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コトハジメ
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お父さんとお母さんは、2人で帰って行き、私はそのままいた。
「依里さん、ごめんなさい」
「え、何?」
「だって、私、勝手に泰之くんの産みのお母さんの事・・・」
「いいのよ。逆にすっきりした」
「え?」
「私たちもね、施設では、泰之の親のことは詳しくは聞かされていなかったの。あの頃ね、お父さんね、自治会の役員してて、特に福祉の担当で、役所の人と、学校とか施設とか回ってたのね。でね、出かけたある日、いきなり泰之を連れてきてね」
「え、初めて聞いた」
「1歳の子をよ。抱っこしたら、離れなかったって。施設の人が離そうとすると泣くんだって。だから、可愛くて連れてきたって」
「え?」
「なのによ、お母さん抱っこしようとしたら、喜んで来たのよ」
「は?」
「お姉ちゃんにもすぐ懐いたし」
「へぇ」
「でもね、おじいちゃんだけには懐かなくて、反対されて、家を出たの」
「じゃあ、俺が来るまでは、あの家にいたってこと?」
「そうよ。なのにね、泰之には寂しい思いさせちゃってごめんね」
「ううん。わかったから。おじいちゃんは怖かったけど、おばあちゃんは優しかった」
「うん、おばあちゃんはね、ずっと気にかけてくれてたわ。おじいちゃんが亡くなって、ほっとしたように、ね」
「まぁ、俺もさ、心配かけたよな。ごめん」
「ううん、わかってるから」
「でも、こうやって今はさ、橙香にも出会えて、なんてゆうか縁があったんだよな」
「そうね」
「橙香、どうした?」
「泰之くん、赤ちゃんの時、可愛かったんだろうなぁ、って」
「あ、そうだ、泰之がうちに来た日に撮った写真あるけど、見る?」
「うん、見たい」
「え、俺も見たことないよ」
「うん、隠してあったの」
依里さんは自分の部屋に取りに行った。
「はいこれ、1枚目は、来た日」
泰之くんが依里さんに抱かれて写ってた。
「もう1枚は・・・」
「誕生日?」
「そう、1か月後ね」
ケーキを前に、家族4人で写ってた。お父さんや、お姉さんには会ったことはない。でも、すぐにわかる。
「可愛い」
「そうか?」
「うん、可愛かったわ」
「今は?」
「え~」
「冗談だよ」
私は小声で、
「かっこいい」
と言った。
「照れるだろ」
「いいじゃん」
「ホント、仲いいわね」
「依里さん、ごめんなさい」
「え、何?」
「だって、私、勝手に泰之くんの産みのお母さんの事・・・」
「いいのよ。逆にすっきりした」
「え?」
「私たちもね、施設では、泰之の親のことは詳しくは聞かされていなかったの。あの頃ね、お父さんね、自治会の役員してて、特に福祉の担当で、役所の人と、学校とか施設とか回ってたのね。でね、出かけたある日、いきなり泰之を連れてきてね」
「え、初めて聞いた」
「1歳の子をよ。抱っこしたら、離れなかったって。施設の人が離そうとすると泣くんだって。だから、可愛くて連れてきたって」
「え?」
「なのによ、お母さん抱っこしようとしたら、喜んで来たのよ」
「は?」
「お姉ちゃんにもすぐ懐いたし」
「へぇ」
「でもね、おじいちゃんだけには懐かなくて、反対されて、家を出たの」
「じゃあ、俺が来るまでは、あの家にいたってこと?」
「そうよ。なのにね、泰之には寂しい思いさせちゃってごめんね」
「ううん。わかったから。おじいちゃんは怖かったけど、おばあちゃんは優しかった」
「うん、おばあちゃんはね、ずっと気にかけてくれてたわ。おじいちゃんが亡くなって、ほっとしたように、ね」
「まぁ、俺もさ、心配かけたよな。ごめん」
「ううん、わかってるから」
「でも、こうやって今はさ、橙香にも出会えて、なんてゆうか縁があったんだよな」
「そうね」
「橙香、どうした?」
「泰之くん、赤ちゃんの時、可愛かったんだろうなぁ、って」
「あ、そうだ、泰之がうちに来た日に撮った写真あるけど、見る?」
「うん、見たい」
「え、俺も見たことないよ」
「うん、隠してあったの」
依里さんは自分の部屋に取りに行った。
「はいこれ、1枚目は、来た日」
泰之くんが依里さんに抱かれて写ってた。
「もう1枚は・・・」
「誕生日?」
「そう、1か月後ね」
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「可愛い」
「そうか?」
「うん、可愛かったわ」
「今は?」
「え~」
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私は小声で、
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「照れるだろ」
「いいじゃん」
「ホント、仲いいわね」
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