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第2章
34.婚約契約書
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俺が私室の執務机に向かって書類を読んでいると、ふらりとアヤメが姿を見せた。
「やっと見つけた! ヴァルター、一緒に寝よう!」
俺は書類から目を上げ、アヤメを見て告げる。
「一緒に? 今までそんなこと言わなかっただろう?」
アヤメが頬を膨らませながら応える。
「もー! ヴァルターもわかってないのー?!
ハクロウゲッカを使って見せたでしょ?
あれは月夜見様がヴァルターを私の夫として認めたってことなの!
夫婦が一緒に寝るのは、当たり前でしょ!」
どういう理屈だよ……。
俺は膝の上に乗っかってくるアヤメに告げる。
「キューブはどうだった? 仲良くできそうか?」
「大丈夫だと思うよ? ちゃんと逆らわないように言っておいたし!」
あいつほど頭が回って気が利くなら、アヤメのコントロールもなんとかなると思うんだが。
アヤメが、俺が手に持つ書類を見て告げる。
「こんな夜に何を見てたの? ……『婚約契約書』? 私との?」
「ああそうだ。せっかくセイランオウが来てるんだ。
合意が取れたから、明日にでも婚約契約をしちまう。
これで国に帰るまで、嬢ちゃんは『領主の婚約者』という立場で守られる」
アヤメがむくれながら応える。
「帰らないってば! 妻を故郷に送り返す夫がどこにいるの!」
俺はため息をつきながら告げる。
「まだそんなわがままを言ってるのか?
できればセイランオウと一緒に帰国するのがいいんだが、それは嫌なんだろう?」
「そもそも! 私は帰らないの! 大陸でヴァルターの子供を産んで生きていくの!」
俺は書類を執務机に置き、アヤメの肩を抱いて告げる。
「だからな? こんなおっさんと結婚しても、お前の幸福にはならねーんだよ。
お前が国に帰れば、俺は爵位を捨てて傭兵に戻れる。
これだけ盛り返した領地なら、誰が経営しても領民が生活に苦しむこともない。
きちんとセイラン国に帰って、年相応の男と結婚しとけ」
アヤメがふぅ、とため息をついた。
『まだ自覚がないのかえ?
ヴァルターほど妾の夫に相応しき男は、青嵐国にはおらん。
おそらく大陸中を探しても見つかるまい。
少しは己の稀有な才覚を認めよ』
「また母国語でしゃべりやがって……帰るのを嫌がってるのは伝わるがな。
どいつもこいつも、俺を買いかぶり過ぎだ。
俺は王女を妻にするような男じゃねぇ。
第一、お前はこんな土地の領主の妻なんて、我慢ができねぇだろうが」
アヤメが大人びた表情で微笑んだ。
『わからぬという割に、きちんと妾が言うた言葉を理解しているようではないか。
今までの慣れもあろうが、勘だけで青嵐語を理解するのもまた、稀有な才覚じゃろう。
青嵐国の姫を迎えるのに相応しき才覚よ。
なに、隣にヴァルターが居るなら、この地の領主の妻でも我慢してやろう。
港があれば、国外の面白い品々も目にしやすいでな』
「……お前、もしかして『俺と一緒なら我慢できる』って言ったのか?
いつのまに嬢ちゃんまで、そんなべったりと懐くようになったのかねぇ。
嬢ちゃんは自分だけが最高で、他の人間を見下すような奴だろうに」
アヤメが俺の首に腕をかけながら応える。
『やはり、青嵐語を多少は理解しておるな?
キューブも中々の才覚じゃったが、あれはおそらく船で戻ってくる間に勉強した成果。
日常会話だけでそこまで理解するおんしの才覚は、やはり別格じゃの。
青嵐国から必要な品を取り寄せる手筈も整った。
もはや妾がこの地で生きるに、不便はないぞえ?
あとはヴァルターが観念して、妾を妻と認めるだけよ。
……やはり、稚児を作って見せるのが一番かのう?』
俺はアヤメの腕を取って膝に下ろしてやる。
「十歳の子供が、男にしなだれかかるな。仮にも王女だろうが。
それに悪寒が走ったが、もしかして何か悪いことを考えてねぇだろうな?
『既成事実を作ろう』とか考えてるなら諦めろよ? 俺は子供に興味がない。
たとえ嬢ちゃんが裸で目の前に現れても、なにも感じねぇからな?」
アヤメがつまらなそうに唇を尖らせた。
『なんじゃと? 月夜見様の巫女である妾の神聖な身体を見て、何も感じぬと申したか。
なんと無礼な男じゃ。
ありがたく妾の神体を拝みながら、稚児を作ればよい。
なに、どうすれば稚児を授かるかは妾も知らぬが、おんしが知って居よう。
任せる故、好きなようにするがよい』
また何かわけのわからねぇことを考えてるのか?
俺はアヤメを膝の上から下ろして立たせて告げる。
「ともかく、明日までに婚約契約の内容を確認しておかねーといけねぇからな。
嬢ちゃんは部屋に大人しく戻ってろ。
遊び相手なら、フランチェスカやキューブが居るだろ?」
俺は再び机の上の書類を手に取り、目を通していく。
クラウスが用意した契約書だが、あいつはセイラン国やアヤメの事情にそこまで精通してる訳じゃない。
漏れがないか、アヤメの将来に問題を残さないか、入念にチェックしていく。
アヤメはどうやら諦めたのか、俺の膝には戻ってこなかった。
だが気配が部屋から出ていく様子がない――ベッドの辺りでなんかしてやがるな。
まったく、何を考えてるのか分からんお子様だ。
書類を確認し終わり、一息ついて机の上にまとめておく。
これを明日、午前中にセイランオウと打ち合わせをして最終チェックだ。
合意ができたら署名をして、明日からアヤメの身分を保証してやれるようになる。
時計を見ると、もう午後の九時を過ぎていた。そろそろ俺も風呂に入って寝るか。
アヤメは――ベッドの布団がこんもりとふくらんでる。この部屋で寝るつもりなのか?
「何を考えてるか知らんが、寝るなら自分の部屋に戻れよ」
俺は風呂の準備をして、浴室に向かっていった。
****
風呂から上がりベッドを確認する――アヤメは部屋に戻ったか。
俺は水差しからコップに身を注いで飲み干し、一息ついてソファで頭を拭いて居た。
髪が乾いたのを確認してから、ベッドに潜り込んで横になる。
……今日は久しぶりに命の取り合い、魂がひりつく戦いをやれたな。
明日以降も、テッシンに相手をしてもらえればなぁ。
生死がかからない環境に身を置き過ぎると、戦場で生き抜くのが難しくなる。
気を抜くと死ぬ、そんな相手が鍛錬相手なら、丁度いいだろう。
目をつぶり、そんなことを考えていると急に布団の中に気配が現れた――アヤメ?!
「お前、どうやって潜り込んだ?!」
いくら鈍ってるって言っても、部屋の中にアヤメが居れば見逃すわけがねぇんだが?!
布団の中のアヤメは、セイラン国の下着らしい薄着で俺に微笑んでいた。
『なに、巫術で姿を隠していただけじゃ。
こうでもせんと、おんしは妾と同衾すまい?
さぁ、稚児を作ろうではないか』
今、『巫術』って言ったのか。
姿を隠し気配を完全に殺す、そんなこともできるのかよ。油断がならねぇな。
俺の身体にしなだれかかるアヤメを、俺は諦めて片腕で抱えた。
「ああもう! そんなに一緒に寝たいなら好きにしろ!
それで満足なんだろ?!」
俺はアヤメを添い寝させながら、再び目をつぶる。
アヤメの不満気な声が聞こえる。
『なんじゃ、寝てしまうつもりかえ?
稚児を作らぬつもりかえ? それとも、こうして居れば稚児ができるのかえ?
……眠るつもりじゃな? 仕方あるまい、今宵はこれで、我慢してやろうぞ』
言ってることはわからんが、悪寒ばかりが走っていく。
ろくでもないことを考えてるのは確かだ。
ほんとに、このお子様はどうしたもんかね。
俺はアヤメの体温を感じながら、すとんと意識を手放した。
「やっと見つけた! ヴァルター、一緒に寝よう!」
俺は書類から目を上げ、アヤメを見て告げる。
「一緒に? 今までそんなこと言わなかっただろう?」
アヤメが頬を膨らませながら応える。
「もー! ヴァルターもわかってないのー?!
ハクロウゲッカを使って見せたでしょ?
あれは月夜見様がヴァルターを私の夫として認めたってことなの!
夫婦が一緒に寝るのは、当たり前でしょ!」
どういう理屈だよ……。
俺は膝の上に乗っかってくるアヤメに告げる。
「キューブはどうだった? 仲良くできそうか?」
「大丈夫だと思うよ? ちゃんと逆らわないように言っておいたし!」
あいつほど頭が回って気が利くなら、アヤメのコントロールもなんとかなると思うんだが。
アヤメが、俺が手に持つ書類を見て告げる。
「こんな夜に何を見てたの? ……『婚約契約書』? 私との?」
「ああそうだ。せっかくセイランオウが来てるんだ。
合意が取れたから、明日にでも婚約契約をしちまう。
これで国に帰るまで、嬢ちゃんは『領主の婚約者』という立場で守られる」
アヤメがむくれながら応える。
「帰らないってば! 妻を故郷に送り返す夫がどこにいるの!」
俺はため息をつきながら告げる。
「まだそんなわがままを言ってるのか?
できればセイランオウと一緒に帰国するのがいいんだが、それは嫌なんだろう?」
「そもそも! 私は帰らないの! 大陸でヴァルターの子供を産んで生きていくの!」
俺は書類を執務机に置き、アヤメの肩を抱いて告げる。
「だからな? こんなおっさんと結婚しても、お前の幸福にはならねーんだよ。
お前が国に帰れば、俺は爵位を捨てて傭兵に戻れる。
これだけ盛り返した領地なら、誰が経営しても領民が生活に苦しむこともない。
きちんとセイラン国に帰って、年相応の男と結婚しとけ」
アヤメがふぅ、とため息をついた。
『まだ自覚がないのかえ?
ヴァルターほど妾の夫に相応しき男は、青嵐国にはおらん。
おそらく大陸中を探しても見つかるまい。
少しは己の稀有な才覚を認めよ』
「また母国語でしゃべりやがって……帰るのを嫌がってるのは伝わるがな。
どいつもこいつも、俺を買いかぶり過ぎだ。
俺は王女を妻にするような男じゃねぇ。
第一、お前はこんな土地の領主の妻なんて、我慢ができねぇだろうが」
アヤメが大人びた表情で微笑んだ。
『わからぬという割に、きちんと妾が言うた言葉を理解しているようではないか。
今までの慣れもあろうが、勘だけで青嵐語を理解するのもまた、稀有な才覚じゃろう。
青嵐国の姫を迎えるのに相応しき才覚よ。
なに、隣にヴァルターが居るなら、この地の領主の妻でも我慢してやろう。
港があれば、国外の面白い品々も目にしやすいでな』
「……お前、もしかして『俺と一緒なら我慢できる』って言ったのか?
いつのまに嬢ちゃんまで、そんなべったりと懐くようになったのかねぇ。
嬢ちゃんは自分だけが最高で、他の人間を見下すような奴だろうに」
アヤメが俺の首に腕をかけながら応える。
『やはり、青嵐語を多少は理解しておるな?
キューブも中々の才覚じゃったが、あれはおそらく船で戻ってくる間に勉強した成果。
日常会話だけでそこまで理解するおんしの才覚は、やはり別格じゃの。
青嵐国から必要な品を取り寄せる手筈も整った。
もはや妾がこの地で生きるに、不便はないぞえ?
あとはヴァルターが観念して、妾を妻と認めるだけよ。
……やはり、稚児を作って見せるのが一番かのう?』
俺はアヤメの腕を取って膝に下ろしてやる。
「十歳の子供が、男にしなだれかかるな。仮にも王女だろうが。
それに悪寒が走ったが、もしかして何か悪いことを考えてねぇだろうな?
『既成事実を作ろう』とか考えてるなら諦めろよ? 俺は子供に興味がない。
たとえ嬢ちゃんが裸で目の前に現れても、なにも感じねぇからな?」
アヤメがつまらなそうに唇を尖らせた。
『なんじゃと? 月夜見様の巫女である妾の神聖な身体を見て、何も感じぬと申したか。
なんと無礼な男じゃ。
ありがたく妾の神体を拝みながら、稚児を作ればよい。
なに、どうすれば稚児を授かるかは妾も知らぬが、おんしが知って居よう。
任せる故、好きなようにするがよい』
また何かわけのわからねぇことを考えてるのか?
俺はアヤメを膝の上から下ろして立たせて告げる。
「ともかく、明日までに婚約契約の内容を確認しておかねーといけねぇからな。
嬢ちゃんは部屋に大人しく戻ってろ。
遊び相手なら、フランチェスカやキューブが居るだろ?」
俺は再び机の上の書類を手に取り、目を通していく。
クラウスが用意した契約書だが、あいつはセイラン国やアヤメの事情にそこまで精通してる訳じゃない。
漏れがないか、アヤメの将来に問題を残さないか、入念にチェックしていく。
アヤメはどうやら諦めたのか、俺の膝には戻ってこなかった。
だが気配が部屋から出ていく様子がない――ベッドの辺りでなんかしてやがるな。
まったく、何を考えてるのか分からんお子様だ。
書類を確認し終わり、一息ついて机の上にまとめておく。
これを明日、午前中にセイランオウと打ち合わせをして最終チェックだ。
合意ができたら署名をして、明日からアヤメの身分を保証してやれるようになる。
時計を見ると、もう午後の九時を過ぎていた。そろそろ俺も風呂に入って寝るか。
アヤメは――ベッドの布団がこんもりとふくらんでる。この部屋で寝るつもりなのか?
「何を考えてるか知らんが、寝るなら自分の部屋に戻れよ」
俺は風呂の準備をして、浴室に向かっていった。
****
風呂から上がりベッドを確認する――アヤメは部屋に戻ったか。
俺は水差しからコップに身を注いで飲み干し、一息ついてソファで頭を拭いて居た。
髪が乾いたのを確認してから、ベッドに潜り込んで横になる。
……今日は久しぶりに命の取り合い、魂がひりつく戦いをやれたな。
明日以降も、テッシンに相手をしてもらえればなぁ。
生死がかからない環境に身を置き過ぎると、戦場で生き抜くのが難しくなる。
気を抜くと死ぬ、そんな相手が鍛錬相手なら、丁度いいだろう。
目をつぶり、そんなことを考えていると急に布団の中に気配が現れた――アヤメ?!
「お前、どうやって潜り込んだ?!」
いくら鈍ってるって言っても、部屋の中にアヤメが居れば見逃すわけがねぇんだが?!
布団の中のアヤメは、セイラン国の下着らしい薄着で俺に微笑んでいた。
『なに、巫術で姿を隠していただけじゃ。
こうでもせんと、おんしは妾と同衾すまい?
さぁ、稚児を作ろうではないか』
今、『巫術』って言ったのか。
姿を隠し気配を完全に殺す、そんなこともできるのかよ。油断がならねぇな。
俺の身体にしなだれかかるアヤメを、俺は諦めて片腕で抱えた。
「ああもう! そんなに一緒に寝たいなら好きにしろ!
それで満足なんだろ?!」
俺はアヤメを添い寝させながら、再び目をつぶる。
アヤメの不満気な声が聞こえる。
『なんじゃ、寝てしまうつもりかえ?
稚児を作らぬつもりかえ? それとも、こうして居れば稚児ができるのかえ?
……眠るつもりじゃな? 仕方あるまい、今宵はこれで、我慢してやろうぞ』
言ってることはわからんが、悪寒ばかりが走っていく。
ろくでもないことを考えてるのは確かだ。
ほんとに、このお子様はどうしたもんかね。
俺はアヤメの体温を感じながら、すとんと意識を手放した。
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