異世界に無一文投下!?鑑定士ナギの至福拠点作り

花垣 雷

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出会い

傷だらけの

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茂みをかき分けると、そこには一匹の大きな「銀色の毛並みの狼」が横たわっていました。しかし、その体は無数の矢傷と、魔術によるものと思われる深い裂傷でボロボロです。

「銀狼……? まさか、あの傭兵団の刺客!?」

エリスが反射的に剣を抜こうとしますが、あなたはそれを手で制しました。

「待って。これは魔物じゃなくて、普通の……いや、少し知性を感じる動物だ。それに、この傷は放置すればあと数分で命が尽きる」

あなたは狼の瞳を見つめました。その瞳には敵意よりも、何かを耐え忍ぶような、気高い光が宿っていました。

救済と等価交換

あなたは周囲の折れた枝や石ころをかき集め、右手の紋章を輝かせます。(一応外では詠唱をします。誰が見ているか分かりませんからね。)

「…理を書き換える。傷を塞ぎ、毒を浄化せよ」

【システムログ:等価交換】

対価: 森の有機物(腐葉土・枯れ枝)
生成: 『高密度再生軟膏』および『超回復活性液』

生成した薬を狼の傷口に塗り込み、口に流し込みます。すると、見る間に傷が塞がり、狼の荒かった呼吸が穏やかになっていきました。

「……ナギ、本当にあんたって人は。相手が狼でも助けちゃうのね」

エリスは呆れ顔ですが、その目は優しく笑っています。
しかし、狼がゆっくりと立ち上がったその時、森の奥から冷酷な笑い声が響きました。(詠唱してて良かったね。)

「…ほう。まさか、我らの『獲物』を勝手に治療するお節介焼きがいるとはな。なぁ…脱走兵のエリス、それに、得体の知れない鑑定士殿。」

木々の間から現れたのは、あの屋根の上で見た「銀狼」の紋章を纏った男たちでした。彼らは手に、狼を捕らえるための魔導の鎖を持っています。

対峙:銀狼傭兵団

「その狼は、我らが団長が目をつけた特殊な個体だァ~。そいつを渡せば、エリスの首だけで勘弁してやってもいいぞ?」

男たちの殺気が森の空気を震わせます。エリスが剣を構え、狼もまた、あなたの足元で低く唸っています。

「待ってくれ、少し話そう」

話し合えそうにない相手でしたが、あなたは話し合いで解決しようと提案した。しかし、そんなに上手くいくはずもなく、傭兵団はゲラゲラと笑って唾を吐き捨てた。

「…交渉は決裂、というわけか。残念だよ」

ナギは静かに、しかし冷徹な声で告げました。彼らの前では、傷の癒えた銀狼が毛を逆立て、地を揺らすような低いうなり声を上げています。

「おいおい、そんなハッタリが通じると―」

傭兵が鼻で笑おうとした瞬間、ナギが右手の紋章を解放しました。

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