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一章
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ああ、神よ、俺が愚かだった
俺が全部悪かったんだ
もうどんな罰でも、甘んじて受け入れる
だからどうか、こいつだけは…
ーレオンハルトだけは、絶対に助けてくれ
遡ること数時間。ユリウスはレオンハルトに会うために教会の廊下を駆け回っていた。こんなに真っ直ぐ前を見て走るのは久しぶりだ。神官長やその他の事にも気を取られて、いつも背後や左右の警戒を欠かせなかった。…いつになく走るのが気持ちいい。このままどこまでも走っていけそうだと思った。
無我夢中でレオンハルトを探していると、廊下の奥の方からファルコフの甲高い声が聞こえてきた。
「私、貴方様の為にアフタヌーンティーを用意しましたの。ですから…」
ファルコフ・シートレイユは神官歴10年の女神官だ。ファルコフはとんでもない美形で、声もかわいい。だが頭が残念で、プラマイゼロになっている可哀想な子だ。
とまあ、それはさておき。ファルコフと話しているのは誰だ?いつになく張り切って声をかけているようだが、彼女の反応からしてうまくいっていないらしい。
「あ、ちょっと…レオンハルト様!!!」
-レオンハルトだって!?
ユリウスは全速力で声が聞こえる方に足を走らせた。
レオンハルトに会える…!会える、会える!!!
興奮でひどく体が熱い。頼むからそこで動かないで待っててくれ。話したいことが沢山あるんだ。まだ行かないで。今度こそ俺を置いて行かないでくれよ。
あと数メートルで廊下の突き当たりだ。左奥の方から足音が聞こえる。聞こえてきた声の方向からして、このやや速い足音はレオンハルトのものだろうか。それとも"迎え"だろうか。ユリウスの背中に嫌な汗がつたった。ユリウスはその可能性を考えないようにした。今さらここで怖気付いて足を止めたくない。ファルコフが嘘をつく動機も考えられない。レオンハルトが近くにいることは、決定事項なのだ。なら、会えることを信じて探し回るだけだ。
とうとうユリウスは廊下の突き当たりにたどり着いた。そして目の前を横切ろうとする人影に、ユリウスは勢いよく抱きついた。見間違えるはずがない。その人がユリウスを横切る時、黄金の糸がふわりと舞い、ユリウスの頬をかすめてくすぐった。その黄金が隠す深緑の瞳は、なんとも言い難い神秘的な美しさがあった。
ーレオンハルト…!!!
抱きついたユリウスに見せたレオンハルトの微笑みはまさに天使のようで、ユリウスはどきりとした。
「会えて本気に嬉しいよ。」
レオンハルトがあまりに嬉しそうにそう言うものだから、ユリウスは抑えが効かなくなって、思わず抱きしめ返してしまっていた。後から来たファルコフに見られたのが何故かすごく恥ずかしくなって、ユリウスはレオンハルトの足を思いっきり踏んでしまった。急いでレオンハルトから離れてファルコフの方に振り向けば、何故かファルコフは鼻血を流して廊下に倒れ込んでいた。しかも、笑顔。気味が悪かったが、倒れてくれたのは好都合だ。ユリウスは急ぎ足でレオンハルトを自分の部屋まで案内した。
「ここは…ユリウスの部屋じゃないのか?どうしてこんなに使われていないんだ?」
「……」
ユリウスは冷や汗をかいた。使われていなくて埃まみれなのは、このところずっと神官長のお仕置き部屋に軟禁されてたからで、物が無いのは全部売っぱらってしまったからである。そしてユリウスが一人部屋なのは、ユリウスが教会に来たばかりの時に夜這いされかけたからだ。
聞かれたこと全ての理由がろくなものでは無かった為声が出ないのを言い訳に誤魔化してしまったが、有耶無耶に頷くだけでレオンハルトは身を引いてくれた。ユリウスが筆談を持ちかけると、レオンハルトは嬉しそうに微笑んで了承した。
ユリウスは、レオンハルトにどうしても伝えたいことがあった。このところ神官長が大人しくなったのをいいことに、ユリウスはとことん神官長の後をつけ、脱出の糸口になるやもしれない情報をかき集めていた。そして、最近とあることに気づいたのだ。この情報は絶対に鍵になる。ユリウスは確信を持っていた。
-神官長は絶対に、"教祖"と悪いもので繋がってる
ユリウスがその事に最初に気づいたのは神官長の三度目の性処理をした時だ。神官長は聖職者でありながらも昂りを抑えられない様子で、ユリウスに暴言を吐きながらブツブツとこんなことを漏らしていた。
-「…わ、私は、間違えてなどいない……全て、全ては教祖様の導きの元行っていることなのだ…それに、こいつは神の捨て子なのだから、ルピア様もきっとお許しになられる……そうだ、私は間違えていない…私は全て正しい……!!」-
その後も神官長は何かブツブツと言っていたが、殴られた為耳鳴りでなにも聞き取れなかった。だがユリウスは間違いなく聞いた。
『全ては教祖様の導きの元行っていることなのだ…』
この話が本当なら、とんでもないどころの話ではない。教祖は年に一度神からの信託を聞き、それを世に広めることが出来る唯一無二の人物だ。
もし、神官長の行動が教祖の信託に従っているだけだとしたら……?
神官がルピアのお告げを蔑ろにすることは許されず、天罰が下るとされている。どんな罰が下るのかなどは分かっていない。ユリウスは、あまり信託に興味はなかった。だが、それがユリウスが置かれている状況の一因だとしたら話はまた違ってくる。その信託が嘘だろうがなんだろうが、神官長は、教祖から聞いたお告げの通りにユリウスを虐げているのかもしれない。
-厄介な事になってきやがった……
ユリウスは、大きくため息を吐いた。
とにかくこのことをレオンハルトに伝えなければと思ったが、迎えはもうユリウスの居場所などとうに知れているだろう。筆談で証拠が残ってしまう以上、革新的なことを直接書くのは控えたかった。時間はあと少ししか残されていない。
-どうすればいい…?どうすれば……
考えたが、そこまでだった。焦りに意識を駆られていたユリウスでは間に合わなかった。結局、分かりきっていることを確認しあった程度で神官長に見つかってしまったのだ。
-俺はまた…失敗したのか…
「ユリウス!!!!!こんの恩知らずが!!!何度言わせればわかるというのだ馬鹿め!!!」
神官長が鞭を振り上げた。痛いのは嫌だが、しょうがない。ユリウスは、静かに目を閉じた。
パァァァン!!!!
聞きなれた鞭の音。だが、身体に痛みは感じない。目を開ければ、レオンハルトがユリウスを抱きしめ、そのままユリウスに覆い被さる形で倒れた。
-何が起こったんだ
目の前で怒っていることが信じられない。神官長が暴言を吐いて鞭を打ち付けていたのは、他ならないレオンハルトにだった。ユリウスは叫びたかった。叫ぼうとした。だが喉からは声にもならない浅い息しか出てこない。
-ああぁ…ああああああああぁぁぁ!!!!
ユリウスはすぐに神に祈ろうとした。レオンハルトの傷が癒えるように。だがそれはレオンハルトに止められてしまった。
「今、私を治癒してはいけない。あなたが危険だ。教会の前に、私の馬車が停まっているはずだ。私は…ゔっ…ン…大丈夫だから、隙を見つけたらすぐに逃げて。いいね。」
レオンハルトはもう既に何度も神官長に鞭を打たれてしまっている。想像を絶する痛みの筈なのに、こんな状況でも、レオンハルトの声は優しかった。
-それに比べて俺は……
治癒も出来ない。助けも呼べない。自分では、なにも役に立たない。ユリウスは自分のことなどはどうでもよかった。なりふり構わずレオンハルトを助けたかった。だが我を忘れた神官長も、部屋に鳴り響く鞭の音にも、恐怖を抱いてしまった。これ以上ない恐怖を。
-死ぬかもしれない
ほんの一瞬。神官長がたじろぐ。ユリウスも、レオンハルトもそれを見逃さなかった。
「今だ!!!!」
ユリウスは、泣きながら立って走り出し、レオンハルトを置いて窓から外へと飛び出した。
レオンハルトがユリウスを呼ぶ声に、気づかなかったフリをして……
俺が全部悪かったんだ
もうどんな罰でも、甘んじて受け入れる
だからどうか、こいつだけは…
ーレオンハルトだけは、絶対に助けてくれ
遡ること数時間。ユリウスはレオンハルトに会うために教会の廊下を駆け回っていた。こんなに真っ直ぐ前を見て走るのは久しぶりだ。神官長やその他の事にも気を取られて、いつも背後や左右の警戒を欠かせなかった。…いつになく走るのが気持ちいい。このままどこまでも走っていけそうだと思った。
無我夢中でレオンハルトを探していると、廊下の奥の方からファルコフの甲高い声が聞こえてきた。
「私、貴方様の為にアフタヌーンティーを用意しましたの。ですから…」
ファルコフ・シートレイユは神官歴10年の女神官だ。ファルコフはとんでもない美形で、声もかわいい。だが頭が残念で、プラマイゼロになっている可哀想な子だ。
とまあ、それはさておき。ファルコフと話しているのは誰だ?いつになく張り切って声をかけているようだが、彼女の反応からしてうまくいっていないらしい。
「あ、ちょっと…レオンハルト様!!!」
-レオンハルトだって!?
ユリウスは全速力で声が聞こえる方に足を走らせた。
レオンハルトに会える…!会える、会える!!!
興奮でひどく体が熱い。頼むからそこで動かないで待っててくれ。話したいことが沢山あるんだ。まだ行かないで。今度こそ俺を置いて行かないでくれよ。
あと数メートルで廊下の突き当たりだ。左奥の方から足音が聞こえる。聞こえてきた声の方向からして、このやや速い足音はレオンハルトのものだろうか。それとも"迎え"だろうか。ユリウスの背中に嫌な汗がつたった。ユリウスはその可能性を考えないようにした。今さらここで怖気付いて足を止めたくない。ファルコフが嘘をつく動機も考えられない。レオンハルトが近くにいることは、決定事項なのだ。なら、会えることを信じて探し回るだけだ。
とうとうユリウスは廊下の突き当たりにたどり着いた。そして目の前を横切ろうとする人影に、ユリウスは勢いよく抱きついた。見間違えるはずがない。その人がユリウスを横切る時、黄金の糸がふわりと舞い、ユリウスの頬をかすめてくすぐった。その黄金が隠す深緑の瞳は、なんとも言い難い神秘的な美しさがあった。
ーレオンハルト…!!!
抱きついたユリウスに見せたレオンハルトの微笑みはまさに天使のようで、ユリウスはどきりとした。
「会えて本気に嬉しいよ。」
レオンハルトがあまりに嬉しそうにそう言うものだから、ユリウスは抑えが効かなくなって、思わず抱きしめ返してしまっていた。後から来たファルコフに見られたのが何故かすごく恥ずかしくなって、ユリウスはレオンハルトの足を思いっきり踏んでしまった。急いでレオンハルトから離れてファルコフの方に振り向けば、何故かファルコフは鼻血を流して廊下に倒れ込んでいた。しかも、笑顔。気味が悪かったが、倒れてくれたのは好都合だ。ユリウスは急ぎ足でレオンハルトを自分の部屋まで案内した。
「ここは…ユリウスの部屋じゃないのか?どうしてこんなに使われていないんだ?」
「……」
ユリウスは冷や汗をかいた。使われていなくて埃まみれなのは、このところずっと神官長のお仕置き部屋に軟禁されてたからで、物が無いのは全部売っぱらってしまったからである。そしてユリウスが一人部屋なのは、ユリウスが教会に来たばかりの時に夜這いされかけたからだ。
聞かれたこと全ての理由がろくなものでは無かった為声が出ないのを言い訳に誤魔化してしまったが、有耶無耶に頷くだけでレオンハルトは身を引いてくれた。ユリウスが筆談を持ちかけると、レオンハルトは嬉しそうに微笑んで了承した。
ユリウスは、レオンハルトにどうしても伝えたいことがあった。このところ神官長が大人しくなったのをいいことに、ユリウスはとことん神官長の後をつけ、脱出の糸口になるやもしれない情報をかき集めていた。そして、最近とあることに気づいたのだ。この情報は絶対に鍵になる。ユリウスは確信を持っていた。
-神官長は絶対に、"教祖"と悪いもので繋がってる
ユリウスがその事に最初に気づいたのは神官長の三度目の性処理をした時だ。神官長は聖職者でありながらも昂りを抑えられない様子で、ユリウスに暴言を吐きながらブツブツとこんなことを漏らしていた。
-「…わ、私は、間違えてなどいない……全て、全ては教祖様の導きの元行っていることなのだ…それに、こいつは神の捨て子なのだから、ルピア様もきっとお許しになられる……そうだ、私は間違えていない…私は全て正しい……!!」-
その後も神官長は何かブツブツと言っていたが、殴られた為耳鳴りでなにも聞き取れなかった。だがユリウスは間違いなく聞いた。
『全ては教祖様の導きの元行っていることなのだ…』
この話が本当なら、とんでもないどころの話ではない。教祖は年に一度神からの信託を聞き、それを世に広めることが出来る唯一無二の人物だ。
もし、神官長の行動が教祖の信託に従っているだけだとしたら……?
神官がルピアのお告げを蔑ろにすることは許されず、天罰が下るとされている。どんな罰が下るのかなどは分かっていない。ユリウスは、あまり信託に興味はなかった。だが、それがユリウスが置かれている状況の一因だとしたら話はまた違ってくる。その信託が嘘だろうがなんだろうが、神官長は、教祖から聞いたお告げの通りにユリウスを虐げているのかもしれない。
-厄介な事になってきやがった……
ユリウスは、大きくため息を吐いた。
とにかくこのことをレオンハルトに伝えなければと思ったが、迎えはもうユリウスの居場所などとうに知れているだろう。筆談で証拠が残ってしまう以上、革新的なことを直接書くのは控えたかった。時間はあと少ししか残されていない。
-どうすればいい…?どうすれば……
考えたが、そこまでだった。焦りに意識を駆られていたユリウスでは間に合わなかった。結局、分かりきっていることを確認しあった程度で神官長に見つかってしまったのだ。
-俺はまた…失敗したのか…
「ユリウス!!!!!こんの恩知らずが!!!何度言わせればわかるというのだ馬鹿め!!!」
神官長が鞭を振り上げた。痛いのは嫌だが、しょうがない。ユリウスは、静かに目を閉じた。
パァァァン!!!!
聞きなれた鞭の音。だが、身体に痛みは感じない。目を開ければ、レオンハルトがユリウスを抱きしめ、そのままユリウスに覆い被さる形で倒れた。
-何が起こったんだ
目の前で怒っていることが信じられない。神官長が暴言を吐いて鞭を打ち付けていたのは、他ならないレオンハルトにだった。ユリウスは叫びたかった。叫ぼうとした。だが喉からは声にもならない浅い息しか出てこない。
-ああぁ…ああああああああぁぁぁ!!!!
ユリウスはすぐに神に祈ろうとした。レオンハルトの傷が癒えるように。だがそれはレオンハルトに止められてしまった。
「今、私を治癒してはいけない。あなたが危険だ。教会の前に、私の馬車が停まっているはずだ。私は…ゔっ…ン…大丈夫だから、隙を見つけたらすぐに逃げて。いいね。」
レオンハルトはもう既に何度も神官長に鞭を打たれてしまっている。想像を絶する痛みの筈なのに、こんな状況でも、レオンハルトの声は優しかった。
-それに比べて俺は……
治癒も出来ない。助けも呼べない。自分では、なにも役に立たない。ユリウスは自分のことなどはどうでもよかった。なりふり構わずレオンハルトを助けたかった。だが我を忘れた神官長も、部屋に鳴り響く鞭の音にも、恐怖を抱いてしまった。これ以上ない恐怖を。
-死ぬかもしれない
ほんの一瞬。神官長がたじろぐ。ユリウスも、レオンハルトもそれを見逃さなかった。
「今だ!!!!」
ユリウスは、泣きながら立って走り出し、レオンハルトを置いて窓から外へと飛び出した。
レオンハルトがユリウスを呼ぶ声に、気づかなかったフリをして……
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