信じていれば

陽紫葵

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信じていれば

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年末年始は休みをもらった。
人込みには出かけたくなかったので、家でゆっくり過ごした。
お節料理も、慧くんの奥さんに教えてもらって、少しだけ頑張った。慧くんの奥さんは、高校の1年先輩で、奈良の料理がわかるし、上手なのだ。
お正月、仲良く過ごしたおかげで、私のお腹に赤ちゃんが宿った。
ちなみに、初体験は前に済ませてた。
3月から、仕事をセーブすることにした。
発表は、5月になったからだったけど。
スタジオでの仕事を主にし、隼人くんのライブにだけついて行った。
夏は暑さもあり、しんどかったので、休みをもらっていた。
隼人くんは一人出かけて行く日々。
「ごめんね」
「何言ってるんだよ。一人の体じゃないんだからさ」
「うん」
「俺の方こそさ、一緒にいられなくてごめんな」
「ううん」
「この子が生まれるころには、たっぷり休みもらえるようになってるからさ」
「うん」
10月、ほぼ予定通りに私は出産した。
ちょうど、隼人くんが休みでいる夕方だった。
男の子だった。
名前は、『海人』。海なし県に生まれた、海への憧れから付けた。
年明けた頃から、海人を連れて、仕事に出た。
アルバムのレコーディングの続きだ。
スタジオではスタッフの誰かが見てくれていた。
隼人くんの方も同時進行でやってて、私も参加することもあった。
スタッフは、両方掛け持ちの人もいたから。
隼人くんのアルバムは8月、私の方は10月発売で、ツアーも互いに翌春から始まった。
その頃には、シッターさんも頼んで、海人を連れて出た。
「なんかさ、やっぱ、2人の子だよな」
「ん?」
「反応いいってゆうか、リズム感もある。絶対、海人も音楽興味あるんだよ」
「そう、かもね」
私の中では半信半疑だった。
それでも、隼人くんの嬉しそうな顔を見てたら、私も嬉しかった。
いつまでこうやって、一緒に過ごせるんだろう?
こうゆう仕事だから、不安もある。
それでも、今は、楽しみの方が大きい。
信じる人、信じられる人と、同じ歩幅で歩いていく。
私たち家族らしく。
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