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第3章:春の予感
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テーブルを拭いて回り、立て看板も雑巾で拭く。
たった一日外にあるだけで、立て看板は驚くほど汚れていた。
――都会の空気って、汚れてるのね。
床をモップがけし、水回りも清掃していく。
その頃には拓海も仕込みを終え、カウンターで帳簿をつけていた。
拓海が帳簿を付けながら告げる。
「やっぱり二人がかりだと早いね。
この分なら八時過ぎには帰れそうだ」
真理はニコリと微笑んで告げる。
「そうでしょ? 今度からも手伝ってあげる」
拓海が電卓を叩きながら唸った。
「う~ん、残業時間もなんとか収まるかな。
じゃあお願いするよ、村上さん」
真理がきょとんとした顔で尋ねる。
「収まるって、どういうこと?」
「残業時間って、上限があるからね。
それ以上働かせると法律違反になっちゃうから」
真理が小さく息をついた。
「前職じゃ『朝早くから終電まで』なんて当たり前だったわ。
それに比べたら、全然ぬるいわよ」
「どんな職場に居たの……」
「出版業よ。これでも編集者だったの。
まぁ会社が潰れちゃったんだけどさ」
拓海がフッと笑った。
「潰れたのが君じゃなくて良かったよ。
若いからって無理すると、親父みたいに体を壊す。
過信はしない方が良いよ」
「それ、マスターが言えたセリフ~?!」
少しの間小さく笑いあったあと、二人は仕事の手を再開した。
八時を五分過ぎた頃、拓海が帳簿を閉じて告げる。
「こっちは終わったよ。そっちは?」
「私ももうおしまい。
それじゃあ十時にマスターの家の前に集合?」
「そうだね、そうしようか。
――じゃあ、お店を閉めるよ」
二人で店を出て、拓海が施錠をする。
真理と拓海がエレベーターに乗りこみ、上へと昇っていく。
四階に着くと拓海が「じゃ、あとで」と手を振って降りた。
真理はこのあとのことを楽しみにしながら、五階にある自宅へと戻った。
****
真理はシャワーを浴びてから服を着替え、時計を見上げた。
午後九時半を回ってる。
――ちょっと早いけど、行ってもいいかな?
カードキーをだけを手に、真理はローファーを履いて玄関を出た。
四階に降りた真理は、マスターの部屋に辿り着いていた。
まだ他の参加メンバーは着て居ないらしい。
どうしようかと迷った末に、インターホンを押す。
『――はい、直也か?』
「あ、村上だけど。
ごめんね、ちょっと早かったかな」
『え?! 待って、すぐ開けるから!』
インターホンが切れ、少ししてロックが外れ、ゆっくりとドアが開いた。
「どうしたの? もっとゆっくりでも大丈夫だよ?」
驚いた様子の巧みに、真理ははにかみながら応える。
「ちょっと時間が余っちゃって。
それなら先に来ちゃおうかなって」
拓海がニコリと微笑んだ。
「そう、なら早く入って。
すぐに直也たちもくるはずだから」
拓海に招き入れられ、おずおずと真理は玄関に足を踏み入れる。
前回は酔っていてよく覚えていなかったが、きちんと靴もそろえられている。
清潔感のあるエントランスから廊下に上がり、リビングに入る。
「好きな所に座って。
先に飲む?」
「それは乾杯まで待ちましょうよ。
すぐに他の人も来るんでしょ?
誰が来るの?」
「直也とルームパートナーの厚樹。
あとは佐藤さんと吉田さんかな、たぶん」
真理はきょとんとした顔で拓海に尋ねる。
「女性もくるの?」
拓海がうなずいて応える。
「『あやかし』仲間なんだ、僕ら。
その縁で飲むようになってさ。
『僕の部屋は広いから』って、よくたまり場になってる」
「どういう人たち?」
「直也はわかるよね? あいつはジムのインストラクターだよ。
厚樹はサラリーマン、会社勤めだね。
佐藤さんはライター業って聞いてる。
吉田さんは漫画家だったかな」
なんとも多彩な顔ぶれだ。
これに喫茶店マスターの拓海。
元出版業の真理が加わる。
どんな飲み会になるのか、予想がつかなかった。
拓海のスマホが着信音を慣らし、画面を確認した拓海が玄関に向かう。
「もう家の前だって。行ってくるね」
その背中を見送りながら、真理はどんな人間が飛び出てくるのか期待と不安を胸にしていた。
****
直也の豪快な笑い声が部屋に木霊する。
「今日は村上さんの歓迎会、ジャンジャン飲もう!」
綾女があきれたように直也に告げる。
「その前に、自己紹介くらいしたらどう?」
拓海が苦笑を浮かべながら一人ずつ手で示していく。
「村上さん、直也と佐藤さんはわかるよね。
直也の隣に居るのが厚樹だ」
ひょろっとした頼りない眼鏡の男性が、ぺこりと真理にお辞儀した。
「松島厚樹です。システムエンジニアをしてます」
真理は「どうも」、と会釈を返す。
「佐藤さんの隣が吉田さんだよ」
やや小柄で豊かな体型の女性が小さく会釈した。
「吉田瞳です……いちおう、漫画家です」
拓海が最後に真理を手で示した。
「こっちが村上真理さん、うちの店の従業員だ」
真理も全員に向かって会釈をする。
「村上真理です、よろしく」
大きな声で直也が告げる。
「全員、酒は持ったな?! それじゃあ――乾杯!」
「乾杯!」
互いが缶ビールを打ち合わせ、一気に喉に流し込む。
真理は場に居る皆に向かって尋ねる。
「みなさん『あやかし』混じりと聞きましたけど、どういう『あやかし』なんですか?」
綾女が応える。
「私は河童よ?」
――河童。お皿はどこにあるの?
思わず綾女の頭頂部を見てしまう真理に、綾女がクスリと笑った。
「もう血が薄いから、河童らしい特徴は残ってないの」
厚樹がぽつりと告げる。
「僕は貧乏神です」
――貧乏神って?!
思わず一歩後ずさる真理に、周囲が楽し気な笑い声をあげた。
拓海が真理に告げる。
「そんなに怖がらないで大丈夫。
厚樹も血が薄いから、自分がちょっと不運な程度の影響しかないんだ」
瞳がおずおずと告げる。
「……雪女、らしいです」
真理が思わずこぼす。
「らしいって……どういうこと?」
拓海が真理に告げる。
「僕と同じで、『遠い先祖がそうだった』って聞いてるぐらいなんだ。
僕は『何者だったか』すら失伝してるけどね」
直也が最後に大声を上げる。
「俺は鬼だ! そう聞いている!」
「あー」
思わず納得の声を真理は上げていた。
見るからにガタイの良い直也は、鬼と言われても納得感しかない。
真理は四人を見比べながら告げる。
「この四人は、結局どういう関係で知り合ったの?」
「それぞれがルームパートナーなんだよ。
直也と厚樹、佐藤さんと吉田さん。
それで飲み会に誘われて、いつもは五人で飲んでたかな」
綾女がニコリと微笑んで告げる。
「良かったじゃない、拓海さん。
これであぶれずに済んだわよ?」
真理がきょとんとアヤメを見る。
「あぶれるって、なんであぶれるの?」
クスリと笑みをこぼして綾女が応える。
「私たち、ついルームパートナーと組んで飲んじゃうの。
だから飲み会の間、拓海さんは暇そうだったわ。
村上さんが居るから、これからは大丈夫そうね」
――それでこの席順なの?!
ルームパートナー同士が隣り合った結果、真理は拓海の隣に座らされていた。
正直、少しいたたまれない気持ちを否定できない。
真理は落ち着かない気分をビールで誤魔化しながら告げる。
「それで、食べ物はないのかしら?」
直也が大きな袋を漁りながら、テーブルの上に広げていく。
「あるぞ! 酒のつまみと――ああ拓海、総菜をあっためてくれ」
いくつかのコンビニ総菜を手渡された拓海が立ち上がり、電子レンジに向かった。
その背中を見やる真理に、瞳が告げる。
「村上さんは……なんで拓海さんの店に?」
「――え? ああ、失業していた時、たまたま喫茶店に入ったの。
そしたら従業員募集の広告を見て、それで」
厚樹が涙を流しながら告げる。
「世知辛い世の中ですよねぇ!」
――なんで泣いてるの、この人?!
おいおいと泣き出した厚樹の肩を、笑いながら直也が叩いていた。
「こいつは泣き上戸でな?
いつものことだから気にしないでくれ!」
乾杯から缶ビール一本も空けていない。
それで泣き出すとは、相当に酒に弱いのだろう。
拓海が温まった総菜と小皿をテーブルに広げ、真理の隣に腰を下ろす。
「ちょっと癖が強い連中だけど、すぐに慣れるよ」
「はぁ……」
真理は困惑しながら、肉野菜炒めに箸を伸ばした。
たった一日外にあるだけで、立て看板は驚くほど汚れていた。
――都会の空気って、汚れてるのね。
床をモップがけし、水回りも清掃していく。
その頃には拓海も仕込みを終え、カウンターで帳簿をつけていた。
拓海が帳簿を付けながら告げる。
「やっぱり二人がかりだと早いね。
この分なら八時過ぎには帰れそうだ」
真理はニコリと微笑んで告げる。
「そうでしょ? 今度からも手伝ってあげる」
拓海が電卓を叩きながら唸った。
「う~ん、残業時間もなんとか収まるかな。
じゃあお願いするよ、村上さん」
真理がきょとんとした顔で尋ねる。
「収まるって、どういうこと?」
「残業時間って、上限があるからね。
それ以上働かせると法律違反になっちゃうから」
真理が小さく息をついた。
「前職じゃ『朝早くから終電まで』なんて当たり前だったわ。
それに比べたら、全然ぬるいわよ」
「どんな職場に居たの……」
「出版業よ。これでも編集者だったの。
まぁ会社が潰れちゃったんだけどさ」
拓海がフッと笑った。
「潰れたのが君じゃなくて良かったよ。
若いからって無理すると、親父みたいに体を壊す。
過信はしない方が良いよ」
「それ、マスターが言えたセリフ~?!」
少しの間小さく笑いあったあと、二人は仕事の手を再開した。
八時を五分過ぎた頃、拓海が帳簿を閉じて告げる。
「こっちは終わったよ。そっちは?」
「私ももうおしまい。
それじゃあ十時にマスターの家の前に集合?」
「そうだね、そうしようか。
――じゃあ、お店を閉めるよ」
二人で店を出て、拓海が施錠をする。
真理と拓海がエレベーターに乗りこみ、上へと昇っていく。
四階に着くと拓海が「じゃ、あとで」と手を振って降りた。
真理はこのあとのことを楽しみにしながら、五階にある自宅へと戻った。
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真理はシャワーを浴びてから服を着替え、時計を見上げた。
午後九時半を回ってる。
――ちょっと早いけど、行ってもいいかな?
カードキーをだけを手に、真理はローファーを履いて玄関を出た。
四階に降りた真理は、マスターの部屋に辿り着いていた。
まだ他の参加メンバーは着て居ないらしい。
どうしようかと迷った末に、インターホンを押す。
『――はい、直也か?』
「あ、村上だけど。
ごめんね、ちょっと早かったかな」
『え?! 待って、すぐ開けるから!』
インターホンが切れ、少ししてロックが外れ、ゆっくりとドアが開いた。
「どうしたの? もっとゆっくりでも大丈夫だよ?」
驚いた様子の巧みに、真理ははにかみながら応える。
「ちょっと時間が余っちゃって。
それなら先に来ちゃおうかなって」
拓海がニコリと微笑んだ。
「そう、なら早く入って。
すぐに直也たちもくるはずだから」
拓海に招き入れられ、おずおずと真理は玄関に足を踏み入れる。
前回は酔っていてよく覚えていなかったが、きちんと靴もそろえられている。
清潔感のあるエントランスから廊下に上がり、リビングに入る。
「好きな所に座って。
先に飲む?」
「それは乾杯まで待ちましょうよ。
すぐに他の人も来るんでしょ?
誰が来るの?」
「直也とルームパートナーの厚樹。
あとは佐藤さんと吉田さんかな、たぶん」
真理はきょとんとした顔で拓海に尋ねる。
「女性もくるの?」
拓海がうなずいて応える。
「『あやかし』仲間なんだ、僕ら。
その縁で飲むようになってさ。
『僕の部屋は広いから』って、よくたまり場になってる」
「どういう人たち?」
「直也はわかるよね? あいつはジムのインストラクターだよ。
厚樹はサラリーマン、会社勤めだね。
佐藤さんはライター業って聞いてる。
吉田さんは漫画家だったかな」
なんとも多彩な顔ぶれだ。
これに喫茶店マスターの拓海。
元出版業の真理が加わる。
どんな飲み会になるのか、予想がつかなかった。
拓海のスマホが着信音を慣らし、画面を確認した拓海が玄関に向かう。
「もう家の前だって。行ってくるね」
その背中を見送りながら、真理はどんな人間が飛び出てくるのか期待と不安を胸にしていた。
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直也の豪快な笑い声が部屋に木霊する。
「今日は村上さんの歓迎会、ジャンジャン飲もう!」
綾女があきれたように直也に告げる。
「その前に、自己紹介くらいしたらどう?」
拓海が苦笑を浮かべながら一人ずつ手で示していく。
「村上さん、直也と佐藤さんはわかるよね。
直也の隣に居るのが厚樹だ」
ひょろっとした頼りない眼鏡の男性が、ぺこりと真理にお辞儀した。
「松島厚樹です。システムエンジニアをしてます」
真理は「どうも」、と会釈を返す。
「佐藤さんの隣が吉田さんだよ」
やや小柄で豊かな体型の女性が小さく会釈した。
「吉田瞳です……いちおう、漫画家です」
拓海が最後に真理を手で示した。
「こっちが村上真理さん、うちの店の従業員だ」
真理も全員に向かって会釈をする。
「村上真理です、よろしく」
大きな声で直也が告げる。
「全員、酒は持ったな?! それじゃあ――乾杯!」
「乾杯!」
互いが缶ビールを打ち合わせ、一気に喉に流し込む。
真理は場に居る皆に向かって尋ねる。
「みなさん『あやかし』混じりと聞きましたけど、どういう『あやかし』なんですか?」
綾女が応える。
「私は河童よ?」
――河童。お皿はどこにあるの?
思わず綾女の頭頂部を見てしまう真理に、綾女がクスリと笑った。
「もう血が薄いから、河童らしい特徴は残ってないの」
厚樹がぽつりと告げる。
「僕は貧乏神です」
――貧乏神って?!
思わず一歩後ずさる真理に、周囲が楽し気な笑い声をあげた。
拓海が真理に告げる。
「そんなに怖がらないで大丈夫。
厚樹も血が薄いから、自分がちょっと不運な程度の影響しかないんだ」
瞳がおずおずと告げる。
「……雪女、らしいです」
真理が思わずこぼす。
「らしいって……どういうこと?」
拓海が真理に告げる。
「僕と同じで、『遠い先祖がそうだった』って聞いてるぐらいなんだ。
僕は『何者だったか』すら失伝してるけどね」
直也が最後に大声を上げる。
「俺は鬼だ! そう聞いている!」
「あー」
思わず納得の声を真理は上げていた。
見るからにガタイの良い直也は、鬼と言われても納得感しかない。
真理は四人を見比べながら告げる。
「この四人は、結局どういう関係で知り合ったの?」
「それぞれがルームパートナーなんだよ。
直也と厚樹、佐藤さんと吉田さん。
それで飲み会に誘われて、いつもは五人で飲んでたかな」
綾女がニコリと微笑んで告げる。
「良かったじゃない、拓海さん。
これであぶれずに済んだわよ?」
真理がきょとんとアヤメを見る。
「あぶれるって、なんであぶれるの?」
クスリと笑みをこぼして綾女が応える。
「私たち、ついルームパートナーと組んで飲んじゃうの。
だから飲み会の間、拓海さんは暇そうだったわ。
村上さんが居るから、これからは大丈夫そうね」
――それでこの席順なの?!
ルームパートナー同士が隣り合った結果、真理は拓海の隣に座らされていた。
正直、少しいたたまれない気持ちを否定できない。
真理は落ち着かない気分をビールで誤魔化しながら告げる。
「それで、食べ物はないのかしら?」
直也が大きな袋を漁りながら、テーブルの上に広げていく。
「あるぞ! 酒のつまみと――ああ拓海、総菜をあっためてくれ」
いくつかのコンビニ総菜を手渡された拓海が立ち上がり、電子レンジに向かった。
その背中を見やる真理に、瞳が告げる。
「村上さんは……なんで拓海さんの店に?」
「――え? ああ、失業していた時、たまたま喫茶店に入ったの。
そしたら従業員募集の広告を見て、それで」
厚樹が涙を流しながら告げる。
「世知辛い世の中ですよねぇ!」
――なんで泣いてるの、この人?!
おいおいと泣き出した厚樹の肩を、笑いながら直也が叩いていた。
「こいつは泣き上戸でな?
いつものことだから気にしないでくれ!」
乾杯から缶ビール一本も空けていない。
それで泣き出すとは、相当に酒に弱いのだろう。
拓海が温まった総菜と小皿をテーブルに広げ、真理の隣に腰を下ろす。
「ちょっと癖が強い連中だけど、すぐに慣れるよ」
「はぁ……」
真理は困惑しながら、肉野菜炒めに箸を伸ばした。
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