38 / 78
第2部 森と花の国『マナストリア聖華国』 第4章 ミラーシア湖の整備
38. アウラ邸へお引っ越し
しおりを挟む
それから1週間はとにかく大変だった。
フェデラーとクスイをミラーシア湖にある屋敷に連れて行いき、屋敷の形や雰囲気を覚えさせると屋敷のインテリアを買い付ける作業を本格化させた。
花を生ける花瓶とかローテーブルとか本棚とかたくさんのカーペットとか。
これらだけでも白金貨が10枚近くなくなった。
貴族のお屋敷を建てるってすごい。
あとは本棚に入れる書物。
これもイミテーションじゃなくてしっかりとした物を入れるのが礼儀なんだってさ。
あたしとしては装備や調度品を作る際のデザイン見本になるような本が欲しかったら丁度よかった。
だけど、ほかにも魔法学入門書や幼児向け言語教本からあたしにはよくわからない難しい本まで幅広く取りそろえたよ。
その本棚に詰める本代でも白金貨が数枚消えたし、お屋敷って怖い。
それから、忘れてはいけないのはお屋敷で暮らすために必要な食料の買い出し。
最寄りの街まで半日近くかかるということから、日持ちのする食べ物を揃えてくれたんだけど、それだけだと味気なくなってしまう。
水龍に頼んでお野菜を一気に生長させるとかできないか聞いてみよう。
結局もらった白金貨のほとんどを使い切り、フェデラーとクスイが求めるようなクリスタルの置物を作っているとシーナさんとの約束の1週間が過ぎてしまった。
この日はほかの屋敷の使用人も含めて全員がミラーシア湖の屋敷に向かい始める日らしい。
あたしには2週間後に引っ越してきてほしいそうだ。
出発前にあたしが挨拶をしたんだけど、ちゃんと喋られていただろうか?
フェデラーとクスイたちはそのままシーナさんを拾ってミラーシア湖へ向かうらしい。
あたしは……追っていくわけにもいかないから、王宮で待たせてもらうかな。
あるいは在庫が減ってしまったクリスタルを補充するため、どこかでゴーレムを倒してくるか。
……うん、エリスにことわってルインハンターズギルドに行ったらゴーレムの目撃情報がないかを聞いてゴーレム狩りにしよう。
セイクリッドシルバーゴーレムが結構減ったし、アイアンゴーレムもかなり減った。
いざというときのために素材を持っていてもバチは当たらないよね?
いや、いまでも多いんだろうけどさ。
********************
ゴーレム狩りに行ったりエリスやユニリス様の相手をしたりしているうちに2週間が過ぎてしまった。
季節はもう春、ヘファイストスと出会って1年が経つ頃だ。
なんだかこの1年でいろいろあったなぁ……。
「今日出発ですか、アウラ様」
「エリス」
駐機場に止められたヘファイストスを見上げながらぼんやりしていると、エリスから声をかけられた。
エリスと出会ったのは秋の終わりくらいだから、4カ月くらいの付き合いかな?
「ミラーシア湖のお屋敷、今日から使うのですね」
「その予定。フェデラーとクスイが予定を間違えることなんてないよ」
「私も落ち着いたら遊びにいきますからね。絶対ですよ」
「うん。遊びに来てよ。待ってるからさ。部屋も用意してあるんだし」
「ユニリスも連れて遊びにいきます。あの子もシルキーで出かけたがっていますし」
あはは……。
遂に王宮や王城内だけでは満足できなくなってきたか。
いつかはこうなるはずだろうと思っていたけど、早かったなぁ。
「まあ、シルキーがあるおかげで普段のお勉強にも精力的に取り組んでいるようですし、安全な範囲で遊ばせることも大事でしょう」
「勝手なことはシルキー自身がさせないか」
「そう信じております」
シルキーが自意識を持つマナトレーシングフレームで助かったよ。
勝手に出ていけないもの。
防衛能力も高いし。
「さて、あまりお引き留めしてもいけません。いずれまた」
「うん。その時って正式な登城手続きがいるのかな?」
「いりませんよ。王宮に直接乗りつける許可も貴族のエンブレムに書かれているはずです」
「そうなんだ。あとで見てみるね」
「はい。それでは、ミラーシア湖まで短い空の旅をごゆっくり」
「ありがとう、またね、エリス」
「また、アウラ様」
あたしはこの数カ月ほどですっかり住み慣れてしまった王宮を離れ、一路ミラーシア湖へと飛んでいく。
飛んでいく途中で貴族のエンブレムを確認したんだけど、エリスの言う通り、きちんと姿を見せながらゆっくりと接近する分には、あたしとヘファイストスは王宮に直接乗りつけられるらしい。
これってとんでもない優遇だよね。
その際の駐機位置の指定まであって、駐機位置はいままで使っていた場所ではなくティターニアの向かい側。
ここまで厚遇されているんだ。
「うーん、あたしって本当にVIP待遇。ここまで厚遇されるなら国に貢献して見せないとね」
あたしが貢献できる分野ってなんだろう?
魔法鍛冶による装備の提供?
でも、それも違う気がするし。
ヘファイストスを使えば強いエンシェントフレームを素材が続く限り提供できるけれど、きっとそれも望まれてはいない。
ああ、頭が痛くなってきた。
『アウラ、屋敷が見えてきたぞ』
「え、あ、本当だ」
『なにか考えごとをしていたのか?』
「うん。あたしってどうやればこの国の役に立てるのかなって」
『悪い考えではないな。可能な範囲で私も相談に乗ろう。だがまずは屋敷の皆に顔を見せねば』
「そうだね。ヘファイストス、屋敷の玄関前までお願い!」
『心得た!』
普段は駐機場で乗り降りすることになるだろうけど、今日は特別玄関前で降りてしまおう。
駐機場へはヘファイストスにひとりで行ってもらうことにした。
あたしが近づいていくと玄関前にたくさんの人が集まっているのが見え、その中心にフェデラーとクスイがいるのも見えた。
これは全使用人そろってのお出迎えかな?
ヘファイストスが地上に降り立ち、あたしが地上に降りるとヘファイストスの大きさに驚いていた使用人たちも気を引き締め直したみたい。
そしてフェデラーのかけ声で一斉に礼をとった。
「お帰りなさいませ。アウラお嬢様」
「「「お帰りなさいませ」」」
「うん、ただいま。出迎えご苦労様」
さて、このお屋敷が今日からあたしの城だ。
ルインハンター時代は家を構えるだなんてまったく考えていなかったけど、名誉職とはいえ伯爵位までもらったんだもの、気合いを入れていかなくちゃ!
これからも頑張って行くぞー!
フェデラーとクスイをミラーシア湖にある屋敷に連れて行いき、屋敷の形や雰囲気を覚えさせると屋敷のインテリアを買い付ける作業を本格化させた。
花を生ける花瓶とかローテーブルとか本棚とかたくさんのカーペットとか。
これらだけでも白金貨が10枚近くなくなった。
貴族のお屋敷を建てるってすごい。
あとは本棚に入れる書物。
これもイミテーションじゃなくてしっかりとした物を入れるのが礼儀なんだってさ。
あたしとしては装備や調度品を作る際のデザイン見本になるような本が欲しかったら丁度よかった。
だけど、ほかにも魔法学入門書や幼児向け言語教本からあたしにはよくわからない難しい本まで幅広く取りそろえたよ。
その本棚に詰める本代でも白金貨が数枚消えたし、お屋敷って怖い。
それから、忘れてはいけないのはお屋敷で暮らすために必要な食料の買い出し。
最寄りの街まで半日近くかかるということから、日持ちのする食べ物を揃えてくれたんだけど、それだけだと味気なくなってしまう。
水龍に頼んでお野菜を一気に生長させるとかできないか聞いてみよう。
結局もらった白金貨のほとんどを使い切り、フェデラーとクスイが求めるようなクリスタルの置物を作っているとシーナさんとの約束の1週間が過ぎてしまった。
この日はほかの屋敷の使用人も含めて全員がミラーシア湖の屋敷に向かい始める日らしい。
あたしには2週間後に引っ越してきてほしいそうだ。
出発前にあたしが挨拶をしたんだけど、ちゃんと喋られていただろうか?
フェデラーとクスイたちはそのままシーナさんを拾ってミラーシア湖へ向かうらしい。
あたしは……追っていくわけにもいかないから、王宮で待たせてもらうかな。
あるいは在庫が減ってしまったクリスタルを補充するため、どこかでゴーレムを倒してくるか。
……うん、エリスにことわってルインハンターズギルドに行ったらゴーレムの目撃情報がないかを聞いてゴーレム狩りにしよう。
セイクリッドシルバーゴーレムが結構減ったし、アイアンゴーレムもかなり減った。
いざというときのために素材を持っていてもバチは当たらないよね?
いや、いまでも多いんだろうけどさ。
********************
ゴーレム狩りに行ったりエリスやユニリス様の相手をしたりしているうちに2週間が過ぎてしまった。
季節はもう春、ヘファイストスと出会って1年が経つ頃だ。
なんだかこの1年でいろいろあったなぁ……。
「今日出発ですか、アウラ様」
「エリス」
駐機場に止められたヘファイストスを見上げながらぼんやりしていると、エリスから声をかけられた。
エリスと出会ったのは秋の終わりくらいだから、4カ月くらいの付き合いかな?
「ミラーシア湖のお屋敷、今日から使うのですね」
「その予定。フェデラーとクスイが予定を間違えることなんてないよ」
「私も落ち着いたら遊びにいきますからね。絶対ですよ」
「うん。遊びに来てよ。待ってるからさ。部屋も用意してあるんだし」
「ユニリスも連れて遊びにいきます。あの子もシルキーで出かけたがっていますし」
あはは……。
遂に王宮や王城内だけでは満足できなくなってきたか。
いつかはこうなるはずだろうと思っていたけど、早かったなぁ。
「まあ、シルキーがあるおかげで普段のお勉強にも精力的に取り組んでいるようですし、安全な範囲で遊ばせることも大事でしょう」
「勝手なことはシルキー自身がさせないか」
「そう信じております」
シルキーが自意識を持つマナトレーシングフレームで助かったよ。
勝手に出ていけないもの。
防衛能力も高いし。
「さて、あまりお引き留めしてもいけません。いずれまた」
「うん。その時って正式な登城手続きがいるのかな?」
「いりませんよ。王宮に直接乗りつける許可も貴族のエンブレムに書かれているはずです」
「そうなんだ。あとで見てみるね」
「はい。それでは、ミラーシア湖まで短い空の旅をごゆっくり」
「ありがとう、またね、エリス」
「また、アウラ様」
あたしはこの数カ月ほどですっかり住み慣れてしまった王宮を離れ、一路ミラーシア湖へと飛んでいく。
飛んでいく途中で貴族のエンブレムを確認したんだけど、エリスの言う通り、きちんと姿を見せながらゆっくりと接近する分には、あたしとヘファイストスは王宮に直接乗りつけられるらしい。
これってとんでもない優遇だよね。
その際の駐機位置の指定まであって、駐機位置はいままで使っていた場所ではなくティターニアの向かい側。
ここまで厚遇されているんだ。
「うーん、あたしって本当にVIP待遇。ここまで厚遇されるなら国に貢献して見せないとね」
あたしが貢献できる分野ってなんだろう?
魔法鍛冶による装備の提供?
でも、それも違う気がするし。
ヘファイストスを使えば強いエンシェントフレームを素材が続く限り提供できるけれど、きっとそれも望まれてはいない。
ああ、頭が痛くなってきた。
『アウラ、屋敷が見えてきたぞ』
「え、あ、本当だ」
『なにか考えごとをしていたのか?』
「うん。あたしってどうやればこの国の役に立てるのかなって」
『悪い考えではないな。可能な範囲で私も相談に乗ろう。だがまずは屋敷の皆に顔を見せねば』
「そうだね。ヘファイストス、屋敷の玄関前までお願い!」
『心得た!』
普段は駐機場で乗り降りすることになるだろうけど、今日は特別玄関前で降りてしまおう。
駐機場へはヘファイストスにひとりで行ってもらうことにした。
あたしが近づいていくと玄関前にたくさんの人が集まっているのが見え、その中心にフェデラーとクスイがいるのも見えた。
これは全使用人そろってのお出迎えかな?
ヘファイストスが地上に降り立ち、あたしが地上に降りるとヘファイストスの大きさに驚いていた使用人たちも気を引き締め直したみたい。
そしてフェデラーのかけ声で一斉に礼をとった。
「お帰りなさいませ。アウラお嬢様」
「「「お帰りなさいませ」」」
「うん、ただいま。出迎えご苦労様」
さて、このお屋敷が今日からあたしの城だ。
ルインハンター時代は家を構えるだなんてまったく考えていなかったけど、名誉職とはいえ伯爵位までもらったんだもの、気合いを入れていかなくちゃ!
これからも頑張って行くぞー!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる