたしにもわからないし。
「彼女か。マナトレーシングフレームのパイロットというのは」
「はい。そう、らしいです」
「ふむ。私はこの部隊の隊長だ。君の名は?」
「アウラよ」
「あれがマナトレーシングフレームだという証拠は?」
「あたしがいなくても受け答えできるし、動くことができるのが証拠だけど……それじゃダメ?」
「ほかにパイロットがいる可能性もある。あの機体を引き渡してもらえるか? こちらで……」
隊長がそこまで言ったとき、あたしと隊長の間に炎の槍が突き刺さった!
あたしはとっさに魔法で防御壁を作ったから熱さも感じなかったけど、あっちは相当熱かった、というか軽いやけどは負ったかもしれない。
ヘファイストス……。
『有象無象が我を調べるだと? 馬鹿も休み休み言え!』
「貴様……エンシェントフレームごときが生意気な!」
「隊長、押さえてください! 相手はマナトレーシングフレームです!」
「そんなはずがあるか! 世界に数十機しかないマナトレーシングフレームがこんな場所に現れるはずもない! 総員! あのエンシェントフレームを制圧し奪い取れ! その少女は始末せよ!」
「は、はい!?」
「聞こえなかったのか!! すぐさまあのエンシェントフレームを……」
隊長がそこまで言ったとき、天から火の玉が降ってきて彼を焼き払った。
一瞬で消し炭になっちゃったし、熱さを感じる暇もなかったんじゃないの?
あたしを殺そうとしたんだからもう同情もしてやらないけど。
『さて、これで明確な敵対勢力は無力化した。お前たちも敵対するか?』
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