私の本当の気持ち、彼は知らない

私の本当の気持ち、彼は知らない

8月9日（金）、翌日から盆休みに入るって日だった。
昼休み、遠目から澤樹さんを見つめていた。
「そんなにアイツがいいの？」
「え？」
振り返ると、嘉神カガミさんだった。
澤樹さんと同じ部署だった時、嘉神さんも同じだった。澤樹さんより２年先輩で、当時は仲良くて、もう1人の白川さんと4人で、よく食事に行ってた。嘉神さんと白川さんは同期で、仲良いとゆうか、付き合ってるようだった。
いつの間にか、私と澤樹さんも、2人で会うようになってた。
白川さんは、５月に別の人と結婚して、退社した。最近は嘉神さんとも話す事がなかったので、状況がわからなかった。
嘉神さんは、私の隣に座り、
「今日、俺に付き合ってよ」
「え？」
「断っちゃダメだよ」
「断らないけど、何処に行くの？」
「美味しいものでも食べに行こう」
嘉神さんと2人で出かけた事はなかった。