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彼のお風呂
デートのあと
しおりを挟む私、伊角 温子は入浴剤メーカーに研究員として勤めている。
嫌いな後輩だった営業部の水川 誠二とばったりスーパー銭湯で出会ったことをきっかけに、混浴温泉巡りをする仲に。そして次第に惹かれ合い恋人となった。
混浴温泉で裸の付き合いから始まったのに、恋人になってからは中々キスやその先のことを水川がしてくれないことに、焦れていた頃もあった。しかし今では大人な関係にも発展し、2人の関係は更に深まっている。
さて、今日は映画やレストランでディナーと典型的なデートをし、この後は水川の部屋に行く。
これまでデートは外食や温泉旅行で、部屋に行く機会も無く初めての訪問になる。
街灯に照らされた夜道を歩きながら今夜のことを考える。
今日は泊まることになっていて簡単な着替えは持ってきている。
ガチャリ
「お邪魔しま~す」
「散らかっててすみません」
暗くほぼ何も見えなかったが、ぱちっという照明がついた音と共に部屋がくっきりとした輪郭線を持つ。
おお、水川の部屋ってこんなのなんだ!
青や紺色を基調としたファブリックが、水川のイメージに合う。生活感はあっても散らかってはいない部屋。
「きれいにしてるじゃん」
「一応は掃除しましたからね、温子さん来るし。そのあたりに座ってて下さい。何か飲みます?」
「ううん、お気遣いなく~」
水川は、じゃあコーヒーでも…とキッチンでお湯を沸かし始めた。
私は行儀が良いことではないが、キョロキョロと部屋の隅々を観察する。あ、あの旅行雑誌見たことある。この前の温泉旅行のときに参考にしたやつだ。テレビの下にはDVDが並び、「こういうの見るんだ」と水川のことを更に知れて嬉しくなる。
「どうぞ」
「ありがとう~」
2人分のコーヒーがテーブルに置かれる。香りが心地良い。水川も隣に座り、一息つく。
「自分の部屋に温子さんがいるって変な感じです」
「そう?来れて嬉しい」
これからも来て下さいねと、優しい微笑みに見とれながら照れ隠しにコーヒーをまた飲む。
それから今日の映画の感想や、今度行きたい温泉の話とかをひとしきり話す。
ふと壁時計を見ると、けっこうな時間が経っていた。
「もうこんな時間か」
「……そろそろ、お風呂入ります?もちろん二人で」
「二人で?」
そりゃあ予想していたけど、この後の流れを想像して顔を赤らめる。それを面白がっているのか、「何を想像したんです?」とからかってくる。
「一緒に入らないなんて選択肢ないですよ。うちの入浴剤使いましょうか。何が良いですか?」
水川は洗面台に向かい、箱を取ってきた。箱には我が社製品である入浴剤が各種詰まっており選びたい放題だ。
「うーん、そうだなぁ」
箱の中を物色する。
気分的には深海シリーズの入浴剤が良いんだけど、いかんせん、お湯は綺麗な透き通る青になるが体が隠れない。
とはいえ、乳白色になる入浴剤の「桃色夢見」は以前のホテルでのことを思い出してしまう。気持ちよすぎて気を失うとか…本当に失態を晒した。
ええい、もう何でも良いや!
「水川くんが決めてよ」
「いいんですか?そうだな、じゃあ「もこもこ雲」にしましょう」
もこもこ雲は、泡風呂になる入浴剤だ。濃密な泡が長時間保つこの入浴剤は人気だ。あまり大きな声では言えないがラブホテルでも使用されているとかなんとか。
水川はフフンと鼻歌混じりに、お湯を準備してきますとお風呂場へと向かっていった。
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