25歳のキミへ

陽紫葵

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中学生

25歳のキミへ

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 航くんに初めて会ったのは、私が中学に入学して1か月程が経った頃だった。
昼休み、教室で本を読んでいた時だった。
教室には私以外には誰もいなかった。
ドアが開き、航くんが入ってきた。
航くんは3年生で、私はまだ、認知していなかった。
「克也知らない?」
「ううん」
「そっか、また、ズルかよ」
克也くんは同じクラスだ。
たしか、サッカー部だったかな。きっと、部活の先輩だ。
すぐに戻って行くと思ったけど、中に入ってきて、私の席の前に立った。
「この本、面白い?」
「うん」
私の読んでた本を手に取り、
「ふぅ~ん、なるほでね」
そう言って、戻って行った。
ほぼ入れ替わりで、乃依ちゃんが入ってきた。
乃依ちゃんは、同じクラスで、隣の席で、部活も同じで、今、一番仲がいい。
部活は、美術部だ。
「たぁちゃん、この前の課題さぁ、今週中に提出した方がいいらしいよ」
「そうなの?」
私は、友達からは、たぁちゃんと呼ばれている。1学年一クラスしかないような学校なので、みんな下の名前で呼び合うことが多いのだ。
課題とは、部活のデッサンの課題だった。
「今さぁ、航先輩にすれ違ったんだけど、もしかして、ここに来てた?」
「航先輩って?」
「知らないの?サッカー部のキャプテンだよ」
「そうなの?」
あの人がそう?
私たちの教室は突き当りなので、その先はない。
乃依ちゃんと美術室に向かい、昼休み中も課題に取り組んだ。
今まで気付かなかったけど、美術室からグランドが見えて、サッカー部の練習風景も見えてた。
私は気が付いたら、サッカー部の光景を書いてた。
「あれ?たぁちゃん、知らないとか言って、サッカー好きだったの?」
「え、別に、何となく」
「へぇ、そうなの?」
部活の時間、見回りに来た顧問の尼野先生に、
「藤澤さん、動きがあっていいわよ」
と言われて、嬉しくなった。
この絵を仕上げ、提出することにした。
6月、校内の文化展に展示された。
展示されていた、美術室にいると、航くんが入ってきて、
「この絵、君の?」
「はい」
「もしかして、これ、俺?」
絵の中の一人を指した。
ズバリなのだけど、
「そうかもしれない」
「上手いんだね、たぁちゃん」
「え?」
「この前、そう呼ばれてただろ?」
「え?」
その時、乃依ちゃんが来て、
「たぁちゃん」
と呼んだ。
「ほら」
そう言って、離れて行った。
「やっぱ、航先輩と知り合いなの?」
「知り合いってわけじゃない」
「どうゆうこと?」
この前の教室でのことを話した。
「それでも、羨ましいよ、航先輩と話せるなんて」
そう言われてもね・・・。
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