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第一章
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フェリクス・ウィンスレット シルヴェストル侯爵をつれて、アネリの元にやって来たライアンは、
「フェリクス、アネリ・メルヴィル夫人だ」
とアネリをしめし、アネリはお辞儀をした。
「今日からお前のものだと思えばいい」
アネリはその言い方はないだろう…とは思いつつも、取り繕った所で同じかと、微笑んだ。
「つまり、愛人をつくれと?」
若い彼の嫌悪感にアネリは、似てないようで似ている親子を見つめた。
「世の中にはアネリのように行き場のない女性がいる」
フェリクスはライアンをじっとみて話を聞いている。
いい教育をうけたのだろう。
どんなに嫌悪感を持っても話はきちんとさえぎったりせずに聞くらしい。
「身分と金のある男はそれを助けることができる」
ライアンはフェリクスに言い聞かせた。
「そんなものは詭弁だ!」
それはそうだろうとアネリはフェリクスの意見に賛成だ。だけど、ライアンの言うとおりに事が進まないと、本当の娼館にでも行くしかない。
「青臭い事だなフェリクス。お前が拒否すれば仕事もできない彼女は死ぬしかない」
女性が働くことはごく稀なイングレス王国。
まして、貴族女性が働くこは難しい。街に行っても、あるかどうか…
「きたねぇ…」
フェリクスは吐き捨てるように言ったが、
「汚ないか?フェリクス」
だが、どうやら彼はしぶしぶ父の言うことを受け入れたようだった。ライアンはアネリに微笑みかけると、部屋を出ていった。
「公爵閣下はどう過ごすかまでは私に命じられていませんわ」
フェリクスは若い少年を脱したばかりの顔をはじめてアネリに向けた。
「…なにが言いたいんだ?」
「つまり表向きはというには語弊がありますけれど」
くすりと笑った。表向きの愛人などいやしまい。
「愛人だと思わせておけば、ここでの過ごし方は私達に任されているんです」
「時々ここに来て、好きに過ごせばいいということか?」
アネリの言わんとすることをフェリクスは汲み取ったようだ。
さすがに頭がいい。
「そうです。私が嫌なら顔をみず、話もせずにいればよろしいのですわ」
アネリは微笑みかけた。
美しいフェリクス。
その高潔な精神をアネリは尊重したいと思った。
「シルヴェストル侯爵閣下はこちらに週に1度くらい気が向けば来ればよろしいのですわ。はじめだけ…あとはもう飽きた、要らないとおっしゃればよろしいのですわ」
「それでは困るのではないか?」
アネリを心配するフェリクスは好ましいと感じた。
「別れる時には、公爵閣下がきっと報酬を下さいますわ」
にっこりとアネリは言った。
フェリクスはソファに座ると、アネリを見ずに本を読み出した。
アネリは、微笑むと離れたソファに座って同室では過ごしたものの、体のどの部分も触れることなくフェリクスは帰っていった。
アネリは不思議な事になったものだと思ったが、もしこのままフェリクスとアネリが本当の意味での愛人関係にならなかったら、ライアンがどう思うのか…どうするのか…。
怖くもあり、ちょっとした意趣がえしも出来るかも知れないと、おかしくなった。
フェリクスはアネリを嫌悪している。それが何によるものかはわからないけれど、それは事実だし、変えようがない。
フェリクスは決まって週に1度来るようになり、アネリは彼を律儀な青年だと好ましく見ていた。
「お帰りなさいませ」
アネリが出迎え、酒肴を準備するが彼は黙ってそれを受けとり、二時間ほど過ごすと帰るということを、していた。
アネリはそれを可笑しく見つつも、次第にその生活になれた。
社交シーズンが本格的になると、フェリクスの来る時間は遅くなり、来るときの服装もテールコートが多くなった。
夜の薄暗い灯りの中で黙って二人でいることにどうやら、根負けしたのはフェリクスの方だった。
「なぁ、ほんとにこれでいいのか?」
ぶっきらぼうに言った彼をアネリは面白そうに見た。
「…やっと口をきいて下さいましたわね」
くすくすとアネリは笑った
正直、アネリはもうどうでも良かった。
フェリクスの方は心配になったようだ。
フェリクスは眉をひそめた。
「私のレッスンを受けられる決心はつきましたか?シルヴェストル侯爵閣下」
「その名でよぶのはやめろ」
名だけの侯爵の名は高潔な彼には不快なようだった。
「閣下に教えよといわれたのは、女性とのつきあい方です」
フェリクスは予想通りという顔をしていた。
アネリはそのまっすぐな気性に苦笑して、
「閣下はここで飲み物に簡単に手をつけられましたけれど、ここに怪しげなものが入っていたらどうします?」
アネリはフェリクスの目をまっすぐに見た。
「なんだって?」
「閣下は公爵家の跡継ぎで、しかも見目麗しい男性です。女性に狙われると、ご自覚はおありでしょう?」
アネリはフェリクスの美しい顔を見つめた。
「ある」
フェリクスは額に手をあて、言った。
「思い余った令嬢の中には思いきった手段を用いて、一夜を共にするレディもいますのよ」
フェリクスは息をのんだ
「そうして一夜を過ごしてしまえば、結果はわかりますよね?」
その女性は、誰かに見つかるようにしているだろう。そして、知られれば男性は結婚という責任の取り方をするしかない。紳士としてはそうせざるを得ない…。
もちろん反対に、男性が女性にということもある。
どちらもアネリはエレナであった頃に見聞きした事だった。
「わかる」
「これは、大丈夫なものですわ。手渡されたものはお気をつけ下さい。もし断りきれなければ、口をつけたふりをしてさりげなく交換を」
気にしてグラスを置いたフェリクスにアネリは笑って言った。
「肝に命じておく」
その日から、フェリクスとは話もするようになったのだ。
その次の週にはあからさまな、誘惑のかわしかた。
「閣下がこうして踊っていて…」
アネリとフェリクスはワルツのポーズをとると、
「あっ…」
軽く声をあげて、アネリはフェリクスの胸に倒れこんだ。
「こうして…気分がすぐれないとか、つまづいたとか…」
アネリはフェリクスを見上げた。
「どうしますか?」
「起こしてやる?」
フェリクスはノーマルな答えを返した。
「相手が下心がなければそれでいいでしょうね」
けれど、とアネリは胸を押し当てて、フェリクスを誘うように見上げてみた。
フェリクスからはアネリの、夜会用のドレスから豊かな胸元がばっちり見えるはずだ。
「これならどうですか?」
「あたってる…」
「どこが?」
「その、胸が」
フェリクスは、頬を染めて言った。
「隣を歩いている場合もあるんです」
フェリクスの横に回り、腕に倒れかかる。
「あざといと思われます?」
「わかった。だから、離れて…」
フェリクスがアネリを押し返そうとした。
「なぜかしら?どきどきする?閣下…?」
アネリは耳元で言ってみた。
「やめろって」
アネリは肩を竦めて離れた。
翌週やって来た彼は
「例のあれ、やられた!」
フェリクスは来るなりアネリに言った。
「あれ。とは?」
「こう、倒れてきて押し付けてくるやつだ」
「あら早速?」
「だから、近くの使用人に手当てをしろと渡してやった」
フェリクスがニヤリと笑って言った。
「はい、それで正解ですわ」
アネリもにっこりと笑った。
フェリクスは、少しずつ話をするうちに打ち解けてアネリと過ごすことも自然と寛いだものになっていた。
それは意外なほど、長くうまくいっていた。
まるで姉と弟のように、アネリもそしてフェリクスも思うようになったのだ
「フェリクス、アネリ・メルヴィル夫人だ」
とアネリをしめし、アネリはお辞儀をした。
「今日からお前のものだと思えばいい」
アネリはその言い方はないだろう…とは思いつつも、取り繕った所で同じかと、微笑んだ。
「つまり、愛人をつくれと?」
若い彼の嫌悪感にアネリは、似てないようで似ている親子を見つめた。
「世の中にはアネリのように行き場のない女性がいる」
フェリクスはライアンをじっとみて話を聞いている。
いい教育をうけたのだろう。
どんなに嫌悪感を持っても話はきちんとさえぎったりせずに聞くらしい。
「身分と金のある男はそれを助けることができる」
ライアンはフェリクスに言い聞かせた。
「そんなものは詭弁だ!」
それはそうだろうとアネリはフェリクスの意見に賛成だ。だけど、ライアンの言うとおりに事が進まないと、本当の娼館にでも行くしかない。
「青臭い事だなフェリクス。お前が拒否すれば仕事もできない彼女は死ぬしかない」
女性が働くことはごく稀なイングレス王国。
まして、貴族女性が働くこは難しい。街に行っても、あるかどうか…
「きたねぇ…」
フェリクスは吐き捨てるように言ったが、
「汚ないか?フェリクス」
だが、どうやら彼はしぶしぶ父の言うことを受け入れたようだった。ライアンはアネリに微笑みかけると、部屋を出ていった。
「公爵閣下はどう過ごすかまでは私に命じられていませんわ」
フェリクスは若い少年を脱したばかりの顔をはじめてアネリに向けた。
「…なにが言いたいんだ?」
「つまり表向きはというには語弊がありますけれど」
くすりと笑った。表向きの愛人などいやしまい。
「愛人だと思わせておけば、ここでの過ごし方は私達に任されているんです」
「時々ここに来て、好きに過ごせばいいということか?」
アネリの言わんとすることをフェリクスは汲み取ったようだ。
さすがに頭がいい。
「そうです。私が嫌なら顔をみず、話もせずにいればよろしいのですわ」
アネリは微笑みかけた。
美しいフェリクス。
その高潔な精神をアネリは尊重したいと思った。
「シルヴェストル侯爵閣下はこちらに週に1度くらい気が向けば来ればよろしいのですわ。はじめだけ…あとはもう飽きた、要らないとおっしゃればよろしいのですわ」
「それでは困るのではないか?」
アネリを心配するフェリクスは好ましいと感じた。
「別れる時には、公爵閣下がきっと報酬を下さいますわ」
にっこりとアネリは言った。
フェリクスはソファに座ると、アネリを見ずに本を読み出した。
アネリは、微笑むと離れたソファに座って同室では過ごしたものの、体のどの部分も触れることなくフェリクスは帰っていった。
アネリは不思議な事になったものだと思ったが、もしこのままフェリクスとアネリが本当の意味での愛人関係にならなかったら、ライアンがどう思うのか…どうするのか…。
怖くもあり、ちょっとした意趣がえしも出来るかも知れないと、おかしくなった。
フェリクスはアネリを嫌悪している。それが何によるものかはわからないけれど、それは事実だし、変えようがない。
フェリクスは決まって週に1度来るようになり、アネリは彼を律儀な青年だと好ましく見ていた。
「お帰りなさいませ」
アネリが出迎え、酒肴を準備するが彼は黙ってそれを受けとり、二時間ほど過ごすと帰るということを、していた。
アネリはそれを可笑しく見つつも、次第にその生活になれた。
社交シーズンが本格的になると、フェリクスの来る時間は遅くなり、来るときの服装もテールコートが多くなった。
夜の薄暗い灯りの中で黙って二人でいることにどうやら、根負けしたのはフェリクスの方だった。
「なぁ、ほんとにこれでいいのか?」
ぶっきらぼうに言った彼をアネリは面白そうに見た。
「…やっと口をきいて下さいましたわね」
くすくすとアネリは笑った
正直、アネリはもうどうでも良かった。
フェリクスの方は心配になったようだ。
フェリクスは眉をひそめた。
「私のレッスンを受けられる決心はつきましたか?シルヴェストル侯爵閣下」
「その名でよぶのはやめろ」
名だけの侯爵の名は高潔な彼には不快なようだった。
「閣下に教えよといわれたのは、女性とのつきあい方です」
フェリクスは予想通りという顔をしていた。
アネリはそのまっすぐな気性に苦笑して、
「閣下はここで飲み物に簡単に手をつけられましたけれど、ここに怪しげなものが入っていたらどうします?」
アネリはフェリクスの目をまっすぐに見た。
「なんだって?」
「閣下は公爵家の跡継ぎで、しかも見目麗しい男性です。女性に狙われると、ご自覚はおありでしょう?」
アネリはフェリクスの美しい顔を見つめた。
「ある」
フェリクスは額に手をあて、言った。
「思い余った令嬢の中には思いきった手段を用いて、一夜を共にするレディもいますのよ」
フェリクスは息をのんだ
「そうして一夜を過ごしてしまえば、結果はわかりますよね?」
その女性は、誰かに見つかるようにしているだろう。そして、知られれば男性は結婚という責任の取り方をするしかない。紳士としてはそうせざるを得ない…。
もちろん反対に、男性が女性にということもある。
どちらもアネリはエレナであった頃に見聞きした事だった。
「わかる」
「これは、大丈夫なものですわ。手渡されたものはお気をつけ下さい。もし断りきれなければ、口をつけたふりをしてさりげなく交換を」
気にしてグラスを置いたフェリクスにアネリは笑って言った。
「肝に命じておく」
その日から、フェリクスとは話もするようになったのだ。
その次の週にはあからさまな、誘惑のかわしかた。
「閣下がこうして踊っていて…」
アネリとフェリクスはワルツのポーズをとると、
「あっ…」
軽く声をあげて、アネリはフェリクスの胸に倒れこんだ。
「こうして…気分がすぐれないとか、つまづいたとか…」
アネリはフェリクスを見上げた。
「どうしますか?」
「起こしてやる?」
フェリクスはノーマルな答えを返した。
「相手が下心がなければそれでいいでしょうね」
けれど、とアネリは胸を押し当てて、フェリクスを誘うように見上げてみた。
フェリクスからはアネリの、夜会用のドレスから豊かな胸元がばっちり見えるはずだ。
「これならどうですか?」
「あたってる…」
「どこが?」
「その、胸が」
フェリクスは、頬を染めて言った。
「隣を歩いている場合もあるんです」
フェリクスの横に回り、腕に倒れかかる。
「あざといと思われます?」
「わかった。だから、離れて…」
フェリクスがアネリを押し返そうとした。
「なぜかしら?どきどきする?閣下…?」
アネリは耳元で言ってみた。
「やめろって」
アネリは肩を竦めて離れた。
翌週やって来た彼は
「例のあれ、やられた!」
フェリクスは来るなりアネリに言った。
「あれ。とは?」
「こう、倒れてきて押し付けてくるやつだ」
「あら早速?」
「だから、近くの使用人に手当てをしろと渡してやった」
フェリクスがニヤリと笑って言った。
「はい、それで正解ですわ」
アネリもにっこりと笑った。
フェリクスは、少しずつ話をするうちに打ち解けてアネリと過ごすことも自然と寛いだものになっていた。
それは意外なほど、長くうまくいっていた。
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