66 / 78
第3部 アウラ領、開発中 第2章 ミラーシア湖観光と新しい街
66. 禁域に立ち入りし者たちの末路
しおりを挟む
***シャムネ伯爵夫人(ランザ)
「おい、ランザよ。去年まではここもこのように薄暗い森ではなかったはずだが?」
今日は侯爵家当主に当たる伯父様をお招きしてのミラーシア湖保養会だ。
でも、初めから行く先を遮る木々に邪魔されてまともに進めやしない。
一体どういうことなのかしら?
「そ、そうですわね、伯父様。どうなっているのでしょう?」
「侯爵閣下、王家からアウラとかいう小娘に管理が移ったせいで細かいところの整備が行き届いていないのでしょう。気にせず進みましょう」
「う、うむ。しかし、魔導車が使えないというのも不便だな」
「申し訳ございません。魔導車を使うにはレイキの街が邪魔でして……」
「レイキか。余所の国から来た浅ましい身分の小娘が建てた街なのだろう? この保養が終わったらすぐにでも中央に申し立てて爵位を取り消してもらわねばな」
「さすがですわ、伯父様。あの小生意気な小娘がいなくなるとはこの上ない喜びでございます」
「うむうむ。名誉ある我が一族に楯突く愚か者には鉄槌を下さねば」
本当ですわ。
まったく、同じ伯爵位だからといい私を長々と待たせて詫びのひとつもしないだなんて。
憎たらしいったらありゃしない。
あんな小娘、爵位を剥奪されたあとは子飼いの商人に言って奴隷落ちさせようかしら。
そうね、それがいいわ。
そうしましょう。
「それにしてもミラーシア湖か。その小娘が爵位を剥奪されたあと、ランザがこの地を治めるべきだと思うがお前はどう思う?」
「そうですわね。私もそれが相応しいと思います。この広大なミラーシア湖を好きなように開発できるのですもの、遊ばせておくのはもったいないですわ」
「そうだろうそうだろう。田舎娘にはそれがわからぬと見える」
「ええ。礼儀もわきまえぬ田舎娘ですわ」
「やはりミラーシア湖はランザが治めるべきだな。田舎娘の爵位剥奪とあわせて女王にもの申そう」
「あら、伯父様。女王陛下にもの申すだなんて不敬ですわ」
「構わないさ。親の病気で若くして女王を継ぎ、まともに政治を理解していない小娘などに敬意を払う必要などない!」
伯父様ったら本当に豪胆ですこと。
でも頼もしいですわ。
私もミラーシア湖を引き継げるように家臣団をいまから考えておかないと。
「それにしても……奥に行くほど森が暗くなっていくな? ミラーシア湖の森とはこのような森だったか?」
今日踏み込んだミラーシア湖の森は、奥に行くほど木々がうっそうと多いしげり空が見えず太陽の光も遮られてしまうような深い森になっているわ。
このような森がミラーシア湖一帯にあっただなんて聞いた事がないのだけど、なにかがおかしい気がするわね。
「い、いえ。私もこのような森だったとは思いません」
「……ここは一度引き返して出直すべきか」
「そ、そうですわね。そういたしましょう」
「かしこまり……ぐぎゃぁあ!?」
「なんだ!?」
「なに!? なんなの!?」
私たちが恐ろしくなり道を引き返そうと後ろを振り向いた瞬間、それは牙を剥いてきた。
付き従っていた従者のひとりが何者かによって絞め殺されてしまったのだ。
何者か、というのは姿形が一切見えないということ。
魔力も何も感じないのに、その従者は血まみれになって引きちぎられていた。
なんと無残な……。
「ひ、ひぃぃぃい!」
「い、いやぁぁ!」
「お、おい、儂をおいて逃げ出すな!」
「あ、伯父様!」
私たち一行は恐怖に駆られて皆バラバラに逃げ出してしまった。
それに釣られて伯父様まで走り去ってしまう。
私は周囲の様子をうかがうため、この場にひとり残ったけれど、正しい判断だったのかしら?
周囲は霧に覆われて何も……霧?
霧なんていつの間に出ていたの?
『ほう。お前は逃げ出さなかったのか』
「誰!?」
『私は水龍。この湖の管理者であり守護者でもある』
「な、なぜそのようなお方が?」
『決まっている。私の領地を土足で踏み荒らす不届き者を成敗しに来たのだ』
「領地を荒らす不届き者?」
『アウラとの話し合いでお互いの暮らす範囲は決まった。範囲を変える場合は話し合いで決める事になっている。それに、迷い込んだだけであればこのような森の深くまでは来ない。すぐ出でられるような仕掛けを施してあるからな』
「あ……」
『さて、話はわかったな。他の者どもの始末も残っている。では、さらばだ』
「ま、お待ちくだ」
********************
***アウラ
ある日の昼下がり、水龍がやってきた。
いつも通り野菜を食べに来たのかなと思ったけどあたしに用事らしいんだよね。
何かあったのかな?
『アウラ、侵入者どもを始末したがどうする?』
「侵入者ども? 何かあったの?」
『アウラとの間で決めてあった境界線を乗り越えてきた者どもがいた。自らの意思で奥に奥にと進むため侵入者と判断し、私が始末したのだ。其奴らの遺品を持って来ているがどうする?』
いや、遺品って……。
そんな物もらっても困るんだけどなぁ。
でも、勝手に入り込んだ連中の不始末をとるのがヒト側の管理者であるあたしの仕事か。
「とりあえず、庭に置いていって。あとで検分するから」
『わかった。私は野菜をもらったら帰る事にする。ではな』
あ、結局野菜は食べていくんだ。
それで、遺品とやらを調べたらどうやら貴族の持ち物らしい。
こういう物に詳しいフェデラーによると、どこぞの侯爵とシャムネ伯爵夫人の物が含まれているらしいね。
あのおばさん、忠告を無視して入り込んだのか。
フェデラーに相談したらひとまず女王陛下に相談した方がいいと言う事なので、女王陛下に会いに行く事にした。
余計な仕事を増やしてくれて……最期まで邪魔をしてくれる迷惑な人だったね。
「おい、ランザよ。去年まではここもこのように薄暗い森ではなかったはずだが?」
今日は侯爵家当主に当たる伯父様をお招きしてのミラーシア湖保養会だ。
でも、初めから行く先を遮る木々に邪魔されてまともに進めやしない。
一体どういうことなのかしら?
「そ、そうですわね、伯父様。どうなっているのでしょう?」
「侯爵閣下、王家からアウラとかいう小娘に管理が移ったせいで細かいところの整備が行き届いていないのでしょう。気にせず進みましょう」
「う、うむ。しかし、魔導車が使えないというのも不便だな」
「申し訳ございません。魔導車を使うにはレイキの街が邪魔でして……」
「レイキか。余所の国から来た浅ましい身分の小娘が建てた街なのだろう? この保養が終わったらすぐにでも中央に申し立てて爵位を取り消してもらわねばな」
「さすがですわ、伯父様。あの小生意気な小娘がいなくなるとはこの上ない喜びでございます」
「うむうむ。名誉ある我が一族に楯突く愚か者には鉄槌を下さねば」
本当ですわ。
まったく、同じ伯爵位だからといい私を長々と待たせて詫びのひとつもしないだなんて。
憎たらしいったらありゃしない。
あんな小娘、爵位を剥奪されたあとは子飼いの商人に言って奴隷落ちさせようかしら。
そうね、それがいいわ。
そうしましょう。
「それにしてもミラーシア湖か。その小娘が爵位を剥奪されたあと、ランザがこの地を治めるべきだと思うがお前はどう思う?」
「そうですわね。私もそれが相応しいと思います。この広大なミラーシア湖を好きなように開発できるのですもの、遊ばせておくのはもったいないですわ」
「そうだろうそうだろう。田舎娘にはそれがわからぬと見える」
「ええ。礼儀もわきまえぬ田舎娘ですわ」
「やはりミラーシア湖はランザが治めるべきだな。田舎娘の爵位剥奪とあわせて女王にもの申そう」
「あら、伯父様。女王陛下にもの申すだなんて不敬ですわ」
「構わないさ。親の病気で若くして女王を継ぎ、まともに政治を理解していない小娘などに敬意を払う必要などない!」
伯父様ったら本当に豪胆ですこと。
でも頼もしいですわ。
私もミラーシア湖を引き継げるように家臣団をいまから考えておかないと。
「それにしても……奥に行くほど森が暗くなっていくな? ミラーシア湖の森とはこのような森だったか?」
今日踏み込んだミラーシア湖の森は、奥に行くほど木々がうっそうと多いしげり空が見えず太陽の光も遮られてしまうような深い森になっているわ。
このような森がミラーシア湖一帯にあっただなんて聞いた事がないのだけど、なにかがおかしい気がするわね。
「い、いえ。私もこのような森だったとは思いません」
「……ここは一度引き返して出直すべきか」
「そ、そうですわね。そういたしましょう」
「かしこまり……ぐぎゃぁあ!?」
「なんだ!?」
「なに!? なんなの!?」
私たちが恐ろしくなり道を引き返そうと後ろを振り向いた瞬間、それは牙を剥いてきた。
付き従っていた従者のひとりが何者かによって絞め殺されてしまったのだ。
何者か、というのは姿形が一切見えないということ。
魔力も何も感じないのに、その従者は血まみれになって引きちぎられていた。
なんと無残な……。
「ひ、ひぃぃぃい!」
「い、いやぁぁ!」
「お、おい、儂をおいて逃げ出すな!」
「あ、伯父様!」
私たち一行は恐怖に駆られて皆バラバラに逃げ出してしまった。
それに釣られて伯父様まで走り去ってしまう。
私は周囲の様子をうかがうため、この場にひとり残ったけれど、正しい判断だったのかしら?
周囲は霧に覆われて何も……霧?
霧なんていつの間に出ていたの?
『ほう。お前は逃げ出さなかったのか』
「誰!?」
『私は水龍。この湖の管理者であり守護者でもある』
「な、なぜそのようなお方が?」
『決まっている。私の領地を土足で踏み荒らす不届き者を成敗しに来たのだ』
「領地を荒らす不届き者?」
『アウラとの話し合いでお互いの暮らす範囲は決まった。範囲を変える場合は話し合いで決める事になっている。それに、迷い込んだだけであればこのような森の深くまでは来ない。すぐ出でられるような仕掛けを施してあるからな』
「あ……」
『さて、話はわかったな。他の者どもの始末も残っている。では、さらばだ』
「ま、お待ちくだ」
********************
***アウラ
ある日の昼下がり、水龍がやってきた。
いつも通り野菜を食べに来たのかなと思ったけどあたしに用事らしいんだよね。
何かあったのかな?
『アウラ、侵入者どもを始末したがどうする?』
「侵入者ども? 何かあったの?」
『アウラとの間で決めてあった境界線を乗り越えてきた者どもがいた。自らの意思で奥に奥にと進むため侵入者と判断し、私が始末したのだ。其奴らの遺品を持って来ているがどうする?』
いや、遺品って……。
そんな物もらっても困るんだけどなぁ。
でも、勝手に入り込んだ連中の不始末をとるのがヒト側の管理者であるあたしの仕事か。
「とりあえず、庭に置いていって。あとで検分するから」
『わかった。私は野菜をもらったら帰る事にする。ではな』
あ、結局野菜は食べていくんだ。
それで、遺品とやらを調べたらどうやら貴族の持ち物らしい。
こういう物に詳しいフェデラーによると、どこぞの侯爵とシャムネ伯爵夫人の物が含まれているらしいね。
あのおばさん、忠告を無視して入り込んだのか。
フェデラーに相談したらひとまず女王陛下に相談した方がいいと言う事なので、女王陛下に会いに行く事にした。
余計な仕事を増やしてくれて……最期まで邪魔をしてくれる迷惑な人だったね。
0
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる