3 / 7
原っぱで君と その2
しおりを挟む
「マナ姉ちゃん!今日も来たよ!」キミはいつもの原っぱにやってきた。
「キミかい…?…どうしたんだい、その腕は」マナが驚く。キミの腕には包帯が巻かれていたのだ。
「これは、その…シェル・ソードの練習のしすぎで痛くなっちゃって…」
シェル・ソードとは円錐形のシェルと呼ばれるカスタマイズ可能な魔導玩具を逆さにし、ブラスターと呼ばれる発射装置にセットした後、付加魔法を込め己の渾身の力を込めストリングを引きシェルを発射し、円形闘技場(コロッセウム)で戦わせる遊びである。
そしてこの遊びは、広く伝わっている遊びではなく、マナが暇つぶしに考案した魔導玩具遊戯であった。
この遊びをするためには最低限の魔力行使の才能が必要であり普通のヒト族では扱えず、仕方なく、長らく封印していたものであった。
だが、マナはキミと出会い、その才能を見出し、彼の後の最強の相棒『ブリザードブレイバー』をキミに託したのだ。
「キミって子はまったく…ブラスターからのシュート練習は程々にしないと肘を痛めると、あれほど言ったじゃないか?どれ、見せてみなさい」
マナはキミの腕の包帯を解き入念に調べる。「フム…興味深い…」「マナ姉ちゃん、なにか言った?」「フフ、別に?」
マナは掌から少量の癒しの波動を出しキミの腕に当てる。俗に言うヒール、ヒーリングといった類の低級回復魔法である。
少量、とするのは理由があり、幼少期から癒しの波動を大量に浴びてしまうと癒しの波動に身体が慣れてしまい、傷の自然治癒能力を阻害するという研究結果から来ている。
その結果、自動回復、継続回復魔法のリジェネーション等に頼らなければならなくなる王侯貴族が増えてしまい、回復魔法の源である『神聖』を司る神を祀る『聖・大神聖堂教会』という組織が私腹を肥やし、ついには聖・大神聖帝国を築いてしまった。
正にヒト族の業の歴史である。
そんなことを考えているうちに、簡単な治療は終わっていた。
「ありがとう、マナ姉ちゃん!痛みが軽くなったよ!やっぱりマナ姉ちゃんはスゲーや!」
「フフ…そうかい?」
「うん!でも…」キミはブリザードブレイバー弐式とブラスターを持ってため息を付く。
「フフ…今日はこのシェル・ソードはお預けだね…」「うん…」
落胆するキミを見て、マナは懐から板状の物を取り出した。
「今日はこれにしよう」そう言うと、マナはその懐から取り出した板状の物を左腕に装着した。
「そ、それは!?」「ああ、今日はこっちの戦いをしようじゃないか…!」
装着した板は札を置くのに適したフォルムに変形を遂げる。
「ほらキミも、アイテムボックスに収納してあるんだろう?『トークンデスク』をさ?」マナは不敵に笑う。
「もちろんだよマナ姉ちゃん!」キミは虚空に右手を伸ばすとマナのそれとは似て非なる板状のアイテムを引き摺り出し左腕に装着する。
キミの腕のトークンディスクも変形し札を置くのに適した形になった。
「それではキミ、始めようか、私たちの決闘領域を!」「ああ、行くぜマナ姉ちゃん!」
お互いのトークンデスクから相手の腕に向けてワイヤーのついた手枷が射出され、お互いの腕に装着される。
このワイヤーは実際には相手に強制決闘を仕掛ける場合に拘束し、デスク上に表示される己の生命値が減る度に同等のスパークショックを与えるワイヤーである。勿論トークンデスクのオプションパラメーターを操作すれば、スパークショックを無くすことも可能である。
「キミは今日は怪我人だからな…痛覚無しで遊ん方が良いかな?」マナは挑発するような口ぶりでキミに問いかけた。
「肘の痛みだから大丈夫さ!多少のリスクがなければお互いに満足できないでしょ?マナ姉ちゃん!」
「フフ、キミのそういう所、私は大好きだよ!私のターン!ドロー!!!」
二人のバトルビレッジが、今、幕を開けた!
「キミかい…?…どうしたんだい、その腕は」マナが驚く。キミの腕には包帯が巻かれていたのだ。
「これは、その…シェル・ソードの練習のしすぎで痛くなっちゃって…」
シェル・ソードとは円錐形のシェルと呼ばれるカスタマイズ可能な魔導玩具を逆さにし、ブラスターと呼ばれる発射装置にセットした後、付加魔法を込め己の渾身の力を込めストリングを引きシェルを発射し、円形闘技場(コロッセウム)で戦わせる遊びである。
そしてこの遊びは、広く伝わっている遊びではなく、マナが暇つぶしに考案した魔導玩具遊戯であった。
この遊びをするためには最低限の魔力行使の才能が必要であり普通のヒト族では扱えず、仕方なく、長らく封印していたものであった。
だが、マナはキミと出会い、その才能を見出し、彼の後の最強の相棒『ブリザードブレイバー』をキミに託したのだ。
「キミって子はまったく…ブラスターからのシュート練習は程々にしないと肘を痛めると、あれほど言ったじゃないか?どれ、見せてみなさい」
マナはキミの腕の包帯を解き入念に調べる。「フム…興味深い…」「マナ姉ちゃん、なにか言った?」「フフ、別に?」
マナは掌から少量の癒しの波動を出しキミの腕に当てる。俗に言うヒール、ヒーリングといった類の低級回復魔法である。
少量、とするのは理由があり、幼少期から癒しの波動を大量に浴びてしまうと癒しの波動に身体が慣れてしまい、傷の自然治癒能力を阻害するという研究結果から来ている。
その結果、自動回復、継続回復魔法のリジェネーション等に頼らなければならなくなる王侯貴族が増えてしまい、回復魔法の源である『神聖』を司る神を祀る『聖・大神聖堂教会』という組織が私腹を肥やし、ついには聖・大神聖帝国を築いてしまった。
正にヒト族の業の歴史である。
そんなことを考えているうちに、簡単な治療は終わっていた。
「ありがとう、マナ姉ちゃん!痛みが軽くなったよ!やっぱりマナ姉ちゃんはスゲーや!」
「フフ…そうかい?」
「うん!でも…」キミはブリザードブレイバー弐式とブラスターを持ってため息を付く。
「フフ…今日はこのシェル・ソードはお預けだね…」「うん…」
落胆するキミを見て、マナは懐から板状の物を取り出した。
「今日はこれにしよう」そう言うと、マナはその懐から取り出した板状の物を左腕に装着した。
「そ、それは!?」「ああ、今日はこっちの戦いをしようじゃないか…!」
装着した板は札を置くのに適したフォルムに変形を遂げる。
「ほらキミも、アイテムボックスに収納してあるんだろう?『トークンデスク』をさ?」マナは不敵に笑う。
「もちろんだよマナ姉ちゃん!」キミは虚空に右手を伸ばすとマナのそれとは似て非なる板状のアイテムを引き摺り出し左腕に装着する。
キミの腕のトークンディスクも変形し札を置くのに適した形になった。
「それではキミ、始めようか、私たちの決闘領域を!」「ああ、行くぜマナ姉ちゃん!」
お互いのトークンデスクから相手の腕に向けてワイヤーのついた手枷が射出され、お互いの腕に装着される。
このワイヤーは実際には相手に強制決闘を仕掛ける場合に拘束し、デスク上に表示される己の生命値が減る度に同等のスパークショックを与えるワイヤーである。勿論トークンデスクのオプションパラメーターを操作すれば、スパークショックを無くすことも可能である。
「キミは今日は怪我人だからな…痛覚無しで遊ん方が良いかな?」マナは挑発するような口ぶりでキミに問いかけた。
「肘の痛みだから大丈夫さ!多少のリスクがなければお互いに満足できないでしょ?マナ姉ちゃん!」
「フフ、キミのそういう所、私は大好きだよ!私のターン!ドロー!!!」
二人のバトルビレッジが、今、幕を開けた!
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる