25 / 78
第2部 森と花の国『マナストリア聖華国』 第2章 華都マナストリアにて
25. 女王陛下と謁見
しおりを挟む
「面を上げよ、エリクシール、アウラ」
「はい。女王陛下」
「は、はい!」
女王陛下の言葉にどもりながら答え顔を上げる。
女王陛下はエリスに似た緑色の瞳に濃緑色の髪、群青色の羽をもつ妖精族だった。
「……お母様、機嫌が悪くないですか?」
「エリクシール、謁見中は女王陛下と呼べ」
「では、女王陛下。お機嫌が悪いようですが?」
「機嫌も悪くなる。あのリードアローのバカどもが今回捕虜にした者たちを引き渡せと言ってきた。そして、領土侵犯をしていたお前たちの身柄も引き渡せと」
うーん、頭が痛い。
リードアロー王国ってそこまで頭が悪くなったの?
そこまで聞いてさらにエリスが続けた。
「引き渡すつもりはございますか?」
「あるわけがなかろう。王女を追って領土侵犯をしてきた兵士を引き渡すなどあり得ん」
「それを聞いて安心いたしました。それではこちらの話に移りましょう」
「そうだったな。まずはリードアロー王国の新たな王、ケネルについて話を聞こうか」
「ケネル王ですか。あれはまったくの役立たずです。私の話をまったく聞かず、私が何者かを知りながら結婚を求めてくる始末。それを断れば暗殺を仕掛けてくるなど言語道断。王の資格はありません」
「なるほど。では、あの国と付き合う理由もないな」
「はい。早急にマナストリアの民を救出し、国交の断絶を宣言いたしましょう」
「わかった、そうしよう。既に救出部隊の準備も整っている。あとは指示を出すだけだ。この謁見が終わり次第、救出作戦の指示を出す」
「ありがとうございます、女王陛下」
「なに、気にするな。……ところでお前のドレス、ずいぶん変わったデザインになったな。リードアローのデザイナーに作ってもらったのか?」
「いえ。このドレスはこちらにいるアウラ様のマナトレーシングフレーム、ヘファイストスによって作られたドレスです。この場には持ってきておりませんが色違いやデザイン違いでドレスだけでも数十着。そのほかアウラ様にはレイピアと短剣、マジックライフル、鎧を作っていただきました」
「ほう。アウラよ、本当か?」
ひえ、あたしに話が飛んできた!
でも、いるんだから話もしなくちゃダメだよね。
覚悟を決めて話をしよう。
「はい、事実でございます。エリクシール殿下のドレスはあたしのエンシェントフレーム、ヘファイストスが、武器と防具はあたしが鍛冶魔法で作らせていただきました」
「鍛冶魔法? そのような魔法聞いたことがないが」
「ヘファイストスから受け継いだ古代魔法……らしいです。様々な素材から装備や道具を作り出せます。装飾などもイメージ次第でどこまでも細かく再現可能みたいです」
「ふむ……私もなにか作ってもらいたいが可能か?」
「はい、素材があれば可能です。ああ、素材はあたしが持っているものでも構いません」
「なにを持っている?」
「妖精族用でしたら妖精太陽銀と妖精月銀、妖精銀。そのほか聖銀鉱、魔銀鉱、命晶核、ダークドラゴンの各種素材などです」
あたしが手持ち素材をあげていくと周囲がざわついた。
あ、妖精太陽銀と妖精月銀はまずかったかも。
「アウラ様、正直にすべてを話してはいけません」
「ごめん、エリス」
「え、ええ!? 妖精太陽銀と妖精月銀というのは本当なの?」
「お母様、地が出ています」
「うるさい! 妖精太陽銀と妖精月銀はいまだと王家にも在庫が少ないの! どうなの?」
「ええと、どちらも一山ありますが……」
「一山……それって売ってもらえる?」
「構いませんよ。あたしにとっては不要素材です」
「そうよね。妖精太陽銀と妖精月銀なんて妖精族かエルフ族にしか不要な鉱物だものね」
妖精銀関係って特性上妖精族かエルフ族じゃないと聖銀に劣る鉱物でしかないからね。
ここで全部押しつけてしまおう。
「そうなりますよね。フェアリニウムゴーレムを倒したあと、解体したらたくさん出てきて困っていたんですよ」
「……フェアリニウムゴーレムって妖精太陽銀と妖精月銀を持っていたかしら、軍務大臣?」
「いえ、聞いたことがありませんが……本当にフェアリニウムゴーレムだったのか?」
「フェアリニウムゴーレムでした。18メートル級でしたけど」
「なるほど、フェアリニウムゴーレムの変異種ですな。それならば持っているかもしれませぬ」
「どちらにしても希少な妖精太陽銀と妖精月銀の入手先が見つかって助かったわ。……そういえば、エリクシール。あなたの装備って妖精銀で作ってもらったの?」
「いいえ、妖精太陽銀と妖精月銀を使ってもらいました。このドレスだって妖精太陽銀と妖精月銀を一部使っていますよ?」
「え?」
「このドレス、素材は金属です。護衛の者たちに聞けばわかりますが、剣で切りつけてもシワひとつつかず衝撃音すらなりません。また、洗濯をしても皺にならず、シミまでつかない超一級品です」
「そのドレス、私もほしいんだけど」
「私の一存ではなんとも。アウラ様?」
「うーん、あたしひとりじゃうまく作れないしヘファイストス頼りかなぁ」
金属布、ヘファイストスの補助がないとうまくいかないんだよね。
きっとなにかコツがあるんだろうけど、それをつかむまでは何度も練習あるのみかな。
「ヘファイストス、どう思う?」
『我は構わないが、相当な数を作らなければならないのではないか? デザインが足りなくなるぞ。我もドレスのデザインには詳しくない』
「デザインなら私付きの専属デザイナーに描かせるわ! 美しさだけではなく守りまで考えられたドレス。これは一生物よ!」
女王陛下、舞い上がっているなぁ。
そんなに嬉しいのか。
あたしは下着も含めて普段使いの服にしてしまっているけど。
「それで、女王陛下。私の装備の対価についてなのですが」
あ、エリスが冷めた声で呼びかけた。
これには女王陛下も冷や汗をかいたみたい。
「あ、ああ、うむ。それほどの装備をもらっておいて対価を支払わないのは問題だな」
「私が持っている別荘のひとつをアウラ様に差し上げてもよろしいでしょうか? それから、いまは貸与となっている私のイヤリングも正式に差し上げるということで」
え、別荘?
「別荘については構わない。それでも釣り合わないが、そこはエリクシールが考えよ。しかしイヤリングはいいのか? それは本来娘が生まれたときに送るものだぞ?」
「娘ができたときはその時にまた考えます。いまは私の半身であることを証明するイヤリングを持っていてもらいたいのです」
「そういうことならば了承する。アウラよ、明日以降で構わないので妖精太陽銀と妖精月銀の査定を頼む。本当だぞ! 頼むぞ!」
「お母様、また地が出ています」
なんだか賑やかな感じになってしまったけど、謁見は無事に終了した。
女王陛下もなんだか愉快な人のようだね。
「はい。女王陛下」
「は、はい!」
女王陛下の言葉にどもりながら答え顔を上げる。
女王陛下はエリスに似た緑色の瞳に濃緑色の髪、群青色の羽をもつ妖精族だった。
「……お母様、機嫌が悪くないですか?」
「エリクシール、謁見中は女王陛下と呼べ」
「では、女王陛下。お機嫌が悪いようですが?」
「機嫌も悪くなる。あのリードアローのバカどもが今回捕虜にした者たちを引き渡せと言ってきた。そして、領土侵犯をしていたお前たちの身柄も引き渡せと」
うーん、頭が痛い。
リードアロー王国ってそこまで頭が悪くなったの?
そこまで聞いてさらにエリスが続けた。
「引き渡すつもりはございますか?」
「あるわけがなかろう。王女を追って領土侵犯をしてきた兵士を引き渡すなどあり得ん」
「それを聞いて安心いたしました。それではこちらの話に移りましょう」
「そうだったな。まずはリードアロー王国の新たな王、ケネルについて話を聞こうか」
「ケネル王ですか。あれはまったくの役立たずです。私の話をまったく聞かず、私が何者かを知りながら結婚を求めてくる始末。それを断れば暗殺を仕掛けてくるなど言語道断。王の資格はありません」
「なるほど。では、あの国と付き合う理由もないな」
「はい。早急にマナストリアの民を救出し、国交の断絶を宣言いたしましょう」
「わかった、そうしよう。既に救出部隊の準備も整っている。あとは指示を出すだけだ。この謁見が終わり次第、救出作戦の指示を出す」
「ありがとうございます、女王陛下」
「なに、気にするな。……ところでお前のドレス、ずいぶん変わったデザインになったな。リードアローのデザイナーに作ってもらったのか?」
「いえ。このドレスはこちらにいるアウラ様のマナトレーシングフレーム、ヘファイストスによって作られたドレスです。この場には持ってきておりませんが色違いやデザイン違いでドレスだけでも数十着。そのほかアウラ様にはレイピアと短剣、マジックライフル、鎧を作っていただきました」
「ほう。アウラよ、本当か?」
ひえ、あたしに話が飛んできた!
でも、いるんだから話もしなくちゃダメだよね。
覚悟を決めて話をしよう。
「はい、事実でございます。エリクシール殿下のドレスはあたしのエンシェントフレーム、ヘファイストスが、武器と防具はあたしが鍛冶魔法で作らせていただきました」
「鍛冶魔法? そのような魔法聞いたことがないが」
「ヘファイストスから受け継いだ古代魔法……らしいです。様々な素材から装備や道具を作り出せます。装飾などもイメージ次第でどこまでも細かく再現可能みたいです」
「ふむ……私もなにか作ってもらいたいが可能か?」
「はい、素材があれば可能です。ああ、素材はあたしが持っているものでも構いません」
「なにを持っている?」
「妖精族用でしたら妖精太陽銀と妖精月銀、妖精銀。そのほか聖銀鉱、魔銀鉱、命晶核、ダークドラゴンの各種素材などです」
あたしが手持ち素材をあげていくと周囲がざわついた。
あ、妖精太陽銀と妖精月銀はまずかったかも。
「アウラ様、正直にすべてを話してはいけません」
「ごめん、エリス」
「え、ええ!? 妖精太陽銀と妖精月銀というのは本当なの?」
「お母様、地が出ています」
「うるさい! 妖精太陽銀と妖精月銀はいまだと王家にも在庫が少ないの! どうなの?」
「ええと、どちらも一山ありますが……」
「一山……それって売ってもらえる?」
「構いませんよ。あたしにとっては不要素材です」
「そうよね。妖精太陽銀と妖精月銀なんて妖精族かエルフ族にしか不要な鉱物だものね」
妖精銀関係って特性上妖精族かエルフ族じゃないと聖銀に劣る鉱物でしかないからね。
ここで全部押しつけてしまおう。
「そうなりますよね。フェアリニウムゴーレムを倒したあと、解体したらたくさん出てきて困っていたんですよ」
「……フェアリニウムゴーレムって妖精太陽銀と妖精月銀を持っていたかしら、軍務大臣?」
「いえ、聞いたことがありませんが……本当にフェアリニウムゴーレムだったのか?」
「フェアリニウムゴーレムでした。18メートル級でしたけど」
「なるほど、フェアリニウムゴーレムの変異種ですな。それならば持っているかもしれませぬ」
「どちらにしても希少な妖精太陽銀と妖精月銀の入手先が見つかって助かったわ。……そういえば、エリクシール。あなたの装備って妖精銀で作ってもらったの?」
「いいえ、妖精太陽銀と妖精月銀を使ってもらいました。このドレスだって妖精太陽銀と妖精月銀を一部使っていますよ?」
「え?」
「このドレス、素材は金属です。護衛の者たちに聞けばわかりますが、剣で切りつけてもシワひとつつかず衝撃音すらなりません。また、洗濯をしても皺にならず、シミまでつかない超一級品です」
「そのドレス、私もほしいんだけど」
「私の一存ではなんとも。アウラ様?」
「うーん、あたしひとりじゃうまく作れないしヘファイストス頼りかなぁ」
金属布、ヘファイストスの補助がないとうまくいかないんだよね。
きっとなにかコツがあるんだろうけど、それをつかむまでは何度も練習あるのみかな。
「ヘファイストス、どう思う?」
『我は構わないが、相当な数を作らなければならないのではないか? デザインが足りなくなるぞ。我もドレスのデザインには詳しくない』
「デザインなら私付きの専属デザイナーに描かせるわ! 美しさだけではなく守りまで考えられたドレス。これは一生物よ!」
女王陛下、舞い上がっているなぁ。
そんなに嬉しいのか。
あたしは下着も含めて普段使いの服にしてしまっているけど。
「それで、女王陛下。私の装備の対価についてなのですが」
あ、エリスが冷めた声で呼びかけた。
これには女王陛下も冷や汗をかいたみたい。
「あ、ああ、うむ。それほどの装備をもらっておいて対価を支払わないのは問題だな」
「私が持っている別荘のひとつをアウラ様に差し上げてもよろしいでしょうか? それから、いまは貸与となっている私のイヤリングも正式に差し上げるということで」
え、別荘?
「別荘については構わない。それでも釣り合わないが、そこはエリクシールが考えよ。しかしイヤリングはいいのか? それは本来娘が生まれたときに送るものだぞ?」
「娘ができたときはその時にまた考えます。いまは私の半身であることを証明するイヤリングを持っていてもらいたいのです」
「そういうことならば了承する。アウラよ、明日以降で構わないので妖精太陽銀と妖精月銀の査定を頼む。本当だぞ! 頼むぞ!」
「お母様、また地が出ています」
なんだか賑やかな感じになってしまったけど、謁見は無事に終了した。
女王陛下もなんだか愉快な人のようだね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる