平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス

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つづきの話

03 北風と太陽

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「まーくん、我慢できない。抱きたい……。」

雪にぃちゃんのアパートに来るのは、これで3回目だ。
部屋の中に入るなりギュウギュウに抱き締められて耳たぶにくっ付けられた柔らかい唇が俺にそんなことを言うのが、まだいまいち信じられない。

「あ、あの、雪にぃちゃん、まだ朝……」

なんだか毎回おんなじこと言ってる気がする。
土曜日の早朝。俺は中学3年生だから、9月(今月)いっぱいでバスケ部の部長は引退。もうあとは受験だけだ。
家には、『雪にぃちゃんに勉強を教えてもらう』ことを口実にここに来ている。 


でも本当は……。


俺は、小さな子供の頃からずっと、4歳年上の幼なじみのこの人のことが大好きで。

今年の夏休みに何年かぶりに再会できて、念願叶ってなんと恋人同士になれた。

まだ付き合い初めなのに電車で7駅の距離があるから週末しか会えない俺は、雪にぃちゃんに会いたい一心で、この人が一人暮らしするアパートの玄関にいる。
……んだけど。

「わあぁ、待って待って」

履いているブラックのストレートジーンズがズルッと膝まで下ろされて、下着のボクサーパンツの上から尻の谷間を撫でられた。 
明確な意思を持った指が、布越しに穴をつつく。

「あっ、…っ……」

ぐぐ、と指がめり込んできて、冷や汗が出た。目頭が熱くなる。

「ヤダ……」

ふるふると首を横に振ったけど、雪にぃちゃんはもう止める気がないみたいだ。左手で俺の首を掴んで左耳を唇で甘噛みしながら、右手は俺の尻をいじくり回している。

どうしよう。
俺、また……。

付き合い初めてから、セックス無しで会えたのは1度きりだ。
会う度抱かれる。
「イヤっ、やだ、雪にぃちゃん、待って」

怖い。

いやだ。怖い。

大好きで仕方ないのに、鳥肌が立つ。
俺より頭半分背の低い雪にぃちゃんが、肩幅も小さくて一見小柄に見えるこの人が、怖い。

きめ細かくて白い肌はほんのり上気して桃色で……唇なんかはなんにも付けていないのに、もっと濃い紅色をしている。
マッチ棒が乗りそうな長い睫毛、吸い込まれそうに大きな瞳は角度によって淡い色合いのスモーキークォーツみたいで、顔だけ見たら女の人に見えるかもしれない。

でも、子供の頃から空手と柔術を学んだ服の下の肢体は全身無駄のない筋肉で覆われ、バネのように俊敏で関節の稼動域が広くて……。俺が嫌がっても、どんなに泣いても暴れても、俺の方が身体自体は大柄なのに絶対に敵わないんだ。
初めての時も、2回目も、この前来た時だって、俺はいやだって言ったのに……。


まだ一緒にどこかへ遊びに行くとかもしてない。


付き合ってるのに、恋人らしいことなんにもできてない。


会えなかった何年もの間、俺はいつも夢見てた。いつか再会して、もし恋人になれたら、一緒にしたいことがたくさんたくさんあった。


……順番が違う。


でも、わかってもらえないんだ。
『逃げようとしても無駄だって、まだわからないの?』
先週言われた言葉を思い出して、泣きたくなった。

雪にぃちゃんは柔術の段持ちだ。素人の俺が暴れたところで、関節を極めるまでもない。簡単に動けなくされてしまう。

「まーくん、会いたかった。この中に入りたくて入りたくて、頭がおかしくなりそうだった。」

熱を孕んだ声と一緒に、乾いたそこに指が挿入ってきた。

「ひっ、痛いっ」

悲鳴を上げた俺を、雪にぃちゃんは低く笑う。

「すぐにグチャグチャにしてあげるから。」

言いながら更に深くまで、その指をねじこんだ。
カタカタ、足が震え出す。瞼を閉じるとパタと涙が落ちた。俺が怯えているのに気付いたのか、雪にぃちゃんの左手が俺の頭を優しく撫でる。

「まーくん、勘違いしないで。」

優しい声。
でも指は抜いてくれない。

「酷いことがしたいんじゃないよ。まーくんが大好きだから、可愛いがりたいの。ほら、力抜いて、ベッドに行こ」
「……ゃ、ぬいて」

寝室に行こうとする雪にぃちゃんの腰にすがりつくみたいにして言ったけど、

「ダメ。だって中、キュウキュウ食いついて離してくれないんだもの。」

クスクス笑われて、奥を引っ掻くみたいに指を動かされた。

「やあっ、いたぃよぉ」

もうほとんど涙声だ。
なんの滑りもなく直腸内を擦られるのは痛いばかりで、異物感と圧迫感もすごい。
うつむいていた顔を上げて雪にぃちゃんの表情を見て、驚いた。優しい声とは裏腹に、俺を見る目は……。

この場で喰い散らかしてやりたい。まるでそう言っているみたいだった。
獲物を捕らえる捕食者の眼。

どうして。 
俺は、ただあなたが好きなだけなのに。

どうして。

胸の奥が苦しくなって、鼻が痛くなった。喉を何かが押し上げる。ひく、と喉が鳴ると頬に涙が流れた。

「待って、やだ」

ベッドまで引き摺られて、ぽーんとその上に放り出された。俺の体重は多分雪にぃちゃんより重いはずだけど、ひどく軽そうに。


本当は好きなひとの望みを叶えてあげたいと思うけど、どうやっても耐えられないことがあって。


先週、この部屋に来た時も雪にぃちゃんは俺を抱いた。熱心に何度も何度も。
全部中に出されて、それでもはじめは我慢できた。

でも、行為が長時間に及ぶと……。入れてる穴が排泄器官なんだから、当然といえば当然だけど。
においが、して。

自分で気付いてからはもう恥ずかしくて半狂乱になった。暴れて叫んで、逃げたくて、隠れてしまいたくて。
でも雪にぃちゃんは許してくれなかった。
『急にどうしたの』
って言われたけど、気付かないわけないと思った。

でも一番辛かったのは、最後だったから意識が朦朧としていたけど、それでも覚えてる。考えたくないけど、忘れられるわけもなくて。

お風呂場で、すごく優しい優しい声で
『泣かないで、綺麗に洗ってあげるから。力抜いて楽にしてて。大丈夫だからね』
って言われた。

雪にぃちゃんはずっと俺の頭や背中を撫でてくれた。
止まらない涙と嗚咽にキスをくれて。
でも。

両手は後ろで縛られた。 

俺は何度もいやだ、やめて、お願いだからやめてくださいって言ったんだ。
でも『まーくんのためにするんだよ』って言われた。

無理矢理、排泄させられた。
1回じゃ終わらなかった。
もう死んでしまいたいと思った。

どうして、大好きな人にこんなに汚いところを見られなきゃいけないのかわからない。
前が見えないぐらいに涙が溢れて、吐き気がして、心臓と頭と腹の中が痛かった。
透明なお湯しか出なくなると、雪にぃちゃんは『よく頑張ったね』って言って俺を抱き締めた。

俺はただ、首を横に振った。
もう帰りたいって言った。
でも帰してもらえなかった。

そのまま浴室で、背中に両手が回ったままで、気を失うまで、された。

怖いなんて思いたくない。
好きなんだ。
雪にぃちゃんのこと。

「受け入れるための身体」を持たない自分が辛い。
あんなこと、あんな汚いこと、雪にぃちゃんだってきっとやりたくてやったんじゃない。
俺が、こんなだから……。

「雪にぃちゃんっ、いやだぁっ」
「ジタバタしないで。また無理矢理犯されたいの?」
「……っ」
「泣かないで。お願い。」

雪にぃちゃんが困ったように、でも心配そうな顔でそう言って、

「だって、きたないよ、おれ、もう……っ」

でもその顔はすぐに苛立ったものに変わった。

「汚い?」

違う。

「僕に抱かれるのが、汚いことだって言うの?」

違う。

ちがうのに。





身体中が痛い。
気が付いたら雪にぃちゃんがいなくて、どうにか半分身を起こしたら、股間は精液でドロドロで、おまけにそれは少しピンク色になっていた。
腹の中が酷く痛む。
初めての時といっしょだ。中が少し切れたらしい。

「ふ……ぇえっ……えっうぅ…っ」

苦しくて、苦しくて、体が痛くて、でもそれ以上に胸が痛い。

違う。

傷付けたかったわけじゃないんだ。

「ゆきっ…にぃちゃ…ん、どこっ……っ?」

込み上げる嗚咽を抑えることもできずに、室内を見回した。 
いない。
背筋がゾッと冷たくなった。
……いやだ。
雪にぃちゃんがいない!!

「ごめんなさいっ……ゅきにぃちゃ…もどっ…てきて……」

そこまでしか、喋れなかった。
うわぁーん、と情けない声が出た。
続いて喉がヒーッと鳴る。 

本当は何でもさせてあげたいのに。
ダメなのはおれなのに。
なのに雪にぃちゃんを傷付けてしまった。
謝りたい。
誤解をときたい。

俺が痛いのも苦しいのも構わない。
あなたを悲しませてしまうのが、何より辛い。

戻ってきて。
ここにいて。
お願いだから。

キィ、と微かな音がして、寝室のドアが開いた。

「……起きたの。」
「んうっ……き、にぃちゃ……わっ!」

戻ってきてくれたことが嬉しくて身を乗り出したら、そのままバランスを崩してズルズルと上半身だけがベッドからずり落ちた。
か……。
かっこわる……。
いや。
べしょべしょ泣いてる時点で既に充分カッコ悪いだろう。

「な…にしてるの。もうっ」

雪にぃちゃんのほんの少し慌てたような声が嬉しかった。
抱き抱えてベッドの上に戻してくれた雪にぃちゃんの身体を、離れてしまわないように抱き締める。

「まーくん離して。手当てしなきゃ」

ちら、と床を見ると、タオルとお湯の入った洗面器がある。
これを取りに行ってたんだ。
じわじわと新しい涙が溢れた。
俺の涙腺はもう完璧バカになってしまったんだろう。悲しくても嬉しくても涙が出る。

「…き、にぃちゃんのことじゃ…なぃ……。きたない、のは……おれなんだ。」
「え?」
「ぉれが、女の子じゃない……から、しなくていいことさせて、ごめんなさい……。俺が出した汚いもの、掃除っさせたり……して、ごめんなさい…っ…」
「な……」

雪にぃちゃんは何か言いかけて、でも言わずに溜め息を吐いた。
俺は、言いたかったことがやっと言えて、少しほっとした。
雪にぃちゃんが俺を優しく抱き締め返してくれたから、不安な気持ちが消えていく。

怖かった。

先週のようなことになるのが。
面倒をかけて、汚いモノを見られたり、それを片付けたりさせてしまって、そのことで『やっぱり女の子の方がいい』なんて言われてしまったらどうしようって……。ずっと、本当はそれが怖かった。 


「どうしよう。もうなんなの。この可愛い生き物。自分が僕に何されてるのかもわかってない……。」 

ブツブツと独り言のように言って、俺をベッドにゆっくり横たえると、

「こないだのが辛くて、だからあんなに嫌がったの?」

穏やかな声で訊かれて、俺はこくんと頷いた。

「……でも僕が好きだから、ここに来たんだ?」

また頷く。

「いっぱい泣かせちゃった。……ごめんね。」

これには、ふるふると首を横に振った。

「まーくん、可愛い。どうしたらいいの?また抱きたくなっちゃったでしょ。あんなに乱暴にするんじゃなかったよ。……もう……」

自嘲気味に笑って、俺の頬にキスをくれる。

「僕のだからね。この体も、可愛い中身もぜんぶ。たとえ嫌われたって、二度と手離してやれないから。」

ぎゅっと抱き締められると、頭がぼうっとした。

「我慢するから、安心して。……おなかすいたでしょ。綺麗にしたらお昼食べようね。今日はブリ大根と冷や奴と白菜のおひたし。もちろんキュウリの漬け物と、お味噌汁もつけてあげる。好きだよね?」
「うんっ。」

笑うと、ほっぺたが乾いた涙でパリパリしたけど、そんなことどうでもいいんだ。
ちゃんと話したらわかってくれる。
当たり前のことなのに、それができなくて雪にぃちゃんを傷付けてしまった俺を、許してくれて。

「雪にぃちゃん、だいすき。」

そう言ったら、雪にぃちゃんも笑ってくれた。





ふと目が覚めると、寝入りばなは枕の上に乗っていたはずの頭が、雪にぃちゃんの腕の上にあった。
咄嗟に首と肩に力を入れて頭を浮かせると、

「大丈夫。重くないよ」

囁くような優しい声で言われた。
胸がぎゅうっと苦しくなる。

「腕、痛くない?」

人間の頭って確か、8キロくらいあるってだいぶ以前(まえ)にテレビで見た。

「ううん、全然。…起こしちゃってごめんね。」
「……。」

力を抜いて雪にぃちゃんの腕に頬をのせるとドキドキして、なんとなく気恥ずかしかった。
でもそれ以上に、嬉し過ぎて胸が苦しい。

すごく穏やかな目に見つめられると、だんだん尻がむずむずしてくる。幸せなのに、逃げ出したい。
嬉しいことも許容量を越えると大変だと思った。
耳が熱くて。

「勃ってる」
「!!」

それは本当のことなんだけど、見ない振りして欲しかった……。

「まだ朝じゃないよ?」
「あっ」

そろり、指の腹で撫でられて、ビクンと体が揺れた。

「舐めてあげようか?」
「いっ、いいよ。しちゃダメ……」
「どうして勃っちゃったの?腕枕して、頭撫でただけじゃない?」

そんなこと訊かれてもわからない。
勝手になってしまったんだ。
何か言い訳したかったけどできなくて、下を向いたり雪にぃちゃんの顔を見たり。

「何オロオロしてるの。我慢してるんだから、あんまり可愛いことしないで。おちんちん入れたくなっちゃうでしょ。」 
「…っ……あ、あーっ」

尻の谷間を指が撫でて、下着の上から前をぐしぐしと揉まれて、声を上げてしまった。
バツが悪くて雪にぃちゃんを見れない。
目をギュッと瞑ると、

「まーくん、僕のこと好きだよね?」
「うん。」

縋るような気配に少し驚いて、でも俺は即答した。

「来週になっても、再来週になっても、僕に会いに来てくれるよね?」


雪にぃちゃんが俺の気持ちを確認しようとしているのが、どうしようもなく嬉しかった。

「くる。」

短く言ったのは、涙声になりそうだったから。

「良かった……。」

本当に嬉しそうに呟くと、雪にぃちゃんの指は俺の下着のボクサーパンツの中に入ってきた。

「あっ」

驚いて声を上げると、枕になっている腕が俺の頭を抱え込んで、額に口づけられた。
すぐに柔らかい唇の間から、ぬめった舌が出てきて俺の額を吸い、舐める。

そんなところが感じてしまうのが信じられなかったけど、後頭部と首に鳥肌が立つほどゾクゾクとして、息が上がった。
性器を包む手のひらは熱くて、でもそれきり動かない。俺が焦れてもぞもぞと動くと、

「ダメ。じっとして。」

とたしなめられた。
ちゅう、と額を吸われるたび、同じところを舌が滑るたび、背中を通る骨の中に、何かが溜まる気がする。
次第に腰がじんじんしてきて、俺は無意識のうちに両腿を擦り合わせていた。 

「ん、んーっ」

気持ちいい。
でも優し過ぎる刺激はもどかしくて、俺を苦しめた。
弾けそうになった性器をただゆるく握っているだけの雪にぃちゃんの手に、自分で腰を揺すって擦りつけたくなる。

「まーくんはおでこが気持ちいいんだ?」

湿った唇が耳たぶに触れて、すぐに濡れた感触がした。てろてろと耳たぶの端を舐められて、腰が跳ねた。

「耳も気持ちいいんだよね。」
「あ、あー―――…」

唇は、俺のからだを下に向かって下りていく。

「首も気持ちいいし、鎖骨も、胸も気持ちいいんだ。」

そこら中吸い付かれて、強弱つけて舐められて、

「あ、ひゃあぁあっ」
「そんなにおっきい声出るほど良いの?おヘソって……。」 

ヘソに尖った舌が挿し込まれる頃には、俺は全身脱力してされるがままになっていた。

「ね、舐めてあげようか?」

少し前に訊かれた時は、恥ずかしい気持ちの方が先に立って、すぐに断ったのに、今度は頭がぐらぐらするくらい、そこに、強い刺激が欲しかった。
柔らかく握られているだけじゃ、とても収まらない。
もう何度も味わった雪にぃちゃんの口腔と舌の感触を思い出して、早くそれが欲しくて、こくこく頷いた。 

「なぁに?声に出してくれなくちゃわからないよ。」
「お……ねがい、します」

震える声で言うと、雪にぃちゃんがクスクス笑う。恥ずかしかったけど、それよりも今は強い快感が欲しかった。

「ひぃ、きああっ」

てっきり、性器を舐めてもらえると思っていた俺は、予想していなかった場所を吸われて悲鳴を上げてしまった。
くすぐったくて、むず痒い。
でもまた何かが背骨に溜まる。
ズズッと片方が口の中に吸い込まれると、中でめちゃくちゃに舐めしゃぶられて、頭を掻き毟りたくなった。

「ぃやぁっ、ちがうよぉ、そこ…じゃな……っ」
「ふぅん、じゃあこっち?」

唾液に濡れた片方が解放されるかわりに、もう片方が吸い込まれた。

「ちが…っあ、やだやだぁ」

バタつかせかけた足は暴れる前に押さえ込まれて、自分でもその存在自体、普段あんまり意識していない睾丸を執拗に舐められた。
思ったより神経が通っているんだろう。快感よりもこそばゆくて、でもどうしてか、腹の中がジンジンする。

「んああっやだ、くすぐったいっ!やっ、やっ」
「そう。ならここもすぐ気持ちいい場所になるよ。」

ぷる、と指で揺らされて泣き声をあげると、雪にぃちゃんの手が俺の両足を思いきり左右に拡げた。

「や、あーッッ」

肛門の淵に舌が触れたのがわかって、俺は瞼をきつく閉じる。


身体が跳ねて、背中がしなって涙が勝手に出てきたけど、俺の両手は逃げようとするよりも先に頭上から枕を探してきて、それにしがみついていた。
ピチャピチャ音がして、股間から尻の谷間がぐしょぐしょに濡れていて、恥ずかしいのに気持ち良くて、なんだかもう、どうしたら良いのかわからなかった。

「んんぅー――っ」

枕を噛んで声を押し殺したけど、あんまり意味がない。
それくらいじゃ我慢できないからだ。
くぬ、と中に舌が挿入って、内側を舐められたり、出し入れされたりすると、目の裏に星が散った。 

「ひぃいっ……も、無理、無理っ…おねが……もぅいいから、もうやめて……っやめてくださ……ぃい」

懇願したけど、強すぎる快感が止むことはなかった。
もう俺の入り口はニュルニュルと行き来する雪にぃちゃんの舌が気持ち良すぎて、その奥までが疼いて。
今入れてもらえたら、きっとその衝撃だけで射精してしまうと思った。

「どうしたの、そんなにお尻振って。発情期の犬みたい。」 
「いやぁ、もぉ、我慢できな……」
「おちんちんは入れないから。我慢するって約束したしね。かわりにベロでいっぱい可愛いがってあげる。気持ちいいでしょ?」
「いや、だあぁ……」
「ダメだよまーくん、中は怪我しちゃってるんだから。おちんちん入れたら傷が開くよ。また痛いばっかりで泣かなきゃならないんだよ?」
「う~……っ」

俺はもう必死で首を横に振った。
そんなことどうだっていいから。
入れて欲しい。

自分からそう思ったのは初めてだったけど、恥ずかしがる余裕もなかった。
今朝の行為だって、苦痛だけだった訳じゃない。
恋人同士になってから会うのはまだ5回目だったけど、抱かれた回数はそれどころじゃないんだ。
その都度念入りに開かれて、驚くほどたくさん求められて、俺の身体は既に、朧気ながらも受け入れる快感を覚えてしまっている。

「ゆきにぃちゃん」

名前を呼んで、手を伸ばした。
自分で自分の足を抱える。

「ゆきにぃちゃん…」

呼ぶ声に嗚咽が混じった。


恥ずかしい。


浅ましい自分の体が。本当に言いたかったのは、もっと直接的な言葉なのに、それがどうしても言えなくて。

「……ゆきにぃちゃん…っ」

泣きながら何度も、ただただ名前を呼んだ。

「き、にぃちゃ……っく、えぅっ……ゆきにぃちゃん…」

目の前は涙で歪んで、頭の中は快感で痺れて、腹の奥が熱いような、痒いような感じがする。

つぽ、と微かな音がして舌が抜かれ、雪にぃちゃんは上体を起こしてずり上がると俺に覆い被さった。
期待に喉が鳴る。
早く。
早く。

「酷い男で、ごめんね。」

小さな声と、大きな質量が俺の内側を押し開くのはほとんど同時だった。

「あぁああああっ」
「わ、…まーくんっ……」

根本まで受け入れる前に射精してしまって、やっと訪れた解放感に目の前が霞む。
全身がビクンビクンと痙攣して、意識が遠のいていく。
雪にぃちゃんの声が聞こえた気がするけど、よくわからなかった。









「まーくん、起きて。」
「ん、んー」

目を覚ますと、天井がぐらぐら揺れて見えた。

「大丈夫?」
「……うん、だいじょうぶ。」

心配かけたくなくてそう言ったけど、正直なところちょっと不安だった。
でも、その判断は正しかったんだ。

「じゃあ行こ。今友達に車借りて来たから、……ドライブに行くだけだけど。今日は帰りも車で送ってあげられるからね。」 
「雪にぃちゃん、免許持ってたの?」
「うん。まだ自分の車持ってないからペーパードライバーだけど。まーくん、今日電車で帰るの辛いでしょ?混んでたら座れないし……。借り物だけど、良い車だから気に入ると思うよ。」

俺のために?
俺のこと、心配して……。

しかも、ドライブってもしかして。

「は、初デートだっ!」

嬉し過ぎてつい興奮してしまった。
だって、だってだって、ずっと、俺はそういうのが、したかったんだ。

バンザイの格好でガバッと起き上がるなり、腹の中の痛みにうめいて蹲った俺の頭を、雪にぃちゃんは笑いながら撫でてくれた。

「もうほんと、なんなんだろね。この可愛い生き物は。」

その声は呆れたようで、困ったみたいで、でもなんだかとっても、嬉しそうだった。






end.
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