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第3部 アウラ領、開発中 第2章 ミラーシア湖観光と新しい街
67. 事後処理
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水龍から侵入者の遺品をもらった翌日、王宮を訪ねた。
遺品の持ち主をはっきりさせるためだ。
エリスにも手伝ってもらっていろいろとやっているけど、数が多いから並べるだけでも大変だよ。
「それにしても本当に数が多いですね、アウラ様。これって何人分くらいなのでしょう?」
「水龍は何人とも言ってなかったからそんなに人数はいないと思うんだ。護衛の騎士なんかが持つ武器は異様に少ないし」
「なるほど。では、ほとんどの持ち主が特定の貴族というわけですか」
ふたりで様々な遺品を並べてから鑑定士の人たちに調べてもらう。
鑑定士の方もこの多さにはビックリしたみたい。
何名分かをあたしたちに聞いてきた程だからね。
あたしも詳しい事は知らないからわからないと正直に答えたけどさ。
すると鑑定士の人は呆れた顔をしていた。
あたしになのか、この遺品の持ち主になのかは知らない。
何はともあれ鑑定をしてもらうといわく付きの品々がうじゃうじゃ出てくる。
何十年も前に地方の博物館から盗み出された宝石を使った指輪や、首飾りなどのアクセサリー、強盗団に奪われたはずの名のある商会が持っていたアクセサリーなどこんなところにあってはいけないはずの品々がたくさん出てくるよ。
鑑定士の人たちもだんだん自信がなくなってきたようだし、本当に最期まで余計な事をしてくれるおばさんなんだから!
ともかく、あってはいけない品々が多数出てくるため、急いで女王陛下へと報告する事になった。
女王陛下もこんな話聞きたくないだろうなぁ。
「ふぅ。かつて博物館などから盗まれた宝飾品を使ったアクセサリーに、強盗団が奪ったはずのアクセサリーね……」
女王陛下もやっぱり疲れた顔をした。
そりゃ遺品を持って来ただけなのに、盗賊団のアジトからお宝を持ち出してきた、みたいな話になっているんだから頭が痛いだろうな。
「お母様。どうなさいますか?」
「どうって……ねえ? 持ち主がわかるものは持ち主に返すし、わからないものは国で継承できる者がいないか探してみないといけないでしょうね」
「それはつまり……」
「今回の持ち物は盗賊団のアジトから持ち出されたものとするわ」
「やっぱりそうなりますか……」
「まあ、そういうわけだから、アウラ名誉伯爵も盗賊退治の功労者として名を連ねてもらうわよ」
「はい。わかりました」
そんな気がしていたんだ。
遺品を届けたときから……。
「ですが、お母様。遺品の中には貴族家関係者である事を示す物も多数あります。そちらはどうしましょう?」
「そちらは女王として監察官を派遣して調べさせるわ。罪の内容によって処罰の内容を決めましょう」
今回の遺品だけじゃつながりは見えないものね。
そういうわけで、後日入った女王陛下直々の検査により、どこぞの侯爵家が潰されたらしい。
一族揃って罪を犯していたために減刑の余地がなかったんだって。
一方、シャムネ伯爵にも監査が入ったが、こちらはある程度の罰金で済んだ模様。
ある程度と言ってもかなり莫大な物らしいけど、そこまで詳しくはない。
その夫人がいろいろと悪事に手を染めていたみたいだね。
夫の方は罪を犯していなかったのでおとがめなしだった。
子供たちもシャムネ夫人の悪事には荷担していなかったという事でおとがめなし。
隣の領地としては大きな政変が起こらなくてよかったというところだね。
ただ、罰金を支払った結果、家にはお金がなくなったと聞くし、これからが大変そう。
あたしにはがんばって、としか言えないけれど、お隣として潰れてほしくはないかな?
潰れたらこっちの領政にも影響が出るだろうからね。
遺品の持ち主をはっきりさせるためだ。
エリスにも手伝ってもらっていろいろとやっているけど、数が多いから並べるだけでも大変だよ。
「それにしても本当に数が多いですね、アウラ様。これって何人分くらいなのでしょう?」
「水龍は何人とも言ってなかったからそんなに人数はいないと思うんだ。護衛の騎士なんかが持つ武器は異様に少ないし」
「なるほど。では、ほとんどの持ち主が特定の貴族というわけですか」
ふたりで様々な遺品を並べてから鑑定士の人たちに調べてもらう。
鑑定士の方もこの多さにはビックリしたみたい。
何名分かをあたしたちに聞いてきた程だからね。
あたしも詳しい事は知らないからわからないと正直に答えたけどさ。
すると鑑定士の人は呆れた顔をしていた。
あたしになのか、この遺品の持ち主になのかは知らない。
何はともあれ鑑定をしてもらうといわく付きの品々がうじゃうじゃ出てくる。
何十年も前に地方の博物館から盗み出された宝石を使った指輪や、首飾りなどのアクセサリー、強盗団に奪われたはずの名のある商会が持っていたアクセサリーなどこんなところにあってはいけないはずの品々がたくさん出てくるよ。
鑑定士の人たちもだんだん自信がなくなってきたようだし、本当に最期まで余計な事をしてくれるおばさんなんだから!
ともかく、あってはいけない品々が多数出てくるため、急いで女王陛下へと報告する事になった。
女王陛下もこんな話聞きたくないだろうなぁ。
「ふぅ。かつて博物館などから盗まれた宝飾品を使ったアクセサリーに、強盗団が奪ったはずのアクセサリーね……」
女王陛下もやっぱり疲れた顔をした。
そりゃ遺品を持って来ただけなのに、盗賊団のアジトからお宝を持ち出してきた、みたいな話になっているんだから頭が痛いだろうな。
「お母様。どうなさいますか?」
「どうって……ねえ? 持ち主がわかるものは持ち主に返すし、わからないものは国で継承できる者がいないか探してみないといけないでしょうね」
「それはつまり……」
「今回の持ち物は盗賊団のアジトから持ち出されたものとするわ」
「やっぱりそうなりますか……」
「まあ、そういうわけだから、アウラ名誉伯爵も盗賊退治の功労者として名を連ねてもらうわよ」
「はい。わかりました」
そんな気がしていたんだ。
遺品を届けたときから……。
「ですが、お母様。遺品の中には貴族家関係者である事を示す物も多数あります。そちらはどうしましょう?」
「そちらは女王として監察官を派遣して調べさせるわ。罪の内容によって処罰の内容を決めましょう」
今回の遺品だけじゃつながりは見えないものね。
そういうわけで、後日入った女王陛下直々の検査により、どこぞの侯爵家が潰されたらしい。
一族揃って罪を犯していたために減刑の余地がなかったんだって。
一方、シャムネ伯爵にも監査が入ったが、こちらはある程度の罰金で済んだ模様。
ある程度と言ってもかなり莫大な物らしいけど、そこまで詳しくはない。
その夫人がいろいろと悪事に手を染めていたみたいだね。
夫の方は罪を犯していなかったのでおとがめなしだった。
子供たちもシャムネ夫人の悪事には荷担していなかったという事でおとがめなし。
隣の領地としては大きな政変が起こらなくてよかったというところだね。
ただ、罰金を支払った結果、家にはお金がなくなったと聞くし、これからが大変そう。
あたしにはがんばって、としか言えないけれど、お隣として潰れてほしくはないかな?
潰れたらこっちの領政にも影響が出るだろうからね。
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