平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス

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つづきの話

04 たいせつなきもち

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僕の身体を押し退けて逃げようとする長い腕を力尽くで押さえ付けた。
もう何度目だか自分でも分からない射精は、いつまでも尾を引く快感でひどく長く感じる。

「あ、やぁ……っ」

ごぽ、と小さな泡を作って結合部から僕の精液が溢れ出す。
熱く腫れたその場所がどんな風に僕を咥え込んでいるのかは行為の間中何度もこの目で見た。
赤く膨れて、皺が伸びて張り詰めた薄い粘膜が奥に押し込まれ、引き出すたびめくれ上がる。肉色の内側が見えるたび、気が狂ってしまうんじゃないかと思えるほど興奮した。

「……ぃたい、……いたいよぉ、おなか、いたい……っ」

掠れ、途切れ、力無い声。

痛いの。
苦しいの。
逃がしてもらえなくて、泣いているの。
でも、大丈夫だよね。
もうまーくんは小さな子供じゃない。
こんなに大きくなったんだもの。

まるい形の短い爪、骨張って少しゴツゴツした長い指が、何度も宙を掻く。僕の手よりも一回り大きく成長した手のひらは、けれどとても非力だった。
僕を押し退けること自体に、どこか遠慮しているんだろう。部活でバスケをやっているだけのまーくんと僕とでは根本的に鍛え方が違うから、どうせ同じことなのに。

あぁ、まただ。

縋るような目つきで、ただじっと僕を見ている。
小さな悲鳴と嗚咽に噎せながら、まだ僕が助けてくれると思っているんだ。

こんなに泣かせたのも、辛い思いをさせたのも僕なのに。まだ経験の浅い腫れ上がった身体を散々抉られて、とっくに快感とは程遠いものになった行為を強いられて、それでも……。
鼻先がくすぐったくなって、ふふ、と笑ってしまう。

「……まーくん」

軽く腰を引いただけで濡れ過ぎた穴からはつるんと出てしまった。まだ萎えて無いけれど、このまま続けてもなかなか達けなくて長引くだけだ。
……もういいか。

「酷くしてごめんね。でもすごく、……すごく気持ち良かったよ。」

涙で熱を持った瞼に口付けてゆっくりゆっくり髪を撫でると、ほっと息を吐いて安心した顔をする。

「大好き。可愛くて、可愛くて、いくら抱いても足りないよ。」

出来る限り甘い声で囁く。
ふわりと表情を和らげるこの子に、優しい微笑みを返してやる。
先ほどまでの酷い行為がぼやけるように。

今日はまーくんを僕のアパートに連れて来てから、すぐに寝室に連れて入った。もちろん、抱くために。
ベッドに座らせると慌てて逃げようとするから、つい頭に血が上って……。
初めて抱いたとき、二度目に抱いたとき……ほかにもあったと思う。
無理矢理抱くのはこれで何度目だろう。

「可愛いよ。僕のまーくん……。」

涙の跡のついた頬をべろりと舐めると、きゅ、と目を瞑って恥ずかしそうに首を振った。

「……き、にぃちゃ……っ、俺、かぉきたないよっ……舐めちゃダメ……」
「……。」

背筋から甘く震えが上る。胸の中を掻き毟りたいほどゾクゾクとして、息が苦しくなった。
……馬鹿だなぁ。
もう許してあげようと思ってたのに。

「まーくん、日曜の夕方に帰るんだよね?」

にっこりと微笑んだ僕に、まーくんは何の警戒もせず頷いた。

「良かった。金曜(きょう)の晩から来てもらって正解。」

鼻歌混じりに自分にのし掛かる僕を、まーくんは安心しきった表情で見上げている。
可愛いな。
もう終わったと思ってるんだ。

「すごい……びちゃびちゃだね。」
「ゃっ!」
「じっとしてて。綺麗に拭いてあげるから。」
「自分でできるっ……じぶんでするっ」
「してあげたいんだよ。……ごめんね、こんなにして。まーくんがいっぱいイヤって言ったのに、痛いって泣いたのに、止めてあげられなくて。」

タオルで拭ってやると、両腕は真っ赤になった顔を覆い隠してしまった。
アーミーグリーンのTシャツ一枚しか身に着けていない身体は無防備すぎて……。
右肩と腰を持ち上げて転がすと簡単に俯せになった。

「頭隠してなんとやらだよね。」
「……っひ?!や、うあああぁっ!!」
「……あーあ。また入れられちゃったね。……ぅわ中、熱っつぅ……。」

潤滑剤がわりの僕が吐き出した精液をすっかり拭き取ってしまったせいで、熱を持った粘膜がぎち、ぎちと苦しそうに僕を締め上げる。

滑りが悪くなったぶん、刺激は鮮明になった。

熱い肉壁、内側の細かい襞が、彼が呼吸するだけでひくひくと蠢き続けている。
あまりに生々しい快感で、ひどく単純な欲望だけが大きくなった。

「もう体力残ってないんでしょ?寝ちゃっててもいいよ。」

自分で言っていてゾッとするほどの、情欲に塗れた声。

ひっ、ひっとまーくんが泣き始めると、いよいよ堪らなくなってしまう。

「知ってた?こうやって引き出していくと、まーくんの肛門って僕のおちんちんにくっついてくるの……」

出血こそさせていないものの、何度も押し拡げられて長い時間擦られ続けたそこは可哀想なほど腫れていた。
熱くて、狭くて、何より愛しくて、頭がクラクラする。

足りない。
ずっと欲しかった。
まーくんを遠ざけた4年間、いや、初めて抱きたいと思った時からだと何年経つんだろう。
これっぽっちで足りるわけがない。
どうして毎日傍にいないんだろう。毎日抱いて、抱いて、抱き潰してやりたいのに……。









夢の中、なんだろう。ぼんやりとそう感じた。

今はもう僕より10センチ以上も背が高いはずのまーくんが、小さな子供の姿をしているんだもの。
にこにこと嬉しそうな表情は、あんまり毒気がなさすぎて見ているだけで温かい気持ちになる。
ぎゅうっと抱き締めると、途端に泣き出した。

僕に怯えて震え上がる。引きつけを起こすほど泣いて、小さな手が必死に僕を押し退けようともがいた。
パニックを起こして逃げ惑う幼児の細くて脆い手首を掴むと、ことさらに泣き声が大きくなった。僕は慌ててその口を手で塞ぐ。
暴れて、泣き叫んで、そのたび僕に押さえ込まれ、まーくんは次第に大人しくなっていった。

ほっとする。

でも何か変だと思った。

腕の中で縮こまり、全身を固く強張らせた小さな身体は、まるで……。



目が覚めて、全身から噴き出した不快な汗に眉を顰める。
すぐ隣りではまーくんが静かに寝息を立てていた。

まーくんは毛布を蹴飛ばしたらしく、掛け布団も斜めになっていた。きちんとかけなおしてやってから、汗で湿った自分の着ていたTシャツを脱いで床に投げる。
喉が渇いた。胸がモヤモヤする。
キッチンで水を飲もうと思ってベッドを降り、喉の奥が痒くなって吐き気がした。その場に蹲る。

「…………」

自分の醜さに、吐き気がした。
泣くのを、嫌がるのを、開放して欲しいと訴えるのを、一切無視して自分の欲だけを貪った。
途中で気を失ってしまったこの子を、それでも犯し続けた。
疲れ果てて眠ってしまったのをまた犯して、その上まだ足りないのに、どうしてそんなに体力が無いんだと身勝手に苛立ちもした。

まーくんが怯えてしまうのも無理はない。

止められない欲望の深さは、自分で考えていた以上のものだった。
かわいいまーくん。
小さな子供の頃から、いつも僕を癒してくれた。もしも彼と出会えていなかったら、僕は一体どんな人間になっていただろう。

まともな人間になれたとは、とても思えない。
かつて僕を犯した奈良崎が言ったように、力弱い者に激情をぶつけるあいつらと同種の人間になってしまっていたかもしれない。

手足がバラバラに切り刻まれた乳児のすがた、首と胴だけになってもまだ息のあるからだを、笑いながら犯して息絶えるまでビデオに撮り続けた男の狂気を思い出した。
異国で買った子供を犯しながら殺す自分の姿を撮った映像を見ながら、興奮しきって僕を犯した。さすがに日本で殺したら後々面倒だからと笑い、血みどろの画像にとろりと蕩けた眼で……。

何度も繰り返し見せられた吐き気がするばかりの映像と、それよりも嫌悪を煽る幼い頃男たちに玩具にされた自分自身の姿に、頭がおかしくなりそうだった。
恐怖と嫌悪と屈辱と。からだの痛みなんて忘れてしまう程の怒りが自分を支配して弾けそうだった。

「……まーくん」

僕はなんて不完全な人間なんだろう。
もう10年近くも昔の傷をいまだに癒せず抱え続けている。

今正気を保っていられるのも、一番辛かった頃に奈良崎に自分が受けた行為をそっくりそのまま自分がまーくんに行うという妄想にすり替えることで、ようやく叶えた卑怯なものだ。 

『強くなりたい。』

ずっとそう願ってきたのに。

この精神の脆弱さときたらどうだ。








「雪にぃちゃんっ、どうしたのっ?!」
「………」

自家中毒を起こして自分の吐瀉物の中で倒れていたらしい。
嘔吐したものの饐えた臭いにまたえずいた。

「やっ、どうしてっ、……そうだ救急車っ」

すっかりパニックになってしまっているまーくんの手を掴む。

「大丈夫。ごめんね、何でもないから心配しないで。」
「大丈夫なわけないだろ!何でもないなんて何でわかるんだよっ!こんなに吐いて、倒れるまで何で我慢するんだよっ!!」
「まーくん……」
「俺が来てる時で良かった。救急車呼んでから洗ってあげるから」

汚い吐瀉物にまみれた僕の頬と髪を、ためらいなくその手で拭ってくれた。
彼がこんなに激しい口調でものを言うのは、滅多にないことだ。

幼なじみの僕でもほんの数回しか聞いたことがない。いつも穏やかで控えめなまーくんが、僕にどんなに酷いことをされてもすぐに許してしまうまーくんが、怒鳴る声。 

前に聞いた時も、僕のために怒ってくれた声だった。

優しい子。変わらないな。
清い(きれい)なたましいのまま、大きくなった。
僕のたからもの。






救急車で搬送されたあと、精密検査を受けたけれどあれは精神的なものだから、当然身体には何の異常も出なかった。
夜通し側にいてくれたまーくんが、

「ほんとに異常ないのかな、違う病院でも診てもらったほうがいいよ。」
 
またそう言った。
病院から帰ってきてからもう三回目だ。

「もう、だから大丈夫だって。」

笑って言うと、途端にまーくんの眼からボロボロと涙が溢れた。

「やだよ、雪にぃちゃんに何かあったら、おれ……」

やだ、やだと呟いて両手で顔を覆った。その指の隙間から、涙がこぼれるほど泣いて。

じんじんするよ。
胸の奥があたたかくて、眼の底が疼くんだ。君にすべてを話したらどうなるんだろう。

僕の醜くただれた今までを……。
月曜日にもう一度病院に行くことを約束させられた。それでやっとまーくんは安心してくれたみたいだ。 

「寝てなさい」

と言われて大人しく従った。
昨日僕に無茶をされたせいでヨタヨタ歩くまーくんが作ってくれたお昼ご飯はやっぱりチャーハン。まーくんは相変わらずこれしか作れないんだ。
クスクスと笑ってまーくんを拗ねさせてしまって、慌てて「美味しいよ」「なんだか懐かしくて」と持ち上げたり言い訳したり。


自分が自分であることが嫌で仕方なくなったとき、救ってくれたのはいつもこの子だった。


手を伸ばして少し屈んだ彼の首に手をかけて引き寄せ、そのまま抱き締める。

「っわ、雪にぃちゃん……っ」
「あいしてる」
「あ、」
「愛してるよ。ずっと僕のそばにいて。」
「……っ」
「かわいい。僕のまーくん、いつもいじめてごめんね。泣かせてばっかりでごめんね。かわいいのに、大事なのに意地悪してごめんね。」
「…っ……」
「僕のまーくん」
「……。俺、雪にぃちゃんのもの?」

涙を含んで震える声にぞくりとした。

「も……俺のこと置いて行かない?ずっとそばにいてもいいの?」

遠慮がちに背中に回された手が小さく震えている。
ああ……。
あったかいな。




たいせつな気持ちは、みんな君にもらった。
返すための特別なものは用意できそうもないけど。

この身ひとつを、君のために。





end

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