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第二章 王女襲来
実地演習 1
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波乱もあった入学式から約一ヶ月が経過し、段々と初夏の陽気に近づいてきた頃、実技の授業終わりに来週から始まる実地演習についての説明が実技の教師からあった。
ちなみにこの一ヶ月、座学や実技の授業で同級生や教師から嫌煙されているようで、俺に近づいて来る者はほとんど居なかった。その為、交遊関係が広まることはなく、気軽に言葉を交わせる相手といえば、ロベリアやライトくらいだった。
また、昼食を摂るために食堂へ行くと、決まってマーガレット嬢が絡んでくるのだが、当初引き連れていたような取り巻きなどは居らず、大体一人かライトと行動しているようだった。
これは入学式後の俺との一件で、剣武術コースで一人ぼっちになってしまったのかと聞いたのだが、「何でもない」と、少し頬を赤らめながらそっぽを向かれてしまった。
もしや自分の今の境遇を恥じているから答えられないのかと考え、後でライトに話を聞くと、彼女は俺との約束を律儀に守って色々と面倒を見てくれていることもあり、他の皆が近寄り難くなってしまっているだけで、除け者にされているわけではないという。
そもそも彼女は侯爵家の人間なので、下手に除け者にしたり無視などしようものなら、侯爵家からどのような対応を受けるか分からないという恐怖もあり、同級生達はどう接していいか分からないのではないかという事だった。
学院潜入1ヶ月で知人が3名、その内剣武術コースの生徒に多大な影響を与えそうな成績1位の生徒とある程度接点を持てたというのは、まぁ及第点だろうと考えることにした。
「さて、来週からいよいよ神樹の安全域を越え、初の実地演習となる森の表層に潜るのだが、事前にその授業の目的、人数構成は伝えたと思う・・・レンドール君、内容を復唱できるかね?」
これまでの事をぼんやりと考えていると、およそ実技を指導するとは思えないような豪華で動きにくいナポレオンジャケットを着込む青年の教師が一人の生徒を指名していた。
「はいっ!今回の目的は、今後本格的に遠征が始まる森の状況及び魔物の対処に順応するためにものです!また、行動する班の人数は6人。我ら魔術コースの生徒3名と・・・剣武術コースの生徒が3人です」
レンドール少年はハキハキとした様子で返答し出したのだが、最後の剣武術コースの生徒について言及する時になると、眉間にシワを寄せて嫌そうな声を発していた。
「そうだ。その班編成についてなのだが、先日あちらの教師共と協議して決定した内容を、午前中の座学の際に配布しているので確認していると思う。明日の座学では班員となった剣武術コースの生徒どもと共に、実地演習における戦闘時の編成や持ち物等を話し合って決める事になっている。各自、今日の内に戦闘時の編成や持ち物を調べておくようにしろ!」
「「「はいっ!」」」
教師も教師で、剣士を見下している事を隠すことなく、まるで生徒達を扇動しているかのような口調で指示を出し、生徒達もそんな教師に同調するように返事をしていた。
(なるほど。こうして洗脳していき、学院全体に不協和音を浸透させていくのか・・・)
教師の言動を冷めた目で見ていると、レンドール少年がこちらを見ていることに気がついた。そちらに視線を向けると、敵意剥き出しの攻撃的な表情を浮かべているようだった。
(そういえば彼とは一緒の班だったな。今回の実地演習を通して、彼の意識を変えられるか試してみるか)
彼は入学試験の時からこちらに敵意を向けてきている。彼の場合は平民を見下しているという感情から来るものだが、それを利用して意識改革を仕掛けてみようと考えた。
(先ずは明日の剣武術コースの生徒との話し合いがどう転ぶかだな・・・)
彼の敵意の籠った視線は適当にあしらいながらそんな事を考えていると、この日の授業は終わりを迎えた。
ーーー翌日、学院の図書室にある少人数用会議室ーーー
「よ、よろしくお願いする」
6人掛けテーブルに、魔術コースの生徒と剣武術コースの生徒が3人ずつ対面するように腰掛けると、話し合いの先陣を切るようにしてマーガレット嬢が挨拶をしたのだが、その様子はどこかたどたどしさがあった。
(彼女・・・こんな性格だったか?)
入学式の代表挨拶を思い浮かべると、彼女は多くの生徒を前にしても物怖じすることなく挨拶を行い、毅然とした態度をしていたものだ。しかし今の彼女を見てみると、俺と視線が合うのを嫌っているようで、目が合おうとする瞬間に顔を逸らされてしまうのだ。
(まぁ、大勢の見物人が居る中で俺に決闘で負けているからな。居たたまれないんだろう)
彼女の心情を察した俺は、全て理解しているといった意味も込めて、生暖かい視線で見ることにした。
今回の実地演習で俺と一緒になった班員は、剣武術コース側でマーガレット嬢の他にライトともう一人、成績7位の男子生徒、セルシュ・イオールという少年だった。また、魔術コース側はレンドール少年とロベリアを合わせた6人の班編成となっている。
6人の内の半数が知人なので、色々と動きやすい。とはいえ、こうなったのも必然というもので、基本的に班編成はそれぞれの班の実力が平等になるように設定されるのだが、そうなると魔術コース成績1位の俺は、必然的に最下位のロベリアと組むことになる。
剣武術コースの方も同様で、成績1位のマーガレット嬢は最下位のライトと組む。あとはバランスを考慮し、順位が上の下となる7位の生徒が加わったという訳だ。
お互いの顔合わせと挨拶を終えると、早速本題の実地演習についての話し合いとなったのだが・・・
「だから、指揮は後衛がした方が全体の様子が把握できて、より精度の高い命令が出せるだろう!」
「バカな!前衛が指示を出すべきだろ!実際に魔物と対峙し、その対象の脅威や弱点を分析して必要な魔術の種類を即判断できるんだ!魔術師はこちらの指示通りに動けば良い!」
「何言ってる!しょせん剣士は俺達魔術師の魔術発動までの時間を稼ぐだけの案山子だろ!こっちの指示通りに動けば全て上手くいくんだ!」
「ふん!接近戦も出来ない砲台ごときが偉そうに!」
「なんだとっ!!」
「なんだよっ!!」
話し合いが始まってからというもの、先ずはどちらが班の指揮権を握るかということで、セルシュ少年とレンドール少年の言い争いが始まった。どちらも互いを見下すあまり、段々と言葉遣いが汚くなっていった。
そんな様子にロベリアとライトは、萎縮したように黙り込んでしまっている。2人は自分達が平民ということもあり、この話し合いで何か発言することは出来ないだろうと、昨日の夕食の時に不安な表情を浮かべていたのを思い出す。
このままでは何も決まることなく時間が過ぎてしまうだろうと呆れて見ていると、眉間にシワを寄せたマーガレットが立ち上がった。
「いい加減にしないかっ!これでは時間を無駄にするだけで何も決まらん!」
「っ!し、しかしマーガレット様。こいつが・・・」
「なっ!そっちが突っ掛かって来たんだろ!」
「なにをっ!!」
マーガレット嬢の執り成しに、怯んだような表情を浮かべるも、すぐにまた言い争うような姿勢を見せる2人に対し、彼女は大きなため息を吐いた。
「はぁ・・・午後には話し合った内容を提出しなければならないんだぞ。指揮だけでなく、戦闘時の編成や持っていく所持品など、決めるべき事は山ほどある!これでは時間がいくらあっても足りないだろう!!」
「「・・・・・・」」
語気を荒げて強く叱責すると、2人はばつの悪そうな表情を浮かべて押し黙った。その隙に話を進めようとしてか、彼女は言葉を続けた。
「とりあえず先に持ち物を決めよう。武器・防具はそれぞれに任せるとして、地図や方位磁石、食料、飲料水等だが・・・」
「マーガレット様。それらの荷物については平民達に任せるべきでは?」
「そうだ。平民など演習の際の足手まといなのだから、それくらい役に立ってもらわないとな」
彼女の言葉に、セルシュ少年が丸投げの姿勢を見せた。そんな彼の返答に、先程まで言い争っていたはずのレンドールも同調していた。
(見下す対象が一緒だと仲が良くなるのか・・・)
内心呆れながら、マーガレット嬢がどう判断するのか気になった俺は、何も言わずに事の成り行きを見守ることにした。そんな俺に対して彼女は困惑するような視線を向けてくるのだが、俺が黙っていると諦めたように口を開いた。
「・・・現実的に考えて、ライトが戦闘を行うのは不安がある。ロベリアはそもそも聖魔術使いで戦闘要員ではない。とは言え、女性のロベリアに多くの荷物を持ってもらうわけにもいかない。そうなるとライトにある程度の荷物を受け持ってもらい、持ちきれない部分は全員で分担すべきだ。1人であまりに多くの荷物を持っては、移動速度が落ちるからな」
彼女は言葉を選ぶように理由を説明し、何故そうするのか話していった。それは俺がライトをイジメから守るように言ったことから、決してこれはイジメではないと弁明しているようだった。
「確かにマーガレット様の仰る通りですね。おいライト!お前それで良いよな?」
「あっ、はい。僕は決められた通りにしますので・・・」
セルシュ少年の確認の言葉に、ライトはおずおずといった様子で返答していた。
「ロベリアも問題ないな?」
「は、はい。大丈夫です」
レンドール少年もロベリアに問いかけると、ライト同様にオドオドした様子で返答した。
「よし、それでは具体的な荷物について確認だ」
ようやく話し合いが進んだことに安堵した顔を浮かべたマーガレット嬢は、表情を和らげながら話し合いを進めるのだった。
結局そのまま様々なことをマーガレット嬢主導で決めていき、最終的に彼女をこの班の指揮官として、来週の実地演習を迎えることになった。
ちなみにこの一ヶ月、座学や実技の授業で同級生や教師から嫌煙されているようで、俺に近づいて来る者はほとんど居なかった。その為、交遊関係が広まることはなく、気軽に言葉を交わせる相手といえば、ロベリアやライトくらいだった。
また、昼食を摂るために食堂へ行くと、決まってマーガレット嬢が絡んでくるのだが、当初引き連れていたような取り巻きなどは居らず、大体一人かライトと行動しているようだった。
これは入学式後の俺との一件で、剣武術コースで一人ぼっちになってしまったのかと聞いたのだが、「何でもない」と、少し頬を赤らめながらそっぽを向かれてしまった。
もしや自分の今の境遇を恥じているから答えられないのかと考え、後でライトに話を聞くと、彼女は俺との約束を律儀に守って色々と面倒を見てくれていることもあり、他の皆が近寄り難くなってしまっているだけで、除け者にされているわけではないという。
そもそも彼女は侯爵家の人間なので、下手に除け者にしたり無視などしようものなら、侯爵家からどのような対応を受けるか分からないという恐怖もあり、同級生達はどう接していいか分からないのではないかという事だった。
学院潜入1ヶ月で知人が3名、その内剣武術コースの生徒に多大な影響を与えそうな成績1位の生徒とある程度接点を持てたというのは、まぁ及第点だろうと考えることにした。
「さて、来週からいよいよ神樹の安全域を越え、初の実地演習となる森の表層に潜るのだが、事前にその授業の目的、人数構成は伝えたと思う・・・レンドール君、内容を復唱できるかね?」
これまでの事をぼんやりと考えていると、およそ実技を指導するとは思えないような豪華で動きにくいナポレオンジャケットを着込む青年の教師が一人の生徒を指名していた。
「はいっ!今回の目的は、今後本格的に遠征が始まる森の状況及び魔物の対処に順応するためにものです!また、行動する班の人数は6人。我ら魔術コースの生徒3名と・・・剣武術コースの生徒が3人です」
レンドール少年はハキハキとした様子で返答し出したのだが、最後の剣武術コースの生徒について言及する時になると、眉間にシワを寄せて嫌そうな声を発していた。
「そうだ。その班編成についてなのだが、先日あちらの教師共と協議して決定した内容を、午前中の座学の際に配布しているので確認していると思う。明日の座学では班員となった剣武術コースの生徒どもと共に、実地演習における戦闘時の編成や持ち物等を話し合って決める事になっている。各自、今日の内に戦闘時の編成や持ち物を調べておくようにしろ!」
「「「はいっ!」」」
教師も教師で、剣士を見下している事を隠すことなく、まるで生徒達を扇動しているかのような口調で指示を出し、生徒達もそんな教師に同調するように返事をしていた。
(なるほど。こうして洗脳していき、学院全体に不協和音を浸透させていくのか・・・)
教師の言動を冷めた目で見ていると、レンドール少年がこちらを見ていることに気がついた。そちらに視線を向けると、敵意剥き出しの攻撃的な表情を浮かべているようだった。
(そういえば彼とは一緒の班だったな。今回の実地演習を通して、彼の意識を変えられるか試してみるか)
彼は入学試験の時からこちらに敵意を向けてきている。彼の場合は平民を見下しているという感情から来るものだが、それを利用して意識改革を仕掛けてみようと考えた。
(先ずは明日の剣武術コースの生徒との話し合いがどう転ぶかだな・・・)
彼の敵意の籠った視線は適当にあしらいながらそんな事を考えていると、この日の授業は終わりを迎えた。
ーーー翌日、学院の図書室にある少人数用会議室ーーー
「よ、よろしくお願いする」
6人掛けテーブルに、魔術コースの生徒と剣武術コースの生徒が3人ずつ対面するように腰掛けると、話し合いの先陣を切るようにしてマーガレット嬢が挨拶をしたのだが、その様子はどこかたどたどしさがあった。
(彼女・・・こんな性格だったか?)
入学式の代表挨拶を思い浮かべると、彼女は多くの生徒を前にしても物怖じすることなく挨拶を行い、毅然とした態度をしていたものだ。しかし今の彼女を見てみると、俺と視線が合うのを嫌っているようで、目が合おうとする瞬間に顔を逸らされてしまうのだ。
(まぁ、大勢の見物人が居る中で俺に決闘で負けているからな。居たたまれないんだろう)
彼女の心情を察した俺は、全て理解しているといった意味も込めて、生暖かい視線で見ることにした。
今回の実地演習で俺と一緒になった班員は、剣武術コース側でマーガレット嬢の他にライトともう一人、成績7位の男子生徒、セルシュ・イオールという少年だった。また、魔術コース側はレンドール少年とロベリアを合わせた6人の班編成となっている。
6人の内の半数が知人なので、色々と動きやすい。とはいえ、こうなったのも必然というもので、基本的に班編成はそれぞれの班の実力が平等になるように設定されるのだが、そうなると魔術コース成績1位の俺は、必然的に最下位のロベリアと組むことになる。
剣武術コースの方も同様で、成績1位のマーガレット嬢は最下位のライトと組む。あとはバランスを考慮し、順位が上の下となる7位の生徒が加わったという訳だ。
お互いの顔合わせと挨拶を終えると、早速本題の実地演習についての話し合いとなったのだが・・・
「だから、指揮は後衛がした方が全体の様子が把握できて、より精度の高い命令が出せるだろう!」
「バカな!前衛が指示を出すべきだろ!実際に魔物と対峙し、その対象の脅威や弱点を分析して必要な魔術の種類を即判断できるんだ!魔術師はこちらの指示通りに動けば良い!」
「何言ってる!しょせん剣士は俺達魔術師の魔術発動までの時間を稼ぐだけの案山子だろ!こっちの指示通りに動けば全て上手くいくんだ!」
「ふん!接近戦も出来ない砲台ごときが偉そうに!」
「なんだとっ!!」
「なんだよっ!!」
話し合いが始まってからというもの、先ずはどちらが班の指揮権を握るかということで、セルシュ少年とレンドール少年の言い争いが始まった。どちらも互いを見下すあまり、段々と言葉遣いが汚くなっていった。
そんな様子にロベリアとライトは、萎縮したように黙り込んでしまっている。2人は自分達が平民ということもあり、この話し合いで何か発言することは出来ないだろうと、昨日の夕食の時に不安な表情を浮かべていたのを思い出す。
このままでは何も決まることなく時間が過ぎてしまうだろうと呆れて見ていると、眉間にシワを寄せたマーガレットが立ち上がった。
「いい加減にしないかっ!これでは時間を無駄にするだけで何も決まらん!」
「っ!し、しかしマーガレット様。こいつが・・・」
「なっ!そっちが突っ掛かって来たんだろ!」
「なにをっ!!」
マーガレット嬢の執り成しに、怯んだような表情を浮かべるも、すぐにまた言い争うような姿勢を見せる2人に対し、彼女は大きなため息を吐いた。
「はぁ・・・午後には話し合った内容を提出しなければならないんだぞ。指揮だけでなく、戦闘時の編成や持っていく所持品など、決めるべき事は山ほどある!これでは時間がいくらあっても足りないだろう!!」
「「・・・・・・」」
語気を荒げて強く叱責すると、2人はばつの悪そうな表情を浮かべて押し黙った。その隙に話を進めようとしてか、彼女は言葉を続けた。
「とりあえず先に持ち物を決めよう。武器・防具はそれぞれに任せるとして、地図や方位磁石、食料、飲料水等だが・・・」
「マーガレット様。それらの荷物については平民達に任せるべきでは?」
「そうだ。平民など演習の際の足手まといなのだから、それくらい役に立ってもらわないとな」
彼女の言葉に、セルシュ少年が丸投げの姿勢を見せた。そんな彼の返答に、先程まで言い争っていたはずのレンドールも同調していた。
(見下す対象が一緒だと仲が良くなるのか・・・)
内心呆れながら、マーガレット嬢がどう判断するのか気になった俺は、何も言わずに事の成り行きを見守ることにした。そんな俺に対して彼女は困惑するような視線を向けてくるのだが、俺が黙っていると諦めたように口を開いた。
「・・・現実的に考えて、ライトが戦闘を行うのは不安がある。ロベリアはそもそも聖魔術使いで戦闘要員ではない。とは言え、女性のロベリアに多くの荷物を持ってもらうわけにもいかない。そうなるとライトにある程度の荷物を受け持ってもらい、持ちきれない部分は全員で分担すべきだ。1人であまりに多くの荷物を持っては、移動速度が落ちるからな」
彼女は言葉を選ぶように理由を説明し、何故そうするのか話していった。それは俺がライトをイジメから守るように言ったことから、決してこれはイジメではないと弁明しているようだった。
「確かにマーガレット様の仰る通りですね。おいライト!お前それで良いよな?」
「あっ、はい。僕は決められた通りにしますので・・・」
セルシュ少年の確認の言葉に、ライトはおずおずといった様子で返答していた。
「ロベリアも問題ないな?」
「は、はい。大丈夫です」
レンドール少年もロベリアに問いかけると、ライト同様にオドオドした様子で返答した。
「よし、それでは具体的な荷物について確認だ」
ようやく話し合いが進んだことに安堵した顔を浮かべたマーガレット嬢は、表情を和らげながら話し合いを進めるのだった。
結局そのまま様々なことをマーガレット嬢主導で決めていき、最終的に彼女をこの班の指揮官として、来週の実地演習を迎えることになった。
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